一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年10月~)

2024年10月31日
 けさはこの秋初めて少し「寒いな」と感じた。
 季節はうそをつかない。とても正直者である。

 朝のハプニング。シロと毎日コンビを組み、時にはケンカもしながら楽しく充実した日々を過ごしていた2代目こすも・ここが朝の食事時に<つぅつっ、つうー>と今は亡きシロ、シロちゃんの部屋に入ってきてくれたのである。
 ただそれだけのことが、私には嬉しくてたまらなかった。のである。そして、もうひとつ。シロのおかあさんでもあった、たつ江、すなわち生前の伊神舞子がとてもよくして頂いた荒木さんにゴミ捨て場でバッタリお会いし、きのう妹がくれたみかんをお渡しすることが出来たことである。こうしたちょっとしたことが人生の励みといおうか。元気のもととなり、楽しいのである。

 夜。米ニューヨーク州ヤンキースタジアムで行われた大リーグ、ワールドシリーズ第5戦でドジャースがヤンキースを7―6で破り、大谷翔平&山本由伸のドジャースが悲願の世界一を成し遂げた。これには、さすがに大谷選手の出身地である宮城県奥州市など日本中が歓喜の渦に包まれた。

(10月30日)
 【女川原発2号機再稼働 被災地初 福島第1と同型 避難計画実効性に懸念 半島、離島に2000人超】【内閣支持18㌽減32% 自公政権継続「望まず」53% 全国世論調査】【国民「部分連合」前向き 政策ごと連携 連立参画は否定】とは、きょうの中日新聞朝刊の1面見出しである。事実を踏まえつつ、どの見出しもポイントをつかんでいるな、と思う。

 そして。夕刊は。同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反するとして同性カップルら7人が国に1人当たり100万円の損害賠償を求めた東京第一次訴訟の控訴審判決で、東京高裁(谷口園恵裁判長)は30日、規定を「違憲」と判断。「合理的な根拠に基づかず、性的指向により法的な差別的取り扱いをしている」として法の下の平等を定めた憲法14条1項と「個人の尊厳と両性の本質的平等」を掲げた24条2項に違反すると指摘した。

(10月29日)
 妹、和代が「うちの畑でとれたから」と蜜柑を手に、たつ江とシロのお参りに来てくれた。彼女は、私が妹を自慢するのもおかしい、へんではあるが。やはり、舞、シロちゃん、そして大御所のおふくろさんと一緒でいつまでも、とても美しくてかわいく、うれしく思った。

(10月28日)
 夕刊見出しは、きのう行われた衆議院選の総決算で【政権維持へ方策検討 首相、衆院選大敗受け 国会来月7日召集再考】【自民65減 立民50増 全議席確定 投票率53・84%】(中日)、【自民大敗191、立民148 衆院の新勢力215与党 野党235 自公過半数割れ15年ぶり 首相、連立拡大探る】【小泉選対委員長が辞意 自公過半数割れ「私の責任」】(日経)というものだった。要するに自民は、大敗したのである。

 中日新聞の28日付の夕刊1面総合リードは以下のようなものだった。
 衆院選で自民、公明両党が派閥裏金事件の非公認3人を含めても定数465の過半数を割り込み大敗したことを受け、自民は28日、政権維持の方策検討を本格化させた。石破茂首相(自民党総裁)は午前、、臨時役員会を党本部で開催した。特別国会の首相指名選挙で多数派を形成するため協議する見通し。立憲民主党の野田佳彦代表は連合本部で芝野友子会長と会い、躍進を踏まえ、野党連携を進める考えを伝えた。衆院選から一夜明け、与野党が再始動した。

 要するに、自民は大敗、惨敗したのである。

(10月27日)
 毎朝、決まって顔を見せ私たちを励ましてくれるこすも・ここ二世
 

 こすも・ここ二世(愛称はタンゴ。初代こすも・ここも、私が当時から社交ダンスのレッスンをしていることから、何かの時から愛着をこめ、こうタンゴと呼んでいた)は、きょうも朝早くわが家居間のガラス窓隣の板の縁(シロが健在な時は、2匹で仲良く交替で座っていた〝黄金の縁台〟とでもいえようか)に姿を現し私からエサをもらって食べた。彼猫(かのねこ)ちゃんの姿に、わたしたち家族の気持ちが、どんなに安らいだことか。こすも・ここ二世よ、ありがとう。

 食後。裏庭シロのお墓の前で二世がきのうに続き、しばらくの間、感慨深げに私に向かって顔をあげ何か言いたげな表情で無言で立つ姿には、またしても涙があふれ、止まらないのである。タンゴよ、タンゴ。毎日、本当にありがとう。おまえには、シロちゃんが毎日毎日本当にお世話になったよね。わたくしたちの二世こすも・ここのこのやさしさを私はこの先いつまでも忘れることはないだろう。

 日曜日。衆議院選の投、開票日である。新聞は【政治への信頼 審判】【中部最後まで裏金攻防】(中日)【与党過半数焦点 衆院選きょう投開票】(毎日)と衆院選の攻防をトップ扱いにしている。

 ほかには相変わらず【イスラエル、イランに反撃 核関連は回避 軍事施設を空爆】【正恩氏側近 ロシア入国 北派兵を統括】(中日)など。けさも物騒な見出しが目立つ。シロは、こんな世の中を憐れんで自殺してしまった。今でも、そんな気がしてならないのである。彼女は亡きおかあさん、伊神舞子と同じでどこまでも平和を求め続け、ひとつの道を歩き続けた、そんなわが子でもあった。あ~あ。

(10月26日)
 ふるさと音楽家の牧さんに能登半島地震復興応援歌「能登の明かり」(歌は岡ゆう子さん。作曲牧すすむさん、編曲安本保秋さん、作詞は私、伊神権太)のCD100枚をクロネコヤマトの宅急便で送る。
 能登半島地震からの復興を願った応援歌が好評で牧さんの手元にあったCDが早々と全てなくなってしまったからである。ユーチューブの方も視聴者がじわじわと増えつつあり、この歌を口ずさむ人々がひとりでも多く増え、能登復興の起爆剤になれば、と願っている。今や、おかあさんと共にお空にいるシロちゃんも心からそう願ってくれているに違いない。

(10月25日)
 滝高校のクラス会が江南市内の「むさし家」であり、愛猫シロを失った直後で、あまり行く気はしなかったが、久しぶりに学友たちに会えば少しは元気も出るかもしれない-と自身を鼓舞して出かけた。
 せっかくの場なのでと思い、古くからの友人で作曲家でもある牧すすむさん=琴伝流大正琴弦洲会の大師範で会主でもある倉知進さん。ウエブ文学同人誌「熱砂」同人=とつくった能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】のCDを持参すると、そこは昔からの仲良しクラスメートの証明とでもいえようか。全員が気持ちよく購入してくれ、とても嬉しく思った。
 わたくしは「皆さんの善意の気持ち、心は来年被災地で開催する復興応援コンサートの席で、義援金として生かしたい、と思っています」と述べ、心からの礼を述べたのである。

