ようこそ、ウエブ文学同人誌『熱砂』へ
『熱砂』を広辞苑で調べると、「日光などに焼かれた熱い砂。ねっしゃ」とあります。だから、私たち同人一人ひとりが、この悠久な宇宙の“熱い砂”となって人生や社会、家族、風俗、習慣、性、自然環境、真理、愛、生と死……を、太陽と海の光、かぜの息吹に照らされながら追いかけてゆこう、というわけです。 新しい文学の波を中部から発信し、全同人が21世紀の文学創造の旗手たりうる。文庫本同人誌として創刊した当初の思いは、平成のウエブ文学同人誌「熱砂」から、新時代・令和の新生「熱砂」に生まれ変わったからと言って、いささかも変わりはしません。私たちは時の流れの中で、この先も時代に即応しながら、なぜ書くのかを自身にも問いかけながら歩いていきたく思っています。どうか、よろしくお願いいたします。
ウェブ文学同人誌『熱砂』編集部 |
主宰・編集長 |
伊神権太 |
編集委員兼会計 |
黒宮涼、真伏善人 |
ウエブ文学同人『熱砂』誕生にあたって
全国でも珍しい文庫本同人誌「熱砂(ねっさ)」が、この名古屋の地で創刊されたのは2001年の2月21日付、当時は中日出版社(事務局・名古屋市東区)からの発行でした。「熱砂」はその後、名古屋市の助成も受け文庫本同人誌をさらに一段と大きく飛躍、進化させ日本古来の縦書き活字文化にこだわる形で、2008年からは全国的にも他に先駆けたウエブ文学同人誌「熱砂」(事務局・愛知県江南市)として再スタート、未知の大海原に船出しました。
ウエブ文学同人誌「熱砂」の最初の乗組員は私(伊神権太)とホワイト好子(碧木ニイナ)、片山浩治(真伏善人)、牧すすむ、伊吹、光村伸一郎(その後、香村夢二に改名)の決死の6人衆でした。このうち、伊神、碧木、真伏、牧は既に多くの根強い読者を抱える作家で山の杜、香村は未完ながら将来性あふれる新鋭としての旅立ちとなりました。その後もこれら同人に若手黒宮涼をはじめ、関西の詩人加藤行、中部地方の文壇で勇名をはせる平子純の俊英三氏も加わりました。そして。2012年8月からは、これまでのウエブ文学「熱砂」の公開範囲も一段と広がり、世界のどこからでも誰もが読むことが出来るように、とさらに大きな一歩を踏み出しました。同人は皆、この地方を代表する書き手ばかりです(中にはそれぞれの事情で一部離脱者も)。それだけに、令和新時代に入り、この先どんな作品が飛び出してくるのか。大いに期待し、この“熱砂文学”をこれまで以上に大きく育てて頂けましたら、と願っています。
なお、ウエブ文学同人誌「熱砂」の創刊に当たっては当初、先人たちのご努力と協力があったことも、ここに報告させていただきます。そして令和元年のリニューアルに伴う新生『熱砂』の船出にあたっては、この地方の若手ホームページ制作者では定評があり、知る人ぞ知る田島優也さまに、ことのほかお世話になったことも、ここにあらためてご報告させていただきます。
プロフィール
中国東北部・奉天(瀋陽)生まれ。愛知県江南市在住。
1968年4月、中日新聞入社。主に地方記者を経て各主管支局長、編集局デスク長(特報面とサンデー版)など。
2006年からは中日ドラゴンズ公式ファンクラブ誕生に併せ、会報編集担当として2011年12月まで主に中日スポーツのファンクラブ通信、コラム「ガブリの目」、ほかに会報執筆などに携わった。 びわ湖放送取締役、エフエム滋賀取締役、名古屋市立大学など各大学の非常勤講師も務めた。
※写真は2代目シロの虹猫オーロラ・レインボー
現在、日本ペンクラブ会員。日本文藝家協会会員。脱原発社会をめざす文学者の会会員(幹事)。中部ペンクラブ常任理事など。中日社友会の会員。
2001年2月、ふるさと音楽家の牧すすむ、エッセイスト内藤洋子ら有志でウエブ文学同人誌「熱砂」の前身でもある文庫本同人誌「熱砂(ねっさ)」を創刊。
過去、「泣かんとこ 風記者ごん!」「火焔―空と海」(いずれも能登印刷)、「能登人間ものがたり」(オフィス4510)、「一宮銀ながし」(風涛社)、「懺悔の滴」(人間社)、「町の扉 一匹記者現場を生きる」(わくうら印刷)、「いがみの権太『笛猫野球日記』」(笛書房)、「マンサニージョの恋」(幻冬舎ルネッサンス)、「ピース・イズ・ラブ 君がいるから」(人間社)など著書多数。この中にはベストセラー作品も。
小説、詩、エッセイ執筆の傍ら、端唄、小唄、どどいつをたしなみ、横笛やハモニカ演奏のほか、社交ダンスも。田宮虎彦の「別れて生きる時も」の文体がいつも胸にある。太宰治、松本清張にはない、伊神権太ならでは、の文学創造を目指す。18歳で講道館柔道3段。オールミッション大会優秀選手、ユニバーシアード候補選手など。
現役記者時代の特ダネ賞となると、数知れず。可児の花フェスタ開催にあたっては、自らアムステルダムに飛びオランダ花物語運動を展開し、花フェスタ実行委員会から感謝状授与も。
