一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2023年10月1日~)
2023年10月31日
秋空に未来永劫と書いてみし(伊神舞子)
私はきょうもこう口ずさみ、1点の雲もない秋の空を見つめて「元気でいるか。おいしいもの食べているか。みんなにかわいがられているか」「幸せでいろよ」と囁いた。きょうは、一点の雲もない。秋晴れである。空たちは、戦争の相次ぐこの醜い地球の地上を眺め、一体全体何を思っているのだろうか。
ガザでのイスラエルとハマスの血みどろの戦い、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した泥沼の戦争…と世界で繰り返される終わりのない戦争の一方で、日本では楽しみな話が満載である。そのひとつが九州場所の日本相撲協会による番付発表である。日本相撲協会は昨日(30日)、大相撲九州場所(11月12日初日・福岡国際センター)の番付を発表したが、共に元高校横綱だった22歳の北の若(八角)とロシア出身で24歳の狼雅(二子山)、日大出身の美ノ海=ちゅらのうみ=(木瀬)、東洋大出身の東白鵬(玉ノ井)が新入幕を果たした。一度に4人の新入幕は2013年の夏場所いらいだという。
そして、今ひとつ。プロ野球草創期の名投手だった故沢村栄治さんを記念し、シーズンで最も活躍した先発投手を表彰する沢村賞の選考委員会が30日、東京都内であり、オリックスの山本由伸投手(25)が全会一致で選出され、3年連続で史上最多タイとなる3度目の受賞を果たしたことか。3年連続は1956年~58年の金田正一さん(国鉄)以来、史上2人目。通算3度は杉下茂(名古屋、中日)金田、村山実(阪神)、斎藤雅樹(巨人)と並び5人目の栄誉となった。ちなみに山本は今季23試合に登板して10勝6敗。防御率1・21、169奪三振、勝率7割2分7厘の成績を残し、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の4冠に史上初めて3年連続で輝き、リーグ3連勝に貢献した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤の改良工事の設計変更の承認を沖縄県知事に命じるよう国が求めた代執行訴訟の第1回口頭弁論が30日、福岡高裁那覇支部で開かれ、即日結審。出廷した沖縄県の玉城知事は「民意こそが、公益だ」と強調、訴えを退けるようにーと求めた。判決期日は追って指定するという。
(10月30日)
【米大統領、人道尊重念押し イスラエルに 地上作戦拡大で】【イスラエル ガザ病院周辺空爆】(日経30日夕刊)、【イスラエル 病院周辺空爆を続行 民間被害の拡大懸念 赤新月社が非難声明】(中日30日付夕刊)…とイスラエルのガザへの空爆が泥沼化している。プーチンのウクライナ侵攻による醜い戦争…と人間たちは、なぜここまで戦争を止めないのか。ニンゲンという生きものは戦争なしでは、いられないのか。新聞を読み、テレビラジオのニュースを毎日聞きながら情けなくなってくるのは私だけではあるまい。おそらく、この地球という星に生きる大半が、嘆き、悲しんでいることは間違いあるまい。あ~あ、それなのに、だ。きのうも、きょうも、あしたも明日に希望を託し、夢を胸に生きている人間たちが殺されていくのである。なんということなのか。
2023年10月29日
日曜日。SMBC日本シリーズの初戦が28日、京セラドーム大阪で行われ、1985年いらい2度目の日本一をめざす阪神が2年連続6度目(阪急時代を含む)の頂点をめざすオリックスに8-0で先勝。愛知県半田市では31輌の山車が勢ぞろいする山車まつりが28日、開幕。新型コロナウイルスによる延期もあって6年ぶりの開催となった。29日は31輌がさくら会場に勢ぞろい。
【旅の「友」終着へ 東海道新幹線ワゴン販売 月内で】とは、本日付の中日朝刊1面見出し。東海道新幹線「のぞみ」と「ひかり」の車内ワゴン販売が今月31日で終了する、とのことで何とも寂しい限りである。
シロが外に出たがるので「まだ傷口が治ってはいないのだから。くれぐれも、気をつけてね。きょうは、すぐに帰ってくるのだよ」と言い聞かせ、午前10時25分過ぎにお外に。雲ひとつない絶好の日よりだけに出たがるのを止めるわけにもいかず、いつものドアを開いて出してやる。天空で羽ばたき、シロちゃんを待っているお母さん、すなわちたつ江に会ってくる違いない。くれぐれも気をつけて、ねーと私。どこに行くのか。追跡したい気持ちにかられるが、シロちゃんはあっという間に姿を消した(シロは、それでも私の言葉を守り、正午過ぎにはいつもどおり帰宅)。
生前のおかあさんにつけてもらった首輪のハートは今も健在である
シロはいつだって私のことを心配してくれている
(10月28日)
ちょっと風があり、寒い1日だ。
1966年の静岡県清水市(現静岡市)で起きた一家4人強殺事件。4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さん(87)のやり直し裁判(再審)がきのう27日、静岡地裁で始まった。妄想などの拘禁症状が続き、出廷が免除された袴田さんの代わりに姉のひで子さん(90)が出廷、弟の巌さんの代わりにひで子さんは「どうぞ巌に真の自由をお与えくださいますようにお願い申し上げます」と無罪を主張した。中日新聞は28日付の朝刊1面見出しで【袴田さん再審始まる 姉出廷「巌に真の自由を」 静岡地裁 無罪の公算大】と報道。
右の前足をケガしたわが家の愛猫シロちゃん。オーロラレインボーは、まだまだ傷口こそ目立つが本人の体力は回復。動作も機敏で食事もいつもと変わりなく食べている。だから、この按配なら傷口もやがて回復するに違いない、と。そう思う。ただ彼女の場合、カラ元気で私たちを安心させようとする優しさがあるだけに油断は禁物。しっかり治るよう、食事もしっかり食べさせ見守ってやらねば。それこそ、油断大敵だ。今は私の部屋の後ろのソファで泰平な顔をして眠っている。
夕刊紙面に【ガザ地上作戦「拡大」 イスラエル、激しい空爆 ネット・電話遮断も 米、大規模侵攻に反対】【人道休戦決議を採択 国連総会 米反対、日本は棄権】(日経)の見出し。
(10月27日)
十三夜。
