詩「色彩のロンド」

赤色は夕焼けの空の下で
溜息をつく木の葉を照らして
森は温容を隠した炎と立ち
敬うように大地はひれ伏して

橙色は熟れて垂れた果実で
自らを自然界に捧げ
時を老い地に落ちて
一粒の種となり

黄色は波に追われた静寂な砂面で
その寛容はむしろ汚すことを躊躇わせ
打ち上げられた貝殻ひとつでさえ
また海の底へ隠れようとして

緑色は苔むした岩で
滑走させるような蓄年の知恵
波に洗われ砕かれる岩々を
海が促されるように侵食して

青色は雲が消えた大空で
鳥たちが描くキャンパスになり
昨日を忘却させる太陽が
ぽっかり円をみせて

水色は澄んだ川のせせらぎで
稚魚の群れが若さを競い
川面に浮かんだ一枚の枯れ葉も
転生せよと励まされて

白色は全てを善に誘う光のようで
闇は包まれた色彩が踊り出し
喜びとともに大地は目覚める