一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2025年2月~)

2024年2月18日
 きょうは雨水(うすい)。雪が雨に代わるころで積もった雪が融け始め、暖かい地方では「春一番」が吹き、うぐいすが鳴き始めるころだ、という。各地の寒さとはうらはらに、春が確実に近づいている、とでもいえようか。
 
 火曜日。けさの新聞によれば、青森県八戸市の「みちのく記念病院」の元院長らが逮捕された入院患者間殺人の隠ぺい事件で病院が男=殺人罪で懲役17年が確定済み=を犯行後に閉鎖病棟に医療保護入院させていたことが捜査関係者への取材で分かったという。青森県警は元院長らが殺人事件の発覚を免れるため男を隠そうとした疑いがあるとみて引き続き調べを進めている-という。大阪府岸和田市議会は17日の市議会本会議で、女性との不倫を認めた永野耕平市長(46)に対する不信任決議を賛成多数で可決。永野氏は地方自治法に基づき同日付で失職。なんだか、どちらも信じられない、低レベル極まる暗い話題である。この世の中、一体全体どうなってしまっているのか。

 デ、これとは別に明るいニュースといえば、だ。中日本紙に掲載された【さぁ発進、井上ドラゴンズ 電気文化会館プレミアムセミナー(中日文化センター栄主催、月刊ドラゴンズ共催)】の社告か。今季のスローガン「どらポジ」のとおり、ドラゴンズにポジティブな風を吹かせる井上一樹監督。その井上さんは、どう戦うのか? を監督をよく知る山本昌さんが月刊ドラゴンズ・木村愛子記者のインタビューに答える形で語るといった内容で、どんなセミナーとなるのか。早くも期待されている。。

【原発回帰 脱炭素加速 再エネを最大電源に 政府計画改定】【温室ガス60%減 35年度目標決定 国連提出 パリ協定下回る】とは、本日付の中日新聞の夕刊見出しである。

(2025年2月17日)
 私の妹から珍しく「太田治子さんの記事 新聞に載っていましたね」のメール。私がうっかり見落としそうになっていた記事は16日付中日新聞朝刊文化欄の<人生のページ>で【母と娘の物語 上 太田治子 寂聴さんには ほめられたけど ■父譲りの自意識■「文才がある」】というものだった。

 太田治子さんの記事【母と娘の物語】
 

 神戸市出身で英国留学中の1983年に北朝鮮に拉致された有本恵子さん=失踪当時23歳=の父明弘さんが老衰のため死去。明弘さんは神戸市出身。自宅は神戸市長田区。96歳だった。これにより、未帰国の政府認定被害者で、存命の親世代の拉致被害者家族会メンバーは、横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(89)だけとなった。有本恵子さんはロンドンに語学留学中だった1983年、デンマークのコペンハーゲン経由で北朝鮮に連れ去られたとされている。1988年に拉致被害者石岡亨さん=失踪当時(22)=の手紙が札幌市の実家に届き北朝鮮にいることが判明したという。

 国土交通省が17日、中部国際空港(愛知県常滑市)で運営会社が現滑走路の東側に計画している新しい滑走路=全長3290㍍、幅45㍍=の着工を許可。供用開始は2028年3月31日を予定しているという。
 ほかには【米「4月20日までに停戦」 ロシアと18日高官協議か】(中日17日付夕刊)の見出しも。【きょうは1978年2月17日に、北海道幌加内町でマイナス41・2度を記録したことを記念し「天使のささやきの日」というそうです。】とは、本日付の中日夕刊<星の物語(朝倉哲夫)>から。

2025年2月16日
 日曜日。きょうも寒い1日である。

 16日付中日新聞によれば、アジア人で初めて米国野球殿堂入りしたイチローさん(51)=本名鈴木一朗=がニューヨーク州クーパーズタウンの殿堂博物館に個人コレクションをいずれ全て寄贈する意向だと14日、スポーツ専門局ESPN(電子版)が伝えた。優れた現代詩集に贈られる第30回「中原中也賞」の選考会が15日、山口市で開かれ、京都府の自営業高村而葉(じよう)さん(47)の「生きているものはいつも赤い」に決まった。この詩集は2005~2023年に書いた22編を集めた自身初の詩集で、高村さんは「世に出るまで、ただただ穴を掘り続けているような状態だった。知らせを受け、地上に間違って頭を出したモグラの気分だ」とするコメントを出したという。
 贈呈式は、誕生日の4月29日に山口市で開かれる。

 夜。NHK総合でNHKスペシャル【大型シリーズ 臨界世界 生死かけた難民逃避行 弱者を食らう闇の業者 禁断ロシア国境ルート】を見る。いろいろ、考えさせられた。

(2月15日)
 5年に1度のわが家のシロアリ点検で、いつもの業者さん(株式会社アイジーコンサルティング)のスタッフがわが家へ。業者は台所の床をはがして潜入、なかをくまなく点検。「シロアリの食害に遭っているところは、幸いありませんでした」とのことでホッと安心。20日(当初、19日の予定だったが当方の都合で延期に)にいつものようにさっそくシロアリ防止剤の散布と床下全域への炭引きをしていただくことにした。多少お金はかかるが、亡き舞の強い意志で建てられた、彼女の愛着が染みたマイホームだけに、白アリくんたちに急襲されてしまうことだけは、こんごも避けねばならない。というわけで、白アリ被害の防止のためにも「くれぐれもよろしく」と担当スタッフにお願いした次第である。

 川崎に住む長男夫妻から思いがけず、能登弁でいえば、だ。チョッコシ高価で味わいと風味が抜群である、そして能登色が満喫したチョコレートが宅急便で送られてきた。【能登の大地の恵み 金賞受賞作品】なるもので、三男坊と食べたが、これがまた、それこそホッペが落ちるほどにおいしかった。ありがとう。長男は七尾高校卒で能登半島で中学、高校と育った(ボートで石川国体にも出場、新聞にその勇姿が載ったこともある)だけに、ふるさとにも似た能登への思いが深い証拠だなと思った次第だ。と同時に、ナンダカ目頭に熱いものが走ったのも事実である。ありがとう。
 というわけで、おかあさんとシロちゃんの遺影、そしておまえの弟にも食べてもらった、本当に、これまで食べた多くのチョコのなかでも最高においしかった。さすがは、日本のイノベーション学会賞に輝いた息子だけのことはある。思いがけないチョコレートには、元々チョコ好きだったおかあさん(伊神舞子、たつ江)も、たいそう喜んだに違いない、と同時に息子夫妻には、これからも世のため人のため、そして何よりも自分自身のためにも健康で前に向かって歩いて行ってほしいと思った次第である。
親しき中にも礼儀あり、で。思いもしていなかったバレンタインチョコをありがとう。サンキューべりマッチ、と私。

 写真は長男夫妻から突然、送られてきた能登のチョコ・ボンボンショコラと能登出身のオーナーシェフ辻口博啓さんによる「能登の大地の恵み」の説明文。辻口さんは「私は18歳まで、この能登で生まれ育ちました。」と語っている。
 
 
 

(2月14日)
 金曜日。世の中は、バレンタインデーなるものに浮かれているのだが。私はこの日が訪れると、現役記者で空港記者だったころのチェリッシュさんの【青春の街小牧(牧すすむさん作詞・作曲)】と、能登半島時代に毎年、バレンタインデーになると決まってわが家のポストに置かれていた謎の女性からの岡村孝子さんのカセット【夢をあきらめないで】のことを思い出さざるを得ない。ある年には、私が演奏を得意とするハモニカが置かれていたこともある。今になって思うと、あのときの犯人は、もしかしたら-亡き妻、伊神舞子だったような気がしてならない。

 午後。社交ダンスのレッスンで一宮のスポーツ文化会館(スポ文)へ。タンゴとワルツ、クイックステップに黙々と挑む。レッスンの間は結構、大変ではあったが終わったあとは、やはり全身がスキッ、とし、やはり舞のことばどおり大切に続けていて良かったナ、との思いを新たにした。

 政府がコメ価格の高騰に対処するため備蓄米を最大21万㌧放出する、と発表。3月半ばから放出を開始し、同月下旬から4月上旬にもスーパーなどの店頭に並ぶ見通しだ、という。

(2月13日)
 きょうは確定申告の日で午前中、ニコホール(市民会館)に行くと「午前中は既にいっぱいなので、午後来てください」と言われ、【2時45分 61番】と書かれたシールを渡され、帰宅。午後、あらためて出かけ、午後2時45分のはずが大幅に遅れ、3時半過ぎに「61番さん」と呼ばれ、申告会場に。女性スタッフのテキパキした応対で申告は進んだが、それでも結構な時間がかかってしまい、午後5時過ぎ最後の一人としての事務手続きが終わり、やれやれである。還付金は約6万円ナリで、やれやれであった。
 この日にそなえ、あれやこれやと書類をそろえるのに結構な手間暇をかけただけに、これで年に一度の申告が終わったと思うと、なんだか背中に担いでいた重いものがやっと取り除かれた感じで、ホッとしたことも事実である。と同時に亡き妻と一緒に毎年申告会場を訪れていたあのころが懐かしく思い出されもしたのである。

 「脱原発社会をめざす文学者の会」幹事会の要請で毎月一度、身を削る思いで執筆している私、伊神権太の連載45回目【混沌からの旅立ち 何はともあれ〝楽しい日本〟に】がやっと、公開された。

(2月12日)
 中日新聞の本日付夕刊の【ワシントン=共同】電によれば、米国のAP通信が11日、米ホワイトハウスがAP記者の大統領執務室での取材を許可しなかった-と明らかにしたという。トランプ大統領がメキシコ湾をアメリカ湾に改称した後も、記事でメキシコ湾との表記を維持したためだが、ペース編集局長は「国民の独立ニュースへのアクセスを著しく妨げ、憲法が保障する言論の自由に違反する」と非難したというが、これはペース編集局長の方が明らかに正しい。大統領の負けだ、と言っていい。トランプさん、何をおかしなことを言ってるのだよーと言う国際世論も多いに違いない。これに対してAPはすばらしい新聞である。アメリカ市民の良識といっていいだろう。
 トランプ氏は2期目に就任した直後の1月20日、メキシコ湾の名称変更の大統領令に署名。メキシコ政府は当然ながら反発している。トランプさん。(大統領選に)勝って兜の緒を締めなくっちゃあ。そんな駄々を込めていたのでは、国際社会から笑われますぞ。あなたと同学年の私、伊神権太が言っているのだから。嘘はない。もっと、しっかりせんといかん。一度会って話しでもしようか。熱心なことは私とて承知している。