かつては大きなヤマの取材現場に派遣されるつど、【馬力のガミちゃん(ガミさん、とも)】で知られた私だが。そんな私も自分では信じられないが、今や77歳。立派な後期高齢者なのである。そのガミちゃん。きょうは朝から晩まで1日フル稼働でさすがに疲れた。というわけで、今は午後11時過ぎだが、出来ることはきょうのうちに-と自らに言い聞かせ、自室に来てこうしてパソコンキーを打ち始めた。
まず私のきょうの行動であるが。朝、息子が洗濯してくれた衣類を干したあとは、右腕にえぐれたような傷痕のあるシロちゃんのことが心配なので愛北動物病院へ、と連れていく。ここで抗生物質を打ってもらって帰宅。診察中、シロのことを心配した私が「シロ。命は大丈夫でしょうか」と先生に聞くと「大丈夫です。心配ありません」と言われ、そこは安心したのである。
そして。きょうは歯医者さんに行かねばならないので新聞を読んでいる暇もなく、こんどは月に一度の歯のクリーニング(洗浄治療)で近くの歯科医院に。ここでいつもの歯科衛生士後藤さんに歯の洗浄を丁寧にしてもらい、これまた近くの古知野食堂で昼食。この後、一宮スポーツ文化センターへ。社交ダンスのレッスンのためだが、正直言ってきょうは多忙なためレッスンは思い切って欠席しようかな、と思いつつも社交ダンスのレッスン続行は亡き妻舞の私に対する遺言も同然であるから、と自らに言い聞かせスポ文へと急いだのである。
でも、社交ダンスのレッスンには、やはり行ってよかった。きょうも素人にしては高度なワルツとタンゴに何度も挑んだが、ステップを踏むうち、やはりレッスンに出てよかったなと思った。レッスンに身を預けながら全身が何かに氷解していくようなそんなさわやかな気持ちにとらわれたことも、また事実だった。先生の指導のもと、スピンターンにインピタスターン、ホバー(低空飛翔。空に舞う)……となかなか高度なレッスンではあったが、踊るうち、からだは軽やかになっていった。
プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が26日、東京都内のホテルで行われ、中日ドラゴンズは、東都大学リーグを代表する右腕、亜細亜大の草加勝投手(21)を1位指名し、交渉権を獲得。ENEOSの好打者、度会隆輝(わたらい・りゅうき)外野手に中日、DeNA、ロッテが1位指名で競合し、DeNAが抽選で交渉権を引き当てた。
【イスラエル侵攻延期「同意」 米紙報道 一方で越境作戦】【国連総会緊急特別会合 決議案4本否決 安保理対応取れず】【減税来年6月から 首相表明 非課税世帯給付は年内】とは、本日付の中日新聞1面の見出し。
国営の中国中央テレビが伝えたところによると、中国の李克強(りこくきょう)前首相が27日午前0時10分(日本時間同日午前1時10分)、上海市で死去。68歳だった。上海で静養していたが、26日に突然の心臓病を起こし、救命措置を受けていたという。李氏は2013年から2023年3月まで首相を務めた。このところは習近平国家主席の「1強体制」の確立に伴い、存在感は低下していたという。
(10月26日)
木曜日。
【性別変更の手術要件「違憲」 生殖能力巡り最高裁「過酷な二者択一迫る」 国は特例法見直しへ】【ガザ地上侵攻 先送りか イスラエルに米が要請】とは、本日26日付中日新聞の1面トップ見出し。
わが家のアイドル、愛猫シロちゃん。いつもの元気がなく、ここ2、3日は2階寝床で珍しく寝たままで動こうとしない。寒くなってきたからかナと思いきや、そうでもなさそうなので先日動物病院で診て頂いた両足を改めてよく見ると、右前足にえぐれた部分があるではないか。先日、動物医にあれほどしっかり診てもらったのに。あの時は、両足を交互に手で触って診ながら「大丈夫です」と言われたのに、だ。
どうやら、ここ2、3日の間に外に出た際にケガをしたような。そんな気がする。きょうは、私の唾液をえぐれた部分に塗り、しばらく様子を診ることにしたが、油断禁物。いつ、どこでケガをするか-は知れたものでない。というわけで、私の唾液治療でしばらく様子をみよう(帰宅した息子曰く「下手なこと、へんなことはしないで。かえって悪化したらどうするの」と心配してくれる)。
きのう、きょうと。小牧時代からお世話になっている業者の小畠辰彦さん(元劇団「小牧はらから」のリーダー)に自宅まで来て頂き、刊行したばかりの私の新刊「あたし帰った かえったわよ」(人間社)を過去、特におせわになった人々に送って下さるようお願いする。夕方、電話が入り、どうやら私が誤って梱包したままにしておいたほかの本と間違えて渡してしまったようで、この按配だと配達は少し遅れざるをえない。でも、11月はじめには本屋さんに並ぶのだから、まだまだ日はある。お世話になった人々への配達が遅れても、やむおえない。ここは、ひと呼吸し「あわてなさんな。本が逃げていくこともなかろう」と自身に言い聞かせる。
というわけで「ここまできて私が書いた本が消えることもあるまい。舞が『相変わらずの〝あわてんぼさん〟よね』と笑っているかも」と気分を引き締め夕刊に目を通す。そこには、25日に開かれた国連安全保障理事会でイスラエル軍やイスラム組織ハマスに「一時的な戦闘中断」を要請する米国提出の決議案を採決したものの、中国とロシアが拒否権を行使し否決されたことが1面トップ見出しで【ガザ決議案 中ロが拒否権 安保理否決 米「戦闘中断」要請に】(中日)と報じられていた。
また、これとは別に米東部メーン州ルイストンで25日夜(日本時間26日午前)銃撃事件があり、米CNNテレビによると、少なくとも22人が死亡し、50人~60人が負傷したという。なんたることか。銃社会の悪癖は、どうすることも出来ないのか。
(10月25日)
きょうはチョット、ハードな1日で今ごろになってデスクと相対している。
朝、起きるや、新聞の古紙をまとめて自宅前へ。引き続き、不燃ごみのごみ出しのため指定された場所へ出向く。このごは帰宅し、クロワッサンで簡単な朝食。朝食を終えるやいなや、玄関の呼び鈴がピンポーン、ピンポーン、ピンポーンと間隔をおいて何度も鳴るので玄関へ。私の最新作、一匹文士小説集がとうとう完成し、新作「あたし帰った かえったわよ」(人間社)の一部が自宅に届いたのである。荷をほどく時には、なぜか胸がキュンキュンと鳴った。書店に並ぶのは来月はじめということである。
