【一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2020年9月~)】

2020年9月30日
 くれないに輝く楓信州よ
 =伊神舞子の<白猫俳句minuetto-mi>から

 水曜日。アッという間に10日間が過ぎ、あすは十五夜お月さま。中秋の名月。満月だ。

 東京電力福島第一原発事故発生時に住んでいた福島県、隣接の宮城、茨城、栃木三県で被災した約3650人が国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁(上田哲裁判長)が30日、国と東電に対して原告3550人に計約10億1000万円を賠償するよう命じた。約2900人への計約5億円の賠償を命じた一審福島地裁判決より踏み込み、救済範囲を広げた。中日新聞によれば、今回の判決は「国も津波の襲来を予見でき、対策を講じていれば事故は防げた」と断罪。原告弁護団も「大きく前進した画期的な判決だ」と評価している。

 原発被災訴訟で国の責任を初認定した二審判決を原発記者でも知られる片山夏子記者の解説入りで大きく1面で報じた中日新聞朝刊
 

 日本相撲協会は30日、東京の両国国技館で開いた11月場所(11月8日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、9月場所(秋場所)で13勝2敗で初優勝した東関脇正代=本名正代直也、熊本県出身、時津風部屋=の大関昇進を満場一致で決めた。この後、協会は時津風部屋に使者を派遣し、昇進を伝達。正代は伝達式の口上で「大関の名に恥じぬよう、至誠一貫の精神で相撲道にまい進してまいります」と述べた。

 口上を終え、ホッとした表情で抱負を述べる正代(NHKの画面から)
 

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 さてこの十日間というもの、私と相棒の、いや大いなるケンカ相手の舞は相変わらず、昔と何ひとつ変わることなく時に大ゲンカをしながら、互いに大声でトコトン罵り合って生きてきた(罵り合う表現、はあまりよくない。〝トコトン張り合って〟とした方がよい、かもしれない)。若い時のままである。
 ふたりとも血の気が多く、それぞれ自分なりには一生懸命ではあるのだが。時には、譲れない互いの強い精神力、いや意地といったらよいのか。主義、主張、考え方が違い、がっぷり4つとなり一歩も退かない、はらはらドキドキする場面とぶち当たることも何度か。いくつになっても、危ない橋をわたりながらの人生街道ではある。
 とはいえ、6月27日に発生した舞の左大腿骨骨折による4時間にも及んだ手術(同30日)、その後の入院、リハビリ、そして退院間もなくのヨチヨチ歩きという現実の中、今月(9月)1日に自らの強い意志でリサイクルショップ「ミヌエット」を再開させ、とうとう一カ月間をやり通した。この強靭なる精神力と努力、執念には心から敬意を表し賛辞と拍手を送りたい。三重県志摩半島の真珠の海、英虞湾のほとりの鵜方で地方記者生活をしていた若き私の元に、ある日突然、まるでスカイダイビングでもするように彗星のごとく飛び込んできたあの可憐なる無鉄砲だった長い髪をしたミニスカートの少女が、その後数え知れないほど多くのことがあったが、これらを一つひとつ乗り越え、これほどまでに逞しく、かつ生意気に(この表現もよくないか)、したたかに育ってくれたのである。

 私自身もこの一カ月間、舞のお店への欠かさない送り迎えに始まり、県ライフ共済や自転車障害金請求のための入院手術証明書や事故状況報告書など各種書類の準備と整理、そして最寄りの機関、保険会社への提出はじめ、地元江南署による現場検証への立ち会い、舞の手術後の検診(レントゲンとCTの検診)とリハビリ、これとは別に先日行った脳のMRI検査の結果に関する受診で江南厚生病院を訪れるなど、ナンダカンダとやることが多く、いやはや、これまでの【白河夜船のようだった私の生活】は一変。相棒、すなわち舞が私にとっていかに重要な存在であるか、を、またしても身をもって痛感させられた。

