詩二編/「ひとりぼっち」、「待ちぼうけ」
詩「ひとりぼっち」
ひとりでも楽しいよ
ひとりでも面白いよ
それはね…人間って
ひとりでもがんばる力があるからさ
あえて人を求めない
そして悩まないこと
たとえば無我
ただそこにいて
耳を澄まして
静寂の息吹を感じよう
そして
ひと息つけば
あらたな扉が待っているから
無理しなくてもいいんだよ
孤独はさ…魔法の力を持っているからね
詩「待ちぼうけ」
お誕生日のお祝いに
パパからもらったプレゼント
コアラのコロ君大はしゃぎ
大急ぎで箱を開けて
中を覗いて「ワアー! 」
とても欲しかった小さなロボット
背中のネジ巻きキリキリ巻いて
机に置いたらギコギコ歩いた
コロ君は嬉しくて嬉しくて
拍手しながら部屋中を走り回る
ギコギコロボット眼玉をグルグル
腕振り 足振り いざ進め!
階段は上がれるのかな
ロボットはギッコンバッタン
カラダを揺らせて上がっていった
けれど途中でネジ巻き切れて
ゴトゴトゴトと転がって
コロ君の足元でバネの頭が飛び出した
三時はおやつの時間
静かなコロ君のお部屋
ママが覗いた
「あらまあ! 勉強かい」
「僕…お小遣いためてロボット直すの
それまで遊ぶのガマンガマン」
窓辺にネジ巻きロボ君
頭ゆらゆら待ちぼうけ