このごはお風呂の給湯器の点検でノーリツサービスさんがわが家を訪れたり、いつもお世話になっている業者さんにわざわざ、わが家に来て頂き、お世話になっている方々への近日中の新刊贈呈分の郵送をお願いする-など。それこそ、てんてこ舞いの1日になったのである。
(10月24日)
霜降。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが23日、人質の民間人女性2人を追加で解放した、と表明。イスラエルメディアによれば、解放されたのは、79歳と85歳のイスラエル国籍の女性だという。ハマスは、これより先の20日にも米国籍の母と娘2人を解放。イスラエル軍との7日の戦闘開始後に解放した人質は計4人になった、と報道。本日付の中日夕刊は「同国軍がガザへの地上侵攻の構えを続けるなか、人質解放や人道物資搬入を巡り水面下で駆け引きが続いているようだ」とも報道している。
世界は相変わらず、混沌とした情勢が続いているが、ほかに気になるニュースといえば【拉致容疑者韓国で死亡か 80年に原敕晁(はらただあき)さん被害】と【東京・中野の強盗指示容疑 「ルフィ」ら3人を再逮捕】(いずれも24日付中日夕刊)といったところか。
2023年10月23日
月曜日。1~2カ月に1度、定期的に訪れ健康状態をチェックし、診て頂いている名古屋は金山のペインクリニックへ。いつものように血圧測定をして頂いたところ、「119~76です。すごくいいですね」と担当の川瀬医師から言われ、ちょっと嬉しく思った。
とはいえ、高血圧を防ぐ薬と、歯の痛みなどを防ぐ薬はいつものように処方していただいて帰る。このペインクリニックは、もとはと言えば、数年前に私の顔面を強烈な痛みが再三走ったとき、今は亡き舞が私を連れて行ってくれた、私にとってはかけがえのないお医者さんでもある。川瀬医師がいつものように「運動していますか」と聴かれるので「はい、社交ダンスを続けています」と答えると「そうですか。いいですね。そのまま続けてください」と優しさに満ちた声で、こうおっしゃられ、なぜか全身をホッとしたものが走ったのである。
2023年10月22日
日曜日。午前中、秋空の下、名古屋へ。ウインクあいち9階907号室で開かれた文芸同人誌「北斗」の通算700号記念文化セミナーに出席するためである。何はともあれ、故木全円寿さんが自宅に印刷所・北斗工房を開設し、活字と手押しの印刷機一台を備えての、二刀流の旅立ちとなった同人誌「北斗」が、その後、竹中忍主宰、棚橋鏡代さんら同人各位の努力でここまで続いたことに心からの敬意を表したく思う。
記念文化セミナーは、竹中主宰の講演【『北斗』来し方、今、未来】の講演に続き、尾形明子さん(日本近代文学研究家)による講演【私と長谷川時雨、『女人芸術』、そして『北斗』】、最後に岡田孝子さん(NPO「現代女性文化研究所」代表理事)もまじえ竹中、尾形、岡田三氏による鼎談【『現代女性研究所』の仕事と課題】があり、無事終わった。
北斗700号の記念文化セミナーで熱心に進んだ鼎談
私個人としては、尾形さんが作家宇野千代さんについてどんなことを話されるのかを期待していたが時間の都合もあってか、宇野千代さんについてはひと言も触れられなかったのが少し残念であった。宇野千代さんは岐阜県根尾村(現本巣町)に立つ樹齢1500年を超えた淡墨桜(国の特別天然記念物)保存のため淡墨桜顕彰保存会の設立に先頭に立つなど桜の保存に情熱を注がれ、まさに枯死寸前だった淡墨桜を救ったことでも知られる。
宇野千代さんは、当時、岐阜に在任し、淡墨桜担当記者でもあった私とは取材をとおして何度も交流があったお方だ。それだけに、彼女の破天荒な生き方について同じ女性としてどう考えておいでなのか。そこを聞きたかったのである。
私は当時、根尾村の〝淡墨の宿〟住吉家さんで共に食事をしながら淡墨桜再生にかけた彼女の熱い思いを再三聴き、雑談のなかでは「いがみさん。淡墨桜はきれい、とても美しいでしょう。あなたはまだ若いから分からないかも知れない。けれど。人間だって、何だって、この老樹と同じで老いれば老いるほど美しく輝くのだから。あなたもきっとそのうちに分かるようになるわよ」という話を聴かされた。
そして。最近になり彼女が話されていたこの言葉の重みが少しではあるが、分かるようになってきた。だから、宇野さんについてどんなことを話されるのか。その点を聴きたかったのである。ただ尾形さんの話で心に残ったのは、「武器は書くことだけなのか」「いや、書くこともまた武器である」と逡巡しつつ語られた、あの表情がペンに生き続ける私の心を大きく突いたとでもいえようか。
そして。きょうは、今ひとつ。何よりもとても嬉しいことがあった。それは「北斗」700号の記念文化セミナーが終わったところで、たまたま朝日の記者佐藤さんにお会いしたので、先に出版済みであるわが亡き妻の著作「伊神舞子俳句短歌遺稿集 泣かんとこ」(人間社刊)を直接、手渡ししてお礼を言うことが出来たことである。
彼は私の妻の死後、私のたっての願いに資料部の膨大な作品群の中から私の妻がかつて書き、朝日新聞に投稿し地方版に掲載された1981年3月22日付の「あいちの詩」(平光善久選)を探し出し、私にわざわざ郵送してくださったのである。そのおかげで遺稿集【泣かんとこ】は、この詩も収録して1年前に誕生したのである。それも選者は忘れもしない。あの平光善久さんであった。
というわけで、その妻の詩を以下に今いちど、感謝の持ちを込めここにあらためて残させて頂く。
夜。NHK総合でNHKスペシャル【緊急報告・ガザで何が ハマス・暴走の背景は パレスチナ・秘蔵映像 米・イラン世界どこへ】を見る。
(10月21日)
土曜日。車を運転しながら、思う。おまえ(たつ江、伊神舞子)は、空になったり、星になったり、月になったり、流れる雲になったり、風になったり。曼殊沙華になったり、ススキになったり、キンモクセイの匂いになったり……それこそ千変万化だよな、と。(私のこの気持ちが天空のおまえに届いたのか、今夜、わが家のベランダに光りを注いだ三日月は、それこそ抱きしめたいほど澄んで美しかった。おまえが生前、よく私に話しかけていた「今宵の月は美しゅうございます」の月そのものであった。この言葉は、私たちが今は亡き長谷川龍生さん=詩人、前の大阪文学学校校長=とともによくして頂いた詩人日高てるさんが、よく口にされた言葉である)。
