「短編小説の作成依頼」 黒宮涼
今回のテーマエッセイを書くにあたって、以前私が見た夢の話をメモしておいたことを思い出し、それを打ち込んでみた。
Googleが提供している生成AI「Gemini」に、「下記のストーリーを使って、1600字以内の短編小説を書いてください」とお願いしてみたら、思いのほか面白い話に仕上げてくれた。
メモ
魔女と巨人と少女。
魔女が少女を守ろうと巨人に向かっていくが、次々と食べられていく。
いよいよ最後の魔女になり、最後の力を振り絞って少女を逃がす。
海の上。使い魔と二人。
今度は海の巨人に襲われる。
もういやーと叫んで終わり。
*
ストーリーから生まれた短編小説
海を渡る少女
荒れ狂う海の上、小さなボートが波に揺られていた。中には、見慣れない植物で編まれた帽子を深く被った少女と、羽根を広げると虹色の光を放つ小さな使い魔がいた。少女の瞳には、まだ見ぬ世界への期待と、同時に深い悲しみも宿っていた。
ほんの数日前まで、少女は森の中で暮らしていた。
森には、優しい魔女たちが住んでいて、少女を大切に育ててくれた。しかし、ある日、巨大な影が森を覆い尽くした。それは、人間を食べることで知られる恐ろしい巨人だった。
魔女たちは、少女を守るため、巨人に立ち向かった。魔法の杖を振り回し、呪文を唱え、必死に戦った。しかし、巨人の力はあまりにも強大だった。
次々と魔女たちが巨人の餌食となり、森には悲鳴が響き渡った。
最後の望みを託され、少女は使い魔と共に森を脱出した。しかし、巨人の手から逃れたのも束の間、今度は海の上で別の巨人に追われる身となっていた。
「もう、いやだ……」
少女は、絶望のあまり、両手で顔を覆った。優しい魔女たち、穏やかな森、そして自由な日々。それらすべてを失ってしまった絶望感に打ちひしがれていた。
使い魔は、そんな少女の肩にそっと顔を寄せた。少女の髪を優しく撫でながら、何かを伝えようとしているようだった。
「もう、だめだよ……」
少女は、使い魔の声を聞きながらも、現実を受け入れることができなかった。
その時、巨大な波がボートを飲み込んだ。少女は、冷たい海の中に投げ出され、意識を失いかけていた。
「ダメだ、まだ諦めるわけにはいかない!」
かすかな光が、少女の心に灯った。それは、魔女たちが残してくれた希望の光だった。
少女は、必死に水面に顔を出し、深呼吸をした。そして、使い魔の方を見た。使い魔は、少女に向かって力強く羽ばたき、まるで「大丈夫だよ」と語りかけているようだった。
少女は、再び力を振り絞って泳ぎ始めた。どこまでも続く大海原の中で、ただ一人の小さな光となって。
*
この後「Gemini」は、解説や追加提案までしてくれた。箇条書きの文章から、ここまで話を膨らませてくれたのだ。すごいと思う反面、恐怖を感じた。
創作のヒントをもらう程度には、活用しても良いかもしれないと思うが、本文の執筆は自分でしたい。AIよ。私の楽しみを奪わないでくれ。(完)