「高校三年生」を歌う同窓生
 

滝高校歌も一緒にうたった
 

     ※     ※     ※    

 シロの大の友だちであった2代目こすも・ここ。彼猫(かのねこ)は、きょうの朝も心配顔でいつもシロとともに日向ぼっこをしていた居間横の縁側に顔を出した。彼猫は、今回の突然の友だち(シロちゃん)の死を十分過ぎるほどわかってくれており、悲しいけれど我慢し乗り越えなければ-といった表情が痛々しいほどでもある。
「中に入ってきてシロが食べていた食器で食事を」と促しても後じさりしてしまい、食べようとはしない。デ、いつもどおり縁側に置かれた食台にエサを与えると遠慮がちに近づき、食べるのである。
 その姿がなんともいじらしく、涙さえ出てしまう。こすも・ここ2世のここよ。おまえは遅咲きの半野良ちゃんではあるが、これからはお父さんたちとは家族なのだから。元気で楽しく毎日を過ごそうよね。おまえの友だちだったシロちゃんの遺言なのだから。
 おまえを見過ごすことなど絶対にしないから。楽しく幸せな毎日を過ごそうよ、ね。

2024年10月24日
 かつてのシロ。
 おかあさん(伊神舞子)が生きていたころ、シロは毎日、おかあさんがリサイクルショップ「ミヌエット」から帰るのを玄関先で待ち続けた(2021年7月29日写す。伊神家で)
 

 木曜日。シロちゃん。シロ、シロ。シロ。オーロラレインボー。シロちゃん、おはよう。今はどこ? 元気でいますか。

「うぅ~ん。うぅ~ん。にゃん、にゃあん」と毎朝甘えた声を出し、1階の自室から胸を張り2階のわたくしの寝室にまで上がってきてくれたシロよ、シロちゃん。おまえは、もういない。どんなに大空に向かって大声を出しても答えてはくれない。なんということなのだ。
 朝。彼女が2階の私の寝室に上がってくると、私は決まって「シロ、シロ、シロ、シロちゃん。おはよう。きょうもよろしく。よろしく、ね。おかあさんはいないけれど元気でいこうよな。おにいちゃんたちも、みんなそれぞれ頑張っているのだから」とシロのあごを何度も何度もさすってやる。シロは、そのつど満足そうに〝うん。う~ん〟と答えるとゴロゴロゴロとこんどは全身で喜び、応えてくれたものである。
 いつだって背をピンシャンと張って玄関横のおかあさんがその香りを大好きだった金木犀の見える小窓から外を黙ってみる姿は神々しく、それこそ美し過ぎた猫ちゃんでもあった。そのシロ(本名はオーロラレインボー)のおかげがあればこそ、舞の死後、私たち家族がここまで何とか前を向いて歩いてくることが出来たことも確かだ。

 ーそう思っているのだよ。おとうさんは。おまえのことを。シロちゃん。オーロラレインボーちゃん。おかあさんも、おとうさんも、お兄ちゃんたちも、だ。おまえには本当にお世話になってきたよね。ありがとう。ありがとう。ありがとう。いつも家のことを気遣ってくれていたよね。
     ※     ※     ※

     ☆     ☆     ☆
【福井中3殺害再審決定 知人ら供述「警察誘導」高裁金沢支部 前川さん逮捕から37年】【不屈37年「無罪」へ一歩 表情緩めず「闘い続く」】【「巌に続き頑張りましょう 20年以上交流、袴田ひで子さんエール】【裏金非公認支部に2000万円 自民、事実上の支援 衆院選10・27】(24日付中日新聞の見出し)……。 そして。夕刊はといえば、だ。【北朝鮮兵3000人、ロシアに 東部で訓練、米が確認 国防長官「参戦なら深刻」】(24日付日本経済新聞)といった具合である。
 新聞はきょうもやはり、日々、良いこと悪いことなど。社会の営み、顔を映し出している。ともすれば、思い上がった一部のメディアリテラシーをのぞけば、貴重な媒体であることは確かだ。

 きょうは早朝、久しぶりの不燃物集積場の立ち番で少し、疲れた。でも、こうした行為は地域に住む人々が奉仕の心を通じて互いに互いを知る良い機会にもなっており、少し大変ではあるが。よいことだと私は思う。たつ江(舞)の生存中は殆ど彼女に任せっぱなしだっただけに、私はこれまた妻の生存中は、随分と勝手気ままな悪い男だった。そんな気がしてならないのである。
 そのおかあさんのことをいつも気遣い、何かにつけ家族を救ってくれていたのがおかあさん命名の俳句猫「シロ」、すなわちオーロラレインボーだった。

(10月23日)
 午前中、シロの突然の死で川崎市在住の長男夫妻から「これまで家族を見守ってくれてありがとう 年数回の訪問者とも遊んでくれてありがとう 真白で気高くて福々しい姿を忘れません 天国ではお母さんと楽しく遊んでね」といった書簡が、白い花と一緒に送られてきた。
 そして。午後には舞とシロが生前、ずっとお世話になってきたあの作家太田治子さんからも【シロさんが空の上へ――。悲しすぎるおしらせに伊神さまの今のお心の悲しみに言葉をなくします。舞子さん シロさん あまりにも美しすぎたのですね】と書かれた書簡とともに花と太田さんの著書【手記・空色のアルバム】と【幻想美術館 名画から紡ぐストーリー】が送られてきたのである。
 わたしは、さっそくシロがいつもいた室内一角にこれらを供え「ありがとうございます」と心の中で礼を述べた。
 
 写真は太田さん、そして長男夫妻から送られてきた花と本。別れのことば。これらは、生前のシロがよくくつろいでいた彼女専用のミニハウスの前、お母さんが眠る仏壇下に供えられた
 
 

     ☆     ☆     ☆   

     ※     ※     ※
 シロよ。シロ、シロ、シロちゃん。正直に言うが。俺はおまえのおかげでおかあさんの死後、ここまで何とか歩いてこれた。立ち直ることが出来た。ありがとう。本当にありがとう。毎朝ニャア~ンと言ってわたくしを起こしにきてくれた。そのシロちゃんはもういない。私にはかわいいシロ、シロがとうとうガザやウクライナ、ヒズボラ、さらには能登半島地震と豪雨水害禍に泣く能登など世界中の人々のことを思い、とうとうダイビング(自死)してしまったような、そんな気がしてならない。彼女は、いつも身だしなみを整える礼儀正しい家族思いの猫だった。でも、あのどこまでも可愛く愛らしかったそのシロちゃんは、もはやこの世にいない。なんということなのだ。なんたることなのだ。

