生きてゆく人間花たち/五月の唄

平成二十五年五月三十一日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 きょうは世界保健機構(WHO)が定める世界禁煙デーだそうだ。

 朝早く出なければならないので、起床と同時にパソコンをチェックすると神奈川県大和市に住むピースボートの船友仲間でお姉さんでもある〝八重姉ちゃん〟から以下のようなメールが飛び込んでいた。

 「犬飼孝紀・利佳さん りんたろうくん ひなのちゃん 新しい兄妹の誕生おめでとうございます。とっても嬉しいです。この喜びを皆様にお知らせいたしましょう。勿論、さっちゃんと、お祝いもってご面会に行きますよー 本当に嬉しいです。」
 どうやら一緒に添付送信されてきた犬飼夫妻からの〝出産報告メール〟「八重子さん お久しぶりです。お元気ですか? 犬飼です。ご報告があってメールしました。私たち家族に5月17日午前1時42分体重2600グラムの元気な女の子が誕生しました。出張の前日でしたが、本当にベストなタイミングで生まれてきてくれて出産に立ち会うことができ、本当に嬉しかったです。先日お七夜のお祝いをして結奈望(ゆなの)と命名致しました。おかげ様で、母子ともに健康で元気に過ごしております。りんたろうもひなのも新しい兄妹の誕生にとっても嬉しそうです。今後ともどうか私たち犬飼ファミリーを温かく見守ってくださいますようお願い申し上げます。 犬飼孝紀・利佳」に対する返礼を私にまで送ってくださったようで、恐縮してしまった。
 もちろん私からは〝八重姉さん〟あてに「犬飼夫妻に心からおめでとう、とお伝えください」の返信を打たせて頂いた。

 犬飼夫妻といえば、確かご一家でピースボートに乗られていた方で私自身あまりお話はしていなかったが、傍目にも微笑ましいホットな家族が印象的だった。でも、まさかハネムーンベイビーならぬピースボートの〝世界船上ベイビー〟の誕生だなんて。心からおめでとうございます!
        ×        ×               

 あさ。名古屋市瑞穂区の名古屋市立大学、山の畑キャンパスへ。人文社会学部の問題認識特別講座の初日の講義があるためだ。午前九時からの朝一番の授業のため、自宅を早朝に出発し教壇に立った。平成生まれの学生たちの熱心な視線を前に、こちらの意識までが研ぎ澄まされ久しぶりに新しく洗われたような、そんなさわやかな気持ちになった。
 若いということは。とてもステキだ。
 なかに中国と韓国からの留学生もおり、日本の学生たちとともに机を並べて学ぶ姿には、もはや竹島とか尖閣、慰安婦…などと言っているときは過ぎ、時代は確実に流れている、〈世界はひとつ〉なのだと実感した。尖閣に関しては昨年、領有問題がわき起こった際、中国で日本の企業が一部暴徒によって襲撃されたのは同じ中国人として、とても恥ずかしいことだ、との学生の発言が印象に残った。 
 過去の歴史は歴史として、双方ともに謙虚な歴史認識の上にたち新しい時代に向かって共に〝世界〟が手を携えて歩いていくことがなぜ出来ないのか。若者たちの意識が純粋に浄化されている今こそ、いったん歴史認識からは距離を置いて互いに平和な世界創造に向け「前に進んでいく」ことは出来ないものか、とつくづく思う。

 夜。テレビでNHKスペシャル「応援職員・奮闘記」を見る。全国から東日本大震災の被災地三十七カ所に送り込まれてきている千五百人以上に及ぶ応援職員。なかでも百三十九人いた役場職員のうちの多くが津波にのまれ死亡したのが岩手県大槌町である。NHKスペシャルは、この町で再生を願って奮闘する応援職員の苦闘の奮闘記を活写していたが、なかなか見ごたえのある良い内容だった。
 これを見ていると、いま日本はまさに被災地だけではなく日本中の人々が被災地の人々と共に泣き、笑い、苦闘しながら復興への努力を続けているのだな、ということがよく分かるのである。

 梅雨に入り、紫陽花が見ごろを迎えている。妻の舞によれば、私たちが住む、ここ愛知県江南市では音楽寺境内の紫陽花が有名だそうだ。そんなわけなので、そのうちに一度一緒に行かなければ、と思っている。

 いつも一、二日早めに郵便ポストに入れられ毎回楽しみにしている【しんぶん赤旗日曜版】の2013年6月2日号。帰宅しポストから出したその刹那にふと、視界に入ったのが最終面の記事〈ひと〉欄の『映画「そしてAKIKOは…」が公開 記録映画作家 羽田澄子さん 一本の作品 世に問う怖さ』というものだった。
 羽田さんは、日本のドキュメンタリー映画を代表する女性監督の一人で知られる。既に八十七歳だが、とてもそんなお歳には見えない。相変わらず若々しく、美しい方である。そして。羽田さんといえば、かつて私の岐阜時代にあの樹齢千五百年の根尾の淡墨桜を自主作品「薄墨の桜」(1977年)として映画化されるに当たって私が車で案内し、あれやこれやと経緯を説明させていただいたことがある。もう四十年近く前の話だが、あのときの若々しい羽田さんには二十代だった私が心をときめかせたことがある。淡墨桜といえば、小説家宇野千代さんだが、羽田さんの保存への情熱もこれまた宇野さんに負けず劣らず、激しく強いものがあった。いっときは心をひとつに桜の再生を願って頑張ったものだ。

 ちなみに、しんぶん赤旗の記事によれば、「そしてAKIKOは…~あるダンサーの肖像~」はモダンダンスのアキコ・カンダの記録で、童女のような素顔と、がんで入退院を繰り返しながら公演をやり抜く壮絶な姿が描かれているという。

【きょうの一文・ことば】「私、ませてデビューしたから。五十代になってからようやく、自分が歌う世界と自分自身が重なってきたと感じる。私〝懐メロ〟って言われるのが嫌いなの。六十一歳で、懐かしがられるなんて嫌です」=三十一日付中日夕刊、〈男歌を私らしく 今陽子が新盤11曲カバー〉の中で今陽子さん

【新聞テレビから】
☆『弁護士ら5人逮捕 警官脅迫 逃亡指示の疑い 愛知県警』、『LINEで「美人局(つつもたせ) 14~19歳の7人逮捕 愛知県警 男性誘い出し恐喝容疑』、『7月29日(日本時間、現地は28日) 松井さん引退式典 ヤンキース本拠「55」試合目』(31日付、中日夕刊)
☆『エムケイ全面勝訴 タクシー距離制限「過剰」 名地裁判決』、『被災者の強さ 伝えたい ケニアNGОメンバー 釜石など訪問』(31日付、毎日夕刊)
☆『南海トラフ地震 愛知最大2万3000人死亡 県想定 全壊・焼失38万棟』『防潮堤の被害まだ算出できず 海抜ゼロメートル地帯 犠牲1万人増も』、『一宮競輪廃止へ 経営難、本年度末にも 市が最終調整』、『名古屋城天守閣の木造復元やSL定期運行 「河村事業」始動へ一歩』『市、補正予算案に調査費盛る』(31日付、中日朝刊)
☆『福島第1原発 凍土で遮水壁指示 汚染水抑制 政府対策委、東電に』(31日付、毎日朝刊)

五月三十日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
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 なんだかよく分からない。
 何が、といえば、だ。きょうの各紙の朝、夕刊で橋下大阪市長問責可決へ、となっていた報道が夜のテレビニュースで一転して「否決」となったことに対して、だ。どうやら、表面的には公明党に原因があるらしい。自民、民主系、共産の3会派の共同提案に公明も一時、賛成する予定だったのが、一体何がどう狂ったのか。一転して否決に回ったためだ。

 率直に言って、あまりにも優柔不断過ぎるのではないか、とは私でなくとも誰もが思うだろう。公明党はなぜ、土壇場になり問責決議案の否決に回ったのか。
 どうやら、橋下徹大阪市長の問責決議案が大阪市議会を通れば辞職し「民意を問う」出直し選挙をする―との維新の会幹事長・松井一郎大阪府知事の発言に参院選に集中したい公明党が及び腰になったらしい。いずれにせよ「なぜなのか」を有権者にしっかり説明すべきである。全くもって政治家のやることは、よく分からない。

 きょうの毎日新聞朝刊で大阪本社の若菜編集局長が、こう橋下氏に反論し彼の言動を戒めている。
―(略)「バカ」「頭が悪い」……。橋下氏はツィッターで毎日新聞や批判的なメディアに対してこのような言葉を繰り返しぶつける。これにはいちいち反論もしないが、政治家であるならば、冷静で吟味された言葉で語るべきだ。荒っぽい言葉を「本音」ともてはやすことは、人を傷つけるだけでなく、国益も損なうことを今回の問題は示している。(30日付毎日朝刊) 

 まったくもって同感。その通りだ。もはや、橋下氏は〝人間失格〟である。きょうの大阪市議会の問責決議案否決に至る一連の動きを見る限り、市長も市長なら議員も議員。いずれも保身、権力に縋り付こうとしているぶざまな姿がよく分かる。
 各マスコミとも、今後彼の動向はいっさい無視した方がよいのではないか。紙面がもったいない。画面に程度の低い顔が映ったり紙面に「橋下」の活字が躍るだけで心身が汚れてしまうような、そんな錯覚すら感じるのである。大阪も前を向いて、早く新しい道を歩かなければ―と老婆心ながら心配になってくる。彼は既に大方の人々から三行半を突き付けられている。
 いつまでも相手にしている人間ではない。まさにクチバシの青い〝ひよっこ〟の最たる輩といっていい。

 それよりも今夜のNHK総合テレビニュースウオッチ9で報じていた〈消えゆく情報誌 情報の価値とは〉は、紙面によっては一般に〝ごろつき新聞〟とまで揶揄された情報誌の存在意義を伝えた点で久しぶりにいい記事だった。
 東京新聞(中日新聞)の村串栄一編集委員が突然、画面に表れ出たのには驚いたが村串さんの言う通りで、情報誌がどれだけ社会の暗部を突くと同時に不正や権力を暴くきっかけになってきたことか。この点は評価してよい。
 岐阜県庁汚職。小牧市長の不正な農地転用。暴力団のシャブ(覚せい剤)にまつわるある事件、愛知医大を巡る三億円強奪で暗躍したある組員、能登の老舗旅館でのその筋の結婚式…など。
 私自身の取材経験を振り返るだけでも目をつぶれば、その時々の情報誌の方々のあの顔この顔が走馬灯の如く浮かんでくる。みな人間味あふれる人たちばかりで、いろいろ真実のところを教えて頂いたものだ。
 いまでもヒトサマに言えない秘密は山ほどある。
 情報誌に携わるスタッフの粋な心をどこまで掴むか、によって社会正義を奮いかざしたペンが生きもすれば死にもしたのである。この話は書き出したら終わらないので、ここらで止めておこう。

 それよりも昨シーズンまでドラゴンズにいて今なお、舞が大好きなDeNAのブランコの調子がいい。二十九日現在の本塁打が21本で、この調子だと王貞治の55本を上回る可能性が出てきた。今夜のNHKニュースウオッチ9によると、今シーズンは昨シーズンまでアウトコースのボール球に出していた悪い癖が治り、アウトコースには、ほとんど手を出さなくなり、この結果、三振も大幅に減ったという。
 テレビを見ていると、傍らの舞が「中日はなぜ、ブランコを出してしまったの」といつもの質問を浴びせてきた。私は「仕方ないだろう」というしか返答のしようがない。

【きょうの一文・ひとこと】自分の力を最大限発揮できれば、(王貞治のホームラン55本を超える)記録は出せる=30日夜、NHKニュースウオッチのスポーツアナの質問に答えて

【新聞テレビから】
☆『「時代を開く力に」 中日文化賞、4氏に贈呈』、『給与条例まずは「特例」 年800万円、河村市長提案へ』、『栄ボートピア開設へ 名古屋市協議了承 防犯対策など条件』(30日付、中日夕刊)
☆『世界的圧力が奏功 レスリング最終候補に 20年五輪IОC理事会』『野球・ソフト0票→9票で逆転』、『橋下市長問責可決へ 松井氏「民意問う」出直し選示唆』、『拉致被害者の息子も ラオス送還の脱北者9人 韓国紙報道』(30日付、毎日夕刊)
☆『96条改憲に反対決議 愛知県弁護士会が採択』、『アルツハイマー 歯周病で悪化 名市大など研究』、『駆け足出世「期待通り」 大砂嵐関取昇進 宿舎提供 稲沢の店主喜ぶ』『「家族全員の誇り」 エジプトから父祝福』(30日付、中日朝刊)
☆『梅雨 北寄り偏西風で早く 雨量多く長め? 赤道域の海水温上昇原因』、『慰安婦発言「誤報」の主張 橋下氏に反論する 大阪本社編集局長 若菜英晴』(30日付、毎日朝刊)

五月二十九日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
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 きのう梅雨入りした東海地方は、きょうも小雨が降ったり止んだりの一日となった。
 本日付の新聞も「28日に梅雨入りした東海地方は各地で小雨が降り、ハナショウブが見ごろを迎えた名古屋市昭和区の鶴舞公園は、水滴をしたたらせながら咲く花をめでる人たちでにぎわった」(毎日朝刊)とある。
 新聞といえば、【世界最高齢のニホンカモシカ死ぬ】の見出しが目にとまったが、〝世界最高齢〟とは、どうして言えるのだ、といいたい。おそらく世界の動物園で飼育された中では最高齢なのだろう。

 昼間。北は北海道から南は九州まで、日本中での演劇活動を地道に展開している劇団「希望舞台」の由井數さんと私の著書「マンサニージョの恋」をめぐって文学の何たるか、について互いにじっくり話し合うことができ、とても有意義でうれしかった。
 希望舞台といえば、現代に生きる人間の生の姿を求めて日本中を歩く旅公演で知られ団員一人ひとりの信念と情熱には、これまでも圧倒され続け、私の小説創作にあたっても団員たちのまっすぐな生き方が何かの形で常に意識の底で投影されてきていることも確かだ。私の新聞記者時代には能登半島や琵琶湖の湖畔など、行く先々で彼らの舞台に接することができ、公私ともに大いに助けられたものである。
 由井さんは「高齢化社会に入り伊神権太の小説社会に登場する人々の姿はそのまま現代社会を映し出しており、かつこれからの人間が生きていくのにある面で道しるべというか、年を重ねたからと言ってそのまま閉じこもってしまう時代は去り、皆新しい扉を開ける時代がやってきたことを証明している。読んで面白かった。ゴンタさんがダンスをやっていたとは。驚いた。信じられない」などと感想を述べてくださった。
 最後に「私もがんばるから、ゴンタさんもがんばってほしい」と互いに受話器を通して見えない握手をして「それでは、また」と飛躍を誓い合った。いつも思うが、由井さんはじめ、玉井さんにしろ、ゆかりさん、りえさん、わたるくん…と、希望舞台の仲間たちは皆演劇に対する情熱の塊ばかりで本当によくやっているな、と感心する。
 「こうした野に咲く人々の力があればこそ、日本文化が支えられている。それこそ、地道な〝地をはう演劇集団〟にこそ政府は国民栄誉演劇文化賞でも与えるべきだ」。

 夜。一宮まで出向き、駅の名鉄百貨店レストラン街のピザの店で、私の小牧在任時代に取材でお世話になった後藤勇治さんと久しぶりにお会いした。彼とは一宮主管支局長のころ以来なので十五年ぶりの再会となった。もっと若いと思い込んでいたが既に還暦を超えた、とのこと。彼と私が初めて会ったとき。彼は五、六年かけ世界一周自転車旅行を達成し私立高校の英語教師として赴任してまもなくだった。
 あれから三十年余。彼は現在も、三河地方の高校英語教師として活躍。現在は木曽川町に住居を構え、二十五歳下のフィリピン人の奥さんと三人のお子さんに恵まれ幸せな日々を送っているとのことだった。五十八歳のときに生まれた三歳の長女がかわいくて仕方ないです、とどこまでも青年だった。

【きょうの一文・ことば】マンサニージョは世界一周自転車旅行の際、立ち寄りましたがとても美しくて穏やかな町でした。あとしばらく英語教師として教壇に立ち、やめたら今度は自転車でアメリカ大陸横断(二千㌔)を果たして見せます。そのためにも週に四、五日は木曽川河畔のサイクリングロードを二十キロずつ走っています=後藤勇治さん。名鉄一宮百貨店内のレストランで

【新聞テレビから】
☆『原子力規制委 もんじゅ停止命令決定 断層、来月後半に調査』、『静岡の茶農法 世界農業遺産 九州2県も』(29日付、中日夕刊)
☆『アフリカから初の関取 8場所で十両 大砂嵐「もっと上に」』(29日付、毎日夕刊)
☆『南海トラフ最終報告 東海地震も予知困難 前兆滑り把握に限界』『「予知可能」今は昔 東海地震前提崩れる 元教諭「過大な期待した」』『静岡愛知三重 発生後見据える時 「予知研究は継続を」 耐震シェルターや防災ベッド』、『名古屋けいば実質赤字 12年度4700万円 存続へ道険しく』、『東海テレビの社長に内田(優)氏』(29日付、中日朝刊)
☆『世界最高齢のニホンカモシカ=神戸市立王子動物園の「アキコ2号」、雌。29歳11カ月=死ぬ』、『北朝鮮特使狙いは関係修復 中国首脳の訪朝要請 日米韓の圧力に対抗』、『「内通者は10人未満」 警部脅迫公判 元警官が証人出廷 名地裁』、『民家全焼 3人死亡 津』、『橋下氏が訪米断念 慰安婦発言批判根強く』

五月二十八日
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 正直に梅雨雷の一つかな  一茶

 気象庁の発表によれば、近畿、東海地方が梅雨に入ったもよう、とのこと。ことしの梅雨入りは、例年より11日早いそうだ。一方で、北海道の稚内では桜(ソメイヨシノ)が満開、とのこと。島国日本は狭いようで結構広い。
 桜といえば、横笛の師匠から笛で〈さくら〉を吹くことは基本で、これを自在にふきこなせれば「何でもふける」と教わった。デ、現在は合間をみて〈さくら〉の暗譜に取り組んでいるが、これが簡単なようでなかなか難しい。でも、近いうちにマスターできると確信して稽古に挑んでいる。