 それどころか、ことし6月1日に天下晴れて満百歳になったばかりの私たち自慢の私の母までが、お世話になっている日進市内の老健施設内で敬老の日の前日の20日夜に運悪く、転んでしまい、舞と同じ左大腿部の骨折という大変な不幸に襲われてしまい、隣の国際病院に入院した。付き合いが良いというか。夫婦でなんとも言い知れない悲しさを味わった。というわけで、私と舞は28日に名鉄電車と地下鉄を乗り継いで日進の病院に母を見舞ったが、病床での母のくやしさがビンビン伝わってきたのである。
 病床にいて激痛に耐えながらも、孫の名前一人ひとりをしっかりあげて、それぞれの性格と現在の状況についてものの見事に話して見せる母。そんな母によれば、▽コロナ禍で手術室が使えない▽高齢なので腎臓や心臓が弱っている、などの理由から「担当の先生とふたりきりで、じっくりお話させて頂いたが、先生はじめ、こどもたちにも迷惑をかけてはいけないので手術は止めることになった」「ほんとは、おかあちゃん。今でも手術してほしいのだよ」などといった話を母自らの口から聴き、「どんなにか。辛く悔しいだろう」と涙が出た。
「でも、さ。おふくろ。頭はまだまだしっかりしているのだから。モノは考えようだよ。手術してもらえなくても、車いす生活になれば、この先転ぶ心配はなくなる。俺たちも、これから出来るだけ来るようにするから、とりあえず、あと1年は生きようよ。1年たったら、また1年生きればいい。いいね。分かった。いつまでも生き続けてね。おふくろさん」。私たちは病床でこう励まして、帰ってきた。

 あんた、また綺麗になったね。足は大丈夫。だいじにせんといかんよ、と握手する母と舞
 
 母に会え、とても嬉しそうな舞(愛泉館名古屋国際病院にて)
 
 1年ほど前「わたしは車いすではなく、自分の足で歩いているんよ」と話していた時の母。江南市和田の実家で
 

 おかげで、なんだか、このところは舞とおふくろ2人の足の痛みがドンと私の全身に乗り移ってきたみたいで、私自身、両足と腰痛に耐え、やっとの思いで歩きながら、毎日、朝と夕方の二度、舞の店までの送り迎えをしている(ほかにコンビニで買った昼食を届けることも、だ)。それどころか、きのう、舞は病院での診察の帰りに突然、私たちの畑である【エデンの東(私たちが、こう名付けた)】に行きたい、いこうよーと言い出し、出向いたまではいいが「(サツマイモを)きょうのうちに全部掘り出してしまわなきゃ」と言ってきかず、それこそ傍から見れば半身不随にも似た老夫妻が畑に張り付いて何やらイモ畑に張り付いて収穫をしている―そんなみじめで醜い光景の展開となったのである。
 やれやれで、作業後、私の全身は、疲れでしばらくの間ほとんど動かなくなってしまった。私は不自由なからだを這わせ夢中でイモの収穫に挑む彼女を前に、とうとう爆弾を破裂させた。「おまえ。何を考えとるのだ。せっかく、よくなりつつあるのに。手術してまもない足が、また脱臼でもしたらどうするのだ」と叱り飛ばしたのである。さすがに彼女も少しは、おとなしくなりはしたのだが。
 ただ、いったん作業を始めてしまった舞は例によって私の怒りなどなんのそので、真っ向から抵抗するように、アレヨアレヨと言う間に、とうとう一画の畑のイモ全部を収穫してしまったのである(もちろん私も手伝った)。なんとおトロしい(能登の方言で、恐ろしいの意)。女は魔物、悪魔だと正直つくづく、そう思った。まだ骨折し手術した左足は回復途上でヨチヨチ歩きなのに。一体全体、どこにあんな底力が潜んでいるのだろうか。これまで甘やかしてきた付けがきたのか。ほんとうに、私に対してはどこまでもわがままなのである。

 一心不乱にイモの収穫に挑む舞と、彼女によって掘り起こされたおいしそうな、おイモさんたち=エデンの東にて。29日写す
 
 

 このことを、たまたまわが家にけさ、自家製の茄子とピーマンを持ってきてくれた妹に言うと、彼女いわく「お兄ちゃん、叱っちゃだめだよ。たつ江さん(舞)命がけでやってくれているのだから。もう絶対、叱るなんてことしないでネ。お兄ちゃんが悪い。たつ江さん、ホントに、よう、やっているよ。お兄ちゃんが悪い」ときた。というわけで、結局は私が叱られてしまった。トホホ、とは。このことか。

 いずれにせよ、私は舞が元通りになってくれ、この界隈の女性たちの雑談から悩みごと相談まで、なんでも聴いてあげることが出来るような、そんな【おばちゃんたちの駆け込み寺同然ともいえる舞の店、リサイクルショップ「ミヌエット」を再開させた】、その辣腕と情熱には敬意を表している。むろん、お客さんたち一人ひとりの心からの舞に対する声援と励ましがあればこそ、の話ではあるが。テレワークも含めた仕事に忙しいシステムエンジニアの息子はむろん、いつも心配顔で玄関先まで送り迎えをしてくれる白狐のシロちゃん、愛猫オーロラレインボーも含め、みんな舞の安全なる復活を望んでいるのだ(シロちゃんについては、本紙<世界の窓>で連載中の「シロはなんでも知っている」で続編を書くことにしている)。
 ここで無茶したら、取り返しがつかなくなる。ちょっとくらい、遅れても構わない。時間は、決して逃げはしない。努力さえすれば、いつだって両手を広げて微笑んで待っていてくれるのだから。ねえ~。シロよ。シロちゃん。おまえだってさ。そう思うだろっ。

