2014/07/08
ウエブ文学同人誌「熱砂」が誇る若手・黒宮涼のファンタジー小説「死神の秘密〈その1〉」を、お届けします。この小説は、これから週一回のペースで、計7回を予定しています。
「死神が死んだと言うのなら、自分は本当に死んだのだろう。死神とはそういう、死者の魂を運ぶ役割のある存在のはずだ。」「天国とか地獄とか、自分はそういう何かを期待しているのだ。」「死神になって、こうして死ぬ前の世界に戻ってきてしまっている。しかもここはどこだろう。全く見覚えのない住居がならんでいる。」
「今日はどうかしている。何もかも。死んで、生き返ったような気分だった。生まれ変わったわけじゃなく、人間として生きてはいないけれど。すごく不思議な感覚だった。」……
―黒宮涼ならでは。言葉の魔術師、いや、織り姫にも似た、世にも不思議な世界を大いに楽しんでください。
【連載開始に当たって・作者から】
初の連載です。四年かけて育てた、思い入れのある作品なので嬉しいです。この作品を読んだ人たちの心に、少しでも何か残るように祈っています。死神ユタの物語。最後まで読んでいただけると幸いです。