一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2021年7月~)

2021年7月31日
 31日。土曜日。朝。蝉しぐれがジンジンジンと、容赦なく耳に迫ってくる。このところ、うだるような暑さの毎日が続く。そして7月とも、きょうでおわかれ。舞は、この暑さのなか、がんばって毎朝、お店に出かけ、夕方よろけながら一人で帰ってくる。あまり無理はしないでほしいのだが。そこは、彼女なりの信念と気迫、考えがあってのことだろう。私は毎朝、お店まで自転車を引いて出勤する、そんな彼女の傍らに付き添い、黙って歩く。
 両足に白い包帯を巻いた姿は一見して痛々しくもあるが、そこは慌てず焦らないで、ゆっくりと。回復を待って、静かに見守るほかあるまい。きっと。きっと。必ず、彼女は治る。よくなるはずだ。なんてったって。白狐のシロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫。本名はオーロラレインボー)がおかあさんを守ってくれている。

 きょうもオカン、おかあさんの帰りを玄関先で待つ愛猫シロちゃん
 

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 夕方。空の様子が急に険しくなり、ゴロゴロゴロ、ゴロッの雷鳴とともに大粒の雨が遠慮会釈もなく、ポタポタポタリと降り出し、私はあわてて彼女のことが心配になり執筆の手を止め、外に飛び出した。ちょうど舞が帰るころと時間が重なったためだが幸い、外に出たその前方からこちらに、ふらつきながら一歩一歩、確実に歩いて私の方に近づいてくる女、舞の姿を視界がとらえたのである。私は駆け出しながら「オイッ、大丈夫か」と声をかけたが「大丈夫よ。大丈夫だってば。出てこんでもよいのに」との声にホッとしたのである。

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 東京都内で二十八日、新型コロナウイルスの新規感染者が三千百七十七人に達し、連日の過去最多となった。「第五波」が直撃している中心層はワクチン未接種が多い六十五歳未満。特に二十代は二十八日だけで千人を超えた、とは29日付の中日新聞朝刊<核心>記事。【東京感染最多20代だけで1000人超 第5波未接種層直撃 都、高齢者減「楽観」医療側は懸念】【尾身氏「危機感の共有」強調】といった見出しが感染急拡大の現実と深刻さを伺わせている。

 さらに【感染1万人超3日連続最多 緊急宣言4府県拡大決定】【フェンシング初の金 金17個史上最多 TOKYO2020 第8日】【安倍前首相 不起訴不当 桜夕食会「一部の参加者供述では不足」 地検再捜査へ】とは31日付の中日新聞1面見出しだ。このうち安倍前首相の不起訴不当を議決した東京第一検察審査会が付言として求めた「首相だった者が、秘書がやったことだと言って関知しない姿勢は国民感情として納得できない。疑義が生じた際は、きちんと説明責任を果たすべきだ」は、まったくもってその通りだ。東京地検特捜部のこんごの国民の目線に立った再捜査に期待したい。

 安倍前首相の不起訴不当とフェンシングの金メダルを報じた31日付朝刊紙面
 

 そして。感染拡大、いや感染爆発はきょう31日も留まるところがないのである。この日、日本国内で新たに1万2342人の新型コロナウイルス感染者が報告され、感染者は4日連続で過去最多を更新した。これで1万人を超えたのは3日連続、東京は4058人で過去最多に。感染者の7割が30代以下だったという。感染者の増加は、30日に政府が拡大を決めた緊急事態宣言の対象地域である埼玉、千葉、神奈川でも過去最多に。大阪でも5月8日いらいの千人超えとなる1040人になった。
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 さてオリンピックの方だが。新型コロナウイルスの東京を中心とした第5波の感染爆発と急拡大が指摘されるなか、日本勢の快進撃が連日、続いている。30日もフェンシングの男子エペ団体で山田優(27)=自衛隊、三重県鳥羽市出身=、宇山賢(29)=三菱電機=、加納虹輝(23)=JAL、愛知県あま市出身=、見延和靖(34)=ネクサス、福井県越前市出身=の日本が同競技で初の金メダルに輝いた。
 また、柔道女子78㌔超級でも初出場の素根輝(21)=バーク24=が、前日29日の男子100㌔級のウルフ・アロン(25)=了徳寺大職=、女子78㌔級の浜田尚里(30)=自衛隊=に続いて、優勝。日本勢の金メダルは計17個に達し、1964年東京と2004年アテネ両五輪を上回り史上最多に。このところの日本選手による金メダルラッシュは、お見事の一言に尽きる。ただ31日に行われた今回初採用の男女3選手ずつで争う柔道混合団体は、日本は決勝戦でフランスに4-1で敗れ、銀メダルに終わった。
 このほか、日本選手団代表でもある陸上の山県亮太ら3選手がこの日あった100㍍でまさかの予選落ち。悲喜こもごもの人生劇が繰り広げられたのである。

【柔道復活】の見出しが躍った朝刊紙面。「井上監督 9年の挑戦完結」の見出しも
 

 金メダルを獲得した直後の素根選手と決勝戦の模様(NHK画面から)
 
 

 宇宙や物質の起源に関わる「CP対称性の敗れ」と呼ばれる現象を理論的に説明し、物理学の分野でクォークに関する小林・益川理論で2008年のノーベル物理学賞を受賞した京都大名誉教授、名古屋大特別教授の益川敏英(ますかわ・としひで)さん=名古屋市中川区出身=が23日午前8時40分、上顎歯肉がんのため京都市の自宅で死去。81歳だった。葬儀は家族で営んだという。また戦後日本のオペラ界を代表するソプラノ歌手、伊藤京子(いとう・きょうこ、本名長谷川京=はせがわ・きょう)さんが25日、死去。94歳だった。
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会は31日、大会関連で21人が新たに新型ウイルス検査で陽性になった、と発表。選手の陽性者はゼロだった。大会関連の陽性者は今月1日以降で累計246人となった。【接種完了でも感染リスク 469人中74%/デルタ株多く 米センターが分析】とは、31日付中日新聞夕刊の見出し。
 西洋絵画の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90年)の命日の29日、最期の日々を過ごしたフランス・パリ郊外の村オーヴェール・シュル・オワーズの墓地で親族らによる追悼の儀式が行われた。
 米インターネット通販大手アマゾン・コムは30日付で開示した決算資料で、個人情報の管理を厳しく規制する欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に違反したとして、制裁金7億4600万ユーロ(約971億円)を科す決定を受けたことを明らかにした。米メディアによれば、同保護規則に基づく制裁金としては過去最大。

2021年7月28日
 【黒い雨訴訟 国が上告断念 84人 被爆者手帳交付へ 首相「速やかに救済」】【卓球日本 初の「金」 混合複 水谷・伊藤組 ご近所の絆で中国を逆転】とは、中日新聞の27日付朝刊の1面見出し。そして。きょう28日付同紙の見出しは【東京感染最多に2848人 国内7600人超 緊急宣言効果薄く 首相五輪中止否定】【ソフト米破り金 TOKYO2020第5日】【上野から後藤 未来へ懸け橋 絶対的エースの後継に】といった内容である。

 卓球日本初の「金」など日本勢の快進撃を報じた27日付中日新聞
 
 ソフト13年ぶりの金を報じた28日付中日スポーツ
 
 
 
 というわけで、東京オリンピックが始まり、なにやら何かが加速し、歯車が良い方向に回転し始めた、そんな気がしないでもないのだが。やはり、今回12日からの4回目の緊急事態宣言期間の効果が2週間を経ても一向に見られない新型コロナウイルスの感染拡大化の方が、この先どうなるのか。とても気になる。実際、このまま感染状況の悪化が進むと、こんごの医療提供体制次第ではワクチン接種要因の確保や開催中の五輪に影響する可能性がある、と記事は警告している。
 事実、東京の感染はその後も拡大、28日は前日の2848人をさらに上回り国内で9583人が確認され、過去最多を更新、首都圏の一都3県で60%近くを占め、東京は3177人に。感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)が猛威を振るっており、厚生労働省に助言する専門家組織は「これまでに経験したことがない感染拡大だ」と指摘している。