 スマホの調子が、このところどうもおかしい。データがいっぱいなので消去せよ、と半ば命令調なばかりか【クリーンアップしないと携帯電話は使えなくなります スパムメッセージが963件あります。片付けますか】などと言った具合に半ば脅迫にも似たアナウンスが、がなり声をたてる。そんな大変なけんまくで、だ。
 そこで、だ。システムエンジニアの息子に見せると、「おとうさん。絶対に相手にならないように。そういう雑音が鳴ったら、相手をしないでスキップを押すか、シロちゃんの画面を出すように。絶対に相手にはならないように。押したらアカン」とのことなので、私は相手にしないように、と自分自身に言い聞かせはするのだが。それにしても、ぎゃあつくぎゃあつくと。うるさすぎる。
 この思いついたように発狂してくる〝がなり音〟は、どうやら、なかなか消えそうにない。困ったものだ。それか。データが満杯になると、こうした嫌がらせにも似た雑音をわざと出すことにより、新しいスマホに替えさせよう-とのドコモの魂胆か。もしも、そうした魂胆が事実としたなら、私はドコモの横着な商法を許すわけには、いかない。抗議せざるを得ない。事実、データがいっぱいなのでスマホを今すぐにでも替えろとでも言いたげな、そんな発狂音である。これは、だれだって許すことが出来ない。
 いずれにせよ、しばらく親愛なる末っ子とともに今しばらく様子をみてみよう。

(2月11日)
 建国記念日。祝日である。

 私はこのところ、近づいた確定申告を前に各種必要書類をそろえるのに少しばかり大変である。今は亡き舞が元気なころは、あれやこれやと申告に必要な書類の準備を率先してやってくれ大変助かったのだが、彼女亡き今は毎年、四苦八苦しながら、孤軍奮闘の必要書類集めで毎度のことながら、能登弁でいうなら、ばだ。チョッコシ大変である。それでも大体は準備も終わり、やれやれで、あとは申告日を待つだけ。それにしても、彼女がこの世にいたころは黙っていてもアレヤコレヤと必要書類をそろえてくれ、嬉しく思ったものである。

 記録的な高騰が続くキャベツが愛知県田原市の畑で大量に盗まれ、新聞には【キャベツ800玉盗難 田原記録的高騰、売却目的か】の見出し。ほかには【岸田氏襲撃で懲役15年求刑 検察側「総理狙うテロ行為】(いずれも11日付中日朝刊)の見出し。

(2月10日)
 愛知県稲沢市の尾張大国霊神社、すなわち国府宮でこの日、伝統の【国府宮のはだか祭り】が行われ、神男の加藤稜大さん(26)に触れ、厄を落とそうとする下帯姿の裸男たちが激しくもみあった。厄よけの儺追笹(なおいざさ)奉納には昨年に続いて女性が参加。昨年の2・5倍以上となる約350人がササを担いで練り歩いた。神男は裸男たちの渦をかきわけて楼門をくぐり、終着点の儺追殿へ。登場してから1時間後に引き上げられると、万歳の歓声が上がった。いつもながらのはだか祭りではあるが、儺追笹を奉納するため参道を練り歩く女性たちの勇姿が光って見え、彩りを添えた。主催者側の発表によれば、ササ奉納ともみ合いの参加者は7980人、参拝者数は約8万人だったという。

 この日は愛知県豊橋市の安久美神戸(あくみかんべ)神明社でも国の重要無形民俗文化財の【豊橋鬼祭】が2日間の日程で始まり、地元の豊城中2年浪崎瑛太さん(14)扮する青鬼が氏子町内を走り、厄よけのあめを配って回った。

2025年2月9日
 日曜日。お昼前、朝刊を読み終わって台所の窓から裏庭をのぞくと、なんとあの2代目こすも・ここちゃん(愛称はタンゴ)がシロちゃんのお墓に来て神妙な顔で両手をそろえて仏の先輩猫たちに頭を下げているではないか。タンゴは、その後に私がけさ早く供えておいたシロが大好きだったごはん(コンボ)を食べ始め、やがてこれを空(から)にしたあと、いずこかへ、と去って消えたのである。
 何より、タンゴがこうして毎日、お姉さんであるシロ(オーロラレインボー)の墓を訪れてくれている証拠でもあり、私は素直にとても嬉しくなり「タンゴよ タンゴ。シロのことをいつも思ってくれていて、ありがとう」と心の底から手を合わせたのである。

 きょうも吹く風は冷たい。
 でも、少しは弱くなったかもしれない。私はいつものように午前中、新聞を読み、このあとシロと舞の遺影を前に、【エーデルワイス】を最初に【みかんの花が咲く丘】【能登の明かり】の順にスマホのユーチューブで聞き、「きょうもみんな元気で過ごせますように」と祈るのである。
 このところ連日、「今季、今冬最強の寒波が訪れています」と、どちらかといえば絶叫調で視聴者に語り掛けていたラジオ。ともすれば刺々しく聞こえていた各社テレビアナの声のトーンもどこか、柔らかく静かな落ち着いたトーンになり、心配していた最強寒波もとうとう、きょう現在では遠のいたようでもある。

 そして。私はわたしで、きょうも新聞を読み終え、落ち着いたところでスーパー「平和堂」へ。ここで久しぶりにカキフライ定食を食べたが、これがまたおいしく、志摩半島の的矢蠣や能登七尾の中島蠣を思い出したのである。こんなわけで、車のハンドルを手に、きょうも晴れ上がった大空に視線を向け私は舞とシロに見苦しくも「元気でいるか。げんきでいろよ。そのうち、きっと良いことがあるからな。待ってろよ。俺もきっとやったるでな」と名古屋弁で語りかけるのである。
 雲の向こうからは【ほんながかいね(ホントカシラ)】と、半分能登の女だった、あの懐かしい舞の声が聴こえてきたのである。

2025年2月8日
 午前中、いつものように。けさの新聞を読む。
 相変わらず▼石川、新潟「顕著な大雪」 広い範囲で警戒必要▼中部大雪予防的通行止め 名神や北陸道きょうも警報級▼「ようやく被害回復へ一歩 長野のひき逃げ逆転有罪受け両親 最高裁救護義務違反を認定▼水原被告禁錮4年9月 米地裁命令 大谷選手へ25億円賠償▼備蓄米早期に放出 高騰対策 国が14日にも概要 流通から消えた「32億杯分」 重い腰上げ投機に対抗▼兵庫知事買収疑惑で捜索 県警、地検 PR会社側の関係先など、この世は、いろいろである。そして。これらニュースのひとつひとつに、人それぞれのドラマが隠されている、これまた事実だ。それが人間社会というものだろう。
 けさ。友から「雪は大丈夫でしたか」と心やさしいメールが入る。ありがたいことだと思う。

 朝。見渡す限り雪の原だった外界も午後には太陽の光りに照らされ、昼過ぎにはいつもどおりの顔に。私たちは、やはり、自然の恩恵を受けて生きているのだな、とつくづく思う。新聞を読み終わり落ち着いたところで近くの古知野食堂経由でピアゴへと向かう。途中、ハンドルを手に、大空にむかって「舞。シロ。ふたりとも元気でいるか。俺はみんなに助けられ、何とか生きているよ」と報告すると。「あら、あらっ。また。おおげさな。あたしもシロちゃんも元気でいるから。心配などしないで。そっちは、そっちでしなければならないことがあるのでしょ。しなくっちゃあ」の声がはね返ってきた。
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 8日付の夕刊(中日新聞)は、石破茂首相とトランプ米大統領の初の日米首脳会談に関するもので【米、貿易赤字解消を要求 首相表明 投資Ⅰ兆㌦に増 日米首脳会談】【USスチール「買収ではなく巨額投資」 トランプ氏日鉄と協議へ】との見出しが躍った。一方で、トランプ米大統領が国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)職員らに制裁を科す大統領令に署名したことを受け、ICCの赤根智子所長が7日「裁判所の独立性と公平性を損ない、罪のない犠牲者から正義と希望を奪うことを求めるものだ。断固拒否する」と出した非難声明に触れ【赤根所長「断固拒否」 米、ICC職員に制裁 80カ国も非難声明】というものだった。 

(2月7日)
 中日新聞の本日付朝刊1面のトップ記事は【森友訴訟国が上告断念 文書の存在認める 開示是非 判断へ 「黒塗りにしないで」赤木さん妻】というものだった。「夫が苦しんだ原因が分かるものを開示してほしい」とは赤木さんの妻雅子さんの叫びだが、当然のことである。

 きょうは社交ダンスの女性教師〝若さん〟の個人的事情もあって、レッスンはいつもの午後ではなく、午前10時過ぎから開始。ということで、会場である一宮スポーツ文化会館へは朝早くからマイカーで出かけるなど午前中はちょっぴり、バタバタした。というのは、私の場合、毎朝、新聞その他を読むのにかなりの時間を費やすこともあって、その分いつもより早く起きて出がけにあれやこれやとすべきことをせねばならず、忙しい1日となったからである。
 それでもいつものように朝刊各紙を読み終えたあとは、かつては毎朝、愛猫シロ(故猫)ちゃんと共にユーチューブで聞いていた【エーデルワイス】と【みかんの花咲く丘】、そしてもう一曲、能登半島地震の復興応援歌である【能登の明かり(歌は岡ゆう子さん)】をしっかり聞くことから1日は始まったのである。
 そして。話は変わるが私が「脱原発社会をめざす文学者の会」幹事会からの要望で月に一度書いている連載コラム【文士刮目】も今回で45回目を数え、きょうはその公開日(タイトルは【混沌からの旅立ち 何はともあれ〝楽しい日本〟に】)でもあったのだが。(どうして、ああなってしまったのか)担当編集者の見出しの取り違えなどもあって原稿の全差し(全部差し替え)を要請する-などアレヤコレヤと何かと慌ただしい1日となった。自分ではまだまだ、若い気持ちではいるのだが、少しばかり疲れたことは事実だ。やれやれ、とはこのことを言うのか。