 とはいえ、私はといえば、だ。この間もずっと未発表の新しい小説の執筆はじめ、読者目線に立ったコラムなど重要な依頼原稿の執筆、さらには社交ダンスのブロンズ級ルンバとワルツのレッスンにも挑んでいる。だから、時間は毎日足りない。でも、時の方が私たちを待っていてくれる、と。そう信じて日々、生きていくのである。

 お腹にいた私を抱え、幼児だった兄の手を引き、泥の河をただひとり渡り、頭を丸坊主にしてロスケ(ソ連兵)から高粱畑を逃げ回り、敗戦後には二人組の日本兵の強盗にまで襲われ、満州の大陸をあちらこちら逃げ回ったあげく、父と奇跡的に再会。生後間もない私と兄を抱え、戦後引き揚げ船で日本の舞鶴にやっとの思いで帰国する、など。母が歩んだこれまでの100年の道に比べれば、またまだ月とスッポンくらいの差があるに違いない。でも私たちは、その差を埋めていかなければ、と思っている。いまは10月1日午前2時、いやもう3時、4時も過ぎた)。
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 世界のコロナ死者100万人超え。大都市が一つ消えた計算、と考えると慄然。◇コロナショックで3年ぶり下落の基準地価。「人が消えた街」のため息いつまで。――とは、30日付毎日新聞夕刊の【近事片々】氏。
 11月の米大統領選を前に、第1回候補者テレビ討論会が29日夜(日本時間30日午前)、中西部オハイオ州のクリーブランドで開かれ、再選を狙う共和党トランプ大統領(74)と政権奪還をめざす民主党のバイデン前副大統領(77)が初めて直接対決。激しい応酬となった。
 神奈川県座間市のアパートで2017年に男女9人の切断遺体が見つかった事件で強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職白石隆浩被告(29)が30日、東京地裁立川支部で開かれた裁判員裁判の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 1969年(昭和44年)に開業、多くの要人が宿泊した名古屋城近くの名門ホテル「ホテルナゴヤキャッスル」(名古屋市西区)が30日、老朽化による建て替えのため営業を終了。新ホテルの開業は2024年度を予定しているという。どこの新聞にも書いてはなかったが、ナゴヤキャッスルホテルといえば、愛知医大を巡る名古屋の3億円強奪事件の舞台となった、まさにその場所である。当時、サツ回りだった私は、今は亡き〝ミキちゃん(後に中日新聞編集局長になった加藤幹敏さん)〟と毎晩のようにデカ宅やまるぼう(暴力団)の関係筋を夜討ち朝駆けした、まさにあの忘れられない場所である。

2020年9月20日
 パクパクと食べてしまいぬ秋風は
 秋の空思いの丈をダイビング
 =伊神舞子の<白猫の俳句 minuetto-mi>から

 土、日曜日。きのう、きょうと朝に限れば秋ならでは、の涼しさだ。風も心地よく、大気がおいしく感じられる。とても、この清浄さのなかに新型コロナウイルスといったような悪魔たちが潜んでいる、だなんて。一体、だれが思うだろうか。

 濃尾平野上空に現れ出た秋の雲
 

 きのう。土曜日の朝は相棒の舞を市福祉センターまで送り届ける。彼女自身がメンバーとして加わる江南俳句同好会の句会に出席するためだ。前回の句会では自作を届けただけだったので今回から、また再び同好会のみなさまにお世話になり、参加させていただくこととなった。福祉センターの階段を一歩一歩、ふたりで踏みしめて。会場入りをする(私は見送っただけではあるのだが)。そしてきょうは買い出しに続き、舞の両親が眠る古知野の墓、私の父が眠る和田霊苑の順で花を供え、手を合わせてお参りをしたのである。