 さて。開催中の東京五輪は、といえばだ。26日、新競技スケートボードの女子ストリートで西矢椛(13)=ムラサキスポーツ=が金メダルを獲得、中山楓奈(16)=同=も銅メダルを取得した。なかでも西矢は日本歴代最年少の金メダルに輝いた。また、柔道の男子73㌔級では大野将平(29)=旭化成=が前回リオ五輪に続き二連覇を達成。女子57㌔級の芳田司(25)=コマツ=も銅メダルを取得。新種目の卓球混合ダブルスでは水谷隼(32)=木下グループ=、伊藤美誠(20)=スターツ=のペアが決勝で強敵の中国組を破り、日本卓球史上初の金メダルを手にした。体操の男子団体総合は、よく健闘したものの、ロシア・オリンピック委員会(ROC)にわずかに及ばず連覇を逃し2位に甘んじた。

 これにより日本勢の今大会の金メダルは26日の段階で8個に。夏季大会の通算では150個に達した。幸先良いスタートである。柔道の選手の多くがインタビューに応え「(コロナ禍という)このような状況下なのにオリンピックを開いてもらえ、ありがたかった」とすなおに答える姿には、これまで厳しい稽古に明け暮れてきた彼ら彼女たちだけに、感動すら覚えたのである。26日に続いて27日には男子81㌔級で永瀬貴規(27)=旭化成=が準決勝で世界ランキング1位のカッセ選手を破り決勝でもモラエイ選手に勝利して日本男子4日連続の金メダル獲得となった。イラン出身のモラエイ選手は政治的な問題から母国から圧力を受け、モンゴル代表として銀メダルを取得したことに賞賛の声が上がっているという。

 柔道ニッポンの神髄を見せたあと笑顔で語る永瀬と息詰まる熱戦となった決勝戦
 
 

 27日。夜に入り、こんどは北京五輪いらい13年ぶりに戻ってきたソフトボール決勝で日本が米国を2-0で破り、2008年北京五輪いらいの金メダルを獲得。27日現在の金メダルは10個となり、日本の快進撃は留まるところを知らない。一方で、テニスの大坂ナオミが3回戦で敗退、柔道女子63㌔の田代未来(コマツ)も2回戦で敗れたのである。27日は東京五輪新競技のサーフィンでも男子の部で五十嵐カノア(23)=木下グループ=が銀メダル、女子の部で都筑有夢路(20)が銅メダルをそれぞれつかむなど活躍が目立った。
 
 翌28日。この日は競泳女子200㍍個人メドレーで滋賀県彦根市出身の大橋悠依(25)=イトマン東進=が先の400㍍金メダルに続いて優勝し、二冠を達成。体操男子個人総合で橋本大輝選手(19)=順大=も金メダルを獲得。五輪個人総合での最年少王者に輝いた。また柔道女子70㌔級で新井千鶴選手(27)=三井住友海上=も金を獲得、前日に続きメダルラッシュが続いた。
 ただ交通事故など過去、数々の不運のなか、日本の期待を一身に集め本来の実力を出せば金メダルは確実とみられていたバドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(NTT東日本)が一次リーグで敗れて決勝進出を逃したのは、期待が大きかっただけに、残念無念の結果となった。

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 26日。私たちは愛知県江南市内の江南KTXアリーナへ。放射線照射と抗がん剤治療後の足の痛みとむくみ(リンパ腫)を改善するため両足を白い包帯でぐるぐる巻きしたままの舞の2度目の新型コロナウイルスのワクチン接種に付き添うためだったが、これで私に続いて、舞も2回目の接種を無事、終えることが出来、内心ほっとしたのも事実だ(その後の副作用も特にはない)。
 このうえは、この先、舞の病が階段を上るように歩みはのろくとも少しずつ回復してこのまま副作用はむろん、新型コロナウイルスにも襲われることなく、元のあの十分魅力的だったからだに戻ってくれることを、ただひたすらに祈り、願うばかりである。接種の帰りにはふたりで近くの喫茶へ、とあいなった。
 ここでひと休みしたあと、今度は一緒にドコモショップへ。これまで彼女が使用していたいかにも古過ぎる携帯電話、ガラケイとお別れとあいなり、スマホの中でも一番簡単で手ごろだ、とされる【らくらくスマホ】なるものを新しく購入。一番簡単とはいえ、れっきとしたスマホだけに、舞にとってはある意味で彼女の携帯人生を俳句の句作もあわせ、少しは軌道修正する歴史的な、それも期待に満ちた1日となったのである。今後しばらく、慣れるまでは大変だろう。ここは少しずつ習熟してくれるのを待つほかない。

 そしてきのうは二人で久しぶりに一緒に外で食事をし、きょうは「薬がなくなってきた」というので近くの信頼のおけるいつものかかりつけ医の町医者さんへ。あれやこれやと結構、休む間もないが、町医者の医院の壁面に掲げられていた【ことば】が私たちの胸をきゅんと、打ったのである。
 

 28日は土用の丑。というわけで、夜は家族3人で近くの魚仙さんにたのんだ高級なうなぎで、日本選手の活躍も祝って、乾杯とあいなった。
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 参議院の議長や民主党政権時代の法相を務め、旧社会党書記長だった故江田三郎氏の長男、江田五月(えだ・さつき)さんが28日午前、岡山市の病院で肺炎のため亡くなった。岡山市出身。80歳だった。葬儀・告別式は31日午後1時から岡山市のアーバンホール岡南で。喪主は妻京子さん。近親者のみで行い、後日おわかれの会を開く。
 三重県選挙管理委員会は3月28日に行われた伊賀市議選(定数22)の開票結果をめぐり、28日、3票差で落選した次点候補者の異議申し立てを認め、最下位で当選した候補者の当選を無効とする裁決を出した。県選管が票を数え直したところ、最下位当選だった北山太加視さん(65)と3票差の次点だった福村教親さん(59)の得票が1096票で同数になった。裁決が確定すれば、当選人はくじで決まる。

 青森市で27日、巨大な武者燈籠「ねぶた」2台を台車に乗せる「台上げ」があった。東北の夏を代表する「青森ねぶた祭」はコロナ禍のなか2年連続で中止となったが、秋に代替行事でのお披露目をめざすという。
 ロシアのミシュスチン首相が26日、北方領土の択捉島を訪問。大統領に次ぐ政権序列二位の首相の北方四島訪問は2019年8月のメドベージェフ氏いらい2年ぶりで菅政権下では初。加藤勝信官房長官は「北方領土に関する日本の一貫した立場と相いれず極めて遺憾だ」と述べた。
 愛知県警が26日、愛知県一宮市の弁護士矢田政弘容疑者(69)を逮捕。調べによると、愛知県内を中心に偽ブランド品を古物商などに買い取らせる詐欺被害が相次いでおり、矢田弁護士事務所が実行役への偽造品受け渡し場所として使われていた疑いが強いという。

2021年7月25日
 オリンピック百メートル走彼はチーター
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

 世界全域に及ぶ新型コロナウイルスによるコロナ禍の影響で史上初の一年延期となった第三十二回夏季オリンピック東京大会の開会式が、東京が緊急事態宣言下にあるなか、23日夜、東京・新宿の国立競技場で行われ、17日間の大会の幕を開けた。過去最多583選手の日本選手団は、旗手を務めるバスケットボール八村塁(23)=ウィザーズ=とレスリング女子の須崎優衣(22)=早大=が先導し、選手148人が205カ国・地域と難民選手団の最後に無観客の会場を入場行進。感染拡大への不安や大会を前にしての組織委員会の混乱など異例尽くめのなかでの祭典の幕開けとなった。

 東京五輪開幕を報じた24日付の朝刊各紙
 

 日本選手団初の金メダル(柔道男子60㌔級)を報じた25日付朝刊と競泳で再起した池江選手を報じた中日スポーツ
 

 式のクライマックスである最終聖火ランナーは2018年にテニスの全米オープンで日本人として初めてグランドスラムを制した大坂なおみさん(23)が務め、富士山を模した球体の聖火台に点火した。
 1964年の東京大会いらい、57年ぶり2度目の日本での夏季五輪には不参加の北朝鮮をのぞく205カ国・地域と難民選手団を合わせ約1万1千人の選手が参加。8月8日まで史上最多の33競技、339種目が実施される。開会式には選手、役員約6千人が参加。冒頭、大会名誉総裁の天皇陛下、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長、小池百合子都知事、菅義偉首相ら参加者全員が新型コロナの犠牲者に黙とうし、天皇陛下の開会宣言で始まった。この日は開会式に先だって、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」による会場上空の飛行もあり、航空機計6機が午後0時45分過ぎに国立競技場の上空へ。先導する1機を除く5機が赤、緑、黒、黄、青のカラースモークをつかって直径1・2㌔の円を描いてみせたが、五輪マークを描き切るまではいかなかった。