きょうは、寒さと悲しさがじわり、からだに迫りくるような。そんな秋の1日である。わが家ではストーブに火を入れたが、愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)はさっそくストーブの横の定位置の椅子に座り、満足そうであった。
そのシロだが。朝。いつものように2階寝室まで私を起こしに来てくれた時の両足は既に快調で、きのうの朝のようにビッコを引き引き私の寝床にくるものとは、全く違っていた。それにしても、この快調さには、なんだか「ホントカシラ」と思ってしまう。まぁッ。いずれにしても回復すれば、それにこしたことはない。まさか、わざと私たちニンゲンを心配させたとも思われないし。やはり、シロにはオーロラレインボーが付きまとっているのかもしれない。
それはそれとして。私のことをいつも守り続けてくれる、シロちゃんのこと、大切にしなきゃあーと私。
ところで。おまえと俺のこれからの一里塚といってもいい新刊・一匹文士小説集「あたし帰った かえったわよ」(人間社)が、来月上旬、いよいよ本屋の店頭に並ぶ。1人でも多くの方々に手に取り、読んで頂けたら、私たちはそれだけで嬉しいのである。そして昨年、ひと足早く出版した【伊神舞子俳句短歌遺稿集 泣かんとこ】(人間社)とともに、この新刊が大空に大きく飛び立ってくれれば、と願う。
パレスチナ自治区ガザを支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦争が続く中、エジプトから陸路によるガザへの人道支援物資の搬入が21日、始まった。
(10月20日)
シロがきのう、散歩からの帰宅時から前足(右)のビッコを引いているので、愛北動物病院へ。医師は慎重な面持ちで両方の足を交互に何度も何度も手でさわって診察したあと「痛み止めの注射を打っておきましょう。大丈夫かと思います」の弁。飲み薬も必要ないです、とのことでホッとした。
ドラマや映画で活躍し「キビシイーッ!」や「~チョウダイ!」などのせりふで知られた俳優の財津一郎(ざいつ・いちろう、本名永栄=ながひで)さんが14日、慢性心不全のため東京都の自宅で死去。89歳だった。熊本市の出身。名優が、またこの世を去った。
(10月19日)
世界は相も変わらす、混沌の渦のなかにある。新聞の見出しも【ガザ病院爆発「471人死亡」 情報錯綜 イスラエル空爆否定 支援物資搬入に同意】【米大統領イスラエル訪問「テロ集団が誤射】(中日)【ガザの病院爆発471人死亡 イスラエル関与否定 米大統領ヨルダン訪問中止】【イスラエル支援伝達 米大統領首相と会談】(毎日)といった具合。もはや何が真実なのか。よくわからない。
ことしは全国的にクマの出没も多く、けさの新聞には【富山でクマ被害? 79歳死亡 福井・勝山 72歳襲われけが】といった放置できないニュースが目立つ。
そんな中、わが家のシロ(オーロラレインボー)は、けさも快晴の下、午前10時にはお外(外とはいっても自宅庭を先輩猫=てまり、こすも・ここ、先代の神猫シロ=が眠っているお墓を確かめながら一周する程度)へ。正午過ぎには、いつも通り帰宅した。
まだまだチョット早い気がしないでもないが、朝、息子が自宅を出るころは、だいぶ寒くなってきたので、思い切って灯油の配達をお願いする。これまでなら、灯油をどうするか-などそうした家事のことは全て舞が判断していたのだが。彼女は、もはやいない。デ、朝、彼が定刻きっかりに自宅を出るころは既に寒いので、思い切って五郎油さんに配達をお願いすることにしたのである。
(10月18日)
中日新聞朝刊社会面、軟派トップに【共存願い 戦火を詠む イスラエル在住 パレスチナ俳人寄稿 「ともに尊厳と平和を」】のすばらしい報道。記事は、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が激化する中、同国に住むパレスチナ人の俳人リタ・オデさん(62)から寄せられた英語俳句2句も紹介されており、俳句が結ぶ平和のようなものを感じたのである。
パレスチナ俳人リタ・オデさんの非戦の英語俳句は次のとおり。
Gaza’s child― looking her doll among the ruins
(人形を探す瓦礫の子の哀し)
Bombed sky- a leaf falls on its shadow
(わが影に舞ひゆく落葉空爆下)
パレスチナ俳人リタ・オデさんの存在を報じた中日新聞(東京新聞)
2023年10月17日
火曜日。日経の夕刊に【秋の味覚に猛暑の爪痕 リンゴ店頭価格2割高 マツタケは入荷4割減】の見出し。「秋の味覚に今夏の猛暑の爪痕が相次いでいる。リンゴは着色不良を引き起こし、市場への出荷量が減っている。店頭では2022年と比べ2割高い。マツタケは発生が遅れ、クリは未熟のまま実が落下するケースが頻発している。収穫量は落ち込みそうだ。……」という。
国際オリンピック委員会(ICO)は16日、インドのムンバイで総会を開き、2028年ロサンゼルス五輪の追加競技として大会組織委員会から提案のあった野球・ソフトボール、フラッグフットボール、クリケット、ラクロス、スカッシュの5競技を一括承認。21年東京五輪で日本がともに金メダルを獲得した野球とソフトボールは、2大会ぶりの復帰となる。
ロシアのウクライナへの侵攻に始まり、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の地上侵攻…と人間は一体全体何を考えているのか。なんて野蛮な生きものなのか。こんなに相次ぐ戦争ばかりを見ていると、1度人間社会を封鎖し、凍結してみたらどうか。そんなことを真剣に思うのである。こんなありさまでは、人間すなわち戦争を起こす生きものだーと見られても仕方ない。【平和の扉】は一体全体、どこに行ってしまったのか。
ロシアも。ウクライナも。ハマスも。イスラエルも。世界中の人たちが一度しかない命を互いに大切にしたいものである。そんな中、私たちのウエブ文学同人誌『熱砂』のテーマエッセイ(今回のテーマは【過ごす】)が40回という節目となり、脱原発社会をめざす文学者の会ホームページに私が月イチで執筆している文士刮目=https://dgp-bungaku.com=も29回を刻み、30回目が目の前に迫った。こんごも原発事故のない社会の実現と世界平和を願い、書き続けようと思っている。