 このところは、このようにナンダカンダと慌ただしい毎日だが、わが家の俳句猫で白狐のシロちゃん(オーロラレインボー)は、日々、あれやこれや、と先回りするほどに気遣ってくれ、私たちふたりに希望と勇気、そして自信と励ましを与えつづけてくれている。ふたりの外出時には見送りをしてくれ、帰宅すれば決まって玄関まで駆けつけて出迎えてくれる。毎日、そうした日が続く。知らぬ間に姿を消しているので一体どこにと思えば、おかあさん(オカン)の傍らで居たりするので心配はない。安心していてよ、といった表情で静かに座って見守ってくれていたりする。シロちゃん自身【虹猫・コロナ猫 シロは何でも知っている 第3部おかあさん】(この小説は熱砂の「WORLD WINDOW(世界の窓)」で連載中)の執筆で大変忙しいのに。本当に悪いな、と思ってしまう。

 というわけで、このところは、私が〝記者もの〟の作品では、かつて能登半島七尾市にいた現役の新聞記者時代に書き、名古屋の丸善でベストセラーを続け、当時は各界に波紋を投げかけた著作【泣かんとこ 風記者ごん!】(能登印刷)いらいとなる新作【ドサまわり(仮題)】はじめ、他の小説執筆などにも追われ、夜、昼、朝とない日々の連続だ。そんななか、彼女、すなわちシロちゃんは決まって時間をおいて私の部屋も訪れ、私を見上げたかと思えば、じい~っと目を見つめたあと、最近新調してもらったばかりのスカイブルー(ドラゴンズブルー)も鮮やかな首輪を見せながら、ニャン、ニャン、ニャニャア~ンと励ましてもくれている。そんな毎日が、きょうも過ぎていく。

 いつも私たちのことを心配してくれているシロちゃん(オーロラレインボー)
 
 時にはオカンや私への気遣いで疲れ切って熟睡することも
 

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 さて。このところ人類の見えない敵となっている新型コロナウイルスだが現状を見る限り、関係各機関はじめ私たち自身の予防対策や検査態勢の拡充などその効果もあってか、社会・経済活動の再開を背景に日本での感染そのものは比較的落ち着いてきている。4連休初日の19日は列車も、飛行機も春の連休時に比べたら、新幹線は2割から5、6割に。空の便も7、8割から便によっては、ほぼ100%まで出てきた。JR東日本によれば、4連休の新幹線指定席の予約状況は前年比48%減とはいえ、ことし8月のお盆の時期に比べると、だいぶ回復してきているという。また全日空も国内線の19日の予約は8・7万人で2月29日以降、最も多く喜ばしいことである。事実、19日は全国各地の観光地に久しぶりに多くの人々が訪れた。来月1日には「Go Toトラベル」事業の対象に東京発着の旅行も加わる予定だけに、今後どうなるか、に注目したい。
 とはいえ、世界に目を向ければフランス、スペイン、イギリス…と感染の再拡大化が目立っている。スペインなど一部の国では一日に4000人もの感染者が出て、マドリードでは部分的に都市封鎖されたところもあるという。米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によれば、感染者は18日に、世界全体で3000万人を上回り、死者も、その後95万人を超え、致死率は3パーセントだという。具体的には、7月以降は連日、感染者20万人超の上積みが常態化。死者も4月10日に10万人を超えて以降は2~3週間で10万人増える状況が続いているという。
 ちなみに中日新聞によれば、19日現在の感染者は世界全体で3053万1855人、死者は95万2404人に及んでいる(米ジョンズ・ホプキンズ大の集計による)。日本は感染者が同日現在、7万9395人、死者1516人。

 こうしたなか、きのう19日付の中日新聞朝刊総合面に【コロナ抗体短期間で作製 名古屋大など大幅短縮】の見出し。名古屋大学と国立病院機構名古屋医療センターが新型コロナウイルスの抗体を短時間で人工的につくる技術を開発、こんごウイルスの働きを妨げる抗体をつくることで抗体を使う抗原検査の精度向上につながる、と期待されるという。この研究成果は米科学誌のサイエンスアドアドバンシズ電子版にも掲載された。
        
 警視庁と愛知県警本部などから成る合同捜査本部は18日、ジャパンライフ(本社・東京)の健康グッズを使った販売預託商法をめぐり、創業者で元会長、山口隆祥容疑者(78)=東京都文京区=など元幹部ら計14人を、顧客から資金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕。こんご44都道府県の約1万人から約2100億円を違法に集めた巨額詐欺事件とみて実態解明を急ぐ。