 そして。24日。本格的に始まった競技では、柔道の男子60㌔級で高藤直寿(28)=パーク24=が今大会日本勢初の金メダルを、この階級では2004年アテネ五輪まで三連覇した野村忠弘いらい四大会ぶりに奪取したのである。
 この日は白血病の判明からわずか二年で、これを克服した池江瑠花子(ルネサンス)が女子四百㍍リレーに出場(全体9位で決勝進出はならず)。体操の男子予選で種目別鉄棒に臨んだ個人枠の内村航平(ジョイカル)が衝撃の落下をし、予選で敗退した。25日には競泳女子400㍍個人メドレーで大橋悠依(25)=イトマン東進=が今大会、日本競泳第1号となる金メダルを獲得。今大会初採用のスケートボードでも堀米雄斗(22)=XFLAG=が高得点をそろえて五輪初代王者に。さらに柔道の女子52㌔級で阿部詩(21)=日体大=が、男子66㌔級で兄の阿部一二三(23)=パーク24=がそれぞれ優勝して金メダルを獲得。日本のお家芸柔道で世界最強の兄妹が誕生する、など日本は幸先良いスタートとなった。
 栄光にたどり着いたこれら1人ひとりの競技人生に隠された苦闘と歴史があり、まさに波乱万丈、人生いろいろである。だから、勝負の世界と言っていいスポーツはどれもが面白く、かつ魅力がありドラマチックなのである。

 ここで一連の開会式の主な場面と金メダルに輝いた選手などをピックアップし、記録として残しておこう(NHK総合の東京オリンピック開会式などから)
 開会を宣言される天皇陛下
 
 
 
 
 
 
 
 

 柔道男子66㌔級の熱戦(決勝)と金メダルを獲得した直後の阿部兄妹の表情
 
 
 
 
 
 26日付の中日新聞朝刊1面トップ
 

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 23日夜、NHK総合画面から流れる東京オリンピック開会式。私は五輪発祥の地ギリシャを先頭に各国選手団が皆、だれもが笑顔で次々と色とりどりのマスク姿で入場行進してくる光景、すなわち画面に映る選手一人ひとりの雄々しい姿を見ながら、国別はむろん人種も含め、何よりも多様性のなかを生きる私たち人間の喜びと幸せを感じた。
 スポーツに集うニンゲンたちを見ると、国籍も言語も人種も超えた人としてのひとつの調和のとれた親しさ、そして互いの友情にあふれる新鮮さに満ちた世界の存在をあらためて思ったのである。そこには同時代を生きるひとりとして、戦争などといった争いごとのない人間社会への確信めいた、幸せのような感覚もかんじるのである。
 各国の国旗を手に笑顔で行進し、歩く選手たちは、その一人ひとりが平和の使者として、また国の代表として、そのありがたさを現実のものとして体現して見せてくれた。そして。何よりも、だ。中日スポーツの24日付1面は【緊急事態下の東京五輪開幕 最終ランナー 大坂勇気灯す】といった見出しで、<勇気灯す>とあったが、なかなか良い見出しで、まさにそのとおりだ。敢えて付け足すなら、勇気に希望も付け足し【勇気と希望灯す】は、いかがか。世界の人々に、そんな勇気と希望を与えてくれる、そんな大会になってくれたなら、と願う。

 24日付の中日スポーツ1面
 

 それはそうと、きのうもきょうもだ。早朝、わが家の窓を開けると、いっせいにミンミンミン、ミミン、ミンミンミンミンと力強く、けたたまい蝉時雨がわが家のなかに、まるで見えない空気たちと一緒に洪水となって突進でもしてくるように透明な風の道を、我先にとドッと飛び込んできた。いまは真夏。東京をはじめとした各地でいよいよ夏の祭典が始まったのだ。多くの熱戦が繰り広げられ、そして友情が育まれる。平和なひとときが少しでも醸成されることを祈りたい。
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 23日夜に国立競技場の聖火台にともされた聖火は開会式終了に合わせ消された。大会組織委によれば、消火前の聖火から種火をランタンに取り、24日未明に東京都江東区の臨海部に設置された別の聖火台に点火され、大会期間中、燃え続けるという。
 アテネ大会から5大会連続で重量挙げ女子で五輪出場した三宅宏実選手(35)=いちご=が24日、今大会を最後に現役引退を表明。三宅選手は2012年ロンドン大会の女子48㌔級で、銀メダル、16年リオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得。柔道の谷亮子さんと並んで夏季大会で日本女子の歴代最多出場となった今大会は49㌔級に出場。スナッチで74㌔を挙げたものの、ジャークでは3回とも失敗して記録なしに終わった。

 東京都が24日、新型コロナウイルス感染者が新たに1128人報告された、と発表。1000人台は5日連続。前週土曜日の17日比で282人減だった。4連休は多くの医療機関の休診で検査数が減った影響とみられる。
 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないタイで医療機関の逼迫が深刻化。首都バンコクでは感染力の強い変異株「デルタ株」が感染の8割近くを占め、路上で死亡する人も出ている。23日の発表によれば、新規感染者は1万4500人余で連日、過去最多を更新。死者も100人前後で推移しているという。医療スタッフの感染や人工呼吸器不足で患者の受け入れを制限する病院も続出。警察や軍の施設などに軽症者を受け入れる簡易病院の設置が急がれている、とも聞く。

 東京五輪の開会式には子どもたちも参加して重責を担った。掲揚台まで日本国旗の運搬を先導したり、五輪旗の掲揚時に「オリンピック賛歌」をうたうなど役割を果たした。一方、五輪開幕に合わせ東京都の都内各地では五輪・パラリンピックの中止を求めるデモがあり、参加者は「五輪やめろ、命を守れ」と訴えた。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会は23日、大会関連で新たに海外からの選手3人を含む19人の関係者が新型コロナウイルス検査で陽性になった、と発表。19人は1日当たり最多。事前合宿で来日した選手らを除く大会関連の陽性者は1日以降、初めて三桁に乗り計106人となった。
 菅首相が24日、東京・元赤坂の迎賓館でフランスのマクロン大統領と会談した。東京五輪開催での「安全安心」「共生」といった経験を2024年パリ大会に共有する考えで一致。このところ覇権主義的な動きが目立つ中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた緊密な協力を確認し合ったという。

 東京・上野動物園で誕生したジャイアントパンダの双子の赤ちゃんが23日、生まれて1カ月となった。体重は1㌔前後になり、双子飼育に初挑戦の園職員は「今のところ順調」と安心している。

2021年7月22日
 水鉄砲ひかりあふるる空ねらいうち
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

 木曜日。大暑。海の日(本来は19日だったが、東京五輪の関係で22日になった)。4日続く大型連休初日の休日である。

 東京都が21日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1832人確認された、と発表。1800人台は1月16日いらい。現在のペースで増加した場合、五輪期間中の8月3日の時点で7日間を平均した1日の感染者数が2598人に上る、との試算を専門家が提示。「2週間を待たずに年末年始の第三波をはるかに超える危機的状況になる」と警戒を呼び掛けたという。

 史上初の1年延期となった東京五輪の競技が23日の開会式に先だって21日、始まった。福島市の福島県営あづま球場でソフトボールの日本が一次リーグに臨み、オーストラリアに8―1で快勝。夜には札幌市の札幌ドームでサッカーの女子一次リーグも始まり、日本のサッカー女子代表の「なでしこジャパン」は、カナダと1―1で引き分けた。
 日本相撲協会が21日、東京都内で大相撲秋場所(9月12日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、照ノ富士(29)=本名ガントルガ・ガンエルデネ、モンゴル出身。伊勢ケ浜部屋=の第73代横綱昇進を正式に決めた。新横綱の誕生は2017年初場所後の稀勢の里いらい、4年半ぶり。令和に入ってからは初で、モンゴル出身力士としては5人目となった。照ノ富士は両ひざのけがなどで大関から序二段まで転落したが、ことし春場所後に21場所ぶりに大関への返り咲きを果たした。春、夏場所と連続優勝、名古屋場所でも14勝1敗の好成績を収めた。
 この日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋での伝達式に臨んだ照ノ富士は使者を前に、おかみさんらと相談して選んだという言葉「不動心を心がけ、横綱の品格、力量の向上に努めます」と口上を述べ、角界の頂点に立った覚悟を誓った。土俵入りは師匠(伊勢ケ浜親方、元横綱・旭富士)と同じ不知火(しらぬい)型を選んだ。