 ちまたは衆院選が佳境に入っている。この世は無情。皆、自分勝手。無慈悲なものである。

(10月22日)
 午前9時過ぎ。きのうの今ごろ、シロちゃんはまだ私の隣のこの座椅子に座って一緒に今では朝の私とシロの日課にまでなっている【エーデルワイス】【みかんの花咲く丘】【能登の明かり】の3曲をスマホのユーチューブで聴き入っていた。そして。それが終わると、シロは玄関先の小窓から身を乗り出し、そこから見える庭の金木犀の香りが気に入ってか、外の光景にじいっと見入ったりするのが常、日課でもあった。

「シロよ。シロちゃん。きょうは月曜日だから、これからゴミ出しをしてくるからね」のよびかけに、彼女はいったん顔をこちらに向け「う~ん、うん」といつものようにちいさく答え、再び窓辺から戸外の光景を見やったのである。
 そんな今の私にとっては最愛の女性の一人だと言っていい彼女が、それから外出してまもなく、まさか、わが家前の路上で何者かが運転する車にひかれて死んでしまうとは。一体誰が想像しただろうか。やはり、ひき逃げに遭ったのだろうか。いやいや、それとも。シロのことだ。このところウクライナ、ガザ、ヒズボラなどで続く醜い戦争。これら暗い世界に落胆し、ニンゲンたちのする終わりのない戦争へのアンチテーゼとして自ら車に飛び込んだ自殺、すなわち自死したことだって十分にありうる。シロは、そうした社会派猫であったことも事実だ。

 というわけで、きょうの午後、彼女は自宅裏庭敷地内の猫塚一隅に息子の手で掘られた土中深くに埋葬された。埋めるに当たってはカッと見開いていた右目を手でそっと閉じ、さらに血がにじむ顔面を何度も何度も、何度もタオルやティッシュでふいてやる。最期の最期まで痛かったろうに。それでも両の耳はピンと立ち、しっかりと結ばれた両手も、それこそいじらしいほどで、そのまま生き返ってくれるのでは-との期待すら抱いたが、シロの息は永遠に戻ることはなかった。
 そんなシロの最期を目の前に私は彼女の胸部分に結ばれた両の手を繰り返し繰り返し、さすってやったが、彼女が再び息を吹き返すことはなかったのである。それでも、ただの一瞬ではあったが、シロの顔面に笑みが浮かび「おとうさん。ありがとう。しあわせだったよ」とほほえんだような気がし、その刹那、わたくしの両の目からは滂沱の涙が流れ出たのである。シロよ。シロ。おまえとの生活はほんとに楽しかったよ。ありがとう。

 どんなに痛かったろう。苦しかったに違いない。埋葬前のオーロラレインボー
 

     ※     ※     ※
 このところのシロは、朝が訪れる夜明けになるつど、私の布団の中にニャア~ンと甘えた声をあげ入ってくるのが常だった。「シロ。シロ。シロちゃん。おはよう」と言って上布団を開き中に入れてやると彼女は決まって私の左腕部分にからだ全体を預けたまま幸せそうに寝入り、気が付くとゴロゴロゴロゴロと満足そのものに寝息をたてるのであった。
 こんなわけでシロちゃんも私もこれ以上の幸せはないといった表情でいたことがあらためて思い出される。でも、その私の大好きだったシロは、もはやいない。なんということなのだ。シロが何か悪いことでもしたというのか。私はシロを引いた人がいたのなら、即刻謝ってほしく思うのである。そうでなければ、シロがかわいそうである。ひとくち謝ってくれたなら、それ以上は何も言わない。シロの自死かも知れないことと、私がシロを外に出したからである。

 日中のひととき。誰かが、何かが一斉に走るような音がしたが、シロではなかった。シロは既に昨日、命を落としているのである。

2024年10月21日
 月曜日。私が愛するわが家の俳句猫、アイドルと言ってもいい愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)がきょうの午前11時ごろ、自宅横の道路で何者かが運転する車にはねられ、まもなく死亡した。シロちゃんは元々野良猫だったが、わが家に再三訪れ、繰り返し室内に入ってこようとするうちに、亡き妻たつ江(伊神舞子)がわが家の家族の一員として招き入れ、れっきとした家猫になったいきさつがある。7歳だった(推定)。きょうは、いつもより少し遅く午前10時20分過ぎにお外に散歩に出て間もなくの思いがけない悲劇であった。

 能登半島地震と豪雨禍の復興応援歌「能登の明かり」のCDが出来、ユーチューブ化もなんとか終わったと言うのに。一体全体、なんたることか。好事魔多し-とは、まさにシロちゃんの突然の死そのものである。「散歩だから」と出たがるシロを外に出した私に全責任がある。わが家族にどう言ったらよいのか。あ~あ。一生の不覚とは、このことか。第一、シロと家族に申し開きがたたない。それとも、シロはガザ、ウクライナ、ヒズボラなどで延々と続く戦争、そして能登半島地震と豪雨禍を憂え、生贄を志願して自ら車に飛び込んで自死したのか。そこのところは分からない。
 ただ彼女が姿を消したことにより世の中がその分、暗くなることだけは事実だ。彼女には、そうした天衣無縫なるユーモアみたいな、かつ引力のような底知れぬ明るさがあったのである。

 といったところで、あのかわいかったシロはもはや、この世に帰ってくることはない。それにしてもだ。シロを車でひいた犯人は一体全体、誰なのか。(おかあさん、すなわち生前の舞にしてもらったハートの首輪と鈴もしっかりしているのだから)。車を止め、シロの自宅を探し、せめてたとえ一口でも謝罪すべきではないのか(この点については帰宅した息子が「その前に、シロを路上に出した飼い主であるお父さんが悪い」と私の非を指摘した)。

 午後11時過ぎ。私はいま、妻舞亡きあと私にとっての最愛のパートナーと言って良い彼女シロを失い、心は千々に乱れている。シロの突然の不幸を思うとき、涙がドッとあふれ、止まらないのである。シロよ、シロ。シロ。シロちゃん。「俳句猫のシロは何でも知っている。知っているのだから」という亡き妻の声が思い出される。本当におかあさんの言うとおり、シロはわたくしたち家族のことなら何でも知っていた。
 いつだって私たち家族を助け、勇気づけてくれたシロちゃん。本当にありがとう。命が消えてしまってからでは、もはや遅いかもしれない。けれど、あらためて心の底から長い間、ありがとう。毎日がうれしかったーと礼を言いたい。

 つい先日まで元気でいたシロ。「能登の夜明け」のユーチューブ実現に思わず「やったあ」と叫んだ時。シロは喜んで私たちのいる部屋まで入ってきた。そしてニャン、ニャア~ンと声をあげてくれ、あの瞬間のことは永遠に忘れないだろう。
 