 それから。きょうは、だ。社交ダンスのレッスンから帰ったところで、とても嬉しい話がひとつ。それは、このところピタリと姿を見せなかった、亡き愛猫シロちゃんにかわいがられ、いつも行動を共にしていた2代目こすも・ここ、すなわち半のら、タンゴちゃん(愛称)がひょっこり、庭先に顔を出してくれたのである。これには感激、ごはんをやったことは言うまでもない。
 それにしても。タンゴは、なぜ。どうしてここしばらくの間、私たちの前に姿を現さなかったのか。単に寒い。寒かったからだけでもなさそうだ。理由はともあれ、「めでたしめでたし」で、それこそ🎵エオエ、エオエ~と両手をこすり合わせて能登の〝七尾まだら〟でも歌いたい心境である。お空にいる亡きシロちゃんとオカン(舞)に「そろそろ、オトンの前に顔を出してやってよ」と言われて。それでやってきたに違いない。
 夜に入り、その石川県七尾市と新潟県新潟市に気象庁が【顕著な大雪に関する情報】を出した。ちなみに、この冬は日本列島の各地が大雪に悩まされており、山形県新庄市など積雪が3㍍以上のところも珍しくない。大変な冬となっている。

2025年2月6日
 けさも風が冷たく、とても寒い朝である。新聞には【日産、ホンダと統合見送り 合意撤回方針 子会社化案で溝】【トヨタ売上高47兆円 通期予想 生産回復で上方修正】【米イスラエル会談 「ガザ 米が長期保有」 トランプ氏、住民移住案】【最高の眺望 ザ・ランドマーク名古屋栄】といった活字が顔をならべている。この世界が毎日毎日、顔を変えている何よりの証しでもある。
 というわけで、今この瞬間にも世の中は刻々と変わっており、と同時に何が起きるかもわからない。起きても不思議でない。それが、この世の中なのだ。どんなにあがこうが。この世の中、起きることは起き、何ごともなかったかの如く未知の世界を突き進んでいくのだろうか。

(2月5日)
 この冬一番の強い寒気団が流れ込んでいる、とは気象庁。気象庁によれば、北日本から東日本の上空約5000㍍は氷点下42度以下のこの冬一番の強い寒気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定となり、積乱雲が発達するところもある。東日本から西日本では、日本海側のほか、ふだん雪の少ない太平洋側でも内陸を中心に大雪となる見込みだという。
 というわけで、ここ尾張地方も、寒くて寒くって。たまらない。新聞も【岐阜の山間地で大雪 白川村230㌢、飛騨168㌢】【北陸、運休相次ぐ】(中日5日付夕刊)などと報じている。

【米、対中追加関税10%発動 中国報復WTO(世界貿易機関)に提訴 対カナダは1カ月延期】【ホンダ、日産子会社化打診 再建遅れ懸念調整難航か】【北海道で記録的降雪 岐阜と愛知も警戒必要 北陸道通行止め長浜―丸岡IC】【園児400人超が給食で食中毒 一宮、ノロウィルス】【吉田義男さん死去 91歳 監督で阪神初の日本一】【陸自演習場外に着弾か 滋賀りゅう弾砲 射撃訓練】とは本日付中日の朝刊見出しだ。
 そして【トランプ氏「米国がガザを所有」イスラエル首相と会談 住民の域外移住主張】とは日本経済新聞の5日付夕刊の見出し。いやはや、毎日毎日いろいろある。これが世の中、いや混沌世界ということか。

(2月4日)
 この冬最大の寒気団到来、との事前の度重なるニュースに朝、緊張して二階ベランダの窓を開けたが、当地(尾張名古屋)に関するかぎり、白い雪たちの姿は、そこにはなかった。内心では、寒いながらも半分「白い雪たち」を期待していただけに、人間とは勝手なもので、雪がなければないで、ちょっぴり寂しく残念な気がしたのも事実である。でも、「これでよい。これでいいのだよ」と言い聞かせる私がそこにはいたのである。それでも、外を走る風たちのさんざめきだけは、なぜか聴こえてくる。不思議なものだ。

 けさの新聞。【能登地震後 人口減加速 前年比2倍 6市町で7000人超】【地域守るため集いの場再び 珠洲の区長が土地提供 今夏新設へ】の見出しが気になる。ほかには【対メキシコ関税1カ月延期 麻薬流入阻止で米と合意 カナダとも協議】の記事か。亡き愛猫シロちゃんと行動を共にしていたあの2代目こすも・ここちゃん、すなわちタンゴ(愛称)がこのところピタリと姿を見せないが、元気でいてほしい。
 どこをうろついているのか。元気でいてさえくれれば、それでよいのだが。やはり心配だ。いつも今は亡きシロちゃんを見習ってかウーン、ウーンと甘えた声で近づいてきていたのに。寒いからか。それでも、わが家に取り付けられた監視鏡(カメラ)で見る限り、時折、深夜未明に姿を見せエサを食べており、こうしたタンゴを見て実はホッとしている。
 それはそうと、なぜ私の前に姿を現さないのか。日中に私の前に姿を見せてくれないのか。大変、心配している。タンゴのことは亡き妻、たつ江(舞)も十分知っている。それだけに、以前のように姿を何回でも見せてほしい。

 本日4日付の夕刊は【カナダ、メキシコ関税延期 一カ月 米、発動前日に転換 中国と「24時間内」協議】。これが米大統領、トランプ流のやり方なのかもしれない。ほかには【岸田氏襲撃殺意を否認 地裁初公判 弁護側は傷害罪主張】か。【能登の星空が希望になれば 能登町の学芸員SNS発信(板津亮兵)】は、とてもよい記事である。身も心も洗われる、とはこのことか。

 埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故。1月28日の事故発生から1週間がたち、地元消防などが4日も運転手の救助活動を急いだ。現場では重機を穴の中に入れるための2本目のスロープ作成整備などを進めたが、穴に破損した下水道管から水が流入して救助を妨げるなど難航している。このため県は4日午後2~5時まで水の使用を控えるよう求めた。県は陥没事故以降、圏内12市町の計約120万人に下水道の利用自粛を呼びかけてはいるが、穴への水流入は収まっておらず、救出は難航、めどはたっていないという。

(2月3日)
 立春。とはいえ、きょうは本当に身も心も凍りついてしまいそうな寒い日だ。ついこの間までなら、いつも私の足元にいてくれた愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)は、もはやいない。昨年秋、車に轢かれ突然、おかあさん(たつ江、伊神舞子)のあとを追うように逝ってしまったからだ。だから、私は、こうして寂しく、辛く、悲しい毎日をそれでも「生きなければ」と生きていくのである(幸い、能登で育った末っ子が居てくれるので、このへんは何かにつけありがたいことだな、と感謝している)
―というわけで、私は今は亡き俳人で詩人、歌人でもあった妻の分まで佳い作品を残さなければーとこうして日々文を読んだり書いたりして毎日を過ごしているのである。

 夕刊(中日)に【「メキシコ、カナダと協議」トランプ氏、関税発動前日】と【東証一時1100円超安 警戒拡大、ほぼ全面安】【「半導体で協力」確認 首相、7日、日米首脳会談で 衆院予算委】の見出し。ほかに文化・芸能面では【ガザに真の平和を 停戦後待ち構える課題 遠藤乾(東京大教授)】【昭和百歳 山口瞳が見つめた時代 山口正介 ➌美空ひばり ギリギリのところで】の記事も。それぞれ味があっていい。

2025年2月2日
 節分。2025年は『庚(かのえ)』。西南西のやや西の方角が恵方だそうである。

 球春 胸躍る 井上竜キャンプイン】(中日朝刊)【米、関税「1日発動」 メキシコ・カナダ25% 中国10% 報道官】【高木W杯日本勢最多35勝(スピードスケート女子の高木美帆がワールドカップで通算35勝を挙げる)】(毎日2日付朝刊)など。けさも新聞紙面は、あれやこれやと活字が躍っている。楽しい話題があれば、かなしい見出しもある。これとは別に、一部報道によれば、あのロサンゼルスの大火もようやく治まったようだが、ドジャースの大谷選手一家も愛犬と共に一時避難したとのこと。そこには、まさに地球温暖化と人類との闘い、葛藤までが見られるのである。

 2代目こすも・ここ、亡きシロにかわいがられいつも行動を共にしていた〝半のら〟タンゴちゃんが最近なぜか、わが家に姿を見せないので心配している。デ、タンゴのことをよく知り、舞が生前、とてもよくして頂いた荒木さん(女性)ちに、電話してみると-。「元気でいるから。伊神さん。心配しないでいいから。それより、いい小説、書いている? がんばって。私たち、みんなで期待しているよ」との返事だった。ホッとして受話器を置く。

2025年2月1日
 プロ野球中日の春季キャンプが1日、沖縄県で始まった。25日まで滞在し、1軍は北谷町、2軍は読谷村を拠点にシーズン開幕に向けてチームを強化する。――とは本日の中日新聞夕刊の1面記事【井上竜常勝チームへ キャンプイン】の記事である。この日はドラゴンズをはじめとした12球団が一斉にキャンプインした。

 朝。舟木一夫さんの熱烈ファンである玉田美代子さんから「今日 新聞大きく掲載されました」のラインが入ったので、さっそく中日新聞の尾張版を開くと【「舟旅」一緒に一年でも長く 歌手舟木一夫さん(80) 80歳に「今が一番良い状態」■地元一宮は「自分のペース」】の活字が飛び込んできた。インタビューに対する舟木さんの返答がとても前向きでよいこともあって正直、なかなか良い記事だな、と思う。
 中に「人生最後に歌うなら、どの曲を選びますか。」との記者の質問があり、これに答え彼は【「高原のお嬢さん」と「学園広場」かな。】と答えているところが特に印象深かった。私自身、松本に続く志摩半島での駆け出し記者時代に、それこそ〝駆け落ち記者〟時代、一緒になってまもない妻を傍らに、よく歌って聞かせたものである。ほかにも🎵コンコンコンコン、君はいま なぜ泣いてるの~などといった純愛青春歌謡も、である。
 懐かしい、とはこういうことを言うのか―としみじみ思う私である。