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 昨年の左足大腿部の骨折(6月27日)と手術、リハビリ入退院に続く、これまで思いもしていなかった(というのは、私と舞の家系に、これまでガンになった例は皆無だからだ)子宮がんの放射線照射と抗がん剤投与という入院治療からの脱出、退院、その後の随時治療…と、このところ執拗に襲いきた病と傷だらけになって闘う私の妻、舞。
 その彼女は、きょうも両足ともに白い包帯でぐるぐる巻きにして痛々しい足を自転車のハンドルを支えに、一歩、二歩、また三歩、四歩と前に出し、ヨチヨチ歩きながら自ら営むボランティア同然のリサイクルショップ「ミヌエット」に出勤。年内で閉めるのだ、というお店までは当然ながら、心配なので私が自転車の横に寄り添って一緒に歩いて送る。傍から見れば、まさに珍道中かもしれぬが、これはこれで大変ではある。それでも、この年になって一歩一歩ふたりの愛が限りなく育まれていくようで結構、それはそれなりに味わい深い。付き添うということは。当然、舞がいつの日か、きっと、この難敵を退治し立ち上がり、復活してくれる、と。そう信じているからだ。

 そして。この出発劇を毎朝、心配そうな顔をして玄関先で見送るシロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫。本名はオーロラレインボー)。このところは、こんな日々の繰り返しでもある。店に着くと、舞はまず店長でもある縫いぐるみのクマさんを店先に出し、これを終えると店内にある古時計(柱時計)のネジを巻く。このこと自体、ひとつひとつが今の彼女には、大変労力のいる作業なのだ。こうして、やっと一息つく舞。しばらくすると、今度は何やら、店内のもの一つひとつの後片付けに忙しく、やがて馴染み客がちらほら店を訪れはじめる。当然ながら、舞は、そんなお客さんの応対にも忙しい。
 それとは別に、きょうは朝、お店に着くや、店長であるクマさんの衣装替えをする、ということで役には立たないと知りつつ私も手伝いはしたのだが。途中から「もう、いいよ。かえって邪魔なのだから」と言われ、退散とあいなった。やむなく彼女が整理途中で、処分しようとしていた西村賢太の「苦役列車」と春日井建の「処女詩集」を手に帰宅したが、なんだか掘り出し物を手にしたような、わざと私に渡されたような、そんな気持ちにもなったのである。

 このところは、ほかに子宮がんの手術や放射線照射後になりがちだ、とされる足がむくんで腫れるリンパ浮腫にも悩む彼女、舞と一緒に浮腫専門の女性看護師さんから教えてもらった両足への包帯投与(ぐるぐる巻き)も私にとっては、欠かせない彼女への奉仕なのである。おかげで、20日の治療では担当の看護師さんから「膝から下は、だいぶ腫れがひきましたね。ヨシッ、この調子で」と励まされ、意を強くしたが、舞の足は、もともと若いころからとてもステキだった。それだけに、なんとかして元に戻して今一度若返らせなくては、と思っている。

    ※    ※
(午後5時半ごろ。ここまで書き進めたところで、ナンダカ家の外がざわざわし、やがてわが家の呼び鈴が鳴ったので玄関を開けると、色白の女性が妻を伴って「奥さん、ふらふらで、そこの路上で倒れていなさったので」とのこと。その親切に心から礼を言い「おまえ、どうしたのだ。ダメじゃないか」と叱責すると「自転車の重心が買い物袋の重さで片方に移ってしまい、転んだだけ。なかなか立てないでいたところを起こしてくださった。大丈夫だよ」とのこと。というわけで、毎日毎日、たいやきくんのように私たちは熱い鉄板の上を歩いているのである。いや、ダモクレスの剣の下を、かもしれない。とは言ったところで人間だれとて、いつ何時、どこで天変地異や事故に襲われるかもしれない。いまを真剣に生きていくほかないのである。
 しばらくして舞いわく「あなたは、いつだって、肝心な時にきてくれないのだから」と。でも、今にして思えばシロちゃんがざわざわと玄関の方に行ったり来たりしており、シロちゃんはこの緊急事態をいち早く知り、私に知らせようとしてくれていたのである)。

 やれやれ、きょう1日は、ほかに執筆や新聞のチェックなどもこなして、こうして過ぎていったのである。ここは舞の無事、安全に乾杯して、こんごの地道な回復を祈ろう。

 衣装替えをしてもらう縫いぐるみの店長クマさん
 
 
 いつだって、おかあさんの帰りを心配して待つシロちゃん
 
 

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 学校関係者に新型コロナウイルスの感染者が出たため第103回全国高校野球選手権鳥取大会への出場を一度は辞退しながら一転、出場が決まった私立米子松蔭高校の再試合が21日、米子市内で開かれた。17日に行われる予定だった境高との初戦(2回戦)で九回裏に3点を入れ、3―2で逆転サヨナラ勝ち。星稜高校(石川県金沢市)が21日、生徒8人の新型コロナウイルス感染を確認した、と発表。うち6人が野球部員で開催中の夏の高校野球石川大会で予定されていた準々決勝への出場辞退を決めた。
 【中国豪雨120万人被災 河南省「1000年に一度」冠水被害 台湾総統が哀悼】【米、デルタ株 感染の83% ホワイトハウス接種済み職員陽性】【中国との競争「21世紀を決める」 米政権半年 改めて決意】とは、22日付中日新聞国際面の見出しだ。
 東京五輪ウガンダ選手団の一員として来日後、事前合宿先の大阪府泉佐野市滞在中に失踪、その後三重県四日市市内で保護された男子重量挙げのジュリアス・セチトレコ選手(20)が21日深夜、成田空港から帰国の途についた。
 東京五輪の開会式の演出の調整役だった小林賢太郎氏が過去、ユダヤ人大量虐殺をネタにしていたことがわかり、橋本聖子組織委会長が謝罪、小林氏の解任を発表した。開会式について橋本会長は「全体を見直し、早急に結論を出す」と述べている。

2021年7月19日
 夏だぞと窓越しせまる空の青
 何もかも暑さのせいにしておこう
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

【デルタ株猛威 中部も警戒】【愛知や岐阜 市中感染疑いも】とは、本日19日付の中日新聞1面の見出しである。そして前文リードでは『感染力が強いとされ、各国で猛威を振るう新型コロナウイルスのデルタ株(インドで確認された変異株)。国内では、デルタ株が広がる東京都などで新規感染者が再び急増中だ。中部地方でも感染者や疑い例がじわじわと増え、専門家はデルタ株の波及は「時間の問題」だと指摘。ワクチン接種をいかに迅速に進めるかが改めて問われている。』と注意を促している。
 東京都が18日、新型コロナウイルス感染者が1008人報告された、と発表。5日連続の1000人台で、直近7日間を平均した1日当たりの感染者数は1068・3人で前週比は145・6%。死者はいなかった。新規感染者のうち、20代が最多の326人で経路不明は607人だったという。この日は東京五輪・パラリンピック組織委員会も東京・晴海の選手村に滞在する海外からの選手ふたりが新型コロナウイルス検査で陽性になったと発表した。

    ※    ※
 18日の歴史に残るニュースといえば、やはり2年ぶりに開催された大相撲名古屋場所(中日新聞社共催)千秋楽の進退を懸けて6場所連続休場から復帰した東横綱白鵬(36)=本名白鵬翔、モンゴル出身、宮城野部屋=と東大関照ノ富士(29)=本名ガントルガ・ガンエルデネ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=の全勝同士の激突だろう。勝負は歓声が封印された一種独特の熱気のなか、息詰まる熱戦となったが、白鵬が照ノ富士を小手投げで制し、七場所ぶりの優勝を飾ったのである。白鵬の全勝優勝は2019年春場所いらいで、自身が持つ最多優勝記録を「45」に伸ばした。
 また、負けた照ノ富士も三場所連続優勝こそ逃したが、14勝1敗の好成績で横綱昇進を確実にしたのである。ここは両者に心からの賛辞と敬意を表したい。優勝インタビューに白鵬は「3月に手術して、もう2度と土俵には上がれないのでは、とも思いました。肉体的にも精神的にも追い込まれ、右膝がポロポロでいうことをきかなかったが、よかったです。15年前この名古屋に新横綱できています。(このあとの目標は、には)あと一勝で九百勝。一勝を目指して頑張ります」などと答え、偽りなき実感が人々の胸を打った。白鵬は最後に「なごやの皆さん、十五日間ありがとうございました」と礼を言うことも忘れなかった。
 まさに心配りもあって立派な不世出の横綱である。あとは、勝ちにこだわるあまりの【ひじ打ち。かち上げ。張り手。見苦しい独りよがりの立ち会い】など日本の美しい文化に反する横綱らしからぬ醜い所作さえのぞけば、もう、これはそれこそ立派な大横綱だ、と言っていい。大相撲発展のためにも、名実ともに一層の奮闘努力、そして精進を願うものである。