 ところで18日付中日朝刊軟派(社会面)トップ記事に【平均71.4歳 若手の懸念 新執行部に東海の自民議員 衆院比例内規は73歳定年/組織の柔軟性が… 】の見出し。菅政権誕生以降、なぜか七十代の人びとの活躍が目立つ。なかでも女性の意気軒高ぶりときたら、たいしたものである。そして。女性の元気さを裏付ける、その写し絵と言ってもいいのが新聞の【くらしの作文】や【女の気持ち】である。私は中日、毎日両紙のこの欄は必ず読むことにしており日々、学ばせて頂いている。

【緊急電】20日夜。10時過ぎ。私の兄からの電話によれば、ことし6月1日に晴れて満100歳を迎えた母が、お世話になっている施設内で転び、舞と同じ左足の大腿部を骨折。高齢のため、それに今は連休中でもあり手術するかどうか、を最寄りの病院と慎重に検討しているという。なんたることだ。それも敬老の日を前にして、だ。人生は喜びもあれば、悲しみもある。特に悲しみは容赦なく、私たちを襲う。
 何も骨折まで舞に付き合ってくれなくてもよいものを。100歳の母は、これまでに何度も「たかのぶ。たつ江さん。早くよくなるように。母はいつもそればかりを祈ってます」との手紙を自慢の達筆でくれていたのに。自分まで足の骨を折ってしまうとは。あぁ~。でも気を取り直して、あとは無事な回復をただひたすらに願うばかりである。ほどなくして私の、かわいい妹からも心配声で電話が入った。人生、悲しいことがあるように楽しいこともあるんだよっ、て。ひとり、口ずさんでみる。
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 政府は19日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う大規模イベントの人数制限を緩和。スポーツイベントは1万人以上の受け入れが可能となり、映画館などは5000人以下の施設なら満席も認められる。世界最高齢に認定されている福岡市の田中力子(かね)さんが18日、117歳260日となり、現在確認できる国内での歴代最高齢の故田島ナビさん=鹿児島県喜界町、2018年死去=の記録に並んだ。
 日本漫画家協会(里中満智子理事長)が18日、第49回日本漫画家協会賞の大賞(カーツーン部門)に中日新聞朝刊で連載している佐藤正明さん(71)の「風刺漫画/政治漫画」を選んだ、と発表。若々しい批評精神や新しい情報の吸収力などが評価されたという。
 ユニークな科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が17日、ニューヨークなどでオンラインで開かれ、ワニの発声方法を研究するなかでヘリウムガスを使うとワニのうなり声も高くなることを発見した京大霊長類研究所の西村剛准教授(45)らの国際研究チームが音響賞を受賞した。日本人のイグ・ノーベル賞受賞は14年連続。西村准教授は「マニアックな研究にも着目してもらえたのは非常にありがたいことだ」と喜びを語った。
 滋賀県で昨年9月、生後1カ月の長男にかみついたとして傷害容疑で逮捕、起訴された県内の二十代女性について大津地検は18日、証拠の歯型が別人のものと取り違えられていたと判断し、起訴を取り下げた。大津地裁は同日、公訴棄却の決定を出した。

2020年9月12日
 スーパーを覗きに来たの赤トンボ
 ツクツクボウシ言いたきことはなんだろう
 =伊神舞子の<白猫の俳句 minuetto-mi>から

 土曜日。本日付中日新聞題字下によれば、きょうは、なんでも【宇宙の日】だそうだ。
 それはそうと、きのうは9月11日。2000年のこの日から翌日にかけ、この地方を襲った東海豪雨、そして翌年、2001年9月11日に起きた米同時中枢多発テロから、いつのまにか、これほどの歳月が流れたとは。それこそ、月日のたつのははやい。東海豪雨の日は鉄道が止まってしまったため当時の一宮市内の自宅からマイカーで新聞社の職場、中日ビル内の文化芸能局に向かった=私はこれより少し前に一宮主管支局長から文化芸能局の部長に転任していた=が、道路が各地で寸断されていたため、かなりの時間をかけ、やっとのこと出社した記憶がある。部員のなかにはわが家が床上浸水で出社どころではない女性スタッフも数人いた。
 またその翌年は、本社編集局に異動した直後で、デスク長席に座った、まさにその日に米ニューヨークやワシントンで同時多発テロが起き、以降というものは世界各地から送られてきた当時主犯とされたウサマ・ビンラディンに関するものなど洪水のごとき記事に来る日も来る日も追い立てられた思い出は今も忘れるわけにはいかない。これらの記事をデスクワークするうち、なぜか不思議とビンラディンのことが気になるようになり、その後、平成16年(2004年)になり、小説<再生>(自著「懺悔の滴」と日本ペンクラブ電子文藝館に収録)として書きあげ、当時大きな反響を呼んだのも今となっては忘れられない思い出である。