「シロさん、悲し過ぎます、舞子さんと空のうえから伊神さまをお守りくださいね」「それはお辛いですね。あまりお気を落とされませぬよう。シロちゃん、きっとおかあさんのところに行ったのだよ。元気でいるわよ」「しばらくは涙の日々が続くかもしれませんが、1日も早く立ち直ってくださいね。シロちゃんも天国で奥様と仲良く楽しく暮らし、貴方達を優しく見守ってくれると思います。シロちゃんのご冥福をお祈りしています」
「辛い話です。辛すぎます。シロちゃん、運が悪かったとか言いようがない。運が悪すぎた。伊神さんのせいだとは誰も思いませんよ。これまで十分すぎるほど大事に、一緒に暮らしてきたのだから」
 シロの訃報に友人から届いたやさしさあふれる心からの追悼、励ましメールの数々。わたくしとシロは、その哀悼の言葉を胸に、これからもせめて心の中だけでも元気かつ幸せに生き続けていきたく思っている。
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 コロナ禍に、おかあさん(わたくしの妻伊神舞子)の死など。ここまで何度も家族一緒に苦難と危機を乗りこえてきたシロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、きょう突然、旅立ったのである。シロよ、シロ、シロ、シロちゃん。これまで家族を守ってくれ、本当にありがとうね。天国でまた幸せで楽しい日々を過ごすのだよ。
/シロをどこまでも愛する私たち家族より

 私の目からは今も涙が出続けている。シロよ、シロ。シロ。ごめんね。シロちゃん。「外にはださないでね」とあれほど舞に言われていたのに。わたくしは、彼女を散歩に-と外に出すのを日常化してしまい、そこに不幸が訪れたのである。

2024年10月20日
 上皇后美智子さまが、この日、90歳の誕生日を迎えられた。美智子さまは今月6日に転倒、骨折した右大腿骨の手術後の経過は幸い順調で、赤坂御用地(東京・元赤坂)にある住まいの仙洞御所で侍医や理学療法士と自力で歩行するためのリハビリを続けておいでになるという。早い回復を、と願う。

 きょうは、まさに秋晴れ、一点の雲さえない。たつ江。すなわち舞という風たちが一斉に開いた窓辺からキラキラと中に入ってくる。思わず、♪秋の夕日に照る山もみ……と口が開く。秋の心地よい風が一斉に窓辺に入り、風のひとひらひとひらに愛おしささえ感じる。人生、だれとて辛く悲しいことぱかりではあるけれど。やはり、この世は、すばらしい。わたくしたちは、こうした恵まれた自然の中に居て生かされ、幸せだな、と思う。北寄りの季節風が冷たさを感じる一日。北海道では初雪が降り、ここ濃尾平野のある東海地方は晴天の一日となった。
  
(10月19日)
 土曜日。【首相官邸前に車突入 発煙筒? 投げた容疑者逮捕 自民本部には火炎瓶か】【支持アピール「タイパ」も重視 数十秒SNS動画 若年層に浸透願う】(タイパとは、時間的効果を意味するタイムパフォーマンスの意味)【与野党幹部各地で訴え 公示後初の週末、中部でも】とは本日付の中日新聞夕刊。というわけで、27日投開票の衆院選もいよいよ佳境に入っている、といったところか。
 この日、早朝の午前5時50分ごろには東京都千代田区の自民党本部に男が火炎瓶のようなものを5本ほど投げ、機動隊の車両が一部焼損。犯人の男はワンボックスカーで逃走後、近くの首相官邸前の防護柵に突っ込むという事件までが発生。選挙が近づくなか、このところの日本は、なんとも物騒極まりなき社会でもある。

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 ところで、けさの新聞報道によれば、警視庁と埼玉、千葉、神奈川3県警は、首都圏でこのところ相次いでいる闇バイト強盗事件を受け、18日、合同捜査本部を設置、幹部らによる会議を開催。8月以降に発生した1都3県の計14事件の重点捜査に乗り出したという。

 連続強盗の重点捜査を報じた19日付の新聞紙面
 

(10月18日)
 俳優の西田敏行さんがきのう、亡くなった。福島県出身。76歳だった。
 17日午後零時20分ごろ、西田さんの家族が119番。ベッドで冷たくなっている状態でその場で死亡が確認されたという。「心臓の持病があったが、普通の日常生活を過ごしていた」という。西田さんといえばだ。数多くのテレビドラマに出演され、当代イチの俳優さんだったことは、誰もが認めるに違いない。それだけに、日本映画界にとっての損失といってもよいかと思う。庶民性あふれる役者さんであったといえよう。
 特に私の場合、毎週日曜日になると女優竹下景子さんの声と一緒に流れてくるNHKラジオの【日曜名作座】に登場する西田さんの声が大好きだっただけに、惜しくて残念な気がしてしかたない。でも、この世を去ってしまった西田さんは、この先どんなに大きな声で呼んだところで、もはや元には戻ってはこない。合掌―

 そして。逝去といえば、だ。野ねずみが活躍する人気絵本「ぐりとぐら」シリーズなどで知られた児童文学作家、中川李枝子(なかがわ・りえこ)さんも14日未明、老衰のため東京都内の病院で死去。89歳だった。札幌市出身。

 中部地方は17日、高気圧に覆われて季節外れの暑さに。岐阜県多治見市で30・6度を記録するなど愛知、岐阜両県内の7地点(ほかに大垣市と揖斐川町、愛西市で30・5度、岐阜市30・2度、美濃市30・1度、名古屋市30度)で30度以上の「真夏日」に。いずれも観測史上最も遅い真夏日となった。このうち名古屋市は1961年と並び観測史上最も遅い真夏日。ほかの6地点でも3~6日、記録を更新したという。

 イスラエル軍が17日、イスラム組織ハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワール氏を殺害した、と発表。イスラエル軍のハガリ報道官が「約1年の捜索の末、テロ組織ハマスのリーダーは死亡した」と話し、シンワール氏は16日、ガザ南部で殺害されたという。軍は同氏が昨年10月の奇襲攻撃を首謀した-として行方を追っていた。

(10月17日)
 原子力規制委員会が16日、11月に運転開始50年となる関西電力高浜原発1号機(福井県)について、こんご10年間の管理方針を定めた保安規定を認可。国内では初の50年を超える運転認可となった。日米韓の3カ国などが16日、北朝鮮に対する制裁の履行状況を監視してきた国家安全保障理事会の専門家パネルに代わる新組織「多国間制裁監視チーム」(MSMT)が発足した-と発表。監視チームには日米韓主導でフランスや英国、ドイツなど計11の西側有志国が参加。「制裁違反や回避を厳格に調査し、制裁の完全履行を支援する」と表明した。
 牧すすむさん(倉知進さん)から「(15日が)奥さんの命日だったので」と巨大なマスカットが送られてくる。さっそく仏壇に供え「牧さんがお忙しいのに届けてくださったよ。感謝しような」と語り掛ける。これがまた、とびきり美味しく、それこそホッペが飛びそうだった。牧さん、そしてかよちゃん、崇さん。心からありがとう。ありがとうございました。