 というわけで、この日の名勝負とインタビュー、桟敷席の白鵬の家族の表情などを19日付中日スポーツと中日新聞運動面、NHKのテレビ画面からここに記録としてとどめておきたい。
 
 
 
 
 
 
 

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 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人の計84人が犠牲となった宮城県石巻市立大川小の校舎が震災遺構として整備され18日、一般公開。大川小の一角に新設された展示施設「大川震災伝承館」には児童たちの息遣いや面影が残る展示などが地域防災を考える内容となっている。
 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件が18日、発生から2年に。事件が発生した午前10時半過ぎ、現場となった京都市伏見区の第一スタジオ跡地で追悼式が開かれた。
 フランス南部のカンヌで開かれていた第74回カンヌ国際映画祭の審査発表が17日夜(日本時間18日未明)あり、コンペティション部門で「ドライブ・マイ・カー」の浜口竜介監督(42)と大江崇允さん(40)が脚本賞を受賞。日本人の同賞受賞は初めて。

 米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(27)が18日、アナハイムのエンゼルスタジアムで行われたマリナーズ戦の九回に後半戦初本塁打となる34号2ランを放ち、日本選手初の本塁打王へ再スタート。一方、報道によれば、初めて1軍で前半戦を完走した中日ドラゴンズの根尾が17日から2軍の練習に参加。中断期間中に打撃の確実性を高めることを誓ったという。根尾よ! がんばれ。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は18日、国際オリンピック委員会(IOC)や五輪の関係者を招いた歓迎会を東京・元赤坂の迎賓館で開催。橋本聖子会長のほか、バッハ会長、菅義偉首相、小池百合子都知事ら約40人が出席した。東京五輪・パラリンピックでトップスポンサーを務めるトヨタ自動車が19日、五輪期間中に放映するため作成していたテレビCMについて、国内での放送を見送ることを明らかにした。共同通信が17、18両日実施した全国電話世論調査によると、菅内閣の支持率は35・9%で6月の前回調査から8・1%急落、昨年9月の内閣発足いらい最低に。
 五輪といえば19日付中日新聞本紙総合面に「被災地食材 五輪で影薄く 選手村食堂に産地表示無し 一部参加国が懸念 風評あらがえず」の見出し。その東京五輪に参加する南アフリカのサッカー男子代表チームの3人が東京・晴海の選手村滞在中に新型コロナウイルス検査で陽性となり、大会組織委員会は19日、21人の濃厚接触者が確認された、と発表。組織委や国際サッカー連盟が22日の一次リーグ初戦実施の可否について調整に入ったという。

 東京五輪開会式の作曲担当の1人だったミュージシャン小山田圭吾氏(52)が19日、引責辞任した。過去に雑誌のインタビューで同級生を箱に閉じ込めたり、障害のある生徒をからかったりしたことなど少年時代の障害者らへの凄惨な自らによるいじめを雑誌に語るなど学生時代のいじめについて反省もしないで告白。批判を浴びていたもので自身のツイッターで「配慮に欠けていた」と謝罪。組織委が本人の申し出を受けて受理した。
 報道によれば、東京五輪の事前合宿で来日し、所在不明となっているウガンダ選手団団員で重量挙げのジュリアス・セチトレコ選手(20)とみられる男性が失踪当日の16日朝、JR名古屋駅にいたことが分かったという。関係者によると、16日、名古屋駅や周辺に設置されている防犯カメラにセチトレコ選手とみられる男性が歩いている様子が写っていた。「仕事がしたいと言ってござるそうだ。電話をしてくれたら力になる」とは名古屋の河村市長。

 山口百恵さんや松田聖子さんらのヒット曲を手掛けた音楽プロデューサーの酒井政利(さかい・まさとし)さんが16日、心不全のため東京都内の病院で死去。85歳だった。和歌山県出身。立教大を卒業後、日本コロムビアに入社。1964年の日本レコード大賞を受賞した青山和子さんの「愛と死を見つめて」などを担当した。

2021年7月16日
 ゴロゴロと雨降る前に草むしる
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

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 気象庁が16日午前11時、「関東甲信、東北地方が梅雨明けしたとみられる」と発表。関東甲信では3日、東北南部では8日、東北北部では12日平年より早い梅雨明けとなった。
 16日で開幕まで1週間となった東京五輪を前に、新型コロナウイルスの感染拡大が依然、心配である。東京都は15日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1308人報告され、4人が死亡したと発表。感染者は2日連続で千人台となり、14日の1149人をさらに上回った。1300人を超えるのは1485人だった1月21日いらい、約半年ぶりの高水準となった。新規感染者のうち年代別では20代が450人で最多、30代と40人台も200人台に上った。これに対して65歳以上は45人で、ワクチン接種が進んでいない世代での感染拡大が目立っている。この危機を乗り切るためにも、このうえは若い世代に対する接種が急務と言ってよい。

 また15日は、全国では新たに3418人の感染者が確認され、重症者は前日から16人減って396人、死者は22人増え計1万5032人。大阪府で2人、埼玉、兵庫、福岡県で各1人、過去に発表した感染者の取り下げがあったという。

 私自身、7月13日に地元愛知県江南市内のKTXアリーナで2度目の接種を終えた(舞は今月5日に一回目の接種を終え、26日に2回目が予定されている)が、幸い1、2回目ともに副反応に悩まされることはなかった。いずれにせよ、新型コロナウイルスには、この世から1日も早く撤退してほしく願うのは私ばかりでなく、人類共通の偽らざる思いだといえよう。

 7月15日現在の【世界の新型コロナウイルス感染者】(16日付中日新聞朝刊から)
 

 本日、16日付中日新聞朝刊によれば、政府が原発の運転に関する「原則40年間、最長60年間」の法定機関の延長を検討していることが分かったという。自民党や経済界の一部が求める新増設やリプレース(建て替え)は、世論の強い反発が予想されるため見送って、既存原発の長期的な活用を模索しようというのだ。ただ老朽化による安全性への懸念が強まることは避けられず、地元自治体や住民の反発も予想されている。一方で菅義偉首相が掲げる「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を理由に原発活用への揺り戻しも心配されるだけに、この先どうなるか。目が離せない。

【原発 規制骨抜き 脱炭素を口実…】の見出しが躍った16日付中日新聞朝刊の『核心』
 

 第165回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が14日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は石沢麻依さん(41)の「貝に続く場所にて」(「群像」六月号)と李琴峰さん(31)の「彼岸花が咲く島」(「文学界」三月号)に、直木賞は佐藤究さん(43)の「テスカトリポカ」(KADOKAWA)と澤田瞳子さん(43)の「星落ちて、なお」(文芸春秋)にそれぞれ決まった。

 ――新型コロナウイルスが依然、世界中で猛威を振るう中、英国は国内人口の約八割が住むイングランドで、感染対策として講じた規制をほぼ撤廃する。スポーツ観戦に大勢の観客を入れる実証実験も進める。コロナとの「共生」を目指す試みだが、感染再拡大の懸念は大きい。本当に大丈夫なのか。/英国は十九日から、劇場やコンサートの入場者、集会への参加人数の制限を解除し、ナイトクラブの営業も再開。マスク着用は義務から推奨に格下げし、在宅勤務の奨励も終了する。/スポーツ観戦では実証実験として、大規模スポーツ大会の入場制限を緩和。ロンドンで十一日に開かれたサッカー欧州選手権決勝にはイングランド代表が出場、約六万七千人の観客が詰めかけた。/入場時にウイルス検査の陰性証明やワクチン接種証明の提示を求めたものの、マスク着用は必要としなかった。英国各地でパブリックビューイングも実施され、密状態で騒ぎを繰り広げた。/規制撤廃の背景にあるのはワクチン接種の進展だ。英国では、全成人の三分の二が二回目のワクチン接種を終了している。/しかし、一日の新規感染者数は五月中旬の一日二千~二千五百人から、最近では四万人以上にまで激増している。/感染者の増大は、接種の優先順位が低く、未接種だった若者らがインド由来の「デルタ株」に感染したためで、英政府は大規模会場などでの接種を加速している。……(7月17日付中日朝刊社説から)
 英国のこの姿勢を国際社会はどう見るのか。23日に開会式が行われる東京五輪は首都圏などで無観客観戦となった。社説にも言うとおり、感染者が増え、命と暮らしが脅かされるのでは元も子もない。そのとおりである。