愛猫のこすも・ここ、先代のシロは、またとない文学素材だったが先年、いずれも老衰で22年3カ月の長寿を全うして相次いで逝去。現在はそのあとを継いだ半野良出身の2代目シロ(白)こと、虹猫オーロラレインボーが、その後を継いでいる。
「今を大切に」を胸に、〝これだ〟と思ったらすばやく実行に移す。
吉川英治の「新書太閤記」(8巻)の登場人物に熱中し、8巻を完読。好きな作家は、ほかに立原正秋、川端康成、中上健次。現代作家では、「波光きらめく果て」の髙樹のぶ子さん、「青い絵葉書」の太田治子さん、「宣告」「死刑囚の記録」「永遠の都」の加賀乙彦さんなど。最近では、「チェルノブイリの祈り」のスベトラーナ・アレクシエービッチと「雪」のオルハン・パムク=いずれもノーベル文学賞作家=。
愛知県小牧市生まれ。
小牧市在住。作詞作曲家。
チェリッシュの「青春の街」の作詞作曲や、岡ゆう子の「さよなら橋」の作曲でも知られ、ふるさと音楽家としての実績も多く、都はるみの「恋の犬山」は、この人が生んだ名作。最近では「名古屋コーチン音頭」を作曲し、話題を集めた。
琴伝流大正琴の上席大師範、弦洲会会主でも知られる。
趣味は、芸事一般。日本文芸家クラブ会員(詩人)。日本詩人連盟会員など。
著書に詩集「すてき」(人間社)
母子家庭の逆境をはねのけ、若いころからギター、ピアノ、大正琴と独学で音楽を学び、今では琴伝流大正琴弦洲会の会主として2000人の門下生を抱える。
後継者の長男崇(たかし)さんと共に日本はむろん、世界各地の舞台で活躍。門下生を引き連れ、ニューヨークのカーネギーホールでの演奏会も実現させ、演奏の先々での親子鷹演奏が観客の感動と涙を誘っている。
信条は、「前進あるのみ」と「夢はデッカイ方がいい」。
夏目漱石の「我輩は猫である」を愛読。
新潟県出身。
愛知県北名古屋市在住。
サラリーマン生活の傍ら、地元の文章教室に通い頭角を現す。
2001年2月、文庫本同人誌「熱砂」創刊に携わった。
新潟人ならではの何事にも動じない一貫性と精神力、粘り腰が持ち味で、過去、「熱砂」同人として、また片山ワールドとして数々の珠玉の作品群を生み出してきた。かつては詩小説という独自のジャンルにも挑み、反響を呼んだ。
趣味は音楽鑑賞。絵画。天下一品のギター奏者は知る人ぞ知る。
好きな言葉は「黙々」。
小説執筆に当たっては、安部公房の「砂の女」がいつも頭の中にあるという。
岐阜県各務原市在住。
フリーライター。地方ミニコミ紙記者。
新聞のコラムや、旅行雑誌執筆などでも知られる。
「努力なしの成功はありえない」が信条。
何ごとにも前向きな将来が楽しみな若手作家だ。
取材旅行と趣味の寺社めぐりで撮りためた写真つきエッセイを出すことが、いまの目標。
芹沢光治良の「人間の生命」に傾倒。
愛知県在住
小学校四年生から友達の影響で書き始めた。
中学校、高校と不登校を経験。大学中退。
『第一回蒼生舎自分史ポエム』ジュニア賞受賞(今枝涼子名義)。
受賞作は「あったかい人」(ほたるの里)で、大切な人への思いを綴った作品。
電子書籍「マーメイドをさがして」を個人出版。
現代社会にファンタジー要素を混ぜる作品が多い。
いつか何らかの形で映像化されることが夢。
好きな作家は、壁井ユカコ。「2.43 清陰高校男子バレー部」シリーズなど。
1949年生まれ。南山中、高校を卒業。
学習院大学仏文科中退。
名古屋市中村区在住。
信条は「弱者のための文学」に尽きる。社会派作家は知る人ぞ、知る。
詩人(元「宇宙詩人」同人)。車椅子作家。中部ペンクラブ会員。
過去、「河童」「じゃぱゆきマリー」「名古屋悪女物語」「名古屋花心中」など話題作を連発、マスコミで大きく取り上げられたことも何度か。ほかに戯曲「七色紙」、詩集「ドン・アルバトロ曖昧模糊物語」……と多芸。
好きな作家はビクトル・ユゴー、作品をあげるなら「レ・ミゼラブル」。
趣味は俳句、絵画。
1927年京都生まれ。
滋賀県大津市在住。代表作に「鳩舞う空の下に」「薄明り」(いずれもサンライズ印刷)。
戦後ずっと大津市内の幼稚園や市教委、公民館に勤務し昭和46年から滋賀県の文芸同人誌「くうかん」同人に。その後「くうかん」代表に。昭和52年に「秋海棠」、53年「薄明り」、60年「古自転車」でいずれも滋賀県文学祭小説の部で特選を受賞。61年には「足長おじさんの最期」が大阪女性文芸賞候補作に。63年出版の「薄明り」は滋賀県文学祭出版賞に輝いた。
平成5年に大津市民文化功労賞。12年には滋賀県文学祭で知事から、21年にも、親子読書会への貢献が認められ社会福祉法人・滋賀同仁会からそれぞれ感謝状を授与。
若いころは現場に出て書く現場主義がモットー。好きな作家は「塩狩峠」の三浦綾子さんと、「はなれ瞽女(ごぜ)おりん」の水上勉。夢は、若い才能の掘り起こしと老若こぞっての文芸の輪拡大。