 ヒマラヤの高峰ダウラギリ(八、一六七メートル)を登山中の日本人女性登山家、河野千鶴子さん(66歳)=日本勤労者山岳連盟理事、東京都勤労者山岳連盟所属=を含む登山者三人が雪崩に巻き込まれて行方不明になり、その後河野さんら二人が遺体で発見されたかと思えば、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が沖縄東海上の米軍訓練海域に墜落した(パイロットは脱出)。
 滋賀県高島市マキノ町の赤坂山(標高八二四メートル)山中ではきのう大阪から校外学習で来ていた小学6年生のうち近道をしようとした男女児童各一人が一時行方不明になり大騒ぎとなったが、きょう昼前になり無事、保護された。

 大阪市北区天満のマンションで、遺体で見つかった井上充代さん(28歳)と息子の瑠海ちゃん(3つ)。大阪府警天満署の調べによると、充代さんは広島の出身で数年前に大阪市内に転居。瑠海ちゃんを出産後、大阪府守口市で夫と三人で生活していたが、昨年十月ごろ、北区天満の一室に移って来ていた。
 死亡推定は、ことし二月ごろ。充代さんの預金口座には約20円しか残金がなかった。部屋からは夫との離婚届のほかに、充代さんが残したとみられる「こどもに、もっと良いものを食べさせてあげたかった」との痛々しいメモが見つかり、餓死した可能性があるとみられている。一体、何があったのだろう。充代さん母子のように現代社会の闇のなかに取り残されている、こうした不幸な方々はほかにも大勢いるような気がしてならない。

 きょうもあれやこれや、とあった。

 【きょうの一文・ことば】世界に普遍的な問題と言い募れど、共鳴は返らず、ますます首をかしげられ。「従軍慰安婦」問題。かわし技は通じず。=28日付毎日夕刊〈近時片々〉より
 
【新聞テレビから】
☆『女性手帳の配布 当面見送り』(28日夜、NHK総合テレビ)『福島・双葉町が警戒区域解除 課題山積で先は見えぬまま』(28日夜、メ~テレ)
☆『東海、梅雨入り 平年より11日早く』、『にぎわい再びおかみが落語 一宮「杉戸浴場」 銭湯で寄席 脱衣所が高座 笑いでも「あったまる」』、『小学英語正式教科に』『小4以下に拡充も 教育会議提言』、『ヒマラヤ 2遺体発見、河野(千鶴子)さんか 1人はシェルパの可能性』、『大阪母子死亡 DVを避け転居か 住所言えず周囲と孤立?』(28日付、中日夕刊)
☆『対外純資産296兆円 昨年末円安で過去最高』『東証動揺続く 値幅400円超』(28日付、毎日夕刊)
☆『名古屋城本丸御殿輝き再び 障壁画 江戸の美学 平和先取り猛獣も愛らしく』、『伊勢志摩めぐり目も舌も 近鉄、10月投入 エビ料理付き列車』、『被後見人の選挙権回復 改正公選法が成立 参院戦から適用』、『橋下代表 参院戦次第で進退も 特派員協会見河野談話「不明確」』『〈核心〉橋下流「釈明」劇不発 人権、歴史問答かみ合わず 米記者「彼は特異な政治家」』『韓国メディア批判収まらず』(28日付、中日朝刊)
☆『ちょぼん ちょぼん 白川郷田植え祭り』、『参院選7月21日投開票』(28日付、毎日朝刊)

五月二十七日
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 きょうの中日新聞夕刊〈目耳録〉の【従軍慰安婦】が胸を打つ内容で、とってもいい。
 記者は四~五年前、中国特派員だった平岩勇司さん。平岩さんは、元従軍慰安婦の中国人女性を取材した体験をもとに、こう書いている。
―(略)一人は、上海近郊の農村に住む周粉英さん。戦時中、「日本軍の命令」と言われ、台車に手足を縛られて駐屯地に運ばれた。「一号」と呼ばれ、慰安婦を強いられた。戦後初めて会った日本人の私に「本当に記者? 日本兵じゃないの?」とおびえ、取材中に失神することもあった。
 もう一人は桂林の郊外に暮らす葦紹蘭さん。山中で日本兵に遭遇し、一歳の娘に銃剣を突きつけられ、無理やり連行された。連日、複数の日本兵の相手をさせられた話には、耳をふさぎたくなった。
 「軍が慰安婦を強制した証拠はない」と繰り返す政治家がいる。戦時中の軍の恥部について、完全な証拠など残っていない。……

 日本の全政治家に、懺悔の心でこの価値ある〈目耳録〉を読むことをお薦めしたい。

 それにしても、きょうの午後、あの橋下徹大阪市長が東京都内の日本外国特派員協会で記者会見。自らの旧日本軍の従軍慰安婦をめぐる発言に関する見解文書を読み上げ、戦時下で慰安婦が「必要だった」とした発言の趣旨を「世界各国の軍が戦時において女性を必要としていた(という意味だった)」と説明した、というが開いた口が塞がらないとは、このことを言う。
 どこまで程度の低い、人間として最低限のモラルはおろか、私たちに一番大切な【人間の尊厳】さえをも知らない人間が現れたことか。嘆かわしい限りだ。こうした人間こそ、矯正する必要がある(お望みとあれば、私のところへ来るがいい。とくと人間として大切なこと、人間学とでも言ったものを教えてあげよう。ただ私の妻、舞は橋下発言を「正直なだけ。誰も言わないことを言っただけ」と案外、寛容である)。
 でも、もはや、この男は致命傷で手遅れだ。今となっては、この言いたい放題が「大阪の文化だ」と錯覚されかねないことが、嘆かわしい。大阪の人たちには血もあれば、涙もある。優しさだって、どこにも負けないほどあるのに、だ。これでは私の好きな浪速文化が浮かばれない。

 大阪の市長がこんなことでは。即刻、やめてもらわねば。その点、名古屋の河村サン(市長)はホントに立派だ。それこそ、ニッポンイチだと思う。自らの給料も率先して下げ、名古屋本来の【本物志向】に重きを置いて名古屋城の本丸御殿をそのまんま、元に復元してしまうのだから。私は、こんな河村サンが大好きである。
 ただ、日中友好の懸け橋となったのは名古屋のピンポン外交だったことはお忘れなく。南京は名古屋とも長年のお付き合いがあり、大事な都市だけに、自分で現場を見たわけでもない【南京大虐殺】については余分なことを言わんように。事実を確かめもしないで下手なことを言うと、あの青二才のロクでもない橋下サンの二の舞にならんとも限らない。発言には十分注意してもらわんと、ナモ。油断するなよ。
        ×        ×

 石川県七尾市で、かつてお世話になった方から「小生元気でおります。早速(本を)アマゾンで注文しました。パソコンの画面で表紙の写真をみましたが、82歳目前の老人の読む本カイナと…。届いたら完読を目指します。懐かしの七尾で一ぱいやりませんか?」と。また名大文学部教授を長年務められた、その先生からも『「マンサニージョの恋」出版おめでとうございます。今後とも一層のご活躍を期待しております』の葉書をそれぞれ頂き、感激した。
 本といえば、実家の母から「新聞で〝息子さんの本〟見たから読みたい、と近所の人が言ってきたので渡しといた。もう1冊もないので、またついでの時に持ってきて」の電話。ありがたいナ、と思っている。

 夕食の席で舞がポツリとひと言。
 「あのねえ、きょうの午後、NHKのBSプレミアムでフランク永井=名作選 特集・歌伝説フランク永井の世界~ムード歌謡の第一人者ヒット曲の数々~=を、やっていたよ」と。「なんで、教えてくれないのだ。一緒に見たかったのに」というと、彼女曰く。
 「だって、ぐうぐうスヤスヤと寝ていたじゃないの」
 そういえば、連日深夜未明となり寝るのが〝超〟遅いこともあり、きょうは彼女が家にいることもあってか緊張感に欠け、昼からはぐっすり寝込んでしまっていたらしい。絶好のチャンスを失った。

 そこで舞がまた、ポツリ。「あのねえ。私が大好きな【公園の手品師】って、最初は鶴田浩二が歌っていたんだってよ。やっぱり、フランク永井の方がいい」と。これは、初耳である。それにしても聴きたかったし、若き日のフランク永井を見たかった。

【きょうの一文・ことば】「僕を子供にしてくれた、もう亡くなった父と母、僕を父親にしてくれた妻と娘に感謝します」=27日付中日夕刊、〈カンヌ映画祭で審査員賞を受賞した是枝裕和監督〉
 
【新聞テレビから】
☆『橋田寿賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり 2013年二時間SP前編』(27日夜、CBCテレビ)
☆『是枝(裕和)作品に審査員賞 カンヌ映画祭「そして父になる」』『家族の成長監督モデルに カンヌ映画祭審査員賞 「父と母、妻と娘に感謝」』、『東海に「懐」格差 衆院議員資産公開 最年少・今枝氏ゼロ 相続で伊藤氏首位』(27日付、中日夕刊)
☆『東証一時580円下げ 依然荒い値動き』、『衆院議員資産 平均3228万円初の増加 首位は鳩山邦氏20億円』『資産公開 株保有泣き笑い アベノミクス恩恵も』、『黄柳野高校授業を再開 寮全焼で生徒死亡』(27日付、毎日夕刊)
☆『同じ太さ新合成法 カーボンナノチューブ 名大チームが開発』、『B787の運航国内で再開 4カ月ぶり、臨時便』、『遺伝性乳がん問い合わせ急増』『定期検診こそ安心への一歩』『遺伝子変異 患者全体の5%』、『大群すいすい熱気ぐんぐん 蒲郡で「エリカカップ」』(27日付、中日朝刊)
☆『被ばく新たに24人(計30人に) 放射能漏れ 気付かず退避遅れる 東海村』、『ミャンマーに910億円供与 首脳会談で表明 日本、インフラ支援』、『小笠原に外来トカゲ 無人島(兄島) 自然遺産侵食 国が非常事態宣言』、『2500万円が使途不明に 三重子ども会連 元事務局長が流用』(27日付、毎日朝刊)

五月二十六日
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 大相撲が面白くなってきた。面白いからお客も増え、両国国技館での夏場所の大入りが三年ぶりに六日間を記録したという。
 夏場所千秋楽のきょうは、横綱白鵬が同じ横綱日馬富士に寄り切りで勝ち四回目の全勝優勝、それも先場所に続く連続全勝で通算二十五回目の優勝を果たした。千秋楽での優勝決定戦への夢をつないでいた大関稀勢の里は、同じ大関琴奨菊に寄り倒しで負け二敗目を喫し、この時点で白鵬の優勝が決まってしまい、優勝決定戦がなくなりファンの期待は裏切られた形となった。

 最後の相撲(白鵬×日馬富士戦)を仕切る第36代木村庄之助=NHK総合テレビから
 
 この日は立行司の第36代木村庄之助(65)=本名山崎敏広さん、鹿児島県出身、井筒部屋=がきょうの取り組みを限りに定年退職した。1964年夏場所の初土俵以来休場はなし、とのこと。こちらも白鵬同様に見上げたものである。

 それにしても、今場所の白鵬は精神的にも充実しきっており、完璧だった。心から祝福したい。白鵬、稀勢の里人気の陰でブルガリア出身のカド番大関、琴欧州はきょうの一番で送り出しで鶴竜に勝ち、なんとか八勝し大関を維持した。これとて二十四日に幕下東七枚目で七戦全勝優勝を決め、来場所の十両昇進を濃厚にしたエジプト出身の大砂嵐(大嶽部屋)と並んで大きなニュースである。
        ×        ×
 「草取りがんばるんだよ」と私を励ましてくれる長老猫、こすも・ここちゃん=わが家で。26日写す
 
 朝起きて食事して自分なりに、あれこれしなければ―と思っていた矢先に「きょうは草取りをしてよネ」の〝猫パンチ〟が私の頭をグサリと突いてきた。ただのひと言に全ての思考が停止状態となり、抵抗のしようもなく一緒に屋敷内の草取りをするはめに。
 午後は買い出しで運転手を兼ねてスーパーに付き合い、その足でそろって私の実家へ。最近出版した私の著作(「マンサニージョの恋」)のことに話が及び、満九十二歳の母から、こっぴどく「おまえ、あまり無理しちゃいかんよ。むりやり買ってもらうことだけは、しないように。ヒトサマに迷惑かけちゃあいかん。誰だって、自分のことで精いっぱいなのだから。おまえの本のことなんか誰も真剣に思ってくれてなんか、いやしないのだから。誰も悪くなんかはない。おまえが悪いのだから。自然に売れればそれはそれでいいし、売れなきゃ売れないで、それでいいのだから」とこっぴどく叱られ? た。

 言われてみれば、確かにその通り。みんな口先だけは軽く「分かったよ」と、すぐにでも本屋やアマゾンに申し込んでくれそうな物言いをしながら実は、ほおったらかしたままのケースが多く(みんな、それどころではないのだから仕方ないが)、このところは正直、人の薄情さと無情、いや、この世の底知れない非情さを痛烈に感じている。そして同時に底知れない温かさも、である。
 「でも、無理しない程度に本の存在だけは知ってもらわなければ…。そのためにはお願いもしなくっちゃあ。本のことを聞き、実際にすぐに買ってくださっている人も結構、多いのだから」と私。「おまえが、どう思っているのかは知らん。でも、おかあちゃんは今のまんま、おまえたちが平凡に過ごしてくれたら、それだけで嬉しいのだから。無理だけはしちゃあ、いかん。何様になっとるの。そんなことではヒトサマから笑われるよ」ときた。
 「お母ちゃん、おまえの本なんか、その気になれば千冊でも二千、三千冊、(一万冊…)でもアッという間に買うことなんかわけない。でも、それではおまえのためにならない。だから、余分には買わないことにしている。一冊あれば十分。一冊を読んで頂ける。本気で読んでもらえる。それほどありがたいことはないのだから。そのことを、よう胸のなかにおいとかな、いかんよ。お母ちゃんわネ。だから、本を本気で読みたいというお友だちだけには〝ありがたいことだ〟と思って差し上げている」とも付け足した。
 つまるところ、こどものころと同じ。叱られどおしで「そんなこと分かっているから。心配しないでよ」と私の本来の意思を分かってもらうのに結構、時間を費やした。でも、母がこんなに元気だからありがたいことだと思っている。いつだって、私の羅針盤になってくれている母のことはいつも思い、感謝している。
 そんな母もまもなく満九十三歳。彼女が生きている間に「生きていてよかった。やっぱり、タカ坊は天下を取ってくれた」と満足してもらえる、そういうステージをプレゼントしたい。ただ、それだけのこと。だから晴れ舞台は、遅ければ遅いほどよいのだ。あわてる必要はない。いまの調子で、いつまでも私たちを叱り続け、元気でいてほしい。

 東京競馬場で行われた第80回日本ダービーは、一番人気だった武豊騎手の乗るキズナが優勝した。武豊騎手は昔から私の大好きな騎手だけに心底から「よかったな」と思った。

【きょうの一文・ことば】「あと二、三年で9秒台の記録を出せればいいなと」「スタートの時は何も考えていない。感覚だけです」「スタートからゴールまで、自分の走りをしたい」=26日付中日朝刊、〈この人 陸上男子100メートルで日本歴代2位の10秒01 桐生祥秀(きりゅうよしひで)さん〉から

【新聞テレビから】
☆『本物志向舞台裏も スプリンクラーなし 照明はあんどん型』『本丸御殿 耐震には現代技術』、『首相「官民挙げて支援」 ミャンマー スー・チー氏と会談』『首相 インフラ受注意欲』、『「そして父になる」カンヌで特別表彰 是枝監督作品』、『橋下氏、党幹部らに陳謝 慰安婦発言「撤回はせず」強調』『元慰安婦 橋下氏批判 大阪で集会 妄言を言う人なぜ市長に』『胸にしまい暮らしてきた』(26日付、中日朝刊)
☆『陽子制御の電磁石故障か 放射能漏れ 被ばく6人に』『放射性物質 種類把握せず排気』、『女性解放市川房枝「勝ったと確信」 未発表原稿一宮で公開 婦選運動など半生記述』、『被災地沿岸の復興見守って 三陸国立公園の除幕式』(26日付、毎日朝刊)

五月二十五日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 朝。購読している中日、毎日の両紙朝刊に毎週土曜日になると挟まれてくる〈尾北ホームニュース(第1647号)〉の最終4面に私の著書が【船上のラブストーリー 「マンサニージョの恋」ほか2編】の見出し入りで紹介されており、嬉しく思った。〈尾北ホームニュース〉は、地域社会に根を張ったいわゆるコミュニティー紙だけに反響もあるだろうし、ありがたいことだ。便宜を図ってくださった方々に何よりも礼を申し上げ、感謝しておきたい。ありがとう。

 午前中は来週金曜日に迫った名古屋市立大学の講義を前に、全五回分の授業のコンテを作成してみる。昼からは新聞をじっくり読んだあと、なんだか急に近くの理容店に行きたくなり、頭をさっぱりと全体に短くしてもらった。
 帰宅後は横笛を暗譜してふくことに二度、三度とチャレンジ、〈文の達人〉になるには、その前に透き通った横笛を奏でることが出来るようにならなければ、と自らに言い聞かせ譜面をみないで目を閉じ、音をさぐりあてていくように音譜を辿ってふいてみる。
 
 ほかにも、本欄執筆はじめ、「熱砂」同人から寄せられた作品のアップ、など。よくよく考えてみると結構たくさんやることが多く、気がつくといつのまにやら一日が終わっている。きょうも、そんな日であった。
 ただ、こうしたもろもろの中でも私が今一番、精神力を集中させているのが既に執筆に入っている新しい作品の創作である。だから、正直言って、このところは電話も、メールも……、そういった類とやらにも、あまり足を引っ張られることがないように―と思っている。
        ×        ×