 東京五輪の開幕まで1週間となった16日、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が被爆地の広島市を訪問。平和記念公園の原爆慰霊碑に自身の名前と「平和」と書かれた花輪を献花し雨のなか、黙とう。新型コロナウイルス禍で緊急事態宣言下にあるなかでの五輪開幕を前に「団結なくして平和は実現できない。五輪を通じて平和に尽くしたい」とは、同会長の言である。

 カリブ海の島国ハイチでモイーズ大統領が暗殺された事件は14日で発生から1週間。警察は首謀者としてハイチ人医師を逮捕、襲撃の実行犯28人を特定したが、動機や全体像はなお、多くの謎が残されたままで権力の空白を巡る混乱が心配されている。
 ドイツ西部が14日から15日にかけ集中豪雨に襲われ、複数の地域で洪水などの被害が発生。地元メディアによれば、ラインラント・ブファルツ州などで計42人が死亡。50人以上が行方不明のもようだ、という。その後の報道によれば、ドイツとベルギーで起きた洪水でドイツメディアは16日、両国の死者が118人になったと報じた。なかでも河川の氾濫で多数が犠牲になったドイツ西部ラインラント・ブファルツ州の内相は同日、100人近くが依然行方不明とみられると説明。被害はさらに拡大する可能性があるという。
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 原爆投下直後に降った「黒い雨」を浴びた原告全員を被爆者と認め、被爆者健康手帳の交付を命じた14日の広島高裁判決を受け、原告団と弁護団が15日、被告の広島市に対して上告を断念して速やかに被爆者手帳を交付するよう、申し入れた。午後には広島県にも申し入れた。
 新型コロナウイルスの影響で収入が減った事業者らに支給する政府の持続化給付金を巡り、不正受給の疑いのある申請が1万件を突破する見通しであることが分かったという。さもありなん、周囲を見渡しただけでも、なんとなくそんな不正の輩がいっぱい存在しているように見えなくもないのである。正直者ばかりがバカを見ている、とはこのことか。
 厚生労働省は15日、夫が育児休業を取りやすくするために新設する「出生時育児休業(男性版産休)」の施工日を来年10月1日とする案を労働政策審議会(厚労相の諮問機関)分科会に示し、正式に認められた。愛知県豊田市が15日、LGBTなど性的少数者らを対象とする「市ファミリーシップ宣言」制度を16日から導入する、と発表。将来的に性的少数者を含むカップルが婚姻関係と同等に扱われるだけでなく、その親や子も含め家族として暮らしていける社会をめざすという。
 東急ハンズなどをテナントとして1986年(昭和61年)に開業した名古屋・栄のセントラルパークアネックスビルがことし10月17日で営業を終え、閉館する。近隣商業施設との競争が激化、近年は売り上げが低迷、ビルの老朽化も進むなか、運営会社である親会社セントラルパークが集客施設としての役割を終えた、と判断した。

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡る混乱で河野太郎行政改革担当相が13日の記者会見で自らの不手際を認めた。自治体で相次ぐ接種予約の停止を巡り「もう少し供給量を示し予約ペースを落としてもらう必要があった」と語り、自治体の接種加速が予想を上回っていたことを認め陳謝したという。一方で「同じ新型コロナウイルス対策で酒類の提供停止に応じない飲食店への政府対策は、金融機関による働きかけに続いて酒類販売事業者への取引停止要請も撤回に追い込まれた。法的根拠も欠く対策が十分な検討もなく公表される拙速ぶりに、身内の自民党から集中砲火を浴び、菅義偉首相も責任を問われかねない事態に白旗を掲げざるを得なかった。

 「万能の天才」と呼ばれたレオナルド・ダビンチ(1452~1519年)の子孫にあたる人々が現在もイタリアに計14人いることが、地元研究者らの調査で明らかになった―とは16日付の毎日朝刊。

2021年7月11日
 たんざくの願い届けよ七夕雨
 雨しとどオーイ夏空どこいった
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

 静岡県熱海市伊豆山地区で起きた熱海土石流災害から10日で1週間。これまでに確認された死者は9人(うち7人の身元が判明)だが、9日現在で依然20人が安否不明のままで市内のホテル2カ所では572人が今も避難生活を続け道路や水道、ガスの復旧作業なども十分には進んでいないという。そして【接種二の足悩み深く 持病と副反応不安拭えず 安全性完全には信頼せず】【医師ワクチン安全性高い 集団免疫6割超必要】【福島も一転五輪無観客 感染状況悪化 6都道県に拡大】【捜索 暑さとの闘い 熱海土石流】とは、本日11日付中日朝刊の1面見出しである。
 また同日付社会面では【東京 950人感染 愛知は64人】の見出しで「東京都は10日、新型コロナウイルスの感染者が新たに九百五十人報告されたと発表した。今月三日と比べて二百三十四人増加し、前の週の同じ曜日を上回るのは二十一日連続。直近七日間を平均した一日当たりの新規感染者数は七百人台に上昇して七二〇・一人となり、前週比は127・9%。五十~八十代の男性五人の死亡も確認された」という。

 活発な梅雨前線の影響で10日は九州地方を中心に猛烈な雨となった。気象庁はこの日、鹿児島、宮崎、熊本3県の一部地域にことし初めてとなる大雨特別警報を発表し、土砂災害への警戒を呼び掛けた。なかでも鹿児島県薩摩地方では積乱雲が連続発生する線状降水帯が形成され、気象庁は顕著な大雨情報を速報。

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 それでも、こうした暗い世相のなか、ホッとしたのが9日と10日のバンテリンドームナゴヤでのドラゴンズのDeNA戦か。このうち9日は、中日が3―1で接戦を制して約1カ月ぶりの連勝。この日、先発小笠原は7回1失点で、自己最多の6勝目をあげ、R・マルティネスも9セーブ目を果たしたのに続き、10日のDeNA戦も投打がかみあって6―2で快勝して3連勝。そしてドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で行われている大相撲名古屋場所の方も10日は7日目を迎え、進退をかける横綱白鵬と綱取りをかける大関照ノ富士がそれぞれ7連勝して盛り上がっている。このほか10日は、三重県出身の幕内千代の国が31歳の誕生日のこの日寄り切りで旭大星を破り館内を沸かせた。というのは、前日に第2子となる次女が生まれたこともあって、自身の誕生日にあげた節目の白星が妻と生まれてきてくれた新たな家族への贈り物にもなったからである。

 それはそうと米大リーグエンゼルスの大谷がアナハイムでのレッドソックス戦に「2番・指名打者」でフル出場、2-2の五回に勝ち越しの32号ソロを放ち、2004年の松井秀喜(ヤンキース)の日本選手のシーズン最多本塁打数を更新。メジャー単独トップの座も変わらなかった。4打数2安打1打点、2三振でチームは5―4で勝った。大谷は、やはり、たいした男である。
 たいした男といえば、平成の怪物くんとして多くの人々に親しまれたあの松坂大輔投手(40)が今季限りで引退することとなった。西武が7日発表したもので、松坂投手は昨年7月に受けた脊椎内視鏡頸椎手術の影響で1、2軍ともに登板ゼロ。ドラゴンズ在籍中も含めて、栄光と挫折の23年間に及ぶプロ生活を出発点の西武で自らピリオドを打つこととなった。
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 このところの世の中の動きは、めまぐるしい。これら一連の動きを新聞の見出しに拾って追うと【五輪1都3県無観客 東京来月22日まで緊急宣言 5者協議合意 宮城・福島・静岡・上限1万人】【安心安全迷走の果て 五輪無観客 「振り回された」チケット保有者 小池知事「断腸の思い」 「申し訳ない」組織委橋本会長】【愛知時短午後9時まで 12日から 独自の厳重警戒移行】【「まん延防止」愛知解除へ 医療現場第5波を警戒 変異株増加見通し】(9日付中日朝刊)【東京に聖火歓声なし 公道リレーは島だけ】【ハイチ実行犯17人拘束 大統領暗殺 当局「首謀者は捜索中」】(9日付同夕刊)【「酒提供店金融機関から順守要請」西村担当相発言 政府が撤回 取引停止要請は維持】【行き過ぎた圧力炎上 優越的地位乱用の恐れ】【札幌サッカー無観客 五輪組織委 東京との往来懸念】(10日付中日朝刊)ということになる。