2023年10月16日
月曜日。午前中、コロナの7回目の接種で江南市内の野村耳鼻咽喉科へ。接種は左腕を出し、あっという間にそれこそ一瞬のうちに終わった。接種後は、いつものように15分待機したが、特に気持ちが悪くなるなどといった異常は認められなかっため、帰宅した。なんだか、この歳になって、接種を受けた瞬間に私の人生そのものがカキュンと、また再びリセットされたみたいな、そんな不思議な感じがした。
ということもあって私は帰宅途中に亡き妻たつ江、すなわち舞(伊神舞子)が健在だったころに彼女が営んでいたリサイクルショップ「ミヌエット」に昼食を届けるため、毎日のように通っていたコンビニ(ファミリーマート)に久しぶりに顔を出す。と、お店の女性マネジャーと熟練の男性スタッフが「あ~ら。いがみさん。お久しぶり」と声をかけてくださり、なんだか、とても嬉しくなったのである。というわけで、大学ノートなど3冊といつものボールペンふたつを買う。
※ ※
☆ ☆
来年のパリ五輪日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)がきのう15日、東京・国立競技場発着で行われ、男子は小山直城(ホンダ)が2時間8分57秒で優勝、赤崎暁(九電工)が2時間9分6秒で2位になり、ともに五輪初出場を決めた。女子は鈴木優花(第一生命グループ)が2時間24分9秒で1位、一山麻緒(資生堂)が2時間24分43秒で2位になり、それぞれ代表に決まった。一山は2大会連続出場(鈴木は初出場)。
この日。16日午後3時過ぎ。スマホがプープープーと鳴る。開くと、シンガーソングライターの谷村新司さんが亡くなった、とのことである。74歳であった。公式サイトの発表では「谷村さんは、2023年3月に急性腸炎のため手術を受け、入院しながら療養すると報告。5月には谷村さん、堀内孝雄さん(73)、矢沢透さん(74)から成る3人組バンド・アリスの全国ツアーの延期を発表していたという。
日経の本日(16日)夕刊に『岐阜市で1300年以上続く伝統漁「長良川鵜飼」が15日、閉幕した。今シーズンは新型コロナウイルス感染症の5類移行を受け、観覧船のアクリル板が撤去され、一部を除き乗客数の制限も解除された。インバウンド(訪日外国人)が戻ったことも追い風となり、乗客数は回復した。』の記事。一方で「れんが倉庫群で知られる北海道小樽市の小樽運河が12月、誕生から100年を迎える。道内最大の商港を象徴する存在だったが、戦後は観光名所に性格を変えた。大きな節目を、人口減少に悩む市を再び活性化させる契機にしようと、地元の若者らが新たなまちづくりに向け奮闘している」といった記事もあり、なかなか読み応えがある。かと思えば【水没車両に父子5遺体 三重・南伊勢町、海に転落】と悲劇を伝える記事も。
世の中はいろいろ、人生もいろいろである。
2023年10月15日
早朝、降っていた雨も止み、午後には夕陽も差す、美しい日となった。2年前のけさ早く、舞が黄泉の国に飛び立ったと思うと、とても信じられない。三回忌は既に終えているため、きょうは仏前で線香を立て、お祈りするにとどめた。一方で、私たちのウエブ文学同人誌『熱砂』のテーマエッセイの出稿と公開も終え、少しホッとしたのである。
正直いってこのところはナンダカンダと殺人的な毎日が続き、こんな状況を舞が見たら「あいかわらずね。(することは)1日にひとつよ。もう、年なのだから」と言うに違いない。
午後。きょうは久しぶりに、いつものピアゴやアピタではなく、最近開店してまもない大阪屋ショップ江南店に行き、夕食ふたり分を買って帰った。にしん昆布巻や白えびかき揚げ丼など北陸ものが充実しているような、そんな感じがした。大阪屋ショップは、はるか昔、大津時代に舞と一緒に訪れたことがあるが、果物も魚類も案外そろっているな、というのが素朴な感想である。私は昔から1傑主義に徹し気に入ったところだけしか行かない悪い癖があるが、これからは大阪屋ショップにも足を向けようかな、とそんな気がしたのである。思っていた以上に、食材がそろっていたのには驚いた。舞が元気でいたなら、目を輝かせて店内を歩いたろうにと思うと、またまた悲しくなってきたことも確かである。
舞(たつ江)の祥月命日のこの日、舞とはいつも一緒にテレビを見ていたリビングルームにピンクの縫いぐるみで出来た、おしゃれなハウスがあるではないか。よく見ると、愛猫シロちゃんがすました顔で入っており、おかあさんの三回忌の記念も兼ね、末の息子が彼女にプレゼントしたものと分かった。シロちゃんは随分と気に入ったようで、中に座ったままでなかなか出てこようとはしない。よほど気に入ったとみえる。
思わぬプレゼントに大満足の愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)
中日ドラゴンズの発表によれば、ドラゴンズで外野手として活躍。監督も務めた中利夫さんが10日、誤嚥性肺炎のため名古屋市内の病院で死去。87歳だった。中さんは1955年に群馬・前橋高校から中日入り。1960年には50盗塁、1967年には打率3割4分3厘でタイトルを獲得。高木守道との1、2番コンビは一世を風靡。他球団の脅威となったことで知られる。
2023年10月14日
土曜日。きょうは鉄道の日。明治5年(1872年)10月14日に新橋~横浜間に日本で最初の鉄道が開通した日である。
ところで現代社会は、世界も日本も美しくではなく何もかもが、だ。甚だ嘆かわしく、かつ見苦しく、動いている。アフガニスタンの西部ヘラート州で起きた地震は14日で発生から1週間。イスラム主義組織タリバン暫定政権は13日、死者を従来の2445人から「千人超」に修正する、と発表した。
そして。朝刊の見出しは【ガザ北部住民避難勧告 イスラエル地上侵攻の可能性 110万人】【旧統一教会解散を請求 文科相 証拠5000点提出】(中日)【ガザ110万人に退避勧告 24時間以内地上侵攻準備か イスラエル軍】【米国務長官 中東歴訪】【旧統一教会解散 地裁に請求 文科相対応遅れ認める】【細田議長、辞任表明 教団との関係「問題ない」 健康面理由に】【後任 額田氏で調整】(毎日)などといった具合である。世の中、一体どうなっているの、と叫びたくもなる。