 きのう学生時代の柔道部の同期の桜と話していたら、おじいちゃんとか孫、年金といった言葉が矢継ぎ早に飛び交い、いっとき自身の内部で「もはや俺たちの時代は過ぎ去ったのだ」と全てに対するアキラメという暗い因子のようなものが体内で急激に膨らみ増殖してゆく錯覚にとらわれスッカリしょげ返った。が、よくよく考えると私にはまだまだやることが一杯あるのだ。
 かつて新聞記者でいたころ、正月企画の募集があるつどそれぞれの地方で意気盛ん、かつ地域社会のリーダー的存在だった高齢者の姿が忘れられず「人間は年齢には関係ないのだ」ということを取材の先々で痛感、新年企画の募集シーズンになると、個人的には〈無年齢化時代〉とか〈ノーエイジ時代〉の企画採用を提案し唱えたものだが、いまでもあの当時の私の考え方は変わってはいない。
 もし変わったところがあるとしたなら、私自身の年齢が世間一般に言う、いわゆる〝おじいちゃん〟と言われても仕方ない年齢になったということか。このことは本当に悲しいことだ。でも、私はこんなことをフト思うたびごとに「たとえ、みんなが年老いても私は若い」と思うようにしている。わが脳細胞だけは、世間一般とは違う細胞で満たされている、と。そう思いたい。とはいえ、今さらジタバタしたところで仕方ない。それよりも、私でしか書けない小説を書く。これ以外に道はないのである。

 新聞を読んでいたら、日本海中部地震が起きてからあすでちょうど三十年になるという。当時、日本海沿岸の男鹿半島では遠足で訪れていた児童十三人が突堤で津波にのみ込まれて亡くなった。あの日。空飛ぶ記者だった私は、新聞社の双発ジェット「はやたか二世」で現地へ急行。余震で大揺れのなか、秋田県庁はじめ被災地を飛び回った記憶がある。
 被災したあと、遺族五人が旧合川町(現北秋田市)を相手取って同行教師の過失責任などを問う損害賠償訴訟を起こし、その後和解したとの話をきょうの記事であらためて知ったが、ここ数年は、かつて取材で現地に飛んだ、どんな大事件や大災害であれ、すべてが時の流れとともに忘却のかなたに吹き飛んでいってしまうような、そんな気がしてならない。
 世の中は忘却のためにあるのかもしれない。その代わり、新たな出来事が次から次へと容赦なく、人間社会を遅ってくるのである。あぁ~。こうしている間にも地殻の何かが、大きく動こうとしているかも知れぬ。

【きょうの一文・ことば】「ふらふらで歩く幽霊みたいになって戻った。死の世界からやっとたどりついた」「登りも下りもリーダーの判断で慎重にいった。それで頂上へたどりつけた。同時に、どうしても生きて帰りたいと思った」=25日付毎日夕刊、〈三浦さん第2キャンプ(6500メートル地点のC2)到着 「死の世界からやっと生還」〉から

【新聞テレビから】
☆『放射性物質漏れ 研究者ら55人被ばくか 原子力機構 報告1日遅れる』『排気作動、一部施設外に 「安全軽視」再び』『東海村民募る不信 放射性物質漏れ 県に通報大幅遅れ』、『海女さん輝く「宝の海」 福井・三国 ワカメ漁最盛期』、『「生きて帰りたい」 三浦さん世界の頂点で思った 6500メートルに帰着 ヘリで下山へ』(25日付、中日夕刊)
☆『秋田、福岡で一斉休漁 燃料高騰 支援策求める』(25日付、毎日夕刊)
☆『10人以上内部被ばくか 原子力機構加速器施設 放射性物質漏れ 東海村』、『アフリカ出身 初の関取 大砂嵐 十両昇進濃厚に』『化粧まわし「ピラマッドで」 名古屋場所 断食月でも「大丈夫」』、『7000種美が香る 可児・花フェスタ記念公演』、『裁断一万円札1㌔発見 四日市 ごみ施設に1000万円分』『銀座で1億円 竹林に2億円 過去にも現金騒動』(25日付、中日朝刊)
☆『降圧剤論文「日本の信頼揺るがす」 医学会 第三者検証を要求』、『「傷つけた点おわび」 元慰安婦面談中止 橋下氏が謝罪』、『流出の可能性124文書 農水省サイバー攻撃 事務次官ら処分』(25日付、毎日朝刊)

五月二十四日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 名古屋へ。
 学生時代の柔道部仲間の四人で菊井町の交差点近く飲食店で久しぶりに会食と相成った。

 三人とは午後零時半、JR名駅構内高島屋前のジャンボエスカレーター前に集合したが全員、時間には厳格で私も二分前に待ち合わせ場所へ。個人的には「おい、どこへ行こうか」と持ちかけられたら「JRセントラルタワー13階の加賀屋にいこう」と答えるつもりでいたが、そこは名古屋だ。
 「オイッ、みんな。値打ちのところへ行こう」との〝ミユキちゃん〟のひと言で、案の定、駅から二十分ほどトコトコと歩かされるはめになった。やっと辿り着いたところが〈千壽〉という店で、いやはや午後一時というのに店内は超満員だった。
 
 それからが大変。料理が次から次へと、どんどこどんどこ出てきたのには参った。私はどちらかと言うと小食であまり多くは食べないだけに、テンプラとかカキとか、おすしとか…、かなりの量を残してしまった。それでもビールをぐいぐい飲み干しながら学生時代のことを振り返り、引き続き喫茶店に場所を変え本当に楽しいひとときとなった。

 会話といっても、私にはなぜかトンと縁もゆかりもないお孫さんの話が飛び出たかと思うと、趣味の詩吟や能、俳句、古文書解読…の話とみな、「今」を楽しんで生きている姿がありあり。私が小説を書いていることは皆、承知のうえで中には「おい、読ませてもらったぞ。学生時代のイメージとは随分違い、面食らってしまった。でも、よう書いたな。サインしてくれ」とわざわざ拙著「マンサニージョの恋」をカバンの中から大事そうに出してくれる仲間までいて、なんだかジーンと嬉しさが体内をひとめぐりしたのだった。
 きょうはかつて病気で一度倒れたものの、その後回復した浜松在住の友も来るというので時間が昼に設定されたのだが。急に体調が悪くなり、来られなくなった―とのことで、こればかりは心残りだった。本心をいえば、四十数年ぶりの再会に内心胸をときめかせていた、のに。残念だ。
 でも、また会えるのだから。暫くしたら、今日は都合で来れなかった他の仲間にも声をかけこちらから浜松までウナギでも食べながらみんなで押しかけていこうよ、ということで別れた。柔道部の仲間たちは、既に亡くなった二人を除いてほかにも三、四人いるが都合で来れなかった友にも会いたいことだし……。本当にいい奴らばかりだ。

 とまれ、きょうは僅かの時間、二年ぶりの四人だけの再会劇となったが、私の目に映る仲間たちは、みな学生時代そのまま。何ひとつ変わることはなかった。もしかして幸せって、こういう何げないことなのだとしみじみ感じたのである。

 名駅までの道すがら、仲間の一人が本の感想がてら「おまえは奥さんのおかげで今がある。奥さんは、本当によう出来たひとだ。大事にしなきゃ」と盛んにほめてくれたのには少しばかり面映ゆい半面、有り難く思った。堅物のミユキちゃんだけが「イガミ、おまえ、あんなこと書いたらいかんわ。とんでもないことになる。おまえを見損なった」と半分冗談ながらも本気で最後までこだわり、これまた私が覚悟していた通りの発言だった。
 それだけに、逆に有り難い言葉だとして受け止めつつ「そう言う前に、おまえは俺の小説をしっかり読んでくれなあかんがや。もっと読んでからモノを言え。これから、俺はもっともっといい作品を書いていくのだから。よろしく頼む」と切り返した。

 いま一人。能に夢中で元高校英語教師の仲間の場合。彼は「今でも本と言えば、コンスタントに週に五、六冊は読んどる。村上春樹は読まないけれど、な。今だに、みんなに頼まれて作文の添削などもさせてもらっている。俺は、わかりやすい文章云々よりも、人間くさい小説が好きだ。人間が伝わってくる作品を、これからも書いてほしい。がんばれよ、な。イ・ガ・ミ」と言ってくれ、率直にうれしかった。

【きょうの一文・ことば】特色は本物復元。本物を大事にするナゴヤの第一歩としたい=24日付中日朝刊、〈「本物ナゴヤの第一歩」完成記念式典で河村市長〉から

【新聞テレビから】
☆『元慰安婦 橋下氏との面会中止 「謝罪パフォーマンス拒否」』、『東証一時1万4000円割れ 急騰後一転、大幅下げ』、『センスいいね! 名古屋名物丁寧仕上げ』、『マイナンバー法成立 情報漏れ懸念消えず 16年開始 導入に2700億円』、『富山殺人放火元警部補が処分保留 「身内に甘い判断」遺族が手記』(24日付、中日夕刊)
☆『夕張メロン2玉160万円 札幌で初競り』、『国連報告書 福島健康調査は不十分 内部被ばく検査拡大勧告』、『全柔連理事辞任へ 「酔ってセクハラ」認める』(24日付、毎日夕刊)
☆『株暴落1143円安 金利上昇、「リーマン」超す』、『中電役員賞与ゼロ継続 2年連続赤字を考慮』、『天空の絶景80歳の再会 三浦さん下山開始 エベレスト最高齢登頂』(24日付、中日朝刊)
☆『「やると思っていた」 三浦さんエベレスト最高齢登頂 妻厚い信頼で支え』『08年「記録阻止」ネパール人男性 81歳 登頂目標は29日』、『東証急落1443円安 安倍相場調整局面』『金利、中国景気引き金』『「市場動向注視」政府に緊張感』、

五月二十三日
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マンサニージョの恋
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 株価が1143円安と急落。アベノミクスの副作用ではないか。背景に中国のシャドーバンキング(影の銀行)の影響があるのでは、と経済予測がかまびすしい。

 木曜日。きょうは5月23日。なんでも〝こいぶみの日〟なのだそうだ。
 舞によれば、あのマリリン・モンローがケネディ大統領に向かって【あなたを愛させて。さもなければ、死ぬ】との恋文を出したとか。事の真偽は別に「ラジオで言っていたよ」という。
 でも、「恋ひとつ」とはいえ、それほどに情熱的な恋でもしなければ、あれほどまでに魅力的かつ激しい女性にはなれなかったに違いない。世の中には、そうした道を経てステキになった人々は数え知れない。

 というわけかどうか。午前中、中日ドラゴンズ公式ファンクラブのお母さんでもある安江都々子さんから思いがけず「おはよう御座います。マンサニージョの恋を読ませて、頂きました。素晴らしい、燃える恋、久しぶりに、ウキウキした、気分で、拝読しました。有り難う(句読点も原文どおり)」のショートメールが入った。
 私を勇気づけようとしてくださっているとは知りつつ、とても嬉しかった。

 そして、もう一人。
 東京のきものアカデミア理事長の清水ときさんからも「このたび弊学園創立100周年記念式典開催にあたりましては、ご多用中にもかかわらず、美しい生花をお届け戴き、誠にありがとうございました。会場を色鮮やかに、華やかに飾ることが出来ました、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。(略)100年の節目を新たなスタートとし、『きもの文化』の教育、伝承に邁進いたします……」という礼状が舞い込んだ。
 パソコンで打たれた美しい活字を追いながら、どうしても「ときさん。その後、元気でおいでだろうか」と心配が先にたってしまう。

 午後零時21分過ぎ。NHKの画面に「三浦雄一郎さん エベレスト登頂 80歳で世界最高記録」のテロップが流れた。その後の新聞各紙によれば、冒険家三浦雄一郎さんは二十三日午後零時十五分(現地時間午前九時)ごろ、世界最高峰エベレスト(八、八四八メートル)の登頂に成功、これまでの七十六歳を四歳更新し、史上最高記録となった。
 七十歳だった二〇〇三年と七十五歳だった〇八年に続く五年ぶり三度目の快挙だ。三浦さんは、七十六歳の時にスキー事故で骨盤と大腿骨を折る大けがをしたが、その後に完治。持病の不整脈も計四回の手術を乗り越えての偉業だけに、素晴らしい。
        ×        ×
 
 さて。こちらは社交ダンスのレッスン。〝タンゴ〟がこれまでの初級から二級の内容へと一歩前進し、ひとつの流れとして完結。ステップを踏んでいると何だか、とても楽しいから不思議である。まだ若い若原先生の教え方が、ジェスチャーをたっぷりまじえたひょうきんなものであることもあってか。再三、爆笑しあいながらのレッスンが続いている。
 そして。タカちゃんも、フルちゃんも、ヒロコさんも、オグリさん、ナガツさん、オオモリさん……も。みんな本当に良い人ばかりで小学生時代が戻ってきたような錯覚にさえ陥る。なかでもヒロコさんの笑い上戸ときたら半端でなく笑い出したら止まらないので、つい私まで笑い出してしまう。笑いながら「ゴンタさんが笑わせるのだから」と犯人を私に仕立て上げ、押しつけてくる。
 それでも、みんなお孫さんの世話をしなければいけないとか、ギターのボランティアがあるとか、昔入国管理事務所に居たので外国人の書類を見て親切にしてあげなければ……など。ナンノカンノと皆さん、結構忙しそうだ。まさにスバラシキ仲間たちだといってよい。

【きょうの一文・ことば】「がんばって。がんばって。がんばって。きょう世界最高峰に達した。世界最高の気分。八十歳でもまだまだいける」=23日付中日夕刊〈80歳三浦さん登頂 エベレスト史上最高齢〉など各メディアから

【新聞テレビから】
☆『80歳三浦さん登頂 エベレスト史上最高齢』、『外れ馬券は経費 脱税、1割に減額で有罪 大阪地裁判決』『認められ納得 被告の元会社員』、『江戸の輝き復活 名古屋城本丸御殿』(23日付、中日夕刊)
☆『三浦さん挑戦見守る家族 父の気力信じ』『片足の女性(切断手術を受けた女性として世界で初めてエベレストに)登頂成功 強盗遭い膝下切断 インドの26歳』、『長期金利1%突破 日銀けん制「2兆円資金供給」』、『茂山千作さん死去 狂言師・人間国宝 文化勲章受章 93歳』『「前代未聞」挑み続け 愛されたお豆腐狂言』(23日付、毎日夕刊)
☆『鵜匠ギャルお待たせ 犬山 稲山さん、来月デビュー オリジナル技にも挑戦』、『キモノの一栄 さらに3000万円脱税か 逮捕の社長容疑を否認 09、10年も所得隠し』(23日付、中日朝刊)
☆『元警部補を処分保留 富山殺人放火 地検「任意で捜査」』(23日付、毎日朝刊)

五月二十二日
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マンサニージョの恋
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 村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読み終えた。

 ストーリーはこうである。
―多崎つくるは名古屋の高校で四人の親友(赤松慶、青海悦夫、白根柚木、黒埜恵理。四人の名前にはいずれも赤、青、白、黒の色彩が入っていた)とグループを作り、幸せで充実した学校生活を送り、それは「乱れなく調和する共同体」とさえ言えるものだった。そんな五人だったが、高校を卒業するとつくるだけが東京の大学に行き、他の四人は名古屋に残った。そして大学二年の夏、つくるが名古屋に帰省すると、彼は四人の友人たちから絶交を宣告され理由の説明も受けないまま、彼らから切り離されてしまう。
 以降、つくるのトラウマは深く自殺の危機はなんとか乗り越えたものの、36歳になり真剣に付き合いたいと思う年上の恋人〝沙羅〟ができたとき、彼は自分の中に残っているトラウマを解決しない限り、新しい恋も成就しないことを悟って、かつて友だちだったクロの住むフィンランドへ、と巡礼の旅に出る―
 といった内容である。

 率直にこの小説の感想を言わせてもらう。 
 まず、〝名古屋〟が、どういうものなのか、が十分に書けてはいない。名古屋はあんなものではない―ということだ。そして。アカ(赤松慶)はなぜ、名古屋大学で父は名古屋大学経済学部の教授なのか。この辺りの意図も分からない。名古屋といえば、南山があり愛知大学、中京大学があり、金城、淑徳、椙山…に、名工大だってあるじゃないか。ほかにも名市大や名古屋経済大学、名古屋芸大など、都会に負けない大学はいっぱいあるのに、だ。
 なぜ、それほどでもない名古屋大学だけを固有視するのか。それともネタ元がそこを出た某氏に多少なりとも、あるのか。教えられたのか。人と大学の設定が安易すぎる。もっとも小説だから「勝手だ」と言われれば、それだけのことだが。

 次いで比喩表現、文学界六月号で東京の文芸評論家氏がえらく比喩表現を褒めておいでだったが(確かにステキな表現があるにはある)、私に言わせれば、取ってつけのいわゆるちんけな修飾語が多すぎる。長い。もっと、素直にスパッと感覚的な表現をできないものか。文章表現が全体にゴツゴツとしており、豊かな表現には程遠い(豊かな表現には〝天賦の才〟が必要で「穴を掘る」タイプの彼には無理かもしれないが)、そして何より小説の結末がよくない。結末には虹のような、生きてゆく希望のようなものがほしい。
 私だったら347頁の「そして電話が切れた。」で強烈な余韻を読者に持たせたまま、思い切ってやめたに違いない。それ以上は書かなかっただろう。

 正直、残りのページは、つくるの心が意識の底を行きつ戻りつで、時代風景にも触れなければといった無理な付け足しもありありで、大変目障りに感じた。この作者は一体何を言いたいのか、がさっぱりわからない。くだくだと言い訳めいたものばかりを並べているが、あれでは「読者は勝手に想像しなさい。小説とはこういうものなのだ」といった開き直りの文章だといって良く、ここにきて読後感は急降下したのである。文全体にトーンがない。美しさがない。響きが、エロスが、ない。
 ただ全体の流れのなかで、自身の心の流れを、かつてシロがよく弾いていたリストの「巡礼の年」、〈ル・マル・デュ・ペイ〉になぞらえ物語を展開させていった点は、さすがと思う。私は、この作品を読み終えたあと、当代を代表する文芸評論家と思想家、翻訳家による文學界六月号の特集「村上春樹をめぐる冒険2013」をあらためて読み直してみた。と同時に、ユーチューブでリストの〈ル・マル・デュ・ペイ〉を二度、三度、四度と聴いてみたが、この曲には確かにどこか癒されるものを感じた。