2024年10月16日
 新聞、テレビなどマスコミ各社は、どこもかしこも昨日公示された衆議院選挙の報道一色である。そんな数々の報道の中でも本日16日付中日新聞朝刊1面の【「選びたくない」を選ぶ 論説主幹 島田佳幸】は、ちょっと面白い切り口で、出色の出来といえようか。面白く読ませて頂いた。

 舞の祥月命日だった昨日、令和6年10月15日を人生の新たな起点に、わたくしは、きょうあらためて新たな道に向かって歩き始めた。いつだって。わたくしの胸にも心にも舞、たつ江はさわやかに張りつき暗黙の中、私がこの先、進むべき道を教えてくれているーとでもいえようか。

 伊神舞子は私の心の中でいつも生きている
 かつてドラゴンズ公式ファンクラブ会員だったころの彼女
 

 というわけで、きょうは例によって新聞各紙を読みこなし、かつて彼女の愛唱歌でもあった<エーデルワイス><みかんの花咲く丘>、そして能登半島地震の復興応援歌として最近、誕生した<能登の明かり(牧すすむさん作曲)>を愛猫シロとともにスマホで聞き、共に口ずさんだあとは、なぜかシロの視線を背中に感じて裏庭の猫塚へ。
 かつて能登の七尾から岐阜県大垣市に家族と共に移住してきた能登・大垣猫の〝てまり〟をはじめ、先代の〝こすも・ここ〟と神猫シロが眠る猫塚の清掃とあいなったのである。私は、ついでに伸びすぎた庭木も、かつてたつ江が手にしていた切れ味鋭い挟みで伐採、野良ちゃん(わが家の庭先に毎日訪れ初代こすも・ここにそっくりなので、私は最近、2代目こすも・ここと命名)のえさ場もきれいに清掃。なんだかすっきりした気持ちとなったのは不思議である。これもシロのおかげ。彼女の視線ひとつで私は、こうして動いたのである。

 てまりなど愛猫3匹が眠る猫塚には花が供えられ、ちょっぴり華やかに
 

 午後。自宅近くの歯医者さんから帰宅後、わたくしはそれこそ久しぶりに愛用のハーモニカと、おそらく愛知県下でも数えるほどしか手にする人はいないはずの篠笛で<ふるさと>と<さくら>をふいてみた、いや演奏してみたのである。季節は、このように巡りめぐっていく。いまはもう秋、あきなのである。ちまたは衆議院選挙の選挙モード一色だ。月日がトントン、とんとんと秋風に吹かれて、きゅうと声をあげ、流れてゆく。

2024年10月15日
 十三夜。 
 きょうは、亡き妻、伊神たつ江、すなわち舞子の祥月命日である。
 
 というわけで、午前中、自宅の仏壇に愛猫シロと一緒に手を合わせ、つづいてシロに留守番を頼んで舞が眠る愛知県江南市高屋の永代供養集合墓「濃尾の大地」へ、と足を運んだ。仏壇、「濃尾の大地」ともに手を合わせ「俺たちは皆元気でそれぞれの道を前に向かって歩いているから。心配しないでほしい。それよりも元気でいるか。友だちできたか」などと久しぶりの会話を交わした。
「何言っとるのよ。それより、こどもたち皆どうしてるの。ごはん食べている」と聞くので「心配ないよ。それなりに食べとるから。皆、それぞれの道を、きちんと前を見て歩いているから。心配ないよ。それより、俺たちがお世話になった能登半島が大地震のあと、こんどは記録的な豪雨水害にまで襲われて大変だよ。それでな。おまえも知っている牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会の会主兼大師範。作曲家)と一緒に大地震に遭った能登半島のみなさんを励ます復興応援歌【能登の明かり】をつくった。つい先ごろCDが出来たのでちょっと聞いてみるか。歌は、あの岡ゆう子さんが歌ってくれてる」。

 こんなわけで私はスマホに収録済みである【能登の明かり】を1、2、3番の順に「濃尾の大地」の墓前で流し、亡き妻に聞かせたのである。秋風を切って流れる牧さんならでは、のさわやかで弾んだ、かつ哀愁を帯びたメロディーが空高く次々と流れていったが、そんなドラマチックな光景を目の前にしたであろうたつ江、すなわち舞は「いいわね。いい、と思う。能登の皆さん、誰もかもが心も折れるほどに辛い毎日でしょうが。なんとか立ち上がり、前を向いて一歩でもニ歩でも進んでいってほしいね。大変だけれど」と、わたくしに向かって話す姿が目の前に大きく浮かび上がったのである。

 この日初めて舞の墓前で能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】が流されたー
  

 帰宅すると、シロちゃん(オーロラレインボー)がいつものように玄関先まで飛んで出迎えてくれ、ボクはそんな愛猫に向かって「シロよ。シロシロ、シロちゃん。おかあさんに【能登の明かり】を聞いてもらってきたよ」と話すと、彼女はニャア~ンとひと声だけ発した。

 きょうの夕刊各紙は【石破政権の信問う 衆院選公示27日投開票 裏金、物価対策争点】【東海3県 小選挙区に80人超】【台湾取り囲み 中国軍事演習 頼総統演説に対抗措置】(15日付中日)【石破政権に審判 衆院選公示27日投開票 自公過半数で攻防 1300人超立候補】【経済学賞 米大教授3氏 「社会制度と国の繁栄」研究 ノーベル賞】(15日付日本経済新聞)といった具合。いよいよ第50回衆院選が公示され、27日の投票に向け12日間の選挙戦に入ったーとの活字が躍った。国民注視のなか、さて結果はどうなるか、だ。関心は高い。

2024年10月14日
 秋空に未来永劫と書いてみし(伊神舞子)。

 連休中は亡き妻が詠んだ俳句そのままのさわやかな空が広がった。
 庭のアサガオも連日、美しい顔をのぞかせた。
 

 
 
    ※    ※    ※

    ☆    ☆    ☆
 秋晴れ。祝日。スポーツの日。「鉄道の日」でもある。
 北海道の旭川では初氷が張ったという。鉄道の日といえば、だ。私はかつて激務の合間を縫って連休などが訪れるつど、当時の勤務地だった岐阜や小牧、能登・七尾、大垣、大津、一宮などからよく夜行列車や飛行機に飛び乗って八尾をはじめ、伊豆や東北、山陰、四国・九州、北海道、時には韓国やサイパン、中国など海外にも出向き、ひとり旅をしたものである。
 今にして思えば、かわいい妻たつ江(舞)がいたのに。彼女には育児があるから、と大半はひとり旅で随分と勝手し放題の男でもあった(とはいえ、時には大阪や神戸、奈良、長崎、広島、北海道、東北などに彼女の求めに応じて同行したものである)。1人で行く時はいつも「ちょっとだけ行ってくるから」と出掛けたものだが、舞の言葉はいつだって「うん、いいよ。でもね、日帰りはダメよ。疲れちゃうから。だめなの。泊まってくるのよ」というのが口癖でもあった。そうした舞の理解もあってか、わたくしはそれこそ、【夜行列車に飛び乗って】そのつど書き続けた成果もあってか、これまで多くの作品をこの世に残す、ことが出来たと思っている。