 舟木さんの話題で埋まった中日新聞の1日付尾張版
 

【能登よ のと ―おかあさん(1、2)】 伊神権太=随時掲載

1.
 能登半島の七尾湾に面した七尾市。それまでこの町の居酒屋の室内一隅でいつものように何ごともないように静かに座っていた一匹の野良ちゃん、黒白まだらの能登猫が突然、猛烈な勢いで気が狂ったかの如く客席を何度も走り回ったあげく、何かを訴えるように海に向かって走り去った。石川県能登半島は七尾の駅近くに居酒屋やすし店などが立ち並ぶ七尾の銀座街。その店での思いもかけない出来事、1件である。
 わたくしは、あの時の猫の緊迫した表情を決して忘れはしない。みんなに可愛がられていたその猫は、そのまま居酒屋からニャンニャンと泣きながら消え去ったのである。1993年(平成5年)2月7日午後10時27分、能登半島沖地震が起きる、まさに寸前の話しだ。わたくしは、走り去る前のあの猫の、やさしさに満ちあふれた穏やかな両の目を、いまだに忘れられない。
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 おかあさん。おかあさん。おかあさぁ~ん――と。私は空に向かって毎日、何度も呼ぶことにしている。「元気でいますか。俺たちは皆、元気だよ」と。
 おかあさんは、時にはおふくろだったり、妻の舞・たつ江だったりする。
「俺たち、みな元気でいるから。心配しないで。どしとん」とも。
 
 きょうは2025年1月13日である。マグニチュード7・6、最大震度7の能登半島地震が昨年の元日午後4時10分に起き、1年が過ぎた。この間、能登の人々の心は、どんなにか傷つき、裂かれ、折れそうになったことか。その悲しみ、悔しさを思う時、かつて新聞記者として家族もろとも能登の七尾に7年間、住んだことがある私自身も何度か心が折れそうになったのである。いや、時には折れたかもしれない。

 ところは、ここ濃尾平野は木曽川河畔に広がる愛知県江南市である。私は、赤信号の信号待ちで車を止め、きょうも青い空に目をやる。2021年秋に病で、ひと足早く逝ってしまった妻の舞(たつ江)、そして昨年秋、そのおかあさんのあとを追うように車に轢かれてしまい、後を追って天に召された、真っ白な姿がとても優雅でかわいかった愛猫、俳句猫だったシロちゃん(俳号「白」。本名はオーロラレインボー。名付け親は、俳号が舞。名前は私がつけた)は、今はこの空の一体全体どこらあたりにいるのだろうか。
 私は、そんなことを思い、いつものように恥ずかしげもなく、「まい。舞。た・つ・江。元気でいるか。シロ、白。おかあさんを頼むよ」と呼びかけるのである。シロが単なる交通事故で死んだのか。それとも自ら通行車両に身を投げて自殺したのか。この点については分からない。とはいえ、轢いてしまった人物には「私が轢き殺してしまいました」とせめて名乗り出て、一言でよいから謝ってほしく思ってはいるのだが…。

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1🎵能登の海山 空に散り/涙を集めた 禄剛崎(ろっこうさき)よ/凍え千切れた この街だけど/きっと咲くだろ 雪割草よ/雪割草は 幸せの花/明日は輝く 朝が来る
2愛する人を 呼ぶ声も/無情な風に 消えるけど/キリコ いしるに 輪島の塗りよ/忘れはしないさ ふるさと能登は/ひとみ閉じれば まぶたに浮かぶ/御陣乗太鼓の みだれ打ち
3昨日も今日も いつの日も/あなたの笑顔が ここにある/海女の磯笛 かもめの唄よ/和倉 朝市 一本杉が/強く生きてと ささやきかける/能登はやさしや どこまでも どこまでも=能登半島地震復興応援歌【能登の明かり(作詞・伊神権太、作曲・牧すすむ、編曲・安本保秋、歌・岡ゆう子】より

 尾張名古屋は愛知県江南市内の自宅居間の一室。けさも食卓の一隅に置かれた私のスマホ・ユーチューブから岡ゆう子さんのあの、一言ひと言をかみしめ、能登半島そのものを励ましてくれるような、そんな哀愁を漂わせた絶唱が聴こえてくる。わたくしには、かつて家族もろとも能登半島の石川県七尾市に住んでいたころのことが懐かしく思い出され、一緒に歌ううち声が涙ごえになってしまう。声にならないまま<能登はやさしや どこまでも……>と流れてくる彼女の声を耳に、なぜか泣き崩れる自身を感じている。歌詞の最後の部分は能登に伝わるこの地ならでは、のことば【能登はやさしや 土までも】から取ったのである。この「土」は、好きな男が出来たら、自身の腹を「槌(つち)でたたきわり堕胎してでも、どこまでも男についてくる、そんなおとろしい「槌」でもあるのである。
 かつて友人の詩人長谷川龍生さん(元大阪文学学校校長)と能登半島を巡った際に土地の人々に教えられた言葉だが、実際、奥能登のある神社には、その【槌】が神前にぶら下げられていたのである。どこまでもやさしい能登の女性の代名詞といってもよく、その分、この土地はおっとろしいほどに人々の心という心は清らかなのである。

 そういえば、地震といえば、だ。もはや、はるかかなた昔の話だが。私が新聞社の七尾支局長でいたころ、平成5年2月7日にも能登半島突端の珠洲市を中心に、あの時は能登半島沖地震と言う名の地震(マグニチュード6.6)が発生。翌早朝、愛車でヒビ割れた雪道を避けながら能登半島突端部の現地に1日がかりで急行。七尾支局長だった私自身が現地取材キャップとして珠洲通信部近くの民間の空き地に現地記者らと緊急のテントを張って取材基地を開設。地元能登半島に点在する半島記者たちはむろんのこと、北陸本社報道部にも記者とカメラマンの応援を随時、要請して求め、そのまま10日間ほど現地キャップとして取材の指揮をとったことがある。
 あの時は地震が起きた当夜、たまたま短歌の取材を兼ね七尾駅近く七尾銀座の居酒屋「知床(しれとこ)で当時、石川県歌人協会の役員でもあった故松谷繁次さん(後に同会長。当時は短歌雑誌「凍原」=現「澪」の前身=主宰)、そして私の妻たつ江の歌人仲間だった山崎国枝子さん(現「澪」代表)らと談笑していた私は突然の大きな揺れに泡を食い、取るものもとりあえず翌早朝、あちらこちらひび割れた道路をものともせず愛車を走らせ、なんとか能登半島突端の珠洲通信部まで急行。近くの空き地にテントを張っての取材基地を設け、現地キャップとして10日間ほど取材の指揮をとったことがある。
 確か珠洲市一円で液状化現象が激しく、市内の至る所が噴出する泥水にまみれて水浸し状態で、歩くに歩けなかった。そんなことを覚えている。いらい能登半島では私が七尾支局を去って以降も忘れたころに大きな地震がしばしば発生するといった、そんな恐怖の繰り返しがこれまで再三、続いてきたのである。かつて私が駆け出し記者として長野県の松本支局にいたころ、当時、延々と続いた松代群発地震をなぜか思い出させる、そんな強烈な地震でもあった。

 それにしても、昨年の元日、能登半島西方沖から佐渡島西方沖にかけて延びる活断層を震源に午後4時10分に発生したマグニチュード7・6、最大震度7に及んだ今回の能登半島地震は輪島の朝市が焼失する一方で能登全域で全壊、半壊家屋が相次ぐなか、孤立集落も続出するなど被害は、とてつもなく大きなもので私が在職当時の地震とは比較にならない。具体的には死者489人(うち災害関連死は261人)、全壊家屋6445棟、半壊家屋2万2823棟、一部破損家屋も10万3768棟=いずれも2024年12月24日時点=と、その被害は限りなく広く深く、多岐に及んでいるのである。
 
 時は流れ。
 2025年が明けた。蛇、へび、ことしは脱皮が繰り返される巳年である。蛇といえば、だ。なぜか、あの【能登の夢】の作詞者で七尾、すなわち能登をひたすら愛し続けた今は亡き俳優森繁久彌さんのことが思い出される。と同時に、あのころ父親の〝森繁さん〟といつも一緒だった、あのどこまでも気のいい息子の泉さん(故人。当時全国少年少女ヨット協会代表)によく冗談で言われたことが忘れられない。彼は私に向かってこう言ったのである。
「私のオヤジである森繁久彌とあなた、すなわち〝ごんさん〟のイッコクなところ、とてもよく似ている。面白いくらいだ。さて? オヤジがマングースなら。ごんさん、あなたはハブかな。いや、もしかしたら、まむしかもしれない。反対かな。図星でしょ。ふたりとも噛みついたら離さないほど執念深いのだから。困った人なのよ。ネッ、ごんさん」と、だ。
 事実、当時、森繁さん親子の愛艇だったクルーザー「メイキッス」号が北回り日本一周の途次に七尾湾に滞在した時などに愛艇の船内で私に向かって冗談めかしてよく言われたものである。

 話は、今から37、8年前。森繁さんが自家用クルーザー【メイキッス号】で息子の泉さんやその土地にゆかりの名優を従え、北回りで日本一周旅行中、和倉温泉で知られる七尾湾に立ち寄った時に遡る。泉さんは誇り高き父親森繁さんと歌舞伎の【いがみの権太】ならぬ私、伊神ごん(当時の私のペンネーム)との丁々発止のやりとりに心底臆することなく「このふたりは、話し出すと少しだけ怖くなり、一体全体どうなってしまうのか」と心配してくれたものだが、そのすこぶる気のいい泉さんはもはや、この世の人ではない。この世には生存しないことも、また事実なのである。

 空には、きょうも雲ひとつない。青空が広がっている。その懐かしき、私たち家族にとっては、ふるさと同然だった能登。能登半島がいま地震と豪雨水害というダブルパンチを浴び、傷だらけになって苦しんでいるのである。どの人もこの人も、だ。気のいいやさしさあふれる能登の人たちに一体全体、何の罪があるのだ。恨みがあろう。何か悪いことでもした、というのか。「ほいでなあ。あのなあ」「ほやわいね」「そやそや」と独特のやさしさあふれる口調、言い回しで皆、けなげに、かつ正直に毎日を生きているというのに、だ。というわけで、わたくしはあらためてユーチューブで、森繁さんの【能登の夢】をしみじみと聞き、続いて、ここ能登の海で古くから地元の人々によって歌われてきた【能登の海鳥】にも耳を傾けるのである。この歌は、岸壁の母で知られる、あの二葉百合子さんも彼女ならでは、の名調子で時折、うたっている。