 この小説、沼野充義氏が書いている通り「読んでまず感じたのは、静かな作品だということだ。浮かび上がってくる様々な色を背景として、静かな音楽が聞こえてくる。」点では異論はない。ただ、作家として一番大切な「何を」=それは〝魂の叫び〟とでもいうものであるのだが=言いたいのか、が全ての局面で断片的に消え去ったり、余分な言葉によって浸食されてしまっており、残念な気がする。
 当然ながら作者は、最終局面でどんな展開になるのかを読者自身に考えさせようとした節が見られないでもない。でも、一般読者はここで胸をワクワクさせるはずなのだから。ある程度の示唆さえも与えない点で、この文学は作者の独り善がりというか、未完成品だといってよい。小説に何より大切なのは、どんなに不幸な中にあっても、希望へのしっかりとしたレールを敷くことだからだ。
        ×        ×

 ここで私は、つくづく思う。こんな作品を二百万人もの読者が本当に読んだのだろうか、と。正直、首をひねってしまう。裏に商業主義最優先の文学界の底に潜むガンといおうか、ペテンのようなものが隠されている。事件記者の感覚からすれば、そんな気がしないでもない。
 仮に私の本「マンサニージョの恋」(幻冬舎ルネッサンス)が、これまでに200冊売れていたとしよう。【二百万冊対二百冊】。でも、おそらく1冊の重みとなると私の読者の方がはるかに重みはあるに違いない。読んでくださった皆さんには、胸を張って一万倍の重みがあると思っている。この先ぜひ、一人でも多くの皆さんに読んでほしい。そして村上某氏の作品とやらと比較検討してほしい。

 むろん、私の作品とてまだまだ、である。きょうも横笛の師匠宅で「第三話〈道化師〉が、チョット分かりにくかったそうよ」とコテンパンにやられた(私は「そんなはずはない。道化師だから」と反論しようとしたが、やめた)。とはいっても、師匠は本を読まない方なので読んだ方の意見を参考に私に教えてくださって分かったことなのだが。これは謙虚に受け止めなければ、と思っている。
 小説とは、そういう分からないところがあるものかも知れない。これを作者の独り善がり、いや読みようによっては支離滅裂ともとられかねない。
 この点は伊神権太であれ、村上春樹であれ、同じかもしれない。それこそ、言い訳めいて聞こえるかもしれないが。開き直って言わせてもらうなら、分からない個所こそ、小説の小説たる所以のような気がしないでもない。

【きょうの一文・ことば】「ところで昔、シロがよくピアノで弾いてくれた曲を覚えているか? フランツ・リストの『ル・マル・デュ・ペイ』っていう五、六分の静かな曲だけど」=村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」から
「村上春樹には悪いけれど。彼の小説を読めば読むほど文章力はむろん、表現上の繊細さや心理面での揺れ動き、自然に対する描写など。全ての面で今一歩の感がする。彼の作品化力、すなわち巧妙なほどのストーリーテラーは認めよう。
 だけれども安易な比喩表現があまりに多過ぎ、名古屋に対する理解度にしても、作品全体からうかがい知れるのはホンの常識程度で読者の心を揺り動かすものがない。徹底した取材力に裏打ちされてはいないのだ。いちど私、伊神権太の作品を繰り返し読んで頂き、文学の文学たるものの本領というか、その人びとに迫りくる本質といったようなものを学び取ってほしい。
 ちまたでワイノワイノと騒がれている彼とてホンの取るに足らない存在なのである」=22日深夜、伊神権太自宅にて。

【新聞テレビから】
☆『中電、東電と火力建設 関東で電力販売検討』、『ブルートマト新参者の効果 大垣に移住種苗業者が開発』『栄養豊富「町の特産品」期待』(22日付、毎日夕刊)
☆『米竜巻最強ランクに引き上げ 何もかも失った』『「残ったのはバスルームだけ」』、『スカイツリー開業1年 日本新名所5000万人 想定1・6倍 群抜く集客力』、『〈近事片々〉…横綱白鵬、2桁勝利を38場所連続で積み上げる新記録。』(22日付、毎日夕刊)
☆『〈3分の2考 われらの憲法1〉高い壁越えてこそ 米国男女平等訴え90年』、『故山本美香さんに「ヒーロー賞」授与 国際新聞編集者協』、『吉見今季絶望 右肘再手術を決断』『練習再開まで1年 高木監督「そんなにかかるのか」』(22日付、中日朝刊)
☆『米竜巻24人犠牲 低学年児校内で被災 「外は危険」判断か』(22日付、毎日朝刊)

五月二十一日
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マンサニージョの恋
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 小満。しょうまん。聞きなれない言葉だが秋に蒔いた麦などの穂がつくころ、草木が満ちはじめる季節とか、でホッと一安心して少し満足する、との意味だそうだ。

 ほんとに、この世は一体何が起きるか知れたものでない。
 夕刊(中日)によれば、米南部オクラホマ州の州都オクラホマシティー周辺で二十日、巨大竜巻が発生し、市街地の建物や住宅を直撃して破壊、オクラホマ近郊のムーア市で小学校の校舎などが倒壊、児童ら五十一人が死亡したという。また夜のテレビニュースによれば、ロッキー山脈南東のこの辺り一帯は〝竜巻街道〟と言われるほどで、この二日間で実に二十八個以上の竜巻に襲来されたそうだ。
 〝竜巻街道〟と言われるだけあって、当然のように人々はそれぞれの家庭や職場、学校などに緊急時のシェルターを設け、万一に備えているという。夜遅くになり、一部テレビメディアが死亡確認は二十四人で当初発表の五十一人ではない、との見解を発表したが、一方でほかに四十人以上の命が奪われたとの情報も錯綜しており、何が何だかよく分からない。ただ当初心配された日本人家族三世帯については、安全が確認されたようだ。

 いずれにせよ、地球温暖化が進むなか、ここ数年、世界的に竜巻の発生が多い気がするのも確かである。米に限らず日本でも竜巻が頻繁に急襲するケースが目立つだけに、他人ごとではない気がする。

 きょうは、ごく一部の方々に対して私の連作小説集「マンサニージョの恋」出版のお知らせを葉書に書いて出させて頂いた以外は、すべての情報世界との往き来を敢えて遮断。電話も、メールも、むろん会話も、すべての手段を手離す形で新しい小説の執筆と構想にひたすら打ち込んだ。ただ最近取り沙汰されている村上春樹の長い表題の小説だけには、目を通した。彼の作品に対する私の評はあす以降、本欄で触れさせていただこう。というのは、世のいわゆる文芸評論家たる面々の評論が、あまりにも画一的かつ、どこやらの出版社の音頭に尻尾を振って書かせられているような、そんな情けない内容ばかりで的を得たものが、あまりないからだ(むろん、中にはごく一部だが的確な評論もあるにはある。)
 彼らは一体全体、どこをどう、読んでいるのか。目を開いたまま、実は瞑って読んでいるのか。甘すぎる。商売の文学評論では真の評論はできない、ことをこれほど痛切に感じたことはない。完読しないで英雄気取りで安易な名古屋論を称えるなぞ、思考が浅過ぎるし、もってのほかだ。これでは、春樹がのぼせ上がってしまい、かわいそうである。文学とは、人間の魂である。魂が筆感として自然に出るのならいい(部分的には出ていて素晴らしい個所もあるにはある)のだが、彼の表現の安易極まる修飾語の多さについては、まもなく私が指摘しよう。
 いちど、私の「マンサニージョの恋」と、どこがどう違うのか、を読み比べてほしい。

【きょうの一文・ことば】最初に、読者と竹下登元首相に謝りたい。かつて、市町村に一律一億円を交付した「ふるさと創生事業」を、ばらまきと批判した。=21日付中日朝刊『〈ふくしま便り〉ふるさと創生 生きた村(福島駐在編集委員・井上能行)』から

【新聞テレビから】
☆『〈ニュースウオッチ9〉邦画16年ぶりの栄冠を カンヌ(「そして父になる」の)是枝監督と中継』(21日夜、NHK総合テレビ)
☆『米で竜巻51人死亡 小学校倒壊児童20人犠牲 オクラホマ』『邦人3家族連絡とれず』、『元柔道指導者を強制起訴 松本の事故で指定弁護士』、『あの日の教訓甚句に 釜石の女性ら共作 津波今こそ語り継ぐ』、『三重の住職シキミ畑を購入 施設に作業依頼 働き場所お香の縁』(21日付、中日夕刊)
☆『トヨタ社長(豊田章男) 独レース完走 原点確認車づくりに生かす 4年ぶりの参戦、37位に』、『「藁の楯」上映、会場から歓声(第66回カンヌ国際映画祭)』(21日付、毎日夕刊)
☆『〈社説〉飯島氏訪朝 拉致解決進展させたい/裁判員制度 市民参加深めるために』『裁判員裁判きょう4年 残忍事件裁く苦悩 殺害現場、遺体写真…「きつかった」』、『ミサイル3日連続発射 北朝鮮 短距離2発「通常訓練」』、『〈核心〉橋下氏発言で維新混乱 野党参院選へ損得勘定』『決別即断のみんな 漁夫の利狙う民主 政府与党は余裕も』(21日付、中日朝刊)
☆『名古屋放火殺人 山口組組長(篠田建市、通称司忍)を提訴 賠償請求 上部団体責任問う』『弁護団「暴力団被害防止に」』、『黒田日銀緩和競争に拍車 新興国利下げ続々 通貨高回避バブル懸念』(21日付、毎日朝刊)

五月二十日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
・幻冬舎ホームページ
・amazon

 月曜日。
 102日間に及んだ昨年のピースボートによる地球一周の船旅(五月八日~八月十七日)を振り返りつつ、乗船中に船内や寄港した先々で撮影したビデオの整理作業を、一年前を振り返りながら同時進行で進めている。これまでほったらかし状態だった収録画面を日付ごとに題をつけパソコン内に保存するのが主な作業だが、いやはや、その量の多さには我ながら驚いている。
 かつて新聞記者の一線時代は、カメラはストロボと一緒にいつだって肩からぶら下げ取材して歩いたものだが、ああした形での長期に及ぶビデオ収録はそれこそ初体験だっただけに、「よくぞここまで」とあきれ返っている。いっそ、バッサリと1日1カットだけに絞り込もうか、と思いつつも「せっかく撮ったのだから、この先もしかしたら必要になることがあるかも知れない」と、ついそれぞれのシーンに見入り、時間ばかりが過ぎていってしまう。

 きょうは日本ペンクラブの友人で日本を代表するバレエダンサー、かつニジンスキーと並び20世紀で最も偉大なダンサーとされるルドルフ・ヌレエフの研究と翻訳でも知られる【新倉真由美さん】と久しぶりでメールのやり取りが出来、とても嬉しかった。
 メールは「実は思いがけず映画に出演することになり、ロケ地に来ております。完成しましたら、またご報告させて頂きます。…」といった内容だった。以前、東京でお会いした際、病弱気味とお聴きし心配していただけに、ナンダカ私の心のなかの明かりがポッと点いたような、そんな気持ちにかられたのである。彼女なら、どんな時だって容姿端麗で言語明瞭だからヒロインとしても立派に通用するだろう。それだけに、映画の完成をいまから楽しみにしている。
 新倉さんへのわが心境は、といえば。祈る健康! そして活躍を―といったところである。彼女のことだ。きっと素晴らしい名画が生まれるに違いない。
 
 私たちの同人誌のテーマエッセイも歴史を積み重ねて早や13回目。今回は真伏善人さんの提案で〈泣く〉をテーマとするエッセイだが、きょうまでに4作品を公開。読者の皆さまには、ぜひ読んでほしく思っている。

【きょうの一文・ことば】…今回の「大陸」の発見は、ユーラシア大陸、アメリカ大陸などがかつては陸続きであったというウェゲナーの大陸移動説をも立証することになった。そのように科学的学説が証拠づけられるとともにアトランティス大陸の謎も深まったのである。=20日付中日夕刊、〈思うままに 梅原猛 実在したアトランティス大陸 プラトンは知っていた〉から

【新聞テレビから】
☆『遺伝性乳がん 乳房予防切除を承認 聖路加病院の院内倫理委』、『ワゴン車3人死亡 7人乗り分離帯に衝突 伊賀の名阪道』、『スカイツリー 展望台来場者634万人 千葉の家族に記念品』、『景気「緩やかに持ち直し」 二カ月ぶり上方修正 五月月例報告』(20日付、中日夕刊)
☆『企業参入独自対策で保育所認可増 横浜市待機児童ゼロ 全国ワースト3年で解消』『政府 全国展開の方針』『人材確保など新たな課題 名古屋は300人待機』、『(宮沢)賢治 オール甲 小学校の通信簿発見 5~6年は皆勤賞』(20日付、毎日夕刊)
☆『大村知事 設楽ダム賛否保留へ 費用対効果議論が不十分 再検証回答きょう期限』、『(ジョン・)レノンのギター4200万円 撮影時に使用 米競売で落札』(20日付、中日朝刊)
☆『橋下発言「妥当でない」71% 本社世論調査 維新支持急落4%』『維新発言撤回せず みんな選挙協力解消』、『性同一性障害のボクサー 真道(ゴー)選手=本名・橋本めぐみ(25)、クラトキボクシングジム所属=、世界王者に 女子フライ級』(20日付、毎日朝刊)

五月十九日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 このところ、しばらく離れていた伊神権太/フェイスブック。
 数日前、ある日突然の如くパスワードを入れてください―ときた。要は、これまでは見えた私と友だちのフェイスブック画面があらためてパスワードを入れ、ログインをやり直さなければ完全には見られない状況に陥っていた。

 というわけで、めんどうくさい気も手伝って、しばらくそのままにしておいたのだが。きょうになって船友仲間であり尊敬する〝お姉さん〟でもあるヤエちゃん、すなわち小泉八重子さんからフェイスブックによる便りが入っていたため「これは、画面を再開しなくては」とパスワードをいれて、ログインさせて頂いた次第。
 さっそく八重姉さんのフェイスブックを覗かせて頂くと、これは凄い! 〈主演女優・小泉八重子、ロケ地・世界〉の題字入りで世にも稀なる崇高な写真集【世界一周】が出てきたのには驚いたのである。そこで本欄を読んでくださっている全ての読者諸氏にお願いしたい。華麗なるファッションに彩られた、この世界でただ一つの写真集、八重姉さんの世界をぜひ、見てあげてください―と。
 いやはや、この名作、第76回ピースボートで訪ねた寄港地と船上でのカット写真が、女優・小泉八重子さんをモデルにほぼ満載。各国への望郷の念と旅情を誘う作品ぞろいだけに、感動したのである。それでなくとも、これからピースボートに乗船しようとする方々にとっても、大いに参考になること間違いなし、といってよい。

 雨のなか、相棒とふたりで母の元へ。
 不在なので電話すると、あいにく妹たちと大須演芸場に行ったあと、食事をしているとのこと。せっかく出向いたのに、と思いつつ元気な母の声に接して安心して帰宅した。きょうは午前中、肌が少しヒヤリとする心地よい五月の風がふいていた、と思ったら午後には一時、土砂降りの雨となるなど移ろいやすい一日となった。

【きょうの一文・ことば】「木の下で待っているだけでは実が落ちてこないこともあります。落ちそうな実を見つけたら、枝を揺すってやらないと」=19日付中日朝刊、連載小説〈雨の狩人 135 大沢在昌〉谷神の言葉 

【新聞テレビなど】
☆『クラシック音楽館▽日本を代表するダンサー・バレエ団の豪華競演』(19日夜、NHK・Eテレ)
☆『「幸せリーグ」全国36自治体連携』『心の充足行政目標に 長久手 指標づくりに予算』、『資源開発に2000億円拠出 経産相 日アフリカ会合で表明』、『ぎふ清流ハーフマラソン 1万人参加 きょう号砲』、『石巻で震度5強 けが人なし』(19日付、中日朝刊)
☆『今季初4連勝和田連発 交流戦単独首位』『借金返済して名古屋に帰ってきます』(19日付、中スポ)

五月十八日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
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 きょうのニュースは、何といっても妻(舞)が営むボランティアのリサイクルショップ「ミヌエット」であった、ちいさな音楽会〈フォークソング/弾き語り あなたのために〉をおいて、ほかはない。町の女性たち、いわゆる女子会花盛りの女性たち十五人ほどが集っての音楽会で、お世辞抜きでなかなかよかった。
 ここまで準備を進めた舞とボランティアでオリジナル曲〈その答えはYes〉を引っ下げて出演してくださった町のシンガーソングライターで中年の星・チュウさん、そして、これまた家事の合間を縫って集まってくださった皆みな様にも、心からその労と協力に拍手を送らせていただく。

 写真はギターを抱えて歌うチュウさん。店内は満員、楽しいひとときが過ぎていった
 

 

 チュウさんの弾き語りによるギター演奏と歌は、曲の説明をしながら〈桜坂〉〈学生時代〉〈知りたくないの(英語/日本語)〉〈シクラメンのかほり〉〈その答えはYes〉の順で進み、いつものように【みかんの花咲く丘】で、ギターの調べに合わせ歌って締めくくられた。案の定、アンコールの声が飛び出し、チュウさんは二曲を特別サービスして終えた。

 なかでも〈その答えはYes〉は東日本大震災で実際にあった話を題材に、チュウさんがオリジナル曲として完成させたという。結婚の約束をしていた若者が3・11当日にかねてから約束していた女性を訪ねて結婚を申し込んだが、若者は大震災に被災し不運にも帰らぬ人になってしまう、といったあらすじ。
 ♪あなたの消息を訪ね歩く日々♪名前を呼ばれた気がしてふりかえる♪あなたの声を聴きたくて♪あなたの無事が知りたくて…と、しっとりと歌いあげる調べが、どんな事態に遭遇しても【愛の深さ】にかなうものはないという、そんな現実を思い知らされる内容で、胸に熱いものが走った。
 この先大勢の人々の間でこの歌がうたい継がれていったらいいナ、と率直に思う。