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 あれから20年。ことしはこれまで思いもしなかった新型コロナウイルスの感染拡大によるコロナ禍が世界に蔓延、どこもかしこもこれまでの生活様式が一変してしまっている。ちなみに世界各国や米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、9月11日現在の世界の感染者は、2819万1178人、うち死者は90万9927人に及んでいる(日本の感染者は7万5302人、うち死者が1441人)。
 というわけで、町を歩けば、マスク、マスク、またマスク。社交ダンスのレッスンにもマスクと手袋は欠かせない。仕事もテレワークなるものが普及、このところは、かつての美しき良き日々が遠いところに飛んでいってしまった、そんな気がせぬでもない。

 そして。個人的には、こんなコロナ禍のさなかの6月27日に妻、舞が自宅近くで自転車もろとも転倒、左大腿骨頸部を骨折。江南厚生病院での手術、入院に続き、佐藤病院でもリハビリ入院し先月10日に退院、ヨチヨチ歩きながらも9月からやっと自ら営むリサイクルショップ【ミヌエット】の再開にこぎつけるという、思いがけないアクシデントにも襲われた。人生、いつ何が起きるか、知れたものでない。
 お店が再開してからは、弥次喜多道中さながらに私は毎日、朝と夕方、彼女を店まで送り迎えして時にはドラッグストアやコンビニへの買い物にも付き合っている。でも、ネ。そんななか、自宅に帰れば、決まって愛猫、すなわち舞に言わせれば白狐俳句猫(俳号は「白」、本名はオーロラレインボー)のシロちゃんがニャア~ンと、ひと声鳴いて玄関先まで、つぶらな瞳を輝かせて決まって出迎えてくれるのである。こんなわけで、舞が、日々、シロちゃんにどれほど元気づけられているか、は計り知れないものがある。
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 ところで9月10日付中日新聞に【「西班牙風(スペイン風邪)」と言論の自由 桐生悠々を偲んで】の社説。大変、読みごたえのある記事なので、ここに紹介させて頂く。多くの読者の皆さまに目を通して頂ければ何よりだ。そして気になるもうひとつの記事といえば、だ。12日付中日夕刊1面トップの【1779年と2000年 東海豪雨20年 江戸時代の「安永洪水図」名古屋市博物館が解説冊子 助け合いの記録】である。

 10日付中日新聞の社説
 

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 大津市の天台宗総本山・比叡山延暦寺で12日、1571年9月12日に起きた織田信長による焼き打ちの犠牲者数千人を供養する法要が営まわれた。ことしは450回忌にあたり記念行事も検討されたが、新型コロナウイルスの影響で取りやめに。この日は敵味方を区別しない仏教の〝怨親(おんしん)平等〟の精神に基づき、信長らの霊も同時に悼んだという。法要は境内の鎮魂塚の前で5人の僧侶が読経し参列者が焼香し犠牲者を悼んだ。

 西村康稔経済再生担当相が11日、政府の観光支援事業「Go To トラベル」に10月1日から東京都を追加する方針を表明。ただ新型コロナウイルス感染症対策分科会では感染増加を心配する声が相次ぎ、西村氏は記者会見で「9月下旬にかけての感染状況を見極めたうえで最終判断したい」とも述べた。
 文部科学省は11日、スポーツ庁長官に2004年アテネ五輪の陸上男子ハンマー投げ金メダリスト、室伏広治氏(45)が就任すると発表。任期満了で9月末で退任する鈴木大地長官(53)の後任となる。新型コロナウイルスの影響で来年に延期された東京五輪・パラリンピックを控えた日本のスポーツ行政を担う新たなトップで、政府が閣議決定した。
 大相撲の東横綱白鵬(35)=宮城野部屋=と西横綱の鶴竜(35)=陸奥部屋=が秋場所を休場する。複数の横綱が初日から全員不在となるのは、千代の富士と北の湖が全休した1983年夏場所いらい37年ぶり。7月場所中に白鵬は右膝、鶴竜は右ひじを負傷し、途中休場。白鵬は8月に右膝を手術しリハビリ中で歩くのが精いっぱい。鶴竜も思うように回復せず、本格的な稽古が出来ていないという。
 中東のバーレーンが11日、米国の仲介でイスラエルと国交正常化で合意。8月に発表されたアラブ首長国連邦(UAE)に続き、ことしに入りイスラエルと国交正常化で合意したのはアラブ諸国で二カ国目。15日に米ホワイトハウスで開かれるイスラエルとUAEの合意署名式に加わる。