 そして。2025年の1月10日。木曽川下流沿いに広がる濃尾平野の朝が清々しく明けた。スイトピアタワーも木曽川も、濃尾平野も一面が雪の原である。
 わたくし(伊神権太)は、初雪となった白い雪を踏みしめながら、つくづく思う。
―きょうの能登の朝は、どんなだろうか、と。と同時に、かつて七尾在任時に連日、白い雪が降り注ぎ、支局入り口駐車場部分を長い氷柱(つらら)とともに雪の塊が覆い尽くしていた、そんな日々が懐かしく思い起こされるのである。七尾市中心部を流れる御祓川近く。伝統の和ろうそく屋さんにお菓子屋さん、蕎麦屋さんに印刷屋さん、着物屋さん、靴屋に電気屋、金物店、当時まだ若かった私がこだわって通った美容院。ほかに白い土蔵が目立つ古い家並みが立ち並んでいる。それこそ、この町ならでは、の落ち着いた佇まいと風格がなつかしさを感じさせる【一本杉通り】には能登半島を束ねる新聞社の奥行きの長い七尾支局が通りに面して立ち、人々はその白い雪を踏みしめ、踏みしめ歩いていたのである。裏手には小丸山公園もあり、まだヨチヨチ歩きだった末っ子が若い支局員に手を引かれ、山まで上り下りし、そうした支局員のやさしさに感激したものでもある。あれから何年がたつのか。

 こうした何もかもがやさしさに満ち満ちていた七尾。その独特の風土の中、妻たつ江は積雪続きに当然のように末っ子を背負い、支局入り口・玄関部分に溜まった雪を連日、雪かきでかいていたのである。来る日も来る日も、だ。支局員や来客が訪れる前までには除雪しておかなければ、というのが彼女のひとつの目安でもあった。末っ子がまだふたつか、みっつのころの話だ。

 ところで、きょうは時代も人々も代わり、尾張名古屋は江南市の令和7年1月の朝である。
「おかあさん、おふくろ。おはよう」
わたくしは自宅居間の妻と母の遺影に向かって、こう呼びかける。そして。昨年秋、ここ数年の間に相次いで旅立った妻とおふくろの後を追いかけるように、こんどは車に轢かれて急死し旅立ってしまった愛猫シロ(オーロラレインボー)の遺影に向かっても、こう呼びかけるのである。シロよ。シロ。シロ。シロちゃん、お空の天国である天の川で元気でいるか? おかあさんも元気でいますか-とだ。

 これより先。令和7年の1月9日朝。わたくしは、ここ尾張は木曽川河畔の街、江南市の花霞で、この物語をこうして書き始めている。心の底にいつも潜んでいる無冠の大作家太宰治。私にとっては、あの立原正秋とは筆致こそ違うが、めったにいないライバルである。あの治子さんの大切な父でもある太宰。彼のふるさと青森の五所川原市。そこは、この冬、大変に深い雪のようである。町も、城も、リンゴ畑も。皆がみなだ。白一面に覆われ、埋もれているのだという。
 午後1時過ぎ。私はハンドルを手に昨年秋に自分が作詞し、かけがえなき友である牧すすむさんの作曲、そして輪島市門前の自宅が全壊してなお編曲に尽くしてくださった安本保秋さんらの情熱と協力で誕生した能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】を聞きながら空の碧というアオに向かって思い切って話しかけてみる。
「たつ江。まい(舞)。俺たちは、まだまだこれから。これからなのだよ。おまえと俺の人生は。これから。これからなのだ。俺たちは生きている。これから始まるのだ。バカにしたいやつらがいたなら、それはそれで、そうすればよい。ともかく、俺とおまえ、そしてシロはいつだってみんな一緒。実在と幻の世界に生きる不思議な俺たちだが。どちらも永遠不滅なのだよ。シロちゃんも、だよ」
 私を知らない他人が聞いたら、それこそあきれ果ててしまうに違いない。そんなような会話を胸に、わたくしはまたしても確かに天に向かって繰り返し言うのである。「おまえは、どうして逝ってしまったのだよ。シロもだよ。なぜだ。なぜなのだ」と、である。

 そして。私は、またしても空の扉に口を開いて、こう叫ぶのである。
「能登の笹谷さん(私が七尾在任当時の販売店主の名前。当時、ここには女傑店主として天下に広く知られた笹谷輝子さんがおいでた)の若主人ノリさんと若奥さん、それにこちら(尾張名古屋)に戻ってからずっと文芸仲間として何かと大変お世話になっている【わがふるさとは平野金物店】の内藤洋子さん(エッセイスト)、さらに弟さんでドラゴンズの名手だった人格者の平野謙ちゃん。ほかにおまえが生前、大変お世話になった治子さん。社交ダンスの若先生、こちらの地域社会では歌のおばさんで知られる〝とし子さん〟、さらにはおまえのお兄さんも、だ。みんな。み~んな。皆さん元気でおいでだよ」

 私の言葉はさらに続く。
「でも。とても残念なことに俺たちがかつて世話になった能登は昨年の正月元日に起きた能登半島地震で大変なことになっている。珠洲、輪島、門前、能登、志賀町、穴水、七尾、能登島、羽咋……が、だ。木っ端みじんとなり、大変なことになってしまった。でも、おまえが大変お世話になった笹谷さんも。山崎さんも。仏壇店の南さん、和倉の女将さんたち、ママさんソフトのおばちゃんたちも、だ。みな元気だから。確認したよ。
 それから。和倉温泉といえば、だ。和潮(かつしお)の女将同様、大変お世話になった岡田屋マリちゃん、そして何度もおせわになった七尾の老舗旅館・さたみやさん、和倉の田尻さん、七尾花正の今井さん(ふたりとも元七尾青年会議所理事長)…とみ~んな元気でおいでだ。さたみやさんはあの風格ある建物を解体してしまったそうだが…。なんということなのだ。みんな大変なのだよ」
 私は舞とシロの遺影に向かってさらに叫ぶように話しかけた。涙がとめどなくあふれる。でも、いまさらどうするわけにもいかないのも事実だ。泣き言ばかりを言っていて、これからどうせよ―というのだ。月日は無言のまま過ぎ去っていく。でも、これ以上、地震には襲われたくない。何より、生きていかなければ。みんなで助け合って、元気でたくましく生きてゆくことなのだ。

2.
 2025年2月6日朝。木曜日である。
 尾張名古屋の空は、どこまでも晴れわたっている。粉雪が薄い透明な氷となって路面に白く張り付いている。寒い。私は道路全体が白いシートにおおわれたような薄い雪景色を目の前に、津軽の雪はどんなだろうか、と思いをめぐらす。こな雪。つぶ雪。わた雪。みず雪。かた雪。ざらめ雪。こおり雪。太宰の小説「津軽」に言う7種類の雪なら、どれがあてはまるのだろうか。

「もうダメ。だめよ。だめだったら」という舞の声が、路面で逆上がりでもするように迫ってくる。だめよ。だめっ。だめだったらぁ。もう。イヤっ。だってば~。やめて」と、半分笑顔の舞の顔が目の前に迫った。
「やめて。やめてよ。雪さん、雪さん。もうこれ以上、降るのはやめてよね」と真剣な表情で雪たちに話しかけていたあの頃の彼女の表情が目の前に浮かんだ。もう、ずっと前。はるか昔の話しになるのだが。私たち家族は能登の七尾で7年間を過ごしたのである。

 朝。ここ尾張名古屋でも風たちがヒューヒューっと鳴っている。もっと寒い能登の朝はどんなだろうか。ラジオから「日本列島には今季最大の寒波が訪れています。日本海側を中心に広い範囲で大雪になっています」とアナウンサーの声が流れてくる。妻と愛猫シロに先立たれてしまった私はけさも二階ベランダのガラス窓を開けるや、大空に向かって「シロちゃん。まい(たつ江)。おふくろ。こっちは大寒波なんだってよ」とたつ江が生前、いつも手にしていた小型ラジオを傍らに話しかける。
 空からハラホロと落ちてくる白い雪がひとひらひとひら、まるで生きもののように私の目に、鼻に、口に-と降り注いで舞い込んでくるのである。
「どしたん。元気? あんたは、いつだって弱っちぃんだから。そんなことでどうして生きてゆけんだよ。だめよ。そんなんじゃあ。あたしとシロちゃんの分までまだまだ楽しく過ごしてくれなきゃあ。あたし、安心しておれないじゃないの」
 あの志摩や能登など行く先々で聞かされた甘い、鈴をならすような声が雪片と一緒に顔いっぱいに次から次に、顔に突き刺さって飛び込んでくる。それにつけても、俺はいま、どこでどうしているのだろう。一体全体、何をしているのか。俺は彼女なしでこれから。どうして生きていったらよいのか。愛する妻もシロちゃんも、もはやこの世には居ないのに、だ。私はそんなことを思い描きながらも「それよりも。おまえも、シロちゃんも天国に少しは、なれたか。元気で幸せに過ごすのだよ」と言葉を付け足す。

 早いもので令和も六年が過ぎ去った。きょうは令和7年2月6日である。朝。いつものように二階ベランダに立ち空を仰ぐと、そこでは先ほど来の雪たちが私の顔に向かって我先に、とばかり降り注いでくる。白い雪の花たち。雪の精がひとひらひとひら、ヒラヒラと天から舞い落ちてくる。私は、その雪の花々の中に舞とシロの魂が生きていると思うと、無情なこの世の宿命のごときものを感じ、またしてもささやきかけるのである。
「舞よ、マイ、そしてシロちゃん。おまえたちは一体全体、今は、どこでどうしているのか。おまえたちはこの大気のなかのどこに潜んでいるのか。元気でいるか」とである。

 そして。それとは別に、だ。私は「おはよう。おはよう」ときょうも空に向かって話しかけ、舞とシロに向かって呼びかける。「元気でいるか。元気でいろよ。俺たち、残された家族は幸い、皆げんきでいるから。ナ。心配しないでいいよ」と、だ。
 ところで。わたくしには毎朝、この地上から見る空の色が気になる。カラリと晴れていれば「よかったね。元気でいてよ」とナンダカその分だけ幸せに包まれたような。そんな気持ちになる。「たつ江(伊神舞子の本名)、たつ江。おふくろ。シロちゃん。元気でいるか」と、である。他人が聞けばおそらく誰もが「いつまでも。未練たらしい。見苦しい」と笑ってしまうかもしれない。いやいや、現に人は笑っているに違いない。