 私は傍らで黙って聴かせていただいたが「きょうの音楽会は(準備は大変だったろうが)、お世辞なしでいいことだ。よくやった」と思い、昨年秋から始めた舞の努力の積み重ねには心から敬意を表しておきたい。よく頑張った、とほめてやりたい。ただ、彼女の場合、過去に何度も生死をさまようほどの大病を患っている。それだけに、あまり身を入れると、からだが心配である。とはいえ、本人が満足しているのだ。とやかく言う必要もないか。
 今のままでよいか、などと自問自答の一日となったのである。いずれにせよ、一番心配していた天気もよくなり、よかった。

 そういう私も彼女とは競争でしなければならないことが山ほどあり、きょうも一日、烈火の如く走り去った。きょうからは昨年実現させたピースボートによる地球一周船旅の記録を日々、整理していくことにした。あらためて思うが撮影ビデオとなると、半端じゃない。せめてタイトルぐらいはつけ保存せねば、と思ったからだ。
 ほかに名古屋市立大学の学生に対する〝特講授業〟も近づいたので、そろそろこちらの方の準備もしなければ。「熱砂」同人のテーマエッセイ(「泣く」)のアップはむろんのこと、横笛・社交ダンス・サンポーニャの精進、新しい小説の執筆、気ままな旅を兼ねた現場取材も一気に加速させねば、と思っている。なんだか昔から動き通しだ。記者時代と変わらない。

【きょうの一文・ことば】「アワビを放流しても成果が芳しくない。保存会の活動で良い放流の仕方など、漁獲量が少しでも増える方法が分かったら」=18日付、中日朝刊〈海女保存会鳥羽・志摩に 国内初きょう設立 ユネスコ文化遺産目指す〉の記事中で志摩市の海女、浅野芙美代さん(76歳)
 
【新聞テレビから】
☆『米政府 シェールガス輸出解禁 中電向け、17年にも』、『美と味大物を魅了 老舗料亭の名物会長大往生 東京「福田家」福田彰さん(先月、96歳で)』、『慰安婦容認発言 橋下氏またメディア非難 米の批判は「非常に光栄」』『米で反発拡大 風俗発言追い打ち』(18日付、中日夕刊)
☆『クセになる!? じぇじぇじえ~ 190世帯の(岩手県久慈市)小袖地区の方言 普通は「じゃ」若者は抵抗感』、『手塚治虫の未発表原稿 幻の「浮標島」など9枚』(18日付、毎日夕刊)
☆『首相成長戦略第2弾 農家所得10年で倍増 企業の設備投資70兆円』、『15歳一力三段が優勝(30歳以下の若手棋士による「第4回おかげ杯囲碁トーナメント戦」で)』、『「生まれてしんどいだけの繰り返し」 宅間元死刑囚の鑑定書を出版 池田小事件で精神科医』(18日付、中日朝刊)
☆『長崎ストーカー殺人公判 「家族殺すと脅され…」 被害女性 暴力、束縛を証言』、『収賄容疑 関市職員を逮捕 岐阜県警 水道工事発注で便宜』(18日付、毎日朝刊)

五月十七日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
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 五月の風が肌に心地よい一日だった。
 夜。妹が「うちの畑で育ったから」とサヤエンドウを持ってきてくれた。忙しいところを、わざわざきてくれ、有り難いなと思った。〝シゲルさん(妹の夫)〟が野菜づくりの名人ゆえ、恩恵に預かることができる。こんなことを言ってると「おまえも、(野菜づくり)せなアカンよ。せっかく畑があるのだから」と母に叱られそうだ。
 夜のテレビニュースは、どこもかしこも訪朝を終え北京に戻った飯島内閣参謀参与の話ばかりである。「真摯に話が出来た」と言葉少なに記者団に語った飯島氏。拉致問題解決の行く末が、その胸のなかにあると思うと、見ていてなんだか不思議な気持ちに駆られる。

 きょうは久しぶりに大津は、あの雄琴温泉一角にある居酒屋「一休」さんの女将と、あれやこれやと話し合った。十八、九年前と何ら変わることない若々しいお声で、まもなく六十歳とか(声をお聴きする限り、とてもそんな年には感じられない)。「支局長もお変わりないですか」と、とても懐かしがってくださった。
 また、かつて〝ウーマン・リブ〟運動の旗手とされた東京在住の彼女にも本出版の挨拶を兼ねて何年ぶりかで電話させて頂いたが、こちらもお元気そうで「伊神さんの本、さっそく購入して読ませて頂くわ。私の周りには、これまでにピースボートに乗船した女性たちがいっぱいいるから、クチコミで宣伝してあげる」とこれまた、有り難い言葉。
 このほか、カトマンズから一時帰国中の友人とも話が弾み、私は恥も外聞も捨て、一人でも多くの女性に「マンサニージョの恋」を読んでくださるよう、懇願したのである。

 午前零時過ぎ。息子から電話が入り「今夜は仕事の関係で帰れない」との電話。このところの彼は、連日の深夜帰りで仕事もかなりハードのようなので「体だけはくれぐれも気をつけるように」と言って電話を切る。私自身も二十六、七歳のころは夜、昼、朝となく、休みなぞ一切関係なく志摩半島から伊勢市内を飛び回ったものだ。黙って見ていると働き者である点は、わが家の息子たちは皆、私に似ている、そんな気がする。
 でも、みんな、無理だけはしないでほしい。これは、舞とて同じだ。みんな生き生きとよくやってくれており、もしこの世に神さまがいたなら、彼女にお礼を言いたい心境だ。でも、あまり無理はしてほしくない。

 昔、大事件や災害現場に特派される場合、時の社会部長やデスク諸氏が取材ヘリやジェット機に乗る前に電話越しに、よく、こう言った。「オイッ、がみちゃん。あまり無理するなよ」と。あの時、私は口では「分かっています」と応えながらも「これは無理してでも現場に早く行かなければ」と気がはやったものだ。そこには上司と私の間の〈阿吽の呼吸〉とでもいったようなものがあった。 

【きょうの一文・ことば】「真摯に長時間の会談ができた。それなりの判断材料として、これから精査して考えたい。〝拉致〟を最大限の誠意で解決しようと思っている」=北朝鮮から帰国の途次、北京空港で。飯島勲内閣官房参与が記者団に

【新聞テレビから】
☆『〈あの人に迫る〉徳永進 ホスピス医 臨床の現場にはジャッジは不要(増村光俊)』、『「橋下氏発言は言語道断」 米政府、異例の非難』『「日本女性を占領期活用」 橋下氏、米に反論』、『原子力機構理事長が辞任 もんじゅ点検漏れで引責』『組織で受け止めて 敦賀市長が談話』、『庶民の夢追い行列 ドリームジャンボ発売』(17日付、中日夕刊)
☆『災害危険度 地図で確認 名大などソフト開発 名古屋周辺』『震度や浸水 南海トラフも想定』『「300年静かなのは異常」 噴火対策 富士山検討続く』、『中部主要企業 7割業績改善予想』『14年3月期 円安・株高で強気』、『ホンダF1復帰発表』『走れ日の丸エンジン』『黄金期再び「名門の力見せて」』『育てF1ドライバー』、『ベッカム現役引退 38歳元イングランド代表』(17日付、中日朝刊)

五月十六日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
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 夜遅く。メ~テレの報道ステーションによれば、訪朝中の【飯島勲氏(内閣官房参与)】が北朝鮮の序列2位を占める金永南(キムヨンナム)氏=北朝鮮最高人民会議常任委員長=と会談した。この模様は朝鮮中央通信が大々的に伝え、日本の報道ステーションも「厚遇の意図は何か」といった視点からニュースを流していた。
 金永南氏といえば、北朝鮮で対外的に国家元首の役割を務めるとされる重要人物だけに、金正恩総書記の思惑は一体、どこにあるのか。日本との対話の道を探るものなのか。それとも、両国間の懸案ともいっていい拉致問題が解決に向かって大きく動き出すのか。今後の動きに注目したい。

 米国テキサス州で巨大竜巻が発生、6人が死亡し100人超が負傷。テキサス州北部では、この日だけで10カ所で竜巻が発生したという。いろいろ起きるものだ。
        ×        ×

 大津市在住の「熱砂」同人、眞鍋京子さん=「湖都の文学」編集委員=から手書きの「泣く」をテーマとしたテーマエッセイ「喜びの涙」がファックスでわが家に届き、さっそくパソコンのワードに打ち込ませて頂いた。たんたんと流れゆく文の流れ。毎度思うが、彼女は八十歳を超す高齢にもかかわらず、今回も時代の動きをよく見据えた的確な作品で心から感銘した。これで黒宮涼、真伏善人、私(伊神権太)、眞鍋京子と同人四人からの作品が寄せられた。
 残る同人からも名作が追々、届くものと期待している。

 感銘といえば、昨年乗船した第76回ピースボートの船友仲間で私の〝姉〟の一人でもあるサッちゃん(阿部祥子さん)から次のようなメールをいただいて、とても嬉しく思った。
―権太様 お元気でしょうか? 私は、何とか過ごしています。昨夜は、都庁広場での金剛流薪能に一人出かけ、近代的な夜空の下、幽玄世界を遊んできました。 
 本日のメールです。この月曜日、高田馬場GETの「おしゃべりカフェ」(テーマに従って、1時間ほど参加者が英語でおしゃべりする)に出かけました。その折り、第76回クルーズのGET副校長? だった小泉さんに、貴著『マンサニージョの恋』お届けしました。表紙に、76回乗船者伊神権太氏からの寄贈として、図書コーナーに置いてくださるとのことでした。ご報告まで。  
 気候の移り変わりが身に堪えるこの頃、御身大切に願います。    阿部祥子

 すぐにさっチャンに、お礼の返信メールをしたことは言うまでもない。GETの小泉さん! ありがとうございます。そしてサッちゃん! いつも、お心遣いに感謝しています。

【きょうの一文・ことば】「生で見れば力士同士がぶつかり合う音やオーラを感じられる。真剣に闘ってる姿を見てやってください」=16日付中日夕刊、〈元高見盛「真剣勝負見て」 名古屋場所 チケット前売り開始〉で。振分親方(元高見盛)

【新聞テレビから】
☆『GDP年3・5%増 1~3月期 個人消費伸びる 経済産業相「増税環境整いつつ」』、『女川発さんまたい焼き 復興願い新名物人気 被災女性ら元気に発売 犬山の会社が型を製作』、『風俗活用進言 国際感覚足りず反省 橋下氏、元慰安婦24日面会』、『着陸失敗、邦人重傷 ネパール 小型機、川に突っ込む』、『生後4日 イルカ死ぬ 名港水族館』(16日付、中日夕刊)
☆『サイバー捜査に司令塔 警察庁新設 官民連携強化、人員も倍増』、『貨物船火災6人不明 ロシア人ら乗組員18人 稚内に停泊中』(16日付、毎日夕刊)
☆『敦賀2号機「直下に活断層」と断定』『規制委報告書 廃炉の公算大』『廃炉宣告にショック 敦賀2号機直下活断層 「原発城下町」波及を警戒 市民は冷静「氷山の一角」』、『人クローンE細胞を作製 iPSより異常少ない可能性 米大の日本人研究者ら』(16日付、中日朝刊)
☆『沖縄で抗議デモ 本土復帰41周年』(16日付、毎日朝刊)

五月十五日
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 朝一番で宮田公民館へ。
 八月十五日の社交ダンス教室の会場を押さえるためだ。実に三カ月前の会場確保で、レッスンの教師から「ごんたさん、お願いね」言われたのでつい引き受け、公民館まで出向いた。場所取り目当ての市民が大勢並んでいるかと思ったが、そうでもなく会場はスンナリ確保とあいなった。
 これしきのことなら電話でも良いのに、と内心思い「電話でもよかったのでは」とは言ってみたものの「来ていただかなければ困ります」と女子職員。別に出向くぐらいのことは、早朝の散歩と思えばよいので「ああそうですか」と引き下がった。おかげで午前中は、新聞を読むのに始まってアレヤコレヤと出来て喜んでいる。

 午後、いったん外に出て帰ってからは、横笛とハモニカ、サンポーニャの〝三刀流〟でそれぞれのマスターに挑んだ。なかでも、サンポーニャは、つい最近手に入れたばかりの指南本「やさしいサンポーニャの吹き方」を傍らに1ページずつマスターする方法で進めたが、直感的に「これは吹きこなせるまでには、かなりかかりそうだ」と思ったのである。でも、教本を一つひとつ読んでいくうち、なんだか、どこかのページできっかけさえつかめばマスターもそんなに難しくはない、気がしないでもない。
 あとは途中で「もう、やめた」と放り出さない限り、吹けるようになるのも時間の問題のような気がしてきたから、不思議だ。

【きょうの一文・ことば】人権問題は被害者の立場になって考えるのが基本。弁護士でもある人が、当事者の女性の立場を一切、考えず、加害者側に立って発言することは信じられない。日本人全体が世界から品格を疑われてしまう。=15日付中日朝刊、〈「女性の人権認識ない」 慰安婦容認発言 橋下氏に批判の声〉の中で戦争と平和の資料館「ピースあいち」の竹内宏一事務局次長(71)

【きょうの新聞テレビから】
☆『暑さ飲み干そう 名古屋31・5度(名古屋・栄の中日ビル屋上ビアガーデンがオープン)』、『東証1万5000円台回復 米株高、円安を好感 5年4カ月ぶり』、『もんじゅ運転停止へ 規制委が命令決定 点検漏れ「深刻」』(15日付、中日夕刊)
☆『「全体として継承」村山談話で首相 衆院予算委 発言を修正』、『中日本高速に賠償請求 笹子トンネル崩落 遺族が提訴』、『雪の壁進む 乗鞍スカイライン開通』(15日付、毎日夕刊)
☆『敦賀「直下に活断層」 規制委調査団報告書案 2号機廃炉強まる』、『橋下氏強硬に反論 慰安婦発言 政府、問題拡大を警戒』『「女性の人権認識ない」 慰安婦容認発言 橋下氏に批判の声』、『柔道死亡元顧問に過失 大津地裁判決 町側「控訴考えず」』(15日付、中日朝刊)
☆『飯島氏訪朝 高官と接触 内閣参与』、『沖縄、募る不満 祝賀ムードなし きょう復帰41年』、『「性欲解消策各国軍に」 慰安婦発言 橋下氏、自説主張』(15日付、毎日朝刊)

五月十四日
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 私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」のテーマエッセイ=「泣く」=の締め切りが近づいてきた。デ、きょうは主宰の私自ら率先して、と一気に書き上げる。かといっても「熱砂」で一番若いホープ、黒宮涼さんからは、既に玉稿が届いている。
「熱砂」同人は、みんな忙しい人ばかりだけに、毎回のことだが、どうしても出稿は遅れがちだ。でも、そこはあくまでプロとは違い文学愛好家の集まりだけに、少しはゆとりを持ち、書ける時に書いてもらうほかない。仕事が忙しかったり、身内の不幸など個人的事情から今回は書けない場合は、あまり無理することもないと思う。
 それよりも文学に対する姿勢を大切にしてくれれば、私はそれでよいと思う。言い訳がましいが「書かない」「書けない」ことも捨てがたい〝文学感〟にほかならないからだ。自分を見つめ直してくれたら、それでいい。自由に、伸び伸び、かつ大らかにいきたい。その方が文学界をアッと驚かせる度胆を抜く作品が生まれるや知れない。

 きょうは、なんとあの岐阜県揖斐川町で33度を記録、五月では観測史上、最高の温度を記録したという。全国的にも暑い一日となり、全国で30度を超す真夏日になったのは、実に112カ所に及んだ。高山では最低が9・8度、最高は30・7度だったという。こうしたなか、気象庁では沖縄で梅雨入り、との見方を示した。例年よりは五日早く、昨年よりは一日遅いそうである。

【きょうの一文・ことば】「いじめられ行きたし行けぬ春の雨」「いじめ受け土手の蒲公英(たんぽぽ)一人つむ」「生まれしを幸かと聞かれ春の宵」「紅葉で神が染めたる天地かな」=14日付中日夕刊〈大波小波〉俳句という救い、小林凜『ランドセル俳人の五・七・五(ブックマン社)』から

【新聞テレビから】
☆『今年初 真夏日 名古屋、岐阜』、『信楽鉄道事故追悼法要 「安全を」22年の誓い』、『小児がんで失った息子…思いつづる 500日の命みつめて 長野・千曲の主婦が(「いのちの時間」を)出版 14年たち、自分の言葉で』(14日付、中日夕刊)
☆『尾張藩士検索できます (「名古屋城下お調帳」を発売)名古屋市博物館がDVD化 3万7000人分 役職や給料』(14日付、毎日夕刊)
☆『〈特報〉うちら全日本や おばちゃん党 大阪発オッサン政治にツッコミ』『ネットで交流党員2000人超 戦闘機より豚まん買うて 株価に浮かれず「腹太の方針」』『ユーモアで政治身近に 多重性重視ゆるく連帯』=出田阿生記者=、『愛知6病院 カルテ共有 災害時医療へ全国初 データ外部保管 名大や第二赤十字など』、『父とトライアスロンへ がんを克服鉄人の一歩 日進の牧野さん挑戦』(14日付、中日朝刊)
☆『卵子提供3組成立 9人登録 年内にも体外受精』、『ヒトラー毒見役が告白=ドイツのマルゴット・ウエルクさん(95歳)』、『橋下氏「慰安婦必要だった」 与野党から強い批判』『「人権意識欠如」 韓国』『「女性への冒とくだ」 橋下氏慰安婦発言 批判の声続々』(14日付、毎日朝刊)