そんな中、富山、長野の両県にまたがる北アルプスを貫く山岳観光道路「立山黒部アルペンルート」で紅葉が見ごろを迎えている(中日)とのニュースはなぜか、ホッと心を和ませる、そんなものを感じるのである。今はもう秋、秋なのだ、とも。
※ ※
☆ ☆
新聞紙面といえば、もうひとつ。本日付中日新聞1面の【岐阜高島屋 来夏閉店 県内に百貨店なし 中部初】の記事もチョット寂しくなるニュースだ。かつて、岐阜に勤務していたころ、岐阜高島屋がオープンしてまだまもないころ、屋上広場のステージで〝ちびっこのど自慢大会〟が開かれ、その模様を取材しているさなかにデスクから連絡が入り、二男が生まれたと知り慌てて病院に駆け付けた日のことも今では懐かしいわが家の大事件である。確か昭和53年5月3日。憲法記念日だった、と記憶している。月日は、このように人々の思い出を乗せ、川の流れのごとく、ながれていくのである。
(10月13日)
けさの中日本紙14面と15面の間に藤井聡太八冠達成の号外が挟まれていた。読者の気持ちを配慮したなかなか、気配りがきいたよい紙面構成だな-と思う。そして。舞がいつも大切にしていた日めくりカレンダーに目をやると、そこには【大吉日にて何事にもよし 人力の限りあるを知るのが自信だ(島崎藤村 1872~1943)】のことばがあった。<人力の限りあるを知るのが自信だ>とは。まさに誰にも通じる良い言葉である。
このほか、きょうは私の新刊=一匹文士小説集【あたし帰った かえったわよ】(人間社刊)。「どさ回り」「パリよ ビンラディン、あなたは今どこに」「ぽとぽとはらはら」「赤い空 わかれ」「あたし帰った かえったわよ」の五編を収録=の出版に関わることなどにナンダカンダと追い立てられた。そればかりか、しばらくの間、休んでいて最近、再開したばかりの社交ダンスのレッスンもあって「脱原発社会をめざす文学者の会」のオンラインによる幹事会の方は、残念ながら出られず、残念に思っている。
藤井聡太八冠達成の号外
舞が愛用していた日めくりカレンダー、今も健在である
盛山正仁文部科学大臣が12日に記者会見。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令を東京地裁に請求する、と発表。各報道によれば、文科省は霊感商法や高額献金などの金銭トラブルに教団が組織的に関与し1980年ごろから繰り返された▽宗教法人法81条が解散命令の要件とする「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などがあるーと判断した、としている。そして文化庁は、この発表どおりに、きょう13日に高額献金被害の訴えが相次ぐ世界平和統一家庭連合の解散命令を東京地裁に請求した。質問権行使で入手した資料や民事判決、被害者証言から、不当な献金集めが組織的、継続的に行われたと判断。証拠資料は約5千点、段ボール箱20個分に上った、という。
(10月12日)
けさ12日付朝刊(中日)の見出しは【藤井 史上初八冠 王座奪取タイトル独占 終盤力 大接戦制す第4局 21歳完璧「天下統一」 タイトル戦無敗】というもので、前文と談話は以下のように書かれていた。
-将棋の永瀬拓矢王座(31)に藤井聡太七冠(21)=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖、愛知県瀬戸市=が挑戦する第71期王座戦五番勝負の第4局が11日、京都市で指された。後手番の藤井七冠が138手で勝ち、シリーズ成績3勝1敗で王座のタイトルを奪取。史上初めて、八大タイトル独占を達成した。
藤井聡太八冠の話 本当に苦しいシリーズで中盤で差をつけられる将棋が多かった。ここ1、2年はタイトル戦の結果は良かったが(八冠に)見合った力があるかと言えばまだまだ。実力を付ける必要がある)。
というわけで、ニュースは絶えない。新聞には、ほかにパレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘による死者が11日、双方合わせて2200人を超えたことや、全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)で発生した送金障害で三菱UFJ銀行など11行で他行あての振り込みが出来なくなり2日間で計255万件以上の取引に影響が出たこと(このシステム障害は12日午前中には復旧した)、さらには30年冬季五輪に招致予定だった札幌市が断念を表明したことなど。まさに雪崩の如くとはこのことか。
そんななかで日本文学振興会が「南海トラフ地震の真実」(東京新聞)を出版した東京新聞(中日新聞東京本社)社会部の小沢慧一記者(38)に11日、第71回菊池寛賞を贈ると発表し、とても嬉しく思った。記事によれば、小沢記者は2018~2022年に中日新聞・東京新聞で南海トラフ地震の確率問題を追究した連載「南海トラフ80%の内幕」などを執筆。20年に「科学ジャーナリスト賞」を受賞、ことし8月に東京新聞から「南海トラフ地震の真実」を出版。受賞理由は「『30年以内に70~80%』という南海トラフ地震の発生確率は水増しされており、予算獲得などのために科学がゆがめられる実態を丹念な取材で明らかにした」としている。
(10月11日)
秋空に未来永劫と書いてみし
曼殊沙華人恋ふごとに朱深く
赤とんぼすいと曲がりて曲がりけり
すっかり、秋らしくなってきた。秋の空を見ると、やはり、おまえ(伊神舞子)を思い出してしまう。
きょうは久しぶりに大学時代の柔道部仲間、みゆきちゃん(高柳幸)と電話で話すことが出来たばかりか、同じ同窓生だったフェンシング部のキャプテンで妻(伊神たつ江、舞子)の死に当たって大変、お世話になった川口譲さんとも電話で話すことが出来、とても喜んでいる。
中日新聞夕刊に【八冠懸けた 熱戦火ぶた 王座戦4局】の見出し。将棋の永瀬拓矢王座(31)に藤井聡太七冠(21)=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=が挑む第71期王座戦5番勝負の第4局がこの日、京都市で始まったが、さて、どちらに軍配が上がるのか。日本中の目がふたりの対局の行方に注がれている。
(10月10日)
休刊日。けさは朝刊がこないため、新聞を読まなくていい時間だけ、どこか気分的にもホッとした時間が過ぎ去っていった。スマホが鳴るので出ると、学生時代の柔道部仲間、みゆきちゃん(高柳幸)からだったが、こちらから折り返しても出ない。車にでも乗っているか仕事中に違いない。時間をおいて電話しても出ないので、そのまま切ると1時間ほどして、みゆきちゃんの方から、またかかった。