 こんなわけで私は毎朝、今は亡き妻の舞(たつ江。伊神舞子)=2021年10月15日子宮がんで病没=と愛猫シロ=2024年10月21日。何者かの車に自宅近くで轢かれ謎の死。俳句猫「白」。本名オーロラレインボー=、そして舞が逝った翌年2021年5月16日に満百二歳の誕生日(6月1日)を直前に天国に召されてしまった母(千代子)に向かっても、だ。私はこう、呼びかける。「まい。おふくろ。元気でいるか」「シロも元気か。俺はなんとか、こうして生きている。こっちの方は残された家族皆がそれぞれ元気でやっているから。安心していい。それより、そっちでちゃんと。幸せにしているか」とだ。それはそうと、能登の七尾で育った子らは皆、立派に育ち社会人として頑張ってくれているのである。おまえは居なくなってしまったが。これほど幸せなことが他にあろうか、とだ。

 戸外では、きょうもチュチュチュッ、チュチュッと小鳥たちが大空を高く低く、楽しそうに旋回している。何かを私に訴え、話しかけるように囀り、空の一隅をスイーッと高く旋回したあと、今度は急降下しながら、どこまでも急接近してくるのである。
 それはそうと。わたくしは昨夜、久しぶりにあの美空ひばりさんの名歌【愛燦燦(あいさんさん)】と【川の流れのように】【悲しい酒】をスマホのユーチューブの音曲に合わせ一人、静かに感情を込め歌ってみた。このうち【愛燦燦】と【川の流れのように】は確か私たち家族が転勤で小牧から能登の七尾に行くか行かないか、あのころに大ヒットした、人々の心に染み入り、かつ迫りくる歌だったかと記憶している。
 その美空ひばりさんだが。彼女については、戦後まもなく七尾市は魚町の繁華街・一本杉通りに「まだおさげの少女のころに、よく歌いにおいでたわいね。大勢の人たちがひばりちゃんをひと目、ときてくれた。よお~覚えとるよ。この町を流れる御祓川も晴れ晴れしており、どなたさんも生き生きしとった。ほやわいね」と土地の古老が自慢話でもするように、だ。よく話しておいでだった。
 そして。今となれば、そんな日々が懐かしく思い出されるのである。
 ところでひばりさんが一本杉を訪れた当時、私の職場である新聞社の支局が魚町にあったかどうかとなると、戦後まもないころの話しで私には分からない(七尾支局は、私が勤務する数代前に開設されたと聞いてはいる。だから少なくとも昭和四十年代以降の開設に違いない。ただ最近では私が支局長として在任中は間違いなく七尾支局の局舎は一本杉通りに面していた。しかし支局局舎は、私の在任時も含め、その後は確か二度移転している)。
 ただ、美空ひばりさんが戦後まもなく。まだ少女のころに七尾の一本杉通りを訪れ、歌を歌い、能登の人々の間で大変な人気だった-という話は当時の地元古老の言なので、間違いないに違いない。おそらく、ひばりちゃんが来演したその日はさぞかしパッと花が咲くような人々で賑わったに違いない、と私はそのように勝手に思うことにしている。

 そんなわけで時は昭和、平成、令和と流れ、現在に至っている。
 ここで話しを元に戻すと。私たち家族は昭和六十一年八月から実に七年という長きにわたりお世話になった能登・七尾から平成六年春には転任で、岐阜県は大垣市の住人となっていた。そして。その日。いや、あの日、その瞬間は突然やってきた。1995年1月17日午前5時46分52秒。阪神淡路大震災が起きたのである。あのとき、七尾支局から大垣支局への引っ越しに伴い、私たち家族には能登・七尾から連れてきた愛猫てまりも確かに一員として私たちと一緒に大垣支局2階の支局長住宅で共に暮らしていたと記憶している。そして。その日はしばらく止まらないほどの激しい揺れに支局建物も揺れに揺れ続けたのである。
 あの日、私はてっきり明治時代に起き、多くの人々の命を奪った、あの根尾谷断層で知られる濃尾大地震(1891年10月28午前6時38分50秒に濃尾平野北部で発生したマグニチュード8・0の巨大地震。死者7273人、負傷者1万7175人)の再来かと思った、あの時の恐怖と記憶は今も忘れられない。そして、その揺れこそが、まさに未曽有の阪神淡路大震災で、その日は大垣でも確かに支局の建物が大きく揺れたのである。
 そして。私は被災地が自分の管轄外とは知りつつ、地震発生の翌日には支局員に車で新幹線の岐阜羽島駅まで送ってもらい、被災地へと向かった。新幹線で大阪までは行ったものの、大地震発生で多くのビルや家屋が倒壊、火災も発生したなか、阪神高速道がペシャンコにひん曲がるなど何もかもが身動きがとれなくなっていた。大都会大阪や神戸、西宮ではそれこそ、ありとあらゆる民家やビル本体が倒壊したり、ひび割れしながらも辛うじて立ち、それでもなんとか開業していたカプセルホテルに泊まり、翌朝からはバスやタクシー、船など僅かに動いている乗り物ならなんでも良いので飛び乗って、とりあえず靴の街で知られる長田町に入り、それからは被災地の至る所を歩いて見て回ったのである。

 足は自ずと被害の目立つ場所をピンポイントで探し求めて歩きまわったが、行く先々は、どこも崩れ落ちた瓦礫の数々と地震火災で焼け落ち、それこそ焦土の町と化していたのである。なんということなのだ。それでも私は瓦礫の山々を目の前に、ただ焼け野原同然と化したその町をなおも歩き続け、どこまでも広がる瓦礫の山々には、唖然とするほかなかったのである。そして。あの日々の状況につき私は自著【町の扉(能登七尾・わくうら印刷)】で次のように書いている。
―平成七年一月十七日早朝。神戸を中心に関西を襲った阪神・淡路大震災では六千四百余人もの人々が犠牲になった。その阪神淡路大震災発生時には、休みをあてて現地に入り、被害の惨状を、この目でしっかりと確かめてもきた。木曽三川分流に力を注いだオランダ人水理工師ヨハネス・デ・レーケの墓が心配になり、神戸を訪れたが、幸い寝棺だったこともあり、難を免れていた。/新聞社の中日社会事業団の呼びかけに、と基金してきた読者は、数知れず、一時はこの受け付けに追われて支局業務ができなくなるほどのパニック状態に陥ったこともある。/支局女子職員の〝なっちゃん〟は、毎日毎日、近くの大垣共立銀行まで足を運び、寄付金を本社の口座に振り込んだり、小銭の勘定に追われたのだった。あるときなぞ、淡路島は俺のふるさとだから不憫でならねえ、といったその筋の人まで寄金に支局を訪れ一見してそれと分かる風采にそれこそ一瞬、判断に迷いながらも義援金にほかならないため丁重に礼を述べて受け取ったこともある。ありがたいことだ、とつくづく思う日々だった。/養老町の町内会のように一度に何百万円と持ち込む例も珍しくなく、支局受けつけ分だけでも実に三千万円を超える善意に、世の中にはこんなにも善意の人々がいるのか、とあらためて感じ入ったりもした。……(オランダ花ものがたり-大垣編から抜粋)
(続く。随時連載)

一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2025年1月~)

2025年1月31日
 朝。能登半島は門前(輪島市)の安本和秋さんからメールが入る。「今朝の新聞に載ってました。ありがとうございます。」というものでメールには31日付北陸中日新聞能登版に掲載された記事の写真が添えられていた。感激したのは私とて同じで、さっそく作曲者の牧すすむさん(愛知県小牧市在住)と岡ゆう子さんの事務所である東京豊島区高田のパインミュージックプロモーションの代表、市瀬和敏さん(岡さんの担当)にも連絡させて頂いた。と同時に、この記事を書いてくれた若き記者、小牧の三宅駿平記者にもお礼のメールを打たせて頂いたのである。
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    ☆     ☆     ☆
 名古屋市の愛知教育大付属名古屋中学校2年、近藤にこるさん(13)=同市守山区=が人工知能(AI)の活用法などを紹介する事業を起業した。起業を学んだ市内のスタートアップ(新興企業)育成拠点「ステーションAI」運営会社のプログラムの参加者の中で最年少だった。―とは中日新聞の夕刊記事。1面トップ見出しには【AI推し 起業家は中学生 大学生らと育成事業で学ぶ 教育に活用目標「リスク恐れず」】とあった。いよいよAI時代に突入か。
 そういう私も、このところは何か事を成そうとする時にはジェミニ君にあれやこれやと聞いている。すぐ反応してくれ、時に経験不足からかピントはずれの回答も多いが、彼(AI)は彼なりの返答をしてくれている。返答には良い時もあれば、悪い時もあるーといったところが正直な感想である。いずれにせよ、最後は私本人の考え(判断)を頼りにせねば、というのが正直な実感である。ということは最後は私自身の知能が頼りということである。

(1月30日)
【「幸せの黄色」にさようなら JR東海】(30日付の中日朝刊見出し)とは、29日午後、鉄道ファンらが見守る中でラストランを迎えたJR東海の東海道・山陽新幹線の検査車両ドクターイエローである。そして。今ひとつは【横綱朝青龍 誕生 「気魄一閃(きはくいっせん)」口上再び 「優勝2桁」目標 「何倍も稽古しなくちゃ」】だ。
 
 きょうは30日。木曜日。朝からめっぽう寒い。 
1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)であった一家4人強盗殺人事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)が29日、刑事補償法に基づき、約47年7カ月に及ぶ身柄拘束の刑事補償金として約2億1700万円を国に求め、静岡地裁に請求。請求書では「拘置された後は死刑の恐怖にさらされ。精神の変調をきたした経緯が認められ、肉体的、精神的苦痛による損害の程度は計り知れない。30歳という働き盛りの時期から身柄拘束され、逸失利益も相当高額なものだ」などとして上限いっぱいの補償を求めている。このほか刑事補償とは別に、裁判費用も「相当額」の交付を求めた-というものである。