 報道によれば、高校生棋士、藤井聡太王位(18)=棋聖、愛知県瀬戸市=が12日、東京でのJTプロ公式戦2回戦で豊島将之竜王(30)=愛知県一宮市出身=に敗退。藤井王位は2016年のデビューいらい、豊島竜王に公式戦で白星がなく、これで5連敗。
 自民党総裁選に立候補した石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長が12日、日本記者クラブ主催の公開討論会に出席。本命とされ、優勢だとされる菅氏は消費税増税を「10年は考えない」と明言。追う立場の石破、岸田両氏は森友、加計学園や桜を見る会問題の再調査に柔軟な見解を表明した。
 警察庁がNTTドコモの電子マネー決済サービス「ドコモ口座」を使った不正かつ巧妙な預金引き出しの被害拡大を受け、本格的な捜査を開始。口座番号や暗証番号を盗み出した手口などを分析、関与した人物らの特定を急いでいる。これまでの調べによると、犯人グループは銀行口座の番号や暗証番号、生年月日といった個人情報を何らかの方法で不正入手し、本人に成りすましてドコモ口座を開設。不正に入手した情報を使って銀行口座とひも付けさせたうえで預金を引き出しドコモ口座に移したとみられる。
 中日新聞社が12日、60代印刷担当の男性役員が新型コロナウイルスに感染した、と発表。役員は7日から発熱と平熱の状態を繰り返したため、11日に医療機関を受診しPCR検査の結果、12日に陽性と確認された。現在は自宅で待機しており容体は安定しているという。沖縄タイムス社(那覇市)が12日、関連会社出向の総務局付40代男性社員が国の持続化給付金を虚偽申請し100万円を不正受給していた、と発表。こうした不正なコロナ太りは他にも多数、この社会に潜んでいるような、そんな気がしてならない。悪知恵だけは、放置すべきでない。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、新たな基幹ロケット「H3」の主エンジンに不具合が見つかり、本年度中にも予定していた打ち上げを2021年度に遅らせると発表。

 2020年9月5日
 風生るる季かわりめの蜻蛉かな
 =伊神舞子の白猫の俳句<minuetto-mi>から

 土曜日。世の中はトントン、とことん、とことん。とん、と。どこかに向かって勝手気ままに歩いていく。だが、しかしだ。許されて良いことと悪いことがある。あぁ、それなのに。見えない神たちは一体全体どこを目指しているのか。誰ひとりとして分かってはいない。目的地を指し示すこともできない。
 そんな中、私たちは何かに取りつかれ操られでもするように、この世に身を任せている。新型コロナウイルスの感染者は今なお増え続ける。いつになれば終息するのか。世界の感染者は各国や米ジョンズ・ホプキンズ大などの集計によれば、4日現在で2631万9805人(死者は86万9076人)。また日本も4日午後11時半現在で感染者が7万1612人(死者1365人)に達している。
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 つい最近、送られてきた私も属する【脱原発社会をめざす文学者の会】の会報第18号(2020年8月)をじっくり読んだ。井田川の夫婦松(谷本多美子さん)「悪魔の太陽」はいらない(佐藤洋二郎さん)原爆被曝と被爆地―もみのき保育園の事例(天瀬裕康さん)原発を小説で書くこと(村上政彦さん)再処理うちあけはなし(西尾漠さん)九年目の春(森川雅美さん)軽井沢から 朗読館近況(青木裕子さん)と、どれも意欲作ばかりで、全て魂がこもった良い内容で、私は読みながらあらためて原発社会許すまじ、への思いを新たにしたのである。と同時に、地道に続く文学者の会活動、そして会報の存在の大きさを痛感しもした。

 写真は脱原発社会をめざす文学者の会の会報(第18号 2020年8月)
 
 