 いずれにせよ、まん延防止等重点措置を適用中の東京都に四度目の緊急事態宣言が12日から発令されるのである。菅首相は記者会見で感染力が強いインド由来のデルタ株の拡大を警戒した、とその理由を説明。11日が期限だった沖縄県の宣言も延長され、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県の重点措置も延長されることになった。

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 さて私はといえば、だ。
 先日、舞の1回目のワクチン接種と彼女の営むリサイクルショップ「ミヌエット」の七夕祭を無事終えたところで8日、ピースボートで知り合った友人とのかねてからの約束もあり、久しぶりに京都へ。京都タワーと近くの東本願寺界隈を見て歩いたあと、JRのISETAN内ゆばと京旬菜のお店「松山閣」で食事して舞にゆばのお土産を手に帰った。途中、雨が降ったり止んだりではあったが、前日朝、自宅近く歯科医院まで彼女を送った時のような豪雨とは打って変わって、むしろ雨のなかを歩いても心地よく感じられるほどの雨であった。

 お東さんでは多くのことばにも教えられた。八日の京都寸景
 
 
 

 以下は、行きの新幹線車内で私がペンを走らせたメモのほんの一部分である。

 外は雨。25年前、大津と大垣の自宅を行き来していたころの景色は、車窓を見る限り何ひとつ変わらない。人も、JR列車も、野も畑も。人々の装いも、である。人のこころ以外には。何もかもがだ。新幹線車内。自由席。それとてマスク、マスクを除けば一見するかぎり、たいして変わりはしない。ただ、席の半分近くが空いている。やはり、異常である。不思議と窓側は全て埋まっている。
 人々は目の前に広がる景色に安らぎを得ようとしているのかもしれない。このコロナ禍の時代のなかで。舞は、きょうもお店に出ている。けふはわが家で愛猫シロちゃんだけが、ただひとり気丈にも留守番をしてくれているのである。いまごろ。だふしてゐるだらふ。

 帰宅後、出迎えてくれたシロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫。本名はオーロラレインボー)
 
 

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 11日付の中日新聞【通風筒】によれば、日本三大盆踊りの一つとされる岐阜県郡上市の郡上おどりのライブ配信が10日夜、始まった。新型コロナウイルスの影響で見送られた通常開催の代替策で当初予定していた31夜のうち9夜で配信し、踊りの輪をつなぐという。
 同じ岐阜県高山市の秋の高山祭(国重要無形民俗文化財)が10月9、10の両日、大幅に規模を縮小して開催されるという。ことしは両日とも午前9時から1時間程度、各町内で屋台をひき回し、1カ所に集結する屋台の曳き揃え、桜山八幡宮でのからくり奉納、ちょうちんを飾った屋台が練り歩く宵祭りはいずれも中止する。
 外食大手ワタミの渡辺美樹会長が8日「お酒だけが原因とされ我々だけが犠牲になっている」と述べ政府の対応に強い不満を表明。酒類提供の停止だけでなく「徹底したロックダウン(都市封鎖)の形を取ってほしい」とも述べ人出が減らない中で酒類提供が制限されることに苦言を呈した。

 戦時中の慰安婦を象徴する少女像などを紹介する企画展「表現の不自由展・その後」を開催中の名古屋市中区の市民ギャラリーに8日、不審な郵便物が届き、職員が開封すると破裂音が。このため愛知県警中署は威力業務妨害の疑いで捜査を始めた。市は安全確保に支障が生じたとして、会期最終日の11日まで臨時休刊する、と発表。

2021年7月6日
 びわの実を踏んづけたよな接種会場
 雨しとどオーイ夏空どこいった
 =伊神舞子
<白猫の俳句minuetto-mi>から

【わが家の日めくりカレンダーから】
 水泳の勝者は水を打ち叩き
 =小林貴子(4日)
 通り雨多き山里袋掛
 =星野高士(5日)

 静岡県熱海市伊豆山地区の土石流災害は、その後、全容が明らかになるにつれ、被害地域が拡大、堆積土が一気に逢初川に沿って集落を襲いながら海に向かって土石流となって流れ出た事実が分かってきた。熱海市は5日、安否が依然として未確認となっている64人の氏名を公表。それまで安否不明となったままだった147人のうち83人の安否は確認したという。また、新たに同市伊豆山の鈴木チヨセさん(82)らの死亡も判明し、死者は7人となった。
 熱海市は土石流が発生した3日の災害発生時に周辺家屋に住んでいた人々の住民基本台帳をもとに安否確認を進め5日正午までに83人の無事を確認したが、安否未確認はなお64人に及んでいた。市はさらに土石流に流された建物は約130棟に上ったとも発表。静岡県警は5日も流された土砂が大量に堆積している東海道新幹線と東海道線の線路付近などを重点的に捜索。安全を確保しながらの作業が続いている。
 避難者数は、5日現在、568人で市が確保した中心部のホテル2カ所などに身を寄せているという。10カ所あった指定避難所の利用者はゼロになったが、3カ所は受け入れ可能な態勢を維持。市内の小学校全7校と中学校全4校は大雨警報などの発令などが続いていることも踏まえて5日は一斉休校とした。
 現場では5日も警備犬や重機も投入して警察などによる懸命な創作活動が続いたが、生存率が急激に下がるとされる「72時間」が迫るなか、作業を祈るように見守る姿が相次いだ。このうち熱海市伊豆山の浜地区では国道135号を分断する形で土砂が堆積。土砂は高いところで建物の二階あたりまで達し、一階のシャッターをなぎ倒し、建物内に入り込んでいるところまであった。

 熱海の巨大土石流を報じる連日の新聞紙面
 
 

 救助に当たる人々と土石流が海に流れ落ちる模様を報じた画面の一部(NHK総合)
 
  
 
 

【41人無事 24人なお不明 熱海土石流 氏名公表で確認 他に5人不明の情報 「72時間」経過 泥と格闘】とは、6日付中日新聞夕刊1面の見出し。事態が今なお、混とんとしている証明だといっていい。

 新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催となった大相撲名古屋場所(中日新聞社共催)が4日、名古屋市中区のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で初日を迎え、進退をかける横綱白鵬は新小結明生をかけなげで下して白星スタート。また綱とりと3場所連続優勝をめざす大関照ノ富士も平幕遠藤を寄り切りで破った。

 バイデン米大統領が独立記念日の4日、ホワイトハウスで演説。「新型コロナウイルスの克服は限りなく近いが、ウイルスとの闘いはまだ終わってはいない。ワクチン接種こそが愛国的な行動であり、感染力が強いインド由来の〝デルタ株〟に備え、国民は接種を受けるように」と呼びかけた。また大統領は、ワクチン開発に当たった科学者や最前線で闘う医療関係者に感謝の意を示し、累計の死者約60万人を追悼したという。
       
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 この世の中、次から次へとナンダカンダと思いがけない悲劇が容赦なく発生し、私たち人間社会を苦しめる。人間たちが日々、悲しみの道を歩いているような、そんな錯覚すら覚えてしまう。それでも人々は思いがけない出来事にたじろぎながらも悲しみをこらえ、前を向いて希望に向かって歩いていくのである。苦しく厳しい、つらい世界を生きていく、のは誰とて同じだ。

 というわけで、わが家では白狐のシロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫。本名はオーロラレインボー)と並んで、わが家の顔でもある私の相棒、舞がきのう5日の午後、愛知県江南市内のKTXアリーナで新型コロナウイルスの一回目のファイザー社製ワクチンの接種を無事、終えたのである。
 彼女の場合、昨年の左足大腿部の骨折とそれに伴う手術、リハビリ生活に続き、ことしに入ってからは子宮頸がんの放射線照射と抗がん剤治療、さらにその後の受診、最近では子宮がん患者の手術、放射線治療後に多く見られる痛みを伴う足のむくみにも悩まされ、まさに満身創痍の身でもある。こうした事情もあり当初、私と一緒に一回目の接種をしてもらう予定が体調不良もあって安全を期して延期したいきさつがある。
 それだけに、きょう何ごともなく、無事に一回目の接種を終えた瞬間を付き添いとして見守り、私は、それこそ嬉しくなり「ばんざい」と叫びたくなってしまったのである。次回、二回目の接種は26日だが、これも無事切り抜け、他の病も含めてすべてに良くなり、再起してくれることを心から願う(幸い、今現在、ワクチン接種によるこれといった副作用もなく推移している)。