 トヨタ自動車が30日に発表した2024年のグループ世界販売実績は前年に3・7%減の1082万1480台。認証不正による生産停止の影響などで2年ぶりの前年割れとなったが、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループの902万7400台を上回り、5年連続で世界首位に。29日、米国の首都ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港近くで小型機が軍用ヘリコプターと衝突、墜落。米メディアによると、小型機には約60人が乗っていたという。

2025年1月29日
 【PFAS(発がん性が指摘される有機フッ素化合物)米基準超 住民8割 岡山 公費で初 血液検査 岩倉市公費予定なし】【京アニ放火殺人死刑確定 青葉被告が控訴取り下げ】【祈る亡き若者の未来思い 日福大スキーバス事故40年】【道路陥没トラック転落 埼玉 深さ6㍍の穴、救助難航】(いずれも29日付の中日新聞朝刊見出し)……。きょうも愛変わらず多くのニュースが朝刊で報道されている。このなかで直接、私が取材記者として現地に取材ヘリで急行。遺族の涙、涙のなかで取材したのが日福大の犀川ダム湖への、あのバス転事故である。あの時は確か地元の体育館に遺体が並べられ、駆け付けた家族の面々との涙、涙、また涙だった。あの悲惨極まる場面は今だに忘れられない。

 そして。岐阜県恵那市で天草と水による細寒天づくりが進められている、とはNHKラジオアナによる正午のニュース。これに続く昼の憩いの音楽、メロディを聴くと、どうしてもあの愛猫シロ、シロちゃんのことを思い出してしまうのである。彼女はいつも正午になると決まって帰宅。食事を前に、私と一緒に共に聴いたのが【昼の憩い】であった。そのシロちゃんは、もはや私たちの前にはいない。悲しくて仕方がない。舞だけでなく、あのシロ、シロちゃんまでが天国の空遠くに逝ってしまっただなんて。悲しい日が、きょうも続いているのである。

 夕刊(中日)は【核リスク、AI兵器、気候変動 終末時計1秒縮み89秒】に始まり、【ロス山火事「気候変動関与」 高温、乾燥、強風起きやすく】【小中高生の自殺最多527人 24年、高止まり続く】【現場近く 新たに陥没 埼玉 運転手は74歳 救助続く】【石川で震度3】と相変わらずの紙面。暗い記事が目立つ。なかでも自殺が増えている、との記事には、それこそ胸がふさがりそうな、そんな気にさせられたのである。

2025年1月28日
 本日付の中日新聞夕刊特報面に【アウシュビッツ解放80年 大量虐殺 行き着かぬために なぜユダヤ人か、健全性とはー 今を考えるヒントに イスラエル国旗身にまとう若者の姿】と【ガザ攻撃正当化のイスラエル 人類共通の悲劇と認識を】の見出し。デ、アウシュビッツ解放80年の総合リード(前文)の方は以下の通りだった。
―80年前の1月27日、ナチス・ドイツにユダヤ人ら110万人以上が虐殺されたアウシュビッツ強制収容所がソ連軍によって解放された。ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の現場となった収容所の跡地は博物館として保存され、世界中から多くの人たちが足を運ぶ。ウクライナや中東で戦禍が絶えぬ中、記者も再訪し、アウシュビッツの教訓を改めて考えた(木原育子、写真も)
 1月16日、日本から西へ8800㌔余り離れたポーランド南部の都市オシフィエンチムに記者はいた。ここにアウシュビッツ強制収容所跡地がある。見上げれば「働けば自由になる」と書かれた当時から残る看板。だが、誰も自由にならなかった。2023年2月、ロシアのウクライナ侵攻から1年の節目に訪れた後、約2年ぶりの再訪だった。前回と様子はずいぶん違っていた。多くのユダヤ人が運び込まれた入り口「死の門」の監視棟は白い布で覆われ、近くに巨大なメディアセンターが設営されていた。解放80年の記念式典が27日に控えていたからだ。………

 木原記者にはかつて1、2度お会いしたことがあるが。今では立派な記者、書き手である。頼もしいとは、こうした文に出会ったからである。立派な記者に育ったものだと思う。

2025年1月27日
 月曜日。きのう東京・両国国技館で行われた大相撲初場所千秋楽は。先場所13勝で優勝次点の大関豊昇龍(25)=本名スガラグチャー・ビャンバスレン、モンゴル出身、立浪部屋=が12勝3敗で並んだ王鵬、金峰山との優勝決定ともえ戦を制して9場所ぶり2度目の優勝を果たした。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、この日番付編成を担う審判部から昇進を諮る臨時理事会開催を要請されて受諾、27日の横綱審議委員会(横審)に昇進を諮問することを明らかにした。横審で出席委員の3分の2以上が賛成すれば、推薦が決まり、29日の春場所(3月9日初日・エディオンアリーナ大阪)番付編成会議と理事会で第74代横綱が正式に誕生する。外国出身の横綱は8人目で、モンゴル出身は照ノ富士以来で6人目となる。豊昇龍の横綱昇進が正式決定すれば、春場所の番付は1993年初場所以来の「横綱空席」を免れることになる。

 この日、27日の朝刊ニュースは、ほかには【長野駅殺傷 46歳男逮捕 現場から3㌔自宅で 殺人未遂疑い、黙秘】【尹大統領を起訴 内乱首謀罪 拘束最長6カ月 韓国現職初】【岐阜知事に江崎氏 与野党相乗り 20年ぶりトップ交代】といったところか。

 午後。作家仲間で富山県在住、常日ごろから何かとお世話になっている山口馨さん(長野県在住)から【砂の本】(鳥影社)と題する小説一冊が送られてきた。収録作品にⅠ砂の本Ⅱ虫の譜Ⅲ無言歌、とあり、山口さんならではーの作品群といえようか。帯は、あの芥川賞作家村田喜代子さんの筆で「われは砂、サラサラとこぼれ落ちる この一粒よ、止まれ。ここに秘められたことばが洩れる………。とあった。

 山口馨さん。おめでとう。そして、ありがとうございます。さっそく読ませていただきます。

1月26日
 日曜日。中日の販売店員松本さんが新聞代を取りに昼前においでた。彼は一時、足腰が悪くて大変だったが、その後、回復。お元気そうで何よりである。彼を見ると、遠い昔、新聞社に入ってまもない練習生のころの金沢の販売店での販売店実習を思い出すのは、なぜか。あの時は雨が続き、大変だった日々を思い出す。それどころか、店主さんがオートバイで販売中、事故に遭い足を骨折されたこと、ほかに店員で販売仲間の〝ゲンさん〟のことなど懐かしいシーンが次々と思い浮かんだのである。もう、50数年も昔の話だ。〝ゲンさん〟は元気でおいでだろうか。それにお店の娘さん、秘蔵っ子で当時、高校生だったチイちゃんは、今ごろどうしておいでか? 新聞代の集金でおいでた江南の松本さんの姿に、なぜか私の青春時代が蘇ったのである。これも歳老いたせいなのか?

 けさのニュースは【オブザーバー参加見送り 核禁条約会議で政府調整 与党議員の派遣検討】【対米配慮優先変わらず 核なき世界実現へ葛藤】【竜・小笠原 大リーグ入り ナショナルズ2年5・5億円】(いずれも中日新聞の朝刊見出し)か。ただ、政府はどうして核禁条約会議にオブザーバー参加できないのか。そこが分からない。日本は、世界でも唯一の被爆国なのに。なぜ。なぜなのだ。なぜなのか。オブザーバー参加をした方が良いのに。なぜなのだ。と。私の疑問は消えない。

(1月25日)
 第217回通常国会が24日召集され、石破茂首相が衆参両院で昨年10月の就任後初となる施政方針演説を行い、看板政策「地方創生2・0」を「令和の日本列島改造」と位置付け、5本柱の政策実現をめざす、と表明した。

 25日昼。ひさしぶりに和田の実家近くの喫茶「山手珈琲」へ。そこでランチを食べ、ここから扶桑のイオンへ買い物に。ここで夕食を買い、帰りに私の両親によって残された私たち家族の土地であり、畑でもある【エデンの東】に寄って帰宅する。
 この【エデンの東】。舞(たつ江)が元気でいたころには、ふたりでよく早朝に出がけ、一緒に草を刈って、ナスやタマネギ、葱、サツマイモ、時にはスイカなども育てるなど農作業を共にした、大切で忘れられない土地でもある。私が、かつて現役の記者時代に和倉温泉がジャズフェスティバルを誘致するに当たって七尾商工会議所メンバーが米国西海岸を訪問、米国西海岸のフィッシャーマンズワーフなどを見て歩いた際に同行取材。当時、世界のジャズ王と言われたジミー・ライアン氏に西海岸のモントレーで単独会見したことがあるが、その際に足を延ばした米国の大地・エデンの東のロケ地に何となく似ていた。こうした過去の事情もあってか、勝手に名付けた私と舞(たつ江)の大切な土地、それこそが【エデンの東】なのである。

(1月24日)
 金曜日。トランプ米大統領が23日、1963年のケネディ大統領暗殺に関する文書の機密指定を解除し、国民に公開する大統領令に署名。ケネディ氏の弟のロバート・ケネディ元司法長官や、公民権運動指導者キング牧師の暗殺に関する文書も対象で、大統領執務室で署名、「多くの人が長年待ってきた。全てを公開する」と記者団に述べたという。

 午後。社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化会館)へ。桑名の水谷さんは、奥さんとドバイへ旅行中なので、水谷さんの相棒であるエサちゃん(江崎さん)は、どこかチョット寂しそう。一方で、正月早々からの頭と腕のケガで休んでおいでた悦ちゃんが無事、復帰。その分、活気が出て来た。そんな気がするのである。ことしも、みんな元気で仲良くステップを踏めれば、それに越したことはないーと私は勝手に思っているのである。
 この社交ダンスのおかげで私の体力は健全に維持されている。そんな気がする。何よりも【社交ダンスの続行】は私の健康を何より思ってくれた亡き舞(伊神舞子)から私への生前の遺言なのである。というわけで、私の場合は、若先生が健在な限りは、この先も続けたく思っている。