 さて。4日夜の段階で沖縄・南大東島の南南東約420㌔を西北西に進む台風10号が近づき台風から離れた地域でも太平洋側を中心に警報級の大雨の恐れがあるとして気象庁が警戒を呼び掛けている。ということもあって、まだまだ足に未熟さと危うさの残る舞は今月1日に再開させたリサイクルショップ「ミヌエット」をきのうから急きょ、休業に。引き続き、あすとあさっての日、月も本来の休みなので休業することにしている。
 先の左大腿骨の骨折、手術後の入院リハビリ治療による歩行生活は退院後、少しずつだいぶ良くなってきたとはいえ、まだまだなので舞自身、無理はしない方がよいと思っているのだろう。お店を急きょ休みにした彼女の的確な判断に私は内心、ホッとし拍手を送りたい。(とはいえ、きょう午前、福祉センターであった江南俳句同好会の集まりだけには、あいさつを兼ねて顔を出し作品を届ける。センターまでは私が送り迎えした)。
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 「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御(アンダーコントロール)されています」
 二〇一三年秋、アルゼンチンで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会。東京への五輪招致演説の冒頭で、安倍晋三首相は言い切った。正直、あぜんとしたものだ。……
 あれから七年。汚染水の流出はいまだ止まっていない。
 昨年度平均で一日百八十㌧発生し、多核種除去装置で浄化した処理水を詰めたタンクは千基を超える〝密〟状態。原発敷地内での保管は限界に近づいている。高度処理したはずの処理水からは、新たな放射性物質が検出されており、再浄化の必要もあるという。海洋などへの放出もままならない。……
 フクシマの現実を直視して、3・11の後始末を急ぐこと。そして国民の声に耳を傾け、世界の潮流にのっとって、原発依存から再生可能エネルギーへの切り替えを進めること―。
 これらこそ、国策として原発を推進してきた政府、すなわち後継内閣の責務ではないのだろうか。(5日付中日社説 検証「安倍政治」原発の無責任 現実は「統御」に程遠い)
――上記けさの社説に言うとおり、今こそ原発依存から再生可能エネルギーへの切り替えを進めるべき時ではないか。

 その昔「さんま騒がせで豆腐屋上がったり」といわれた。秋、房州のサンマがどっと入荷して江戸の魚河岸が上を下への大騒ぎとなったのがさんま騒がせ、そんな時は豆腐屋は商売上がったりだったという▲サンマが安くなり、もろにお客を奪われたのが豆腐屋だったのである……▲先週は北海道での大型船の初水揚げ量が昨年の1%だったとのニュースが衝撃を呼んだ。過去最悪の不漁だった昨年の漁獲量4万5800㌧はピーク時の1割足らずだが、調査にもとづく今年の予測はそれを下回る恐れがあるという▲原因の一つは日本近海の海水温の上昇という。……(5日付毎日新聞朝刊<余録>から)
 <余録>に言うとおり、海水温の上昇は、異常気象どころかサンマの水揚げにも大きな影響を及ぼしているのである。

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 4日午前9時10分ごろ、福井県坂井市で震度5弱の地震が発生。気象庁によれば、震源は同県嶺北で震源の深さは約10㌔。地震の規模はマグニチュード5・0。津波は発生しなかった。
 学問の神・菅原道真をまつる北野天満宮(京都市)で4日、天満宮の神職と比叡山延暦寺(大津市)の僧侶が550年ぶりに「北野御霊会」を行い、新型コロナウイルスの退散を祈願したという。
 囲碁の第46期天元戦(中日新聞主催)の挑戦者決定戦が4日、東京の日本棋院であり、白番の一力遼基聖(23)が河野臨九段(39)に百九十八手で中押し勝ちし、井山裕太天元(31)=棋聖・本因坊=への挑戦者に決まった。

 名古屋大学が、新型コロナウイルスの感染拡大防止に関する活動方針を「ウィズコロナ」を軸にした内容に変更。これまでオンラインで実施してきた講義や演習を可能な限り対面型に戻すという。感染防止を図りつつ、学生同士や教員との交流を重視し、原則禁止としていたクラブなどの課外活動も緩和するという。名古屋に唯一存在する落語の一門で4月に亭号を「雷門」から「登龍亭」にあらためた登龍亭一門のお披露目興行が10月1日から4日間、名古屋市中区の大須演芸場十月寄席で開かれる。

 安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選は、出馬表明した菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長の三氏が4日、支持拡大への動きを活発化。菅氏陣営は選対本部を発足。岸田氏は地方行脚を始め、石破氏は政策集「石破ビジョン」を発表。総裁選は8日告示、同日中に演説会と共同記者会見、9日に党青年局・女性局主催の公開討論会、12日に日本記者クラブ主催の討論会を実施し、14日に投開票し、新総裁を選出する。立憲民主党の枝野幸男代表(56)、国民民主党の泉健太政調会長(46)が4日、それぞれ国会内で記者会見。両党などが結成する合流新党の代表選(7日告示、10日投開票)に立候補する意向を表明。
 イタリアのベルルスコーニ元首相(83)が新型コロナウイルス検査で陽性になった。症状はなく、北部ミラノ近郊の自宅で隔離措置を取っている、と地元メディアが2日報じたという。