 きょうは14日だ。愛猫シロちゃんは、いつものように午前10時過ぎ、いったん外に出たものの、すぐに退却。いつもの定位置・窓際の見晴らしのいい縁側が野良猫の二代目こすも・ここ(前いた愛猫こすもにそっくりなので私が勝手に名付けた)に占拠されていたためだが、ふたりの以心伝心もあってか、しばらくするとまたお外にと出て行き、こんどは二代目こすも・ここに代わって縁側に満足そうな顔をして座ったのである。
 それはそれとして、だ。ふたり(シロと二代目ここ)の間では、最終的には「シロに彼女の定位置を譲る」ということで話し合いがまとまったようである。いずれにせよ、まだ今のシロちゃんが居ないころは、先代のこすも・ここと初代シロが、わが家には居たのである。ふたりとも長寿猫でどちらも23年という猫生を謳歌したあと、私がいま住む江南の当地で亡くなり、わが家の中庭で先代の能登猫てまりともに眠っているのである。シロちゃんは、これら先輩猫3人の後を引き継いでわが家に貢献。元々野良猫だったところを、舞に家族の一員として迎えられた、あの日のことは忘れられないのである。

2024年10月13日
 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与のビッグニュースは、けさの紙面でも【ノーベル平和賞の被団協 核廃絶「人類の課題」 首相の核共有言及「怒り心頭」 フリードネス(ノーベル賞)委員長が祝意】(中日)【「偉い人たち資料館に来て 被団協ノーベル平和賞 一夜明け新たな誓い 「向こうで喜んでくれている」「活動、世界に広まるだろう」「被爆者の姿目に浮かんだ」「国連にとって最優先の課題」】【核共有論に「怒り心頭」 被団協首相を批判】(毎日)などと報道され、未だ余韻が治まらない。それだけ、最近にない人類にとって大切なホットニュースが世界を駆け巡っている-ということか。
 そして。ほかに目立った見出しは【衆院選へ7党首討論会 石破氏消費減税を否定 経済や安保応酬】【核禁条約に首相慎重】(いずれも中日)か。

 夜。NHKスペシャル【世界に広がるガザの詩 死せる詩人・魂の叫び 絶望の淵でかすかな光 パレスチナの物語とは】を見る。なかでも<もし私が死ななければならないのなら あなたは生きなければならない 私の物語を伝えるために>の下りが心に染み入った。

 NHKスペシャル【世界に広がるガザの詩】の一場面(NHKテレビ画像から)

(10月12日)
 「被団協にノーベル平和賞」を伝えた新聞各紙
 

 この日の新聞紙面は【被団協ノーベル平和賞 核廃絶世界に訴え「ノーモア・ヒバクシャ」】【<解説>増す核脅威への警鐘(アメリカ総局・浅井俊典)】(中日)【被団協 ノーベル平和賞 核廃絶訴え続け 被爆証言世界に示す】【「過ち繰り返さぬ」共有を 専門記者・前広島支局長 宇城昇】(毎日)…とノルウェーのノーベル賞委員会が11日、「核兵器の使用は道徳的に容認できないという国際規範の確立に多大な貢献をした」として被爆者による唯一の全国組織で、日本の反核・平和運動の中心的存在である日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協、本部・東京都港区)に2024年のノーベル平和賞を授与する-と発表した記事が、やはり目立つ。日本の平和賞受賞は、非核三原則を打ち出した佐藤栄作元首相が1974年に選ばれていらい50年ぶり2度目。団体としては初めてとなるビッグニュースである。

 名古屋駅前のウインク愛知5F小ホールであった【ラララダンス発表会】に出演。相方の〝悦ちゃん〟と日ごろ社交ダンスを教えて頂いている先生〝若さん〟のおかげ、教えもあって、不完全ながらもなんとかタンゴを踊り切ることが出来た。それにしても、いつまでたっても上達しないわが身を内心、恥じ入った次第である。
 
 楽しく進んだラララダンス発表会のひとコマ
 

 

 この社交ダンスは亡き妻たつ江(伊神舞子)が晩年、病床で「あのねえ。社交ダンスだけは、いつまでも続けるのよ。続けてよね」と口を酸っぱくして私に言っていた、いわば遺言でもあるため、どんなに未熟でもこの先も続けなければ、と思っている。本音をいえば、こうした発表会でどんなに下手でも舞と共に踊ることが出来ていたのなら。最高によかったのだが。時、既に遅しで、今となっては恥じ入るばかりだが、舞は内心、そうした日を願っていたのかもしれない。
 実際、彼女は私の一宮支局長在任当時、25、26年前から一宮スポーツ文化センターなどでフォークダンスのレッスンをずっと続けており、世界中のフォークダンスを華麗に踊りこなす姿は、見事の一言に尽きた。後年、その一方で、私には内緒で江南市内で社交ダンスも学んでいたのも確かだ。このことは、私がピースボートの旅から帰ってから知らされ、驚いた記憶がある。

 アニメ「ドラえもん」のドラえもん役を26年務め、愛嬌たっぷりのだみ声で親しまれた声優で俳優の大山のぶ代(おおやま・のぶよ)さんが9月29日午後4時23分、老衰のため東京都の病院で亡くなった。90歳だった。
 衆院選に出馬する河村たかし名古屋市長(75)が先に議長に申し出た14日付の辞職日について名古屋市議会は11日の本会議で不同意とした。このため河村市長は辞職扱いではなく、衆院選公示日の15日の立候補に伴う自動失職となる。

(10月11日)
【文学賞 ハン・ガンさん 韓国人、アジア女性初 ノーベル賞】【歴史と人間の内面描く】【中日に「勝つ喜びを」井上新監督が就任】とは、本日付の中日新聞見出し。とはいえ、【衆院解散明け舌戦 短期決戦事実上スタート 投票所入場券の郵送 公示に間に合わず? 選管「期日前、なくても可】のニュースがトップを占めており、社会はいよいよ選挙モード一色だ、とでもいえようか。

 1面トップ記事の書き出しは、こうである。
――与野党は10日、衆院解散を受けた選挙戦を事実上スタートさせた。15日公示、27日投開票の短期決戦。………
 といった具合だ。

(10月10日)
 亡き妻伊神舞子(伊神たつ江)が能登七尾で大変お世話になり、かの地を離れてからも短歌雑誌「澪(れい)」=私が七尾に在職中。前身の短歌雑誌の名前は【凍原】であった。=同人として伊神舞子が大変お世話になり続けた七尾の歌人山崎国枝子さん=「澪」代表=から「いがみさん。能登の夜明けのCD届きました。じっくり聞かせていただきます」と電話が入った。かつて舞がセットしてくれ、今も健在でそのまま役割を果たしてくれている、わが家の留守電にあの国枝子さんの懐かしい声が入っていたため、かけ直してアレヤコレヤと話し合ったが、舞は本当によい方々のお世話になったものだーとつくづく思ったのである。
 ありがとう! 山崎さん。そして同人の皆々さまと思わず叫びたくなったのである。