五月十三日
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 連休のあとの母の日も過ぎ、どこかホッとした日である。本音を言うと、大型連休とか【マルマルの日】なぞといった祝日も、何かに縛られ自由が奪われるような気がしてあまり好きではない。きょうは、ふつうの月曜日で午前中は家人に命じられるまま、猫缶やら猫砂、トイレットペーパー、ペットボトルのお茶などの買い出しに車で出向く。
 例によって天気の良い月曜なので、〝力持ちの日〟だ。ほおっておくわけにはいかず、私も一緒にベランダへの布団の出し入れを手伝った。いつも思うが、こうしたとき見ていて彼女は本当に力があるな、と感心する。

 写真は、やっと手に入った「やさしいサンポーニャの吹き方」と「三重県の謎解き散歩」
 

 

 きょうは、これまで本屋さんなどあちこち当たったあげく、やっとアマゾンで探し当てた「やさしいサンポーニャの吹き方【奏法の基本からフォルクローレの名曲まで】」(福田剛士編、龍吟社/リズム・エコーズ)、そして船友仲間の紹介でこれまたアマゾンに注文していた「三重県謎解き散歩」(編者は矢野憲一・五十鈴塾、発行所は新人物往来社)の計二冊が相次いで手元に届き、なんとなく心が満たされた。サンポーニャの吹き方も、三重の謎解きもそれぞれに思い入れがあるだけに生涯大切にし、これから先、人生の良き友にしていこう。
 このうち、サンポーニャの吹き方の方は最後の一冊? しかなく、少々値は張ったが、めったに手に入らない本だけに、これからなんとか吹き方をマスターしたい。

 このところ、というか。いつものことではあるが(私は少年のころから、いつだって母に〝お寝ぶたさん〟と呼ばれていた。いつも、そばで眠りこけてしまうからだ)、きょうは特に日頃の寝不足もたたって全身が睡魔に襲われていたので午後、恒例の〝力持ち〟作業で布団をベランダから室内に入れたあと、太陽の陽にあてて敷いた直後の布団の上で大の字になり、窓から入る五月のかぜを全身に受けかなりの間、寝入った。からだ中が眠っている以上、もはや眠らざるをえない。私は床に入り、ひとり天井を見て大きく深呼吸をして目を閉じた。
 それでも、頭の中は意識の外もなかも、言葉探しに夢中で私は良いフレーズが浮かぶつど、逃げられないよう頭のなかで何度も何度も反芻し、ことばの塊を意識のなかに拉致するのに一生懸命のようだった。

【きょうの一文・ことば】「私は幸運。偉大な選手たちを率いることができた」=13日付中日夕刊、〈名将ホーム有終飾る (マンチェスター・ユナイテッドの)ファーガソン監督「鉄の規律」不変〉の中で。ファーガソン監督のことば

【新聞テレビから】
☆『津から被災地へ「笑顔支援」隊 ゆるキャラ 河夢ちゃん ツッキー チカラ』『「明るい話題を」キャラづくりも指導』、『ギネス記録10個目 求む参加者』『彦根のピアノ教師が挑戦 250人つなぐ歌リレー』『来月23日予定「成功の喜び共有したい」』、『香川フル出場 マンUが勝利 欧州サッカー』(13日付。中日夕刊)
☆『母の日パレードで乱射』『ニューオーリンズ 19人負傷』、
☆『★「失踪の真相究明を」=昭和38年に石川県志賀町出身の寺越昭二さん(当時36)らが出漁中の日本海で失踪してから五十年となった十二日、昭二さんの長男昭男さん(63)や支援者らが協議し日本政府に引き続き真相解明を求めていくことを決めた』、『内村男子初V6 全日本体操個人総合』、『雨空一転夏の太陽 名古屋29・0度』(13日付、中日朝刊)
☆『ペルシャ湾で掃海演習 米海軍 イラン、シリアも念頭 最大規模』、『「振り込め」実態に即し名称変更 母さん助けて詐欺』『大都市部 手口の大半「手渡し型』 都内12年被害 最悪81億円」、『夏八木勲さん死去 73歳 名脇役「人間の証明」』(13日付、毎日朝刊)

五月十二日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 母の日。なんだか日本中の母たちが、どこかしら、そわそわ、かつ浮き浮きした感じだ。これも「平和」な日本であればこそ、である。
 玄関先に飾られた息子夫婦から贈られた花かご【B・Blanc】と、花の泉といってもいいアップ写真
 

 

 妻の舞は川崎に住む息子夫婦から送られてきた花かごに、とても満足そうだ。ガーベラ、バラ、カーネーション…と気高く、清く、丁寧にアレンジされた生花には、母を思う心が、生き映しとなっており胸が熱くなった。彼女は、さっそく玄関先の地球儀の横に置いて飾ったが、そのうれしそうな顔ときたら。傍らで見ていても母親という存在はいいナ、と思うのである。

 きょうは午後、私は名古屋市内のつちやホテルであった中部ペンクラブの理事会に、舞は岩倉市内の喫茶店で行われた知り合いのささやかなジョイントコンサートへ。それぞれ別の道をたどった。名古屋からの帰りに岩倉で合流し、まだ時間があればコンサートを一緒に見ようと電話したが「もう終わって江南に着いたところよ」ということで、そのまま一人で帰宅。帰り道にあった花屋で夫として少しは感謝の気持ちを出さねば、と思い出のアルストロメリアと百合、カスミソウ、それにカーネーションとグロリオーサを見繕ってもらって手渡したが「(息子たちから、とてもステキな花が届いているから)買ってこなくてよいのに」と彼女。
 とはいうものの、悪い気はしないと見えて早速花瓶にいれて室内に飾ってくれた。夫よりは、やはり子どもから届く花の方が嬉しいらしいが、これは仕方ない。
 私から妻に贈った花
 
 ただ、このアルストロメリアとカーネーションは、かつて大垣在任時に私自身の発想で〝オランダ花ものがたり〟企画を展開。夏休みをあてオランダに飛び世界一大きい花市場・アールスメルで確保した計三万本を海津町のチューリップ祭り会場と可児の花フェスタ会場で〈母の日〉と〈西濃の日〉に計三万本、新聞社から読者に無料プレゼントし喜ばれた思い出の花だけに、舞も忘れてはいないはずだ。
        ×        ×

 ところで昨年の今ごろはピースボートによる地球一周の船旅途上で横浜を出航(五月八日)し、四日目の早朝、最初の寄港地・厦門(アモイ)に寄港した日だった。その日、私は〈家庭でお昼ごはん交流〉のオプショナルツアーに参加。女子中学生のお宅に招かれ、中学生の母親手づくりの料理やスープ、お茶をいただいて集まった女子中学生たちと歓談したが、通訳の呉桂紅さん(23歳)が「私、毎日お母さんに電話します。お母さんに電話でき、話を聞いてくれることが一番の幸せです」と語ってくれた、あのひとときを鮮明に覚えている。
 お母さんが居て日々、何げない生活を送れる。これこそが、平和のあかしだと実感したのだった。だから、母の存在は大きい。どの国だって母は強しなのである。=詳しくは本号「熱砂」伊神権太作品集の中の【権太の地球一周船旅ストーリー〈海に抱かれて みんなラヴ〉初回(昨年の五月八日)】または、ユーチューブのなかの【伊神権太が行く世界紀行 平和へのメッセージ/私は今この町で 中国・厦門(アモイ)編】を参照されるとよい。

 母の日のきょうは、たまたま102日間に及んだ昨年の地球一周の船旅期間中、何かと私のことをベレー帽の女性とともに心底から温かく見守ってくださった四国の女性とも電話でお話することが出来、嬉しかった。彼女は近々、足を手術されるが無事、回復されることを願っている。彼女のことだ。心配ない。退院されたら、愛媛の今治までお会いしに伺うつもりでいる。

【きょぅの一文・ことば】フラメンコは年を重ねるごとに経験がにじみ出てくる。生と死を見つめてきた。人間の真裸な姿が芸術として評価され、人間の衝動、叫びが美しい形となっている芸術だ。フラメンコは人間を学ぶこと、人間を学ぶためのものだ。=12日夜のNHKBS1、〈エルムンド〉スペインセビリアの春祭り▽暮らしとフラメンコの番組の中で。フラメンコ舞踊家・佐藤浩希さん

【新聞テレビから】
☆『〈式年遷宮〉お伊勢さん表記見直し 神宮 英語でも Jingu 神道ことば紹介/市も案内板統一』、『雨後の川面赤々 長良川鵜飼開幕』、『冷雨の墓前にカーネーション(宮城県名取市)』、『林芙美子晩年の代表作 「浮雲」20年前に原型? 横浜で短編小説発見』『カナダ邦字紙に寄稿』、『司法予備試験1万人超 志願者最高 法科大学院離れ鮮明』(12日付、中日朝刊)
☆『通貨安競争回避を確認 G7 欧州回復へ景気刺激』『G7 緩和互いに「お墨付き」 厳しい財政 政策転換難しく』、『首相なんてもう二度と… 政策運営失敗 民主が反省会』『菅氏ら(「公開大反省会」で)公募の若者と対話形式』(12日付、毎日朝刊)

五月十一日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 雨、雨、雨の一日だった。東海地方の根尾川など一部の河川ではアユ漁が解禁された。
 夕方、私の母から妻(舞)に「お花をありがとう」の電話が入る。あすは、母の日。いつも思う。〝母の日〟はあってしかるべきだが、父の日なんかはない方がよい。

 中日新聞夕刊〈夕歩道〉に【「革命首脳部」とは北朝鮮では金正恩第一書記をさすそうだ。その安全を守ったとして女性警察官に共和国英雄称号。号泣し、くずおちんばかりの感動ぶり。かの国の、信賞必罰の苛烈を思う】とある。事故にみせかけた暗殺計画があったのでは、との説もあるが真相や、これいかに。

 その北朝鮮で過ごす寺越武志さん(63歳)が最近、訪朝した母親友枝さん(82歳)=金沢市在住=を通じて、中日新聞に「母さん せわになって ありがとうございます、会う日をまてます」の直筆メッセージとお孫さんのスケッチブックを託して寄せたという話題が本日付1面と28面・特報欄に【事件半世紀 北朝鮮から伝言】【少年が描いた素顔の平壌】の見出し入りで掲載されていたが、こちらも泣かせる。
        ×        ×

 〈生きていた寺越さん事件〉といえば、かつて私が中日(北陸中日)新聞七尾支局長在任時の1987年1月に、日本海で行方不明となり失踪してから二十四年後になって「父母はなくなりましたか 不孝をうらんでいるでしょう」といった望郷の念が切々と綴られた封書5通が志賀町高浜に住む親類あてに武志さんの兄外雄さんから届き、大騒ぎとなり能登同人の手によってスクープした瞬間を忘れることが出来ない。
 あのときは中日新聞の報道をきっかけに日本中のマスコミが大騒ぎとなり、連日報道に明け暮れ、私自身も郵便局に二度、三度と足を運び北朝鮮にあてて「もし分かるものなら、真相を教えてほしい」との手紙を新聞社の支局長名として極秘に何度も出した日々を思い起こす。(郵便は戻ってこなかったので届いたと見られるが、返事はとうとう届かなかった)

 あの時の取材では、ちょうど今から五十年前の1963年5月11日に寺越武志さん(当時13歳、高浜中2年)と兄外雄さん(24歳)叔父の昭二さん(36歳)が日本海にイカ釣り漁に出たまま行方不明になり、翌日破損した無人の船だけが見つかり死んだ―とばかり思われていた。それだけに、突然届いた手紙が日本中を驚かせ、【24年ぶり、北朝鮮に現代版・浦島太郎】などと大きく報道され、日本中に波紋となって広がったのである。 

 イカ釣り漁船が高浜港を出てから半世紀。きょうの本紙見出しにもある通り「拉致か遭難か苦悩の日々」を過ごしてきたのが母、寺越友枝さんである。「運命やと思っとる」とはいえ、今では三人の孫、四人のひ孫も国交のない国で暮らしている。北朝鮮から生存を伝える手紙が届き、その後37歳になった息子、武志さんと再会。2002年10月には武志さんの一時帰国もかなったが、日朝の扉は閉ざされたまま今日まできた、のが現状でもある。
 武志さんは今も「遭難した」と主張しているが、遭難それ自体は本当のような気もする(外雄さんは94年9月、昭二さんも68年3月に北朝鮮で病死した、とされている)。
 だったら、北朝鮮は遭難した日本の三人を救ってくれたことになる。別の角度から日本側が感謝の気持ちを表し日朝の扉を開けないものか、と思う。北朝鮮の人々にだって、庶民社会には血もあれば涙だってあるはず、だからである。
=この「生きていた寺越さん事件、現代版・浦島太郎」は、私の著書「火焔―空と海」(能登印刷)の124~127頁に詳しい。※当時のペンネームは、伊神ごん。

【きょうの一文・ことば】「母さんは日本で多くの人に支えられている。感謝を伝えたい」「いつか親善の橋渡し役になりたい」=11日付中日朝刊、〈事件半世紀北朝鮮から伝言〉の記事から。寺越武志さんが平壌で母、友枝さんに語った言葉

【新聞テレビから】
☆『ユーチューブ有料配信開始 米、月額100円から(動画制作者の要望に応え)』、『ママと一緒お乳飲んだ バンドウイルカ「ゼロ」無事出産 名古屋港水族館』、『太宰青年 芥川に熱 ノートに名前何度も 東京で今秋公開』(11日付、中日夕刊)
☆『福島原発に違法派遣 長崎労働局 3社に改善命令』(11日付、毎日夕刊)
☆『武功夜話物語 その125 武功夜話を読む(須賀弘之) 巻二十一(13)秀吉亡き後の尾張の武将たち 生駒利豊』(11日付、尾北ホームニュース)
☆『寺越さん「会う日待つ」』『事件半世紀北朝鮮から伝言』、『円、一時101円台後半』、『60年ぶりに本殿遷座祭 出雲大社』(11日付、中日朝刊)
☆『100年の時越え 渡り初め 名古屋・納屋橋』、『〈富士山と私〉山梨県立文学館長歌人 三枝昂之さん 見守られ自問自答』

五月十日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 毎日新聞の〈余録〉によれば、『昔のドイツでは最初のツバメが到着した日に人々は歌で迎えたという。ある地方では家族全員が門を出て迎え、厳かに納屋の戸を開いて迎え入れた。別の地方では塔の見張りがツバメの飛来を見つけると村役場が村民みんなに知らせる習慣があったという(世界大百科事典)………▲きょうから愛鳥週間。そこで日本野鳥の会のホームページを開くと「ツバメの巣を落とさないで、見守ってください!」の呼びかけが目に入ってきた。……』とある。
 昔。昭和の頃。わが家でもこのころになると、ひさしに巣をつくるツバメの姿を家族で交互に覗いたものだ。こどもなりにヘビにやられやしないか、と心配した日々が懐かしい。
        ×       ×

 雨がパラパラと時折、天から舞い落ちる一日だった。きのうは、中部地方でも最高気温が三〇度以上になるところが相次ぎ戸外を歩いていても暑さにからだがボンヤリするほどだったが、きょうは雨のおかげでからだがヒンヤリと立ち、過ごしやすい一日となった。
 
 岩倉在住のエッセイストで「わが故郷は平野金物店」の作者、内藤洋子さんと久しぶりに電話で話し合う。元気そうで何よりだ。「これまで、あまりに(心が)熱くて忙しい日々を過ごしてきたので、このところはナンダカ、じっとしていたくて。新しいことに挑戦することに興味がわかない。草取りに励むなどこれまでおろそかだった家事の穴埋めをしています」と彼女。それでも、エッセイと小説の差などについて、あれやこれやと話し合い、充実した楽しいひとときとなった。
 そうはいっても、そこは売れっこで努力家、現実主義者でもある彼女のことだ。自ら講師を務める栄中日文化センターのエッセイ教室と新聞紙上での執筆(「中日新聞を読んで」)、そして講演だけはしっかりとこなしていきたい、の弁。いつもの元気さに比べると、むしろ、しっとりと落ち着いた声のトーンに大人の気配を感じ、ここしばらくは充電期間のように私の心には映った。「無理しないで、そのままでいいと思う」と言って電話を切る。

 内藤さんは、私が最初に主宰した文庫本同人誌「熱砂」の初代編集長の大役を引き受けていただいた方でもある。今回の拙著出版に当たっても、いち早く私の本をアマゾンで購入して読んでくださっており、ありがたくも感じている。長女理恵さんともども、当地では大切な人だ。きょうは、久しぶりに関西に住む船友の一人とも話が出来たほか、かつて能登でお世話になった友とも、それぞれ電話で話ができ嬉しかった。

【きょうの一文・ことば】……私たちは現在、言いようのない不安の時代に生きている。だからこそ、日々、数枚の文章をとおして、一瞬でも心が解放されるような、そんな物語を世に送ることができたら、というのが新連載にあたっての作者のひそかな抱負である。=10日付中日朝刊、しんらん親鸞完結編〈五木さんの言葉〉から

【新聞テレビから】
☆『食堂のおばちゃんは作家 「松本清張賞」東京の山口(恵以子)さん 漫画家、脚本家の夢かなわず…54歳で開花』、『円安4年ぶり101円台 東京市場 半年で20円急落 東証一時1万4600円台』『〈解説〉輸出恩恵も家計に打撃』(10日付、中日夕刊)
☆『フェデラー降す テニスの錦織圭が4大大会17回優勝のフェデラーに勝利した。「永遠の目標だった」と歓喜。=マドリードで行われた男子シングルス3回戦で。元世界ランキング1位で第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)を』(10日付、毎日夕刊)
☆『奥西死刑囚が一時危篤 今月上旬 呼吸困難、手術で回復』、『もう暑っ 東海で真夏日 下呂は31・4度』、『総連本部(日本朝鮮人総連合会)の購入断念 最福寺 資金調達できず』、『しんらん親鸞完結編 京都帰還後の晩年を描きます 五木寛之作 画/山口晃 7月から連載します』(10日付、中日朝刊)
☆『金第1書記「情報戦で主導権」指示 弾道ミサイル発射時、かく乱』、『〈きょうがわかる ニュースのとびら〉歴史認識「米の利益損なう恐れ」 議会報告書で「国家主義者」 安倍氏に懸念強め』『「中韓の情報戦」日本は楽観』(10日付、毎日朝刊)