こんどはあいにく私が運転中で出られず、あらためてかけることで自分を納得させる。それにしても、みゆきちゃんから電話がかかるなど珍しいことなので、どうにも気になって仕方ない。デ、岐阜県大垣市に住む別の柔道部仲間の永田に電話すると「おう、いがみか。みゆきから俺のところにもかかった。大学の同窓会案内が来たので一緒に行こう」ということらしい。このところは、大学の同窓会の案内状など来たことがなかったので改めてみゆきちゃんに電話しよう-ということで、きょうのところは心を閉じた。
※ ※
☆ ☆
それよりも本日付夕刊は【戦闘激化死者計1500人超 イスラエル ガザ完全封鎖命令 ハマス人質殺害警告】(中日)【イスラエル軍、10万人投入 ガザ境界、地上作戦へ 双方の死者1500人超】【米、空母打撃 軍派遣へ 高官「イラン・ヒズボラ抑止」】(日経)というものであった。
このうち日経紙夕刊は「7日に始まったパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘は激しさを増し、双方の死者は10日までに計1500人を超えた。イスラエルのガラント国防相は9日、ガザの完全封鎖を命じ電気や食料、燃料を遮断すると宣言。ハマスはイスラエル軍がガザ市民を無警告で攻撃するたびに、拘束しているイスラエル人ら民間人の人質を殺害すると警告した。--など物騒な内容である。
2023年10月9日
三連休最後の日。月曜日。スポーツの日である。ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会で1次リーグD組の日本代表は8日、仏ナントでアルゼンチンとの最終第4戦に臨み、27-39で敗退。日本は2勝2敗のD組3位での敗退が決まり、2大会連続2回目の8強入りは、ならなかった。
けさは小雨が降るなか、朝からゴミ出しをし、いつものように新聞をじっくり読む。冷たい雨は朝のうちポツリポツリと降り続き、外に出たがるシロちゃんを外に出すわけにはいかなかった。シロよ、シロ。真っ白なオーロラレインボーちゃんよ。ごめんね。
早朝。伊豆諸島の鳥島近海で地震が発生。千葉県内で18市町村に津波注意報が発令された。気象庁によると、午前8時7分に館山市布良で30㌢の津波が観測されたが幸い被害はなく、正午には太平洋側に出されていた津波注意報は全て解除された。
そして。世界は、といえば、だ。ロシアのウクライナ侵攻がつづいているなか、こんどはパレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスが7日朝、イスラエルに地上侵攻。イスラエル軍もガザに対する報復空爆を実施、双方の死者が1400人以上に達するなど醜い争い、死の連鎖が相も変わらず、続いている。人間とは、戦争をしないではいられない生きものなのか-と情けなくなってくる。なぜ、血を血で洗う戦争を繰り返すのか。わたしには、そこがどうしても分からない。
それとは別に。先日、わが家に東日本大震災の被災者でシンガーソングライター、橘光顕さん(上尾市シラコバト団地在住)から届いたCDの一部を聴く。CDのタイトルは【たどり着いた街で】。▽旅立ちの唄~地平線のテーマⅡ~▽たどり着いた街で▽ひまわり▽祈り~遥かなる君へ~▽遠きにありて▽新たなる船出▽風の駅▽思い委ねて▽わが青春の双葉▽それぞれの明日へ―といった内容でこれから少しづつ拝聴し、橘さんの思いを胸に少しでも多くかみしめれば、と思う。
彼から送られてきたCDには「作詞、作曲、編曲ばかりでなく、ギターを自分で弾いています。歌詞を読んでほしいです」と書かれていたが、これから、その歌詞を深く読ませていただこうーと、そのように思っている。何はともあれ、橘さん、ありがとう。そしてあなたたちの大震災の悲しみからの旅立ちをどこまでも願っている。というわけで、きょうは、さっそく▽旅立ちの唄を拝聴した。これらの曲が自然と頭に入ることを願い、かつ、あの忌まわしかった東日本大震災、そして福島第一原発事故が二度と起こることがないよう願いつつである。
(10月8日)
【ハマスが大規模攻撃 ガザ封鎖後初 イスラエル側に侵入】(毎日、8日付朝刊)【ハマス イスラエル急襲 100人死亡 ロケット弾3000発 報復空爆 ガザ198人死亡】(中日、8日付朝刊)とは、けさの朝刊の見出しである。おろかな人間たちの殺し合いは一体いつになったら終わるのか。と思うと、心底胸が痛む。
きのう無事、舞の三回忌を終え、きょうは長男夫妻らとわが家で昼食をともにしながら久しぶりの歓談も出来、とてもよかった。たつ江(伊神舞子)の三回忌もこどもたちが、あれやこれやと準備を進めてくれたからこそ無事終わり、私は子どもたちには心から感謝している。
(10月7日)
長男夫妻の仕事の都合と判断もあって、私の妻、舞(伊神たつ江)の三回忌法要が、愛知県江南市高屋の臨済宗妙心寺派・永正寺(水谷大定住職)で行われ、無事終わった。舞のお兄さんはじめ、私の兄夫妻、妹夫妻にわが家の家族が参列し、簡素な三回忌となった。
本堂で若住職の中村建岳さんならでは、のお経が唱えられたあとは、場所を【濃尾の大地】に移し、建岳さんの読経のなか、みんなで線香と花を手向け、この後、いつもお世話になっている近くの料理屋「魚仙」に場所を移しての食事会。みんなで舞の生前をしのぶ簡素な会となった。この間、わが家の方は、ずっとシロちゃんが留守番をしていてくれ、三回忌は滞ることなく終わったのである。
三回忌の法要も無事、終わった
(10月6日)
ノルウェーのノーベル賞委員会は6日、2023年のノーベル平和賞を、イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)に授与する、と発表。モハンマディさんは、厳格なイスラム体制下のイランで抑圧に抵抗し、人権侵害を告発し続けてきた、いわば【自由の闘士】。これまで何度も拘束され、現在は刑務所に収監されているが、新聞によれば、ノーベル賞委員会は、民主主義を求める同国の人々の【勇気ある闘い】も称賛したという。
(10月5日)
