詩「青春」
机に置かれた 一通の手紙
バースデーカードだと すぐにわかる
クラスメートのA子からだ
「なんだあいつ 何にも言わなくて」
つい今し方 学校で別れたばかりの
彼女の明るい声が 耳をよぎる
“お誕生日おめでとう、部活ガンバッテね! ”
キュンと胸が高鳴った
「あら、キミもなかなかモテるんだ」
いつの間にか後ろから覗きこんでいた母に
いたずらっぽく笑われて
思わずカードを閉じていた ボク
あのカード あのときめき あの少年の日々
片付け物の中で見つけた 一枚の卒業写真
セピア色の青春は
小さく 小さく
今もボクの心に 息づいていた