五月九日
伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 きょうは人には言えないことでバタバタした。これもそれも、何かにつけ私がオッチョコチョイで段取りが悪いからだ。でも、これまた勉強だと思えばよい。

 例によって社交ダンスのレッスンで午前中、宮田公民館へ。踊りながら「ゴンタさんの本、読んだわよ。すごいね。いつものゴンタさんとはイメージが全然違う。あんなに激しい人だった、だなんて。思ってもいなかった。でも、よかったよ」と話すのは古ちゃん。そればかりか「書き出しがいい。引き込まれた」と激励してくださり、とても嬉しかった。
 先生までが「ゴンタさんの〝マンサニージョの恋〟って。ハーレクインみたい。ラヴ・ロマンスだよね」「第2話の〈淡墨桜のやうな〉は、ゴンタさんご自身の記者体験でしょ」などと語ってくださり、ここにきて皆さんから初めて話題にされるようになった。先生は、さらに「私は健次の妻の〝奈津美さん〟にすごく魅力を感じて引きつけられた。ヒロインの〝久世さん〟と恋に落ちるシーン、願望のような気がしてならないの。だって健次には、あんなにもステキな奈津美さんがいるのだもの。でも、本当かもしれない」とウインクして見せた。

 レッスンのあとは先日あった、今池のダンスパーティーで「ねえ、撮っていただけませんか」と言われて真っ赤な花をバックにカメラに納めさせていただいた、これまた真っ赤なドレス姿のオカダさんの写真を自宅近くカメラ店で四枚ほどプリントしてもらい、個人レッスン会場の和田公民館までお持ちした。彼女は八十歳を過ぎてなお果敢に、華麗なるダンスに挑んでおられ、練習中はどうしても早く息があがりがちなため先生から午後、健康維持も兼ねた特別の〝個人レッスン〟を受けておいでになるのである。
 そのレッスン場まで私は写真をプレゼントしに出向いた。

 米国を訪問中で米国社会での存在感を増す韓国の朴槿恵大統領が米議会で「安倍晋三首相は歴史認識に欠ける」と日本を批判。米議会調査局も今月1日付で議員に提供した日米関係の報告書のなかで安倍首相につき「強い国粋主義者だ」とした指摘したうえで同首相のこのところの歴史認識を巡る一連の言動や、靖国神社参拝などの行動について「日本は米同盟の支持者だが、歴史問題への対応次第では地域の関係を壊し、米国の利益を損なうおそれがあるとの懸念を生んでいる」と述べている。
 この指摘については「アメリカの人権意識の高さ」と「韓国の積極的な働きかけがあったからだ」との見方も多い。ここで私たち日本人が忘れてならないことは、日本は広島と長崎に米国により原爆を投下された唯一の被爆国ということである。従軍慰安婦問題=人によっては〝性的奴隷問題だ〟との声まである=など日本も正しい歴史認識にたったうえで米国には言うべきことは言うべきではないのか。
 米議会のこうした動きに安倍政権は「過去、アジアの人々に多大な損害と苦渋を与えたと同じ〝苦渋〟を持っている」とさっそく議会答弁しているが、どこか米がこう言えばこう反応する、という【へっぴり腰外交】に感じられる。要は現在、緊張状態にある日韓、日中関係にしても冷静かつ正しい認識に立ったうえで一般国民の目線で仲良くしてもらわなければ、ということだ。へんに荒立てては欲しくない。両国には一歩譲る気持ちで平和第一、友好関係優先でいってほしい。

【きょうの一文・ことば】本来無一物=わが家の玄関先掛け軸の〈今月の言葉〉から

【新聞テレビから】
☆『暑さ今年一番 名古屋で28・3度』、『川口環境委員長を解任 両院初 参院、8野党賛成 訪中無断延長』、『オペラに大量虐殺連想場面 ドイツ』『物議 ナチスの悪夢 克服』(9日付、中日夕刊)
☆『96条改正3党が賛成 衆院憲法審、初討議』『「安倍氏は国粋主義」 米議会報告書で懸念』(9日付、毎日夕刊)
☆『黄柳野高で寮2棟全焼 新城焼け跡から1遺体 男子生徒1人不明』『「喫煙所」設置で論議 4年前、校長が書類送検』『大府 中学校舎水浸しに 蛇口全開 全生徒の個人票盗難』、『トヨタ営業益1兆8000億円 円安効果最高水準へ 14年3月期予想 13年は1兆3200億円』、『首相の歴史認識米懸念 「東アジア混乱米国益害する」議会調査局報告』、『ゲレンデ衣替え 大津でスイセン見ごろ』(9日付、中日朝刊)
☆『所得100万円以下2割 1000万円超3割以上』『弁護士も格差拡大 急増を背景に 国税庁調査』(9日付、毎日朝刊)

五月八日
伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 昨年のきょう、だった。
 私たちを乗せた第76回ピースボートが102日間の地球一周の船旅に横浜を出航したのは。早いもので、早や一年がたつ。乗船当初は、ひとり部屋での船内生活が寂しくてしかたなく、すぐにでも日本に戻りたい気持ちにかられた日々が今では、とても懐かしい。

 横笛の稽古から帰ると、携帯に留守電が入っていたのでチェックすると、先日東京でお会いしたばかりの船友・津江慎弥さんからだった。かけ直すと「ゴンタさん、いま変わるから」とおっしゃるので声を待つと、あの八重姉さんからで「きょうはネ、あのね。ゴンタさん。去年出航した日なので有志二十二人で横浜港の桟橋に集っているの、サッちゃん(祥子姉さん)も来ていま~す。これからみんなでカラオケ楽しむの」とのことだった。
 一年前は互いに見ず知らずだった人々が船内生活をする間に、こんなにも仲良くなってしまったと思うとなんだか、ジーンときた。きょうは、このほかにも先日、船上での社交ダンス愛好会のメンバーが熱海で再会した時に撮って頂いた記念写真が世話人の津江さんから封筒で送られてきた。封筒には、再会劇が報じられた東京新聞静岡版(4月18日付)のカラーコピーと私の新刊案内までが同封されており、感激したのである。
 
【きょうの一文・ことば】「名古屋という場所の特殊性」は、「どこかしら異界に直結しているような呪術性を失っていないところ」であり、「異界」とは「僕ら(つまり名古屋市民のみならず普遍的な日本人である僕ら)自身の内部にある古典的異界=暗闇」である…=8日付中日朝刊〈週刊読書かいわい〉文学一般清水良典 舞台は普遍的故郷、名古屋『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹(文芸春秋)

【新聞テレビから】
☆『米韓首脳会談 非核化行動あれば対話 対北朝鮮政策で一致』(8日付、中日夕刊)
☆『「北朝鮮の挑発失敗」 米韓首脳、連携強調』『「正しい歴史認識を」 韓国大統領、日本に注文』、『草薙の剣1900年 熱田神宮で大祭』(8日付、毎日夕刊)
☆『〈式年遷宮〉お伊勢さん空前ブーム GM4割増55万人』 10月本番年間最多の勢い』、『北の銀行=北朝鮮の貿易決済銀行である「朝鮮貿易銀行」=口座閉鎖 中国、国有銀で独自制裁か』、『和の彩り優雅に 知立でカキツバタ見頃』、『名古屋城本丸御殿 重文ふすま絵「竹林豹虎図 ガラスケースで展示へ 本物こだわる市長に「妥協案」』『譲らぬ市長「指示書」』(8日付、中日朝刊)
☆『アベノミクス海外資金も流入 東証1万4000円台回復 期待先行沸く投資家』、『スカイツリー日替わり12色 22日に1周年』(8日付、毎日朝刊)

五月七日
伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 思えば一年前の今月今夜は、ピースボートによる第76回地球一周の船旅出航日をあす、すなわち「五月八日」に控え土壇場になって家族には随分と迷惑をかけた。それというのも、前泊のため見送りの妻とともに横浜のホテルに入ったまでは良かったが、肝心のパソコンのインターネット用コードを自宅に置き忘れ、大騒ぎをしたからである。
 夜になって忘れたことに気付いた私は「すぐ手にいれなくちゃあ。ボヤボヤしてないで電気屋さんに行って探してきなさい」と妻にハッパをかけられ、横浜市内の電気店という電気店を駆け回り、心配した長男夫妻も川崎からかけつけ、大騒ぎに。嫁が「わたし、これから名古屋まで行ってきます」とまで言い出し、わが家に残った息子も「これから横浜まで行く」といった緊迫したなか、やっと最後に入った店でパソコンにあうコードがたった一本だけあった時には、胸をなでおろした。

 おかげで、「伊神権太が行く世界紀行 平和へのメッセージ/私は今この町で」といったユーチューブによる船上からの〝平和へのメッセージ〟を曲がりなりにも世界の国々から発信出来たばかりか、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」のなかの本欄〈伊神権太作品集〉でも百二日間に及んだ船旅期間中、一日も休むことなく【地球一周船旅ストーリー〈海に抱かれて みんなラヴ〉】を連載することができた。

 そして一年後。私は、この地球一周の船旅体験をヒントにした連作長編小説「マンサニージョの恋」(幻冬舎ルネッサンス刊)出版にこぎつけ、一匹文士としての新たな旅立ちにまで到達。幸い、各書店での売れ行きも順調のようで、アマゾンでのネット販売ランクも文学評論/ロマンス部門でしばしば、ハーレクインものの向こうを張って上位に食い込む―など健闘が続いている。この場で、ここまで至るに当たって私を温かく支えてくださった方々の全員に心から礼を述べたい。

 「熱砂」といえば、きょう新しい試みとして地方の文学同人誌としては珍しい「ハートワールド基金」なるバナーを業者(アライズ)にお願いして表紙に張らせていただいた。文学活動は、あくまで自身への投資活動を基本理念としての企画である。その趣旨を以下に記しておきたい。
―〈熱砂ハートワールド基金の創設について〉私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」では、〈同人の同人による同人のための文学活動〉と〈優しさ〉を基本理念に「熱砂」独自の【ハートワールド基金】を創設、運用を始めます。自らの作品掲載時や、同人仲間の作品に感動したりした場合、同人自らが「熱砂」に基金を寄せるのが狙いです。いわば「自身に投資し創作力を高めていこう」というわけです。むろんサポートは同人だけには限りません。同人のご家族や知人、読者の皆さまの間で激励してやろうという方がお出ででしたら、最寄りの金融機関、または郵便局から僅かなサポートを願えれば、と思っています。

【きょうの一文・ことば】
 「河合(隼雄)さんとは物語というコンセプトを共有していた。物語は人の魂の奥底にあり、人と人とをつなぐことができる。僕は書くときにその深い場所に下りる。河合先生も臨床家としてそこに下りていた」=7日付、中日夕刊〈「人をきちんと書くのは初めて」村上春樹さん新作公開インタビュー〉から

【新聞テレビから】
☆『〈ガイアの夜明け〉 治せなかった〝がん〟に挑む▽日本発…がんを殺すウイルス!』(7日夜、テレビ愛知)
☆『連休明け 肌寒い朝』、『谷繁2000安打 最年長42歳4カ月 25年積み上げた地力』『父と完成鉄人27号 鉄のバーベル鍛えた体』、『イタリア村再生難航』『閉鎖5年…民間開発進まず』『不利な立地 隣接地含め再公募目指す』(7日付、中日夕刊)
☆『北朝鮮、ミサイル撤去 米メディア報道 態度軟化か』『韓国国防省「引き続き注視」 事実関係公開せず』『警戒レベル継続 官房長官が強調』、『東証、1万4000円台回復 円安好感 4年11カ月ぶり』(7日付、毎日夕刊)

五月六日
 伊神権太の連作長編小説「マンサニージョの恋」(クリックしたら、見られます)=全国書店とアマゾンで発売中
 
マンサニージョの恋
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 各地から送られてきた文芸誌の数々
 

 しばらくの間に、またまた「熱砂」主宰の私あてに各同人誌が次々と送られてきたので本日付の本紙(ウエブ文学同人誌「熱砂」)の「WHAT’S NEW」欄で紹介させていただいた。デ、その内容につき、ほんの少しだけ紹介させていただこう。

 まず総合文芸誌「まほろば 72号」から。いつも思うが、京都を拠点としたこの文芸誌は、かつて詩人千葉龍(故人)が主宰した当時の総合文芸誌「金澤文学」を彷彿させる内容だ。俳句・短歌・詩に始まり、エッセイ、小説、論考と地方文芸を一堂に会したといってもよいほどの充実ぶりが目立つ。そればかりか、日本ペンクラブ所属作家は代表石田天祐さんも含め八氏に。これも石田さんの存在感とパワフルな力があればこそ、と思う。
 次に月刊文芸同人雑誌「北斗 五月號、第597号」。こちらは何といっても「このまま順調に発行が続けば、われらの『北斗』は、二〇一三年夏には六百号を迎えることになる。……」で始まる清水信さんの評論〈北斗六百号外史(1)竹中忍論序説〉に何といっても関心がいく。ほかに棚橋鏡代さんの「吹き抜けのある家」など小説四編、さらにはアフォリズム作家・尾関忠雄さんの〈タダオ・アフォリズム(43)〉となかなか読ませる。
 そして今回も表紙のデザインに始まり、韓国現代詩界を代表する有名詩人らによる作品の結集、佐山広平さんの「萩原朔太郎を読む ―私小説風に―」、岡本勝人さんの「岡野絵里子詩集『陽の仕事』(思潮社)を読む」、久野治さんの〈黎明期の中部地方詩人〉と、どれも読みごたえがあり、ますます充実の境にあるのが鈴木孝代表率いる「宇宙詩人 NO.18」といってよい。今や、日本に誇る詩誌といってよい気がしてきた。一時難解な詩もあったが、このところは分かりやすく親しみやすい詩が目立つ。
 三重県を代表する遠藤昭己率いる文芸同人誌『海』も「葡萄棚」(白石美津乃)など小説六編(うち二編が連載小説)を収録。遠藤の詩「永遠の帽子」と間瀬昇の文芸エッセイ「芥川龍之介の死をめぐって」が興味深い。どれもこれも地方に生きる〝文士たち〟の叫びが聞こえてくるようだ。

 このほか、つい最近、名古屋市緑区の朗読詩人・堀田志保さん(ペンネームは、みずしなさえこさん)から以下のような葉書が届いたので、ここに紹介させていただく。
―伊神権太様 「みずしなさえこ」で検索頂きますと私の21歳の写真他朗読スライドショー5編ご覧いただけます。お暇な折お気が向きましたらどうぞアクセス下さいませ.

 私自身、さっそくアクセスして見させて頂いたが、まさに彼女なら。渾身の力作で本欄の読者の皆さまにも、ぜひ紹介させていただく。彼女は、いつだって自身にチャレンジしている、その姿は何にもかえがたい。さらなる飛躍を、と心から願っている。 

【きょうの一文・ことば】
 今日もまたばったりと/お節介という親切に会った/………/わたしは感情を抑えきれずに/言葉で突き視線で蹴った/蹴りながら/蒼い血を吐いた/赤い血は知らないけれど/蒼い血ならいつでも流せる……=「宇宙詩人 NO.18」掲載詩・宇佐美宏子〈蒼い血〉から抜粋

【新聞テレビから】
☆『野球とファンに感謝 長嶋、松井さんに国民栄誉賞授与』、『中坊公平氏死去 元日弁連会長 住専処理に尽力 83歳』『「精神的支柱だった」 産廃問題闘い元御嵩町長惜しむ』『「平成の鬼平」多大な影響 消費者問題など 弱者側に立ち続け』、『名車と夢と待ち合わせた 栄の地下街 日産ギャラリー44年きょうで幕』(6日付、中日朝刊)
☆『「4番サード長嶋 国民栄誉賞表彰式 ドームに歓声(東京ドーム)』『王さん「感無量」 ファンら「涙が出た」』『ネット裏ペア券高騰し9万円に』『安倍首相背番号96条アピール?』、『竜党も中村選手祝福 2000安打達成 谷繁選手お預け(ナゴヤドーム)』(6日付、毎日朝刊)

五月五日
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 こどもの日。
 日本の服飾学校の草分けとして、きもの文化発展の牽引車的な役割を担ってきた学校法人清水学園創立百年と学園理事長清水ときさん(八十八歳)をお祝いする記念式典及び祝宴(感謝祭)=正しくは「清水造一生誕一三〇年祭」「清水登美生誕一二〇年祭」「清水学園創立一〇〇年祭」=が東京・赤坂見附のホテルニューオータニ「鶴の間」であり、私も出席させていただいた。
 ときさんといえば、かつて共に聖路加国際病院を訪れ、ときさんの母登美さんのころから交流が深い、あの日野原重明さん(同病院理事長)に中日文化センター創立記念の講演講師をお願いしたこと、名古屋の栄や一宮、岐阜など各地の文化センターの着物着付け教室でお世話になったこと、さらには姪の結婚式に来賓できていただくなど公私ともに随分お世話になった。

 会場入り口には、私が出したお祝い花〈輝いて とき色に  伊神権太〉も含め多くの花々が飾られ式典は華やいだ雰囲気のなか、ときさんの「こどもの日、未来の日に皆さま方にこうしてお集まり頂いて、とても嬉しい」とのあいさつで始まった。参議院議員の山東昭子さんや女優司葉子さんらがお祝いのことばを述べ、清水学園の過去百年の足跡と国内はむろん、ニューヨークやパリなど世界各地の着物ファッション界で羽ばたき続けるときさんの歩みについての映像紹介があり、ときさんを慕う出演者ばかりによる太鼓や唱歌、オペラ披露などが交互に同時進行で進んだ。

 私は会場入りすると同時に、受け付けの女性に御祝儀と一緒に私の本を託したが、たまたま運よく控室からときさんが出ておいでだったので「お久しぶりです。おめでとうございます」とだけ声をかけると「アラっ、いがみさん。ようこそ。ありがとう。控室でお茶をお飲みになってください」とおっしゃられるので控室でいっぷくいただき招待席に座った。
 これだけの人、これだけの挨拶、そしてこれだけのステージ…となると、彼女は疲れてしまう―と判断した私は、それ以上は話しかけない方が良い、と判断。宴が終わると同時に座を辞した。(ときさんには、新幹線車中で書いた手紙を本と一緒に御付きの女性に手渡し託させていただいたから、それで十分である)。幸い、中日文化センター着付け講師代表の舟橋千代子さんらにも久しぶりにお会いすることができた。皆さん、とても輝いておいでで嬉しく思った。