5日付の中日夕刊1面左は【富士山頂 うっすら雪化粧 初冠雪 平年より3日遅く】というものだった。紙面を手に富士山は、やっぱりどこまでも美しいな、と思った。
◇…旭川地方気象台は4日、北海道最高峰の大雪山系旭岳(2291㍍)で初冠雪を観測したと発表した=写真。昨年より1日早く、平年より9日遅い初冠雪となった。――とは、5日付中日朝刊通風筒の記事。
また、この日は午前11時ごろ、東京・八丈島の南370㌔付近の太平洋を震源とするマグニチュード6・6の地震が発生。気象庁は伊豆諸島に津波注意報を出し、到達予想時刻は午前11時半ごろ、予想される津波の高さは1㍍と発表。午後零時過ぎ、八丈島で30㌢の津波が確認された。
※ ※
◇ ◇
いつもなら冷房にするところを、きょうは朝からなぜか寒く、これまでの冷房を今シーズン初めて暖房に切り替えた。気候は微妙だ。シロちゃん、丸くなってそれが当然のような顔をして寝ているのが私には信じられない。こうして季節は、どんどん進んでいく。
(10月4日)
水曜日。本日付の中日夕刊報道によれば、ベルギーのアントワープで3日、行われた体操の第52回世界選手権で男子団体総合決勝で日本が6種目合計255・594点で2015年グラスゴー(英国)大会いらい8年ぶりの金メダルに輝き、2016年リオデジャネイロ五輪いらい2大会ぶりの頂点をめざす来夏のパリ五輪に弾みをつけた。
米議会下院は3日、野党共和党の保守強硬派議員が提出した同党のマッカーシー議長に対する解任動議を賛成多数で可決。下院議長の解任は史上初めて。これにより、次の議長選出まで議会機能は実質的に停止する。
(10月3日)
早稲田大学政経学部土屋教室(土屋礼子教授)の教授と学生一行が名古屋を訪れ、中日新聞本社編集局を見学後、会議室で私の記者体験に対する聞き取り調査をして、帰っていった。久しぶりに学生たちの若さに満ちた輝くまなざしを目の前に、私自身が新たなる刺激を受け、この先を生きていくうえでのカンフル剤を注入されたような、そんな気がしたのである。
この試みは、土屋教室のジャーナリスト・メディア関係者個人史聞き取り調査プロジェクトの一環ということで、今回はブロック紙で記者生活が長かった私、伊神孝信(作家名・伊神権太)に白羽の矢が立てられ、実現した、というわけで、久しぶりに試験官の前に立たされたような、そんな感覚にとらわれたことも事実だ。ちょっと気が強そうな美人で私の妹になんとなく感じが似た風貌の土屋先生の前でアレヤコレヤと記者時代の体験談を聞かれ、このインタビューは進んだのである。10人ほどいた早稲田の若い学生たちは皆、真剣なまなざしで土屋教授と私の記者時代のやり取りの話に聴き入ってくれ、嬉しく思ったのである。
本社会議室での2時間に及ぶ聞き取りは、結構真剣かつ重厚なものとなり、私自身にとっても新たな刺激を受けたような、そんな気がした。というわけで、本来頑強なはずの私には珍しく、きょうは、帰宅後はバタンキュー。珍しく、そのまま、ずっと寝てしまった。愛猫シロが心配して、何度も何度も私の寝床まで繰り返し来て「ニャン、ニャオオ~」「ニャン、ニャン」と主人である私のことを気遣ってくれた。そんな1日となったのである。
いずれにせよ、私はきょうもわが人生で初の方々にお会いしたのである。人生は不思議、かつ面白く魅力に満ちたものだなっ、と思う。
(10月2日)
【大谷本塁打王 米大リーグア・リーグ 1ヵ月欠場し44号 日本勢初 6年目の初戴冠】に始まり、【主要企業が内定式 コロナ5類ほとんどが対面形式】【「甲子園は私の人生だった」 (引退した)大垣日大・阪口監督が会見】など、この世はきょうも新聞、テレビ、ラジオでいろいろ報じている。
なかでも高校野球の東邦(愛知)と大垣日大(岐阜)監督として、甲子園に春夏通算35回出場した名将、阪口慶三さん(79)が2日、岐阜県大垣市の大垣日大で記者会見を開き、同校監督を年末で退任する-と正式発表したニュースには、ジンとくるものがあった。繰り返すが、「甲子園は私の人生そのものだった」。まさにその言葉どおり、球史に残る名監督であったといえよう。
きょう買い物に出たついでに大口町のユニードンキ店近く五条川の川岸をひとり、歩いてみた。と、そこで私が見たものはあの曼殊沙華が整然と紅い華を咲かせた、その威風堂々ともいえる見事な開花だった。たつ江が生きていれば「うわぁ~。すごい。すごいよ」と感嘆の声を上げたに違いない。今はもう秋。秋なのである。
五条川河畔の曼殊沙華は見事のひと言に尽きた。たつ江(舞)が見たら、喜んだに違いない
そして。私は、買い物帰りに久しぶりにカラオケ店「平成」へ。たまたま、客は私一人だけだったが、店主はコーラをサービスしてくださり、なんだか嬉しい気がしたのである。私は、そのなかでマイクを手に▼奥飛騨慕情▼風の盆恋歌▼恋の犬山▼能登の海鳥の4曲を歌い、帰った。
たまには、体内の血ぜんぶをそっくりそのまま替えたい、そんな気がしたからだ。カラオケ店からは合間に、<恋の犬山>の作曲者で知られ、ウエブ文学同人誌「熱砂」の同人仲間のひとり、詩人の牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会の倉知弦洲会主)に電話。突然の電話には牧さんも少し驚いた様子であった。寂しくなると、なぜか牧さんの声が聴きたくなるのである(我ながら不思議な性分というか、困ったものである)。
(2023年10月1日)
【ノーベル賞あすから発表 日本人2年ぶり受賞の行方は 中部ゆかりの有力候補も】【旧統一教会の解散請求へ 政府 高額献金「組織的関与」 12日にも宗教法人審】【コロナ薬自己負担に きょうから最大9000円】とは本日付中日新聞の1面見出し。何はさておき、ことしのノーベル賞には何人の日本人が輝くか。気になるところである。
舞を主人公とした新刊づくりが、このところ最終局面の佳境に入っており、出版社との連絡に追われている。カバー、表紙などの最終版が出版社(人間社)から送られてきて、これらの確認に追われている。何よりも舞が喜んでくれる、そして社会のためになる本として開花してくれるように。ただ、それだけを望んでいる。
というわけで、きょうも何となく気ぜわしく、忙しい1日がまるでこの世の中を、きしむような音をたてて過ぎ去っていったのである。今夜は夕刊がないので、その分、読む時間がなくなるので少しは助かる。それでも、なんだかんだとせねばならないことも多く正直、忙しい。