 プロ野球の中日ドラゴンズ(強打者)や日本ハム(監督)で活躍し、ドラの現役時代にはあの【一発長打の大島くん】で多くのファンから親しまれた大島康徳さんが大腸がんのため6月30日に東京都内の病院で死去していたことが5日、分かった。70歳。大分県出身。葬儀・告別式は近親者で行われたという。大島さんは2017年2月に大腸がんのステージ4で余命1年と宣告されたことを公表。その後、転移した肝臓がんなどとの闘病を続けていた。
 ことし4月からは中日新聞本紙夕刊の自伝連載「この道」を執筆中で、5日付の夕刊本紙でも78回目が掲載された(この連載は既に執筆を終えていることもあり、連載は本人・遺族の希望で続く、とのことだ)。ちなみに大島さんの現役時代の通算成績は2638試合に出場、打率2割7分2厘、2204安打、382本塁打、1234打点。2006年の第一回ワールド・ベースボール・クラシックの日本代表では、打撃コーチとして王貞治監督を支え、世界一に貢献した。日本ハムの監督としての通算成績は181勝225敗7分け=だった。

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 日本オリンピック委員会(JOC)が6日、東京五輪に臨む日本選手団(日本代表の選手数は史上最多の582人)の結団式を東京・新宿の日本オリンピックミュージアムで開催。山下泰裕会長が新型コロナウイルス禍による1年延期の末に迎える大会に向け「選手たちは感謝と誇りを感じつつ、フィールドで思う存分に輝いてほしい。コロナ禍で分断された世界でスポーツは人と人をつなぐ。不要不急と呼ばれたスポーツの価値が今こそ問われている」と語った。
 式典には主将を務める陸上男子、山県亮太(セイコー)さんも出席。決意表明で「コロナ禍で五輪の開催の意義が問われるなか、常に自分たちに何ができるのか、スポーツの意義について考えてきた。今、自分たちにできることは真摯に競技に向き合い、ベストを尽くすことです」と述べた。

 14府県で303人が亡くなった2018年の西日本豪雨は、最初の大雨特別警報が出て6日で3年となった。この日、広島と岡山の被災地では追悼式が開かれ、遺族らは避難や防災への取り組みを誓った。
 米大リーグ機構(MLB)は4日、オールスター戦(13日・デンバー)の投手と控え野手を発表。それによると、5日に27歳になったエンゼルスの大谷翔平がア・リーグ先発投手部門で選ばれた。投打での同時選出は史上初で、二刀流でのプレーが注目を集める中、大谷は「まずは楽しみたい。ホームランダービーもあるので、全体的に楽しめたらと思っている」と語ったという。ちなみに、伝説のベーブ・ルースが球宴で登板したことはない。
 東京都議選(定数127、42選挙区)が4日、投開票され、自民党が改選前の25議席から33議席に議席を増やし、都議会第1党を奪還。ただ自民、公明両党を合わせた政権与党で過半数(64議席)には届かなかった。小池百合子知事が特別顧問を務める都議会第1党都民ファーストの会は現有の46から31に議席を減らした。
 ローマ教皇庁(バチカン)は4日、ローマ教皇フランシスコ(84)が同日午後に入院し、予定されていた結腸の手術を受け、成功したと発表。
 2019年に愛知県で開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止になった企画展「表現の不自由展・その後」の作品展示が6日、名古屋市中区で始まった。会場の「市民ギャラリー栄」が入るビルの前では反対派、賛成派が入り乱れて一時、騒然となったという。

2021年7月3日
 半夏生草刈り鎌も研いでおく
 =伊神舞子
<白猫の俳句/minuetto-mi>から
 水中の桃ひかりをり楸邨忌
 =江中真弓(わが家の日めくりカレンダーから)

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 3日は人間にも、猫にも、自然にも同じ慈しみの視線を注ぎ続け、平成5年に亡くなった俳人・加藤楸邨さんの忌日。<涙の日>でもあり、故坂本九さんの歌【涙くんさよなら】が思い出される。

 そして。この日、舞は自ら営むボランティア同然のリサイクルショップ「ミヌエット」の20周年記念七夕の催しを開き、心ある友人知人が店を訪れてくださり、楽しく得難いひとときとなった。
 とはいえ、こうした未曽有のコロナ禍の時代である。全員がマスク姿で三密にならないよう、出来るだけ、間をとっての催しとなった。彼女の店への行き帰りには、病との闘いで一歩前に足を出すのも危なっかしいので私が補佐して実現。お世話になった方々には本紙「熱砂」のこの場を借りて心から礼を述べておきたい。

【司会、キーボード、歌声…と。どれもこれも心からのボランティアで楽しく進んだ。大勢の応援、協力があればこそ実現した20周年のひとコマひとコマをオムニバス形式で紙場紹介する】
 店先も店内にも。「恒久平和」「孫の大学合格」「病気回復を願う」などの短冊つき七夕飾りが飾られた
 

「長年ありがとう。お店は年内限りに」とあいさつに立つ伊神舞子
 

 マスク姿で間を取りながらなごやかに進んだミヌエット20年感謝祭
 

 寄せられた心のこもった造花 
 

 終わったあとは、ずっとわが家で心配顔で留守番をしてくれていた愛猫シロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫、本名はオーロラレインボー)もまじえ、近くの料理屋「魚仙」さんにお願いした飛び切り上等のうな丼を囲んで、家族だけの打ち上げをしたのである。
    ※    ※

 この世は、不条理。悲喜こもごもな中、いつ何時なにが起きるか知れたものでない。この日の午前10時半ごろ、静岡県熱海市伊豆山地区で土石流が発生、多くの家が流され女性2人が心肺停止状態で見つかり、その後に死亡。3日夜現在も約20人の安否がわかっていない。一方で、将棋の藤井聡太二冠(18歳)=王位、棋聖、愛知県瀬戸市=に渡辺明三冠(37歳)=名人、棋王、王将=が挑戦する「第九十二期棋聖戦」の五番勝負第三局が3日、静岡県沼津市の沼津御用邸であり、藤井二冠が三連勝でタイトルを初防衛。タイトル三期獲得の規定も満たして九段に昇段。18歳11カ月で初防衛と昇段の最年少記録を更新したのである。

 熱海土石流20人不明などを報じた4日付の朝刊各紙
 

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 三重県四日市市は1日、国から新型コロナウイルスのワクチンの供給見通しがたたない、として集団接種の予約受け付けを6月30日に一時停止したことを明らかにした。また、岐阜県中津川市も1日、8月から新規の集団接種を一時休止する、と発表。なぜ、こんな事態に陥っているのか。
 背景にはファイザー製ワクチンの供給不足が指摘されている。集団接種や個別接種で使われるファイザー製の場合、4~6月は1億回分の供給だったが、7~9月は7000万回分、10~12月は2400万回分と少なくなる。供給量は公表されていたが、接種希望者が増えるなか、需要と供給のバランスが保たれなくなったからだという。
 こうした現状に森智弘四日市市長は1日、臨時の記者会見を開き「会場や打ち手は確保しているのにワクチンが来ないとは、どういうことなのか。国が職場接種を広げすぎて自治体への供給が不足していたのでは本末転倒ではないのか」と憤りを表明している。同市によれば、国はモデルナ製に切り替えるよう要請していたというが、モデルナ製は職場接種などで使われるようになり、市長が怒る原因になったという。
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 中国共産党が1日、北京の天安門広場で創建100年を記念する祝賀大会を開催。国家主席の習近平党総書記が演説で「いかなる外部勢力によるいじめや圧迫も許さない」と強調。人権問題などで対中圧力を強める米国などに徹底して対抗する姿勢を示し、台湾統一についても「党のゆるぎない歴史的任務である」との強い決意を示した。
 経団連の前会長で日立製作所会長を務めた中西宏明さんが6月27日、リンパ腫のため死去。75歳だった。葬儀は近親者で営まれたが、会社主催のお別れの会が後日、開かれるという。喪主は妻明美さん。
 三菱電機の杉山武史社長が2日、鉄道車両向け機器の検査不正について東京都内の本社で記者会見し、引責辞任をする意向を表明。杉山氏は「組織的な不正行為と認めざるをえない。責任を痛感している。私が社長職を辞し、信頼回復に努める」とも話し、月内をめどに後任社長を選び、9月に調査結果と再発防止策を公表するという。
 東京都の小池百合子都知事が2日、過労による入院から復帰して初の定例記者会見を開催。冒頭、新型コロナウイルス対策や東京オリンピック・パラリンピックの準備を進める時期に入院したことを陳謝し「今ほど重要な時はない。総力を挙げて課題に取り組んでいく」と語った。