 ときさんのお祝い会のあとは昨年、第七十六回の地球一周102日間のピースボートの船旅でご一緒した船友仲間で現在は趣味人倶楽部メンバーの〝顔〟といってもよい津江慎弥さん=藤沢市在住=と赤坂見附駅前で落ち合い、東京駅まで出て黒壁通りの飲食街で韓国料理の店に入って、しばし歓談して名古屋に帰った。
 結構、強行軍の一日だっただけに、少し疲れた。帰ると東京の詩人、最匠展子さんから携帯に留守電が入っており「東京へお出でだ、とのことでお待ちしていたのに。電話をください」とのこと。もう遅いので「きょうはお許しを」とメールで非礼を詫びさせていただいた。

 会いたい人には、なかなか会えない。これが、この世の常だ。せっかくの上京なので劇団「希望舞台」(埼玉県嵐山町)の代表・由井數さんにも、「たとえ電話一本だけでも」と思いつつ結局出来ないままで、またまた不義理の一日となったのである。

 きょうは東京ドームでプロ野球元巨人軍監督の長嶋茂雄さん(77)、巨人や大リーグのヤンキースなどで活躍した松井秀喜さん(38)への国民栄誉賞の授与式が巨人―広島戦の前に行われ、表彰状と記念品の金のバットなどが贈られた。また始球式では長嶋さんが背番号「3」、松井さんは巨人時代の背番号「55」のユニホームで登場。安倍首相も「96」のユニホーム姿で球審を、巨人の原辰徳監督が捕手を務め、松井さんの投球に長嶋さんが左手でバットを振ると、ドームは大歓声に包まれたという。
 長嶋さんも松井さんも好きな選手だっただけに、心から祝福したい。

【きょうの一文・ことば】「小さい子どもたちに対して、これからも野球の素晴らしさを伝えていけたらいいなと思います」=ダブル国民栄誉賞の受賞記者会見での松井秀喜さんのことば。

【新聞テレビから】
☆『遷宮流儀あり 出雲大社10日に60年ぶり儀式 伊勢→社殿65棟建て替え 本殿を大修復←出雲』『永続性の追求共通』、『(15歳未満の)子ども32年連続減少 1649万人、人口比も最低更新』、『今世紀後半温暖化進めば 竜巻列島で倍増も 気象庁予測』(5日付、中日朝刊)
☆『〈きょうがわかるニュースのとびら〉「人生は劇」突きつけ―寺山修司没後30年=命日は5月4日=』『虚実が交錯する世界 故郷を出て「実験」へ 閉塞破る「ゲーム感覚」』
(5日付、毎日朝刊)

五月四日
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 みどりの日。
 少し早いが妻に言われるまま、江南市内の花屋さんに行って〝母の日(十二日)〟の花の手配をしてきた。同時にあす、お招きを受けている東京のホテルニューオータニ鶴の間で催される清水とき・きものアカデミア理事長の「お祝いの会」へのステージ花もお願いしてくるなど結構、やることの多い日に。
 これまで妻に任せきりだった銀行に行ってキャッシュカードを使ってお金を引き出すこともやっと、さまになってきたようだ。その代わり、元々ないないづくしのお金をアッという間に使い切ってしまいそうだ。その時は、援助を求めよう。なんとかしてくれるだろう。そのとき彼女が私に向かって言う言葉も分かっている。
「あなた、って。ナルシストでどうにもならない人なのだから。石川啄木と一緒よ。浪費癖」と。

 せっかく東京に行くので、と心当たりに電話やメール連絡。会が午後三時半に終わるが、その後会うとなると、やはり時間にゆとりがなく、結局は行き当たりばったりで電話して近くに居たら会おう―ということに。その方が互いに疲れなくてよい。ただ私にとっての文学の師で寝たきり状態の詩人最匠展子さんには会いたいと思う。でも、今回はやめ改めて見舞いに出向いた方がよい、と判断。中野まで行くことは出来そうにない。でも、どうするかは明日の気分次第というところか。
 東京へは何度行っても道にはぐれさまようのでお祝いの会に無事出席できたら、それだけでよしとした方が良いのかしれない。友人は東京にだって結構いるが、欲張ってあちらこちらフラフラしない方がよい気がする。それよりも、あすは九十歳に手が届く着物の大家、〝ときさん〟にお会いすることこそ、何よりも先決だからだ。
 お元気な、お顔を見られたらそれだけで十分である。

【きょうの一文・ことば】「もしイスタンブールが五つの輪を射止めたら、私は誰より先に『イスタンブール万歳』と申し上げたい」「その代わり、もし東京が五つの輪を射止めたら、トルコの皆さん、誰よりも早く万歳を叫んでいただきたい」=アンカラ市のホテルで開かれた日本トルコ経済合同委員会の席上。三日。安倍晋三首相の発言

【新聞テレビから】
☆『〈ヒーロー達の名勝負〉かばい手か?つき手か 貴ノ花・大論争の一番 〝相打ちの真相〟』(4日夜、NHK総合テレビ)
☆『憲法記念日集会に熱 勇む改憲派 護憲派危惧 9条、96条めぐり』、『琵琶湖脅かす外来水草 オオバナミズキンバイ大繁殖』『国の規制遅れ水質悪化懸念 ボランティア駆除に限界』、『朝日襲撃26年 遺影に祈り』(4日付、中日朝刊)
☆『「なぜ96条変えるのか。もっと考えて」』『美香に平和教わった 同級生の中学教諭』『元特攻隊員改憲の動き危惧 「権力縛らなければ」』、『原発輸出へ優先交渉権 安倍首相トルコと合意』(4日付、毎日朝刊)

五月三日
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 きょうは岐阜県下に住む次男坊の誕生日。デ、簡単に「おめでとう。健康第一で…」といったメールを〈父と母より〉でしておいた。この日は憲法記念日なので彼は当然、憲法9条を意識せざるをえない、と思うとナンダカ堅苦しい日に生んでしまったナ、と悪い気がする。でも、憲法についてたまに考えることは悪いことではなく、いいことだ。

 誕生日といえば、わが家族を見渡すと、それぞれに記憶すべき「何か」がついて離れない。私は昭和皇后の誕生日と同じ日、あの高橋真梨子さんとも同じ日に生を授かった。父(故人)はフランス革命の前日に。この六月一日で満93歳になる母は「村に初めて電気がついた日」だったそうだ。
 長男は二月二十二日で2ぞろい、三男は日航機が御巣鷹山に墜落した直後で空からのルポ取材はじめ、大騒ぎしていたさ中だった。そして妻はうるう年の二月二十九日生まれのため四年に一度しか歳を取らない。だから、いつだって若々しい。

 本日付の中日スポーツ。【アンカラAFP=時事】電で、トルコ航空が、客室乗務員に派手な赤やピンクの口紅を禁止したというニュースが載っていた。記事によれば、エルドアン政権下で進むイスラム化の一環とみられ、ネット上には抗議の意思を示すため真っ赤な口紅を塗った女性らの写真が次々掲載されている―というものだった。トルコは、かつてトルコ観光局の招待で訪れたことがある。確かイスタンブールなどでは急速な勢いでイスラムとの中和化、すなわち西欧化が進んでいたはずだが…。
〝抗議を示す真っ赤な口紅〟は、イスラムに左右されない西欧化が進んでいるお国柄だけに、よく分かる気がする。このエルドアン政権、ことし二月にはミニスカートで知られた客室乗務員の制服を足首まであるロングスカートに、帽子もオスマントルコふうに変えると発表したものの、批判を浴び採用できずにいるという。突き進む〝西欧化現象〟が、簡単にUターンするはずがない。

 夜。このエルドアン首相とトルコを訪問中の安倍首相の間でトルコ北部シノップ市への日本からの原発輸出を可能にする原子力協定について合意した―とのニュースがアンカラ市内での安倍首相の記者会見として報じられている。シノップ市は黒海沿岸に面した風光明媚な落ち着いた都市である。原発誘致にはあくまで反対のバキ・エルギュル市長のことばが頭に残った。人間たちは、いや国家の為政者たちはなぜ、自分たちだけの論理で事を進めようとするのか。
 東日本大震災に伴う福島第2原発事故で国民があれほどまでにいまだに苦しんでいるのに、だ。人間はやはり、浅はかな生きもので過ちを犯すためにいきていく存在なのか。そこが、分からない。
        ×        ×

 大型連休後半初日のきょう、名もない一匹文士である私はと言えば、地元江南市内の主だった書店を回って歩き、出版してまもない連作小説集「マンサニージョの恋」(幻冬舎ルネッサンス)をくれぐれもよろしく―と挨拶してまわった。
 また、午後からは本のことを大変気にかけてくださっている、中日ドラゴンズ公式ファンクラブのお母さん、安江都々子さんを西春まで車で出向いて訪ねようとしたが、たまたま長良球場におでかけ、とのこと。近くの親切な薬屋さんに一冊を託し帰宅した。安江さんは現在、闘病中だが強靭な精神力でなんとか回復を、と願っている。

 というわけで、♯毎日、毎日ボクらは鉄板の…、の鯛焼きじゃないけれど。名もなく清く、貧しく、美しく。寂しい文士は、ただ一人、孤独感をかみしめ、かつ世間の冷たさに耐えながらも結構それなりにあちらこちらを飛び回っている。あ~ぁ、これが人生というものなのか。Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん……本物の味方は、ごくごく限られているのでは、と。そんな気がしてきた。だからこそ、そういう人たちを大切にしなければ。所詮、この世は自身のため。みんな自分のために一生懸命なのだから。しかたのないことか。

【きょうの一文・ことば】…毎日がとにかく忙しい。朝早くから夕方遅くまで作業するから、拘束時間も長い。夏に向けて暑くなるとそうはいかないが、今は休憩時間も惜しんで作業をしている。敷地内はダンプやミキサー車が行き交い、たくさんの作業員が働いている。まるで事故発生直後に戻ったみたいだ。=3日付、中日朝刊〈ふくしま作業員日誌〉トラブル続き 連休返上(聞き手・片山夏子)より

【新聞テレビから】
☆『憲法岐路に立つ 96条改正参院選争点に きょう施行66年』、『母への感謝 色鮮やかに 豊川、出荷ピーク』、『第66回中日文化賞決まる(作家で翻訳家、早稲田大学教授の堀江敏幸さんら四氏)』、『エベレスト登頂 80歳三浦さん最高齢危うし? ネパールの81歳も挑戦』(3日付、中日朝刊)
☆『国民投票「18歳」確定へ 自民検討 改憲案に先立ち』、『96条改正反対46% 本社世論調査 賛成42%を上回る』(3日付、毎日朝刊)
☆『ユニセフ親善大使 黒柳徹子さんの南スーダン報告① 内戦の〝道具〟にされた子どもたち』(5月5日号 しんぶん赤旗日曜版)=少し早いが3日に配られてきたので

五月二日
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 ♪ふるさとのあすは八十八夜かな ゆり女
 きょうは立春から88日目。夏も近づく八十八夜である。とはいえ、日本列島は季節外れの寒気が居座り、北海道などところによっては寒気に震え上がる一日となった。ここ尾張地方でも、かぜがとても強い一日となった。

 新内勝知与(しんない・かつちよ=新内京派家元、名古屋邦楽協会理事、本名内藤芳子=)さんの突然の死を社交ダンスのレッスンのあとに、ダンス仲間から伺った。勝知与さんといえば、かつて大垣市内の料亭〈四鳥〉で名演を見せていただいたことがある。都々逸漫談で知られた亡き柳家小三亀松さんの何かの会でも、その見事な演技に接する幸運に恵まれ、あのときは心身とも、それこそ全身の魂が脱け出てしまいそうな気がしたことを覚えている。
 勝知与さんは32歳の時に新内冨士元派宗家の新内須美也氏に入門、92年には新内京派を創流して家元に。最近では文楽人形やNHK交響楽団とも共演するなど新たな試みに積極的に取り組んで居られただけに、その死が惜しまれる。四月三十日に急性心不全で名古屋市内の自宅で突然、倒れ亡くなられたという。

 そして、話題はいま一つ。
 中日新聞朝刊の〈通風筒〉によれば、三重県伊賀地方の伊賀流忍者をPRするロゴマークが完成し、伊賀市や名張市などでつくる「伊賀流忍者観光推進協議会」がきのうお披露目をしたそうだ。ロゴは毛筆で記した「忍」の漢字一文字だが、よく見ると「メ」の部分が三重県地図になっている。協議会が公募した171件の中から愛知県安城市の会社員から寄せられた作品を採用したという。

 愛媛の美容界の顔といっていい〝今治の千鶴さん〟から、嬉しい便りが届いた。
「新緑の候、お元気な様子で何よりです。世界一周マージャン同好会の十三人が今月(四月)七日より奈良で出逢い三泊続いて玉造で三泊と楽しい出逢いがありました。私もマンサニージョの恋読みました。そして大阪の友人に送りましたよ。話は変って……元気でお逢出来る日を楽しみに」
 千鶴さんには乗船前から舞ともども、お心遣いをいただき船旅を無事終えることができた。親分肌で、周りには美容師仲間でもあるベレー帽の西坂和子さんはじめ、立派な男衆たちも彼女を守るようにし取り巻いておいでだった。こちらのわがままで再会の日が伸び伸びになってしまっている。でも、必ず私が愛媛まで出向き、船中でのお礼を言わねば、と思っている。それまで待っていてくださいね。自分勝手なゴンタクレより―

【きょうの一文・ことば】一九六七年(昭和四十二)年、東大の卒業試験には、寺山さんの家から出掛けました。東くん(故東由多加さん)と枕を並べた翌日でした。=2日付、中日夕刊、〈この道〉寺山サロン・歌創り40余年 小椋佳より

【新聞テレビから】
☆『若葉茂る 八十八夜 西尾で茶摘み』、『ボストン・テロ 拘束の3人訴追 19歳留学生ら証拠隠滅で』、『日・UAE(アラブ首長国連邦)が原子力協定 首相と皇太子会談、確認 きょう締結へ』(2日付、中日夕刊)
☆『水俣病確認から57年 最後の一人になっても忘れないで 慰霊式 患者、遺族祈り』、『ボストン爆破テロ 新たに3人拘束』、『里見 女流初五冠 将棋』(2日付、中日朝刊)
☆『121社本紙調査 「景気回復」9割 年末から大幅改善』、『中国で真実語れぬ 当面、米で活動 人権活動家陳光誠氏に聞く』、『元弁護士会副会長逮捕 被後見人の財産着服容疑 東京地検』『通帳類提出義務づけへ 日弁連が内規』(2日付、毎日朝刊)

五月一日
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 富士山(静岡、山梨県)が世界遺産に登録されるという。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)が、条件付きで世界遺産への登録を勧告したことから分かった。でも、イコモスの条件は、富士山の構成資産の一つとされる「三保の松原」(静岡市)の除外だという。なぜなのか。そこがよく分からない。

 なぜといえば、ある人から「つつじとさつきはどう違うのか、ご存知でしたら教えて下さい」との素朴な疑問をメールでいただいた。つつじとさつき。言われてみれば、どうちがうのだろう。それとも、つつじをさつきとも呼び、さつきをつつじと言うのか。いや、そうでもない。微妙に違う。
 つつじはつつじ、さつきはさつきだ。直感的に頭を掠めたのは、つつじが「海」だとしたら、さつきは「空」。柔と剛。軟派と硬派の違いか。というわけで、周辺にも聞き国語辞典を引くなどした結果は。つつじは花がちいさくて、さつきは大きい。金田一京助の新明解国語辞典の記述によれば、つつじは常緑(落葉)低木で赤、紫、白など美しい花々を咲かせ種類が多い。さつきは初夏に赤または白の花を開く。ということは、つつじのほうが早く咲き、花びらがちいさい。
 一度、手元にある花の本数冊を調べるか、図書館にでも行って調べてこなければ、と思う。

 午後は学生時代の友人と久しぶりに伏見の「大甚」で飲んだが、午後四時の開店早々、店内の一、二階とも満員のお客には、おったまげた。一体全体、どこからこんなに多くの酔客が湧き出てくるのか。そこが分からない。みな寂しさとたたかっているのかもしれない。この世は異界、不思議だ。

 帰りには、久しぶりに自宅からタクシーで十分そこそこのスナック「月うさぎ」へ。ご無沙汰ばかりの非礼を詫び、ママさんとチサトさんに、いつものように高橋真梨子の〈FOR YOU〉と〈ごめんね〉を歌ってもらって帰った。
 客のなかには三重県伊勢市小俣町の陸上自衛隊明野駐屯地で活躍する夫とともに休暇で故郷を訪れたという女性客の姿も。同じ江南同士というよしみもあって話が弾み、私の著作「マンサニージョの恋」(幻冬舎ルネッサンス)をさっそく買い求めて読ませていただく、とまで約束してくださり嬉しかった。

【きょうの一文・ひとこと】〈ねるまへに、部屋のカーテンをそつとあけて硝子窓越しに富士を見る。月の在る夜は富士が青白く、水の精みたいな姿で立つてゐる。私は溜息をつく。ああ、富士が見える。星が大きい〉 太宰治の「富嶽百景」より。この名短編の中にあの有名な言葉「富士には、月見草がよく似合ふ」がある。=5月1日付毎日夕刊「近事片々」

【新聞テレビから】
☆『まだ半袖は寒いけど クールビズ前倒し 各自治体』、『「国なき民」中東で存在感 クルド人に「春」到来 イラクで経済急成長』(1日付、中日夕刊)
☆『皇太子ご夫妻新国王祝う 雅子さま11年ぶり海外公務 オランダ』、『日本の誇りようやく 富士山世界遺産登録へ 三保除外は「がっかり」』(1日付、中日朝刊)