 山崎さんからは、短歌雑誌「澪 2024年9月号」が「7月号」「5月号」とともに、わが家に送られてきた。そしてその中の9月号には御年90歳の竹内喜美代さん=金沢市在住=の私の本【あたし帰った かえったわよ】に対する読書感想文までが書かれており、私は何と言って良いのか。舞の仏前にこのことを報告。「能登のみなさんにお礼を言わなきゃな。ほんとに能登はやさしや、だよね」と舞に語り、話しかけ、手を合わせたのである。

 山崎国枝子さんから送られてきた短歌雑誌「澪」と竹内さんが「澪」9月号に書いてくださった拙著【あたし帰った かえったわよ】に関する読書感想文
 

 

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 朝刊見出しは【「政治とカネ」問う 衆院解散27日投開票 国会論戦わずか】【自民、裏金34人公認 旧安倍、二階派の12人非公認】【袴田さん無罪確定 静岡4人強殺 地検が上訴権放棄】(10日付中日)【「自民裏金」審判 衆院解散総選挙 15日公示27日投開票 首相就任後8日戦後最短 非公認12人 問われる中道回帰 政治部長田中成之】(毎日)といったところか。

 スウェーデン・アカデミーが10日、2024年のノーベル文学賞を韓国の女性作家韓江(はん・がん)さん=53歳=に授与する、と発表。韓国人に対しノーベル文学賞が授与されるのは今回が最初。アジア人女性としても初。

 野球日本代表(井端監督)が9日、来月開催される国際大会「プレミア12」に臨むメンバー28人を発表。岡本和真内野手(巨人)や高橋宏斗投手(中日)らが選出された。右足親指を骨折した村上宗隆内野手(ヤクルト)や佐々木朗希投手(ロッテ)は選ばれなかった。村上内野手、佐々木投手ともに私が大好きな選手だけに、こちらは少し残念無念である。

(10月9日)
 きょう9日付の中日朝刊の最大記事は、といっても1面トップの袴田さんの無罪確定を報じた【袴田さん 無罪確定へ 検察、控訴断念 逮捕から58年 総長謝罪 <解説>審理長期化 法改正が急務】だろう。なんだか私までがホッとしたのである。次には【中日 井上監督就任へ 近く会見「お受けする方向」】だといえよう。

袴田さんの無罪確定、再審無罪を報じた新聞
 

 

 午後。私の作詞、牧すすむさん作曲による能登半島地震とその後の豪雨災害からの復興を願った応援歌【能登の明かり】のCD完成に伴い、尾北ホームニュースの女性記者がその取材でわが家を訪れた。「この歌を口ずさむことで能登のみなさんが少しでも元気を取り戻し、前に向かって歩いて頂けたら」とその目的について話させて頂いたのである。

(10月8日)
 火曜日。スウェーデンのカロリンスカ研究所は7日、2024年のノーベル生理学・医学賞を、遺伝子制御で重要な役割を果たす微小な生体分子「マイクロRNA」を発見した米マサチューセッツ大のビクター・アンブロス教授(70)と、米ハーバード大のゲイリー・ラブカン教授(72)に授与する、と発表。両氏は1993年、体長1㍉の「線中」を使い、マイクロRNAが遺伝子の働きを調節していることを発表。その後、線虫に限らず、人でも同様の調節をしていることが判明。多くの生物に不可欠な遺伝子の仕組みを明らかにしたことが高く評価されたという。

 ほかには【裏金議員比例重複認めず 衆院選 自民40人程度対象 非公認拡大、荻生田氏らも】【岡崎市長内田氏返り咲き 現元新4人の争い制す】の見出しが目立つ。6日夜には戦国時代の僧兵の姿が今によみがえる「僧兵まつり」が三重県菰野町の湯の山温泉街であったーとの報道も。燃え盛る火焔みこしが火の粉をふりまいて進む光景は、まさに圧巻だといえよう。 

(10月7日)
 プロ野球の中日ドラゴンズは6日、バンテリンドームナゴヤで今季最終戦。DeNAに2-0と16度目の零封負けを喫した。悲しいかな、三年連続の最下位である。立浪監督はこの日、3年間を締めくくる一戦でもファンの願いをかなえることは出来なかった。また同一監督では野村克也さんが指揮した1999~2001年の阪神以来となる3季連続最下位だった。
 というわけで、立浪さんは試合後のセレモニーで「皆さまには申し訳ない思いをさせてしまい、すみませんでした」とファンに謝罪。あいさつの間じゅう、何度も何度も帽子を取って頭を下げる姿が印象的だった。ちなみに3年間の成績は182勝232敗15分けで、負け越しは50に達した。でも、人生良いこともあれば悪いこともある。みんな、この悔しさをバネに立ち上がればよい。野球というドラマは、まさに人生と同じである。立浪さんも私たちファンも前に向かって歩いていくほかないのである。お・つ・か・れ・さ・までした。

 パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから7日で1年。ガザ保健当局によれば、この間、ガザ側の死者は4万1870人に及んでおり、ガザ人口の9割に当たる190万人以上が避難生活を続けている、という。こうしたなか、イスラエルは先月9月30日にハマスと共闘する親イラン民兵組織のヒズボラ掃討を掲げて隣国レバノンに地上侵攻。これに対してイランはイスラエルをミサイル攻撃するなど戦火は中東各地に拡大。憎悪が憎悪を呼び、地獄の構造が拡散する事態となっている。同じ人間としてなんたることか、と思ってしまう。

 月曜日。石破首相が6日、自民党派閥裏金事件を受けた衆院選への対応を表明。政治資金収支報告書に不記載があった〝裏金議員〟らを原則公認したうえで比例代表への重複立候補は目止めない旨を決めたという。

(10月6日)
 能登半島地震とそれに追い討ちをかけるように起きた豪雨水害禍。能登の皆さま一人ひとりが少しでも元気に前に向かって歩いてくだされば-と最近、誕生した復興応援歌「能登の明かり」の現地での発表会をどうするか-などで編曲をしてくださった輪島の安本保秋さん(安本さんは自宅が全壊。現在は仮設住宅暮らし)らと何度も連絡を重ねるなど多忙な日々を過ごしている(ただ作曲者の牧さん、歌の岡ゆう子さんのつごう、それについ先日起きた豪雨水害など二重被災の現地の状況もあり、あまり急がないでゆっくりと思っている)。
 昔、現役記者時代に特報とサンデー版のデスク長のほかに本紙の【この人】欄まで掛け持ちし、休む間もなかった〝あの日々〟がなぜか、思い出されるのである。

(10月5日)
 土曜日。石破茂首相が4日、就任後初の所信表明演説を衆参両院本会議で行い「政治への信頼を取り戻し、【納得と共感】をいただきながら安全安心で豊かな日本を再構築する」と訴えた。その石破さん。5日は能登半島を訪問。1月の地震、9月の記録的豪雨と続けて被害に遭った被災地を視察。この日は立憲民主党の野田佳彦代表も石川入り。豪雨で浸水した輪島市のスーパーや住宅地を見て回った。
 豪雨発生から5日で2週間。石川県の発表によれば、能登半島では先の記録的豪雨による断水が輪島市、珠洲市、能登町で計1684戸に及んでおり、被災地では、なお厳しく、辛い日々が続いている。

 日本六古窯のひとつ、愛知県常滑市で5日、常滑焼の卸売市「常滑焼まつり」(中日新聞社後援)が始まった。6日まで。日経新聞の本日、5日付夕刊の<文学周遊>で、今は亡き作家加賀乙彦さんの作品「殉教者」が【大分・国東市 転び申さず候】で紹介されており、懐かしく思う。加賀さんといえば、【宣告】【永遠の都】で知られ、私自身、かつては図書館にこもって読破した日々が懐かしく思い出される。「脱原発社会をめざす文学者の会」の産みの親でもあり、生前の加賀さんには随分とお世話になった、あのころが懐かしく思い出されもした。とはいえ、その名実ともに偉大だった加賀さんは、もはやこの世にはおいでにならないのである。合掌―

 能登半島地震の復興応援歌「能登の明かり」(歌・岡ゆう子、作曲・牧すすむ、編曲・安本和秋、作詞・伊神権太)のCDが出来たので、まもなく郵送させて頂く旨の連絡を関係者にすることに追われるなど1日中、バタバタした。(10月6日の午前零時も既に過ぎた)。

(10月4日)
 福井海上保安署が3日、福井港沖で9月30日に見つかった女性の遺体の身元がDNA鑑定の結果、石川県能登地方の記録的豪雨で連絡が取れなくなっていた輪島市の中学3年喜三翼音(きそはのん)さん、14歳と判明したと明らかにした。豪雨の死者は14人(共同通信の集計)となった。連絡を受けた父鷹也さん(42)は翼音さんにかけたい言葉を尋ねられ、しばらく考えた後で「『おかえり』ですね」と答え「(10月1日に)服を確認したとき、間違いないと思っていた。とにかく見つかってくれ、ホッとした」の弁。家族の気持ちを想像すると、何と言ってよいのか分からなくなってしまう。

 午後。社交ダンスのレッスンで一宮へ。ジルバを最初にタンゴ、ワルツ、スロー、クイックとひと通りを繰り返し踊る。レッスン前は、ちょっと大変だな、と思って踊り始めるが、レッスンを終えた時には「やはり、きょうも踊って良かった。からだには、よいはずだ」としみじみ思う。社交ダンスのレッスンは、今は亡きかわいい妻、たつ江(伊神舞子)から私への遺言でもあるだけに、生きている限りは続けになければと心底から思っている。とはいえ、わたくしも早や78歳と、とても信じられない高齢である。そのうち、パタリと逝ったとしても何の不思議もないのである。

2024年10月3日
 けさの中日新聞。【イラン、イスラエルに報復 弾道弾180発 中東緊迫 イラン核施設に反撃可能性】(1面見出し)と愚か極まる、とはこのことか。ほかには【宮崎空港で不発弾爆発 誘導路陥没、87便が欠航 通過2分後…航空機あわや】【石破内閣支持率50.7% 裏金議員公認75%否定的 世論調査】か。だが、やはりドラゴンズファンにとって気になるのは【中日新監督 井上氏に要請へ】か。わたくし個人的には世界のドラファンのためにも、だ。思い切ってイチローさんまたは、かつての名将落合博満さんに、と単純に思うのだが。そんなわけにもいかないのか。ここは成り行きを見守るほかない。

 きょうは雨、雨、また雨の1日である。地震に続く、追い討ちとなった豪雨二重水害を受けた能登半島の輪島は、珠洲は、能登町は大丈夫だろうか。心配である。
 夕刊報道では文化芸能面での【「性加害のない世界目指す」日本ペンクラブ・女性作家委員会が声明】の記事が目立つ。ほかには【米タイム誌「次世代の100人」アンナ・サワイさん選出「SHOGUN」で躍進】か。世の中、いや世界はよいにつけ、悪いにつけ動いているのである。

10月2日
 朝刊は【石破内閣が発足 デフレ脱却を最優先 地方創生「強い決意」】【夢乗せて60年未来へ 東海道新幹線 延べ70億人利用】(中日2日付)【不明中3か 遺体発見 能登豪雨 父があげた服まとい】【能登地震の死者関連死含め401人】【イスラエル、レバノン侵攻 対ヒズボラ「限定攻撃」】(毎日2日付)と内閣発足以外には、能登半島豪雨水害のその後など悲しいニュースが目立つ。
そんな中での東海道新幹線が1日、開業から60周年を迎え、JR名古屋駅の新幹線ホームで東京行き始発列車にあわせての記念の出発式が行われた、との記事は、なんだか胸に熱いものがキュンと走ったのである。私自身、かつては社の出張や日本ペンクラブなどの集まりなどで何度となく利用した日々が懐かしくもある。

 JRは、この日、東京、静岡、新大阪の各駅でも出発式が開かれた。
なお、東海道新幹線は1964年の東京五輪の開会直前に開業、当時は「夢の超特急」と呼ばれた。東京―大阪間を従来の在来線特急より2時間半短い4時間で結び、多くの人々に喜ばれたのである。私自身、かつて現役時代には特報部やサンデー版デスク長として東京での会議などにしばしば新幹線で出向いたが、なぜだか決まって東京バナナを今は亡き舞(たつ江)の土産に買ってきたものである。なぜか彼女が、東京バナナを大好きだったからにほかならない。

(2024年10月1日)
 名古屋市の河村たかし市長(75)=4期目=が30日、10月27日投開票の衆院選で愛知1区(名古屋市東・北・西・中区)から出馬する意向を固めた、とはけさの中日新聞の1面トップ報道である。「ボクはもう一度総理を狙う男。アゲインだ」とは、なかなかよろしい。彼のよいところは精錬潔癖さで私は名古屋市民ではないけれど、応援したい気になるところが、不思議だ。ずいぶん昔に同僚と一緒に食事をし、ああだこうだと、語り合ったことはあるが。わたくしのことなど、もう覚えてはいないかもしれない。とにもかくにも、おからだを大事に、「なごやを〝だゃあひょうする〟人間カワムラとして、だ。石破氏とか野田氏なんかには負けることのないよう。日本の政治をよくしてほしい、と。本気で思っている。いかがか。かつての私の同僚もそう思っとるだろう。