(1月23日)
 木曜日。昨夜、きのう22日午後8時過ぎに発生した長野市のJR長野駅善光寺口での男女3人刺殺通り魔事件(うち男性1人が死亡)で長野県警は23日、現場から逃走したとみられる20~40代の男の画像を公開。週刊誌や新聞、ラジオ、テレビなど各メディアで連日、女性との性的トラブルが報じられていたタレントの中居正広さん(52)が23日付で引退する――とファンクラブ向けのサイトで発表。

 いろんなニュースが連日、沸騰しているが、こうしたなかでやはり【ドジャース佐々木背番号11 入団会見 「身が引き締まる」】(23日付中日夕刊)の報道には目が行ってしまう。と同時に東日本大震災の被災地から生まれ出た最速165㌔を誇るプロ野球ロッテの佐々木朗希投手(23)の今後には心からのエールを送りたい。がんばって。朗希。この気持ちは被災地の人々の誰とて同じに違いない。

 【福島で地震相次ぐ 未明に震度5弱 、朝には4 桧枝岐(ひのえまた)村】の記事が気になる。

(1月22日)
 水曜日。金山のペインクリニックへ。かつて私が70歳になったかならないころに今は亡き妻の舞子(たつ江)が当時、不調だった私の体調に気付き、私に付き添って初めて連れて行ってくれたペインクリニック、それが金山ペインクリニックである。
 当時は眉の上の眉間に時折、強烈な痛みを伴った亀裂・光りの如きものが走り、初めて訪れたが、いらい血圧の薬が切れる頃に訪れ、診療をして頂いている、私にとっては、とてもお世話になっている頼りがいのあるクリニックなのである。というわけで、1~2カ月に一度は定期診療に訪れ、春と秋には血液検査もして頂いており、いまでは私にとっては欠かせぬ、お医者さんなのである。
 医師の川瀬先生もやさしさに満ち溢れ、本当に頼りがいのあるお方だ。舞が元気なころはいつも彼女が私に同伴し、私の体調保持を計ってくれていたのである。そうした経緯があるだけに、私は薬(高血圧など)が切れるころを見計らって今ではひとりで、このクリニックを訪れている。おかげで、このように健康でいられる。別れ際の川瀬医師の言葉は「休肝日を週に2日。それから運動をするようにしてください」だったが、これらは出来る限り、守らなければ-と思っている。

 きょうの中日新聞は朝刊が大統領のトランプさん一色。そして夕刊は米国野球殿堂入りが決まったイチローさんのことが大きく報じられていた。具体的には朝刊が【米国第一第2幕 トランプ大統領就任 「黄金時代が始まる」 大統領令連発「独裁」予告通り 移民送還、パリ協定・WHO脱退】【劇場復活 歓喜と寒気 トランプ大統領就任 米国にもっと尊敬を 移民強制送還に恐怖】、同夕刊が【イチローさん 米殿堂 候補1年目で偉業 3089安打、走攻守で活躍 アジア人で初 満票1票足りず 「全く想像できなかった」】といった具合である。

(1月21日)
 小牧市の元市議会議長川島公子さん、滝高同窓生の伊藤優くんとかねてからの約束どおり、小牧市内の日本料理店「仲良し」で久しぶりに談笑を兼ね、食事をした。この日は先の総選挙に国民民主党から出馬、初当選した福田さんも同席され楽しい会となった。何もかも川島さんのおかげで、料理もおいしく、とても楽しく意義深い会となったのである。これひとえに川島さん、伊藤君のおかげで心から感謝したのである。

 川島さんは、現在満82歳。それでも、私が小牧在任時と変わらない若さと美しさで「ガミちゃん。あたし、次は市長をめざしてみたい。どう思う」の言葉には、頼もしささえ感じたのである。と同時に彼女が市長になれば「市民一人ひとりが、きっと幸せになるだろうな」と思った次第だ。
 こんごの彼女の活躍ぶりを注視したく思う。

(1月20日)
 月曜日。「大寒」である。でも、そのわりには、少し暖かい。
いずれにせよ、春の足音が近づいてきていることだけは確かだ。きょうは、中日新聞の江南通信部に行き、近藤晶記者にお会いしてきた。先日、晶さんのご両親にお会いした際、ごちそうになってしまったのでそのお礼を言わなければ-と大口屋さんの銘菓「武功夜話」を手に、伺ったのである。
晶さんは私が小牧通信局長のころ、当時、小学生だったが。社のカメラマンだった父親(正さん)に手を引かれ、通信局においでになったが、私はあの時のことを鮮烈に覚えている。それだけに、なぜかとても懐かしく感じたのである。世の中には、こんな不思議な再会もあるのだな、と思った次第。どちらに似たのだろうか。笑顔が、とてもチャーミングで、やはり、あの優しくて美人のおかあさんに似ているなっ、と思った次第だ。彼の原稿は連日、中日の紙面で拝読しているだけに、より身近に感じたのは当然のことである。

 夕刊(中日)は、<やっと>とでも言えようか。【ハマス人質3人解放 イスラエルも90人 ガザ停戦 履行焦点 群衆歓喜「最後の1人まで】がトップ。次いで【トランプ氏、首都凱旋 大統領就任控え「米を再び偉大に」】【TiKToK禁止回避 トランプ氏、大統領令へ サービス再開】といったところか。日経夕刊は【トランプ氏、就任前に演説 「米、4年間の衰退に幕」化石燃料の開発拡大】といった内容である。

2025年1月19日
 日曜日である。きょうも寒い。
 いつものように朝起きると、亡き舞(たつ江)と約束している【エーデルワイス】【みかんの花咲く丘】をユーチューブで聞き、引き続き昨年10月21日に車に轢かれて死んでしまった愛猫シロちゃんと毎朝、一緒に耳を傾けた能登半島復興応援歌【能登の明かり】にも耳を傾ける。どの曲も私たち家族にとって思い出深い歌だけに、共に口ずさむうち、舞のこと、母のこと、そしてシロちゃんのことを思い出し、涙がとめどなく落ちてくるのである。

 そして。昨日、ピースボートの友から送られてきた本州と四国をまたぐ明石海峡大橋の名画。かつて舞が1行詩の盛んな神戸を何度も訪れ、1行詩仲間にお会いしに-と共に神戸を訪れた際に足を延ばし一緒に見たあの明石海峡大橋の前に立ち「すごいね」「すごいよ」と語りあった、あの日のことが不意に思い出されもしたのである。
 そんなわけで、私と舞がふたりで神戸を訪れた日は、舞が脳腫瘍の大手術を克服、少し元気が出てきたころで「あたし、どうしても明石海峡大橋が見たくって。1行詩仲間にもお会いしたいし」との要望に「じゃあ、一緒にいこうか」と神戸をふたりで訪れ、その足であの日、私たちふたりにとってはあこがれでもあった明石海峡大橋の下に立ったのである。
 その忘れられない堂々たる景色を今、目の前で見れるだなんて。私は心から、その友に「ありがとう」とつぶやいていた-のである。

 けさの新聞は【ガザの停戦合意 イスラエル承認 きょう発効、人質解放へ】【地盤沈下「リニア工事起因」 JR東海、補償対応へ 瑞浪で説明会】【新指導要領で初 共通テスト開始 大幅再編、きょう「情報」】【トランプ氏の長男ジュニア氏 グリーンランドで「接待」 現金配布の疑いも】【尹氏令状審査に出頭 ソウル西部地裁 逮捕の可否判断】(19日付、中日)といったところか。

(1月18日)
 けさの新聞は、やはり6434人が亡くなった1995年1月17日午前5時46分に起きた30年前の阪神淡路大震災に関するものが目立った。

【追憶 今だからこそ 防災・減災「スタートラインに」阪神大震災30年 兄を亡くした29歳教諭 経験なくても伝えていける】【震災30年の神戸 七尾の高校生訪問 復興の希望 能登へ 「語り継ぐ 自分たちが」】(中日)【30年 寄り添い前へ 謹慎大震災】(毎日)の見出しが胸に迫り、活字が涙を誘うのである。でも、起きてしまったことは、今さらどうしようもない。それより、何よりも万が一への備えをしっかりしておかねばと新聞を読みながら思った次第である。

 正午のNHKラジオのニュースのあと。「こんにちは 昼の憩いです」のアナウンサーの語りは、やはり、なんだか心身とも洗われるようで気持ち良きものである。思えば、いまは悲しくも、もはや、この世にはいない、わが家の愛猫シロちゃんが大好きなコーナーであった。デ、今なお、シロと一緒に聴いているような、そんな気がしてならないのである。

 入試シーズンの幕開けとなる大学入試共通テストがこの日、全国651会場で2日間の日程で始まった。出願者は昨年より3257人多い49万5171人で7年ぶりに増えたという。プロ野球ロッテの佐々木朗希投手(23)が17日(日本時間18日)、米大リーグで大谷翔平(30)が所属するドジャースへの入団を自身のインスタグラムで発表。「とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて後で振り返ったときに、正しい決断だったと思えるよう頑張ります」とつづった。
 佐々木朗希投手は、ずっと前から私も大好きな投手だけにぜひとも頑張ってほしく願う。

 夕刊は【TiKToK規正法「合憲」 トランプ氏の判断焦点 丁iKToK「アプリ停止」示唆】【ガザ停戦合意承認 イスラエル閣議、あす発効】【マスク氏「X」欧州が警戒 極右応援で政治介入】【大学共通テスト始まる 歴史総合や公共 初出題】(いずれも18日付日経夕刊土曜版)

(1月17日)
 金曜日。世のなかは、川の流れの如く、きょうもモノいわず、いずこかへ、と勝手に動いていく。そのなかで私たちは誰もが行く道を求め、歩いていくのである。「希望」という名の道を求めて、だ。終わりのない道を、である。そして。ボク自身も、また汽車に乗る。見知らぬ街で、見知らぬ誰かとすれ違いながら。「返事のない旅」をだ。悲しいだけが私の道、隣の道にあなたがいれば、と願ってだ。
 わたしの旅はきょうも。今また始まるのである。

 ニュースの方と言えば、だ。【阪神大震災きょう30年 がんばろうKOBE イチローさん「今も特別な場所」「子どもに伝えたい」】【イチロー・岩瀬さんら 野球殿堂入り】【照ノ富士引退へ】の見出しが光る、そして。国際情勢では【ガザ停戦合意 19日から6週間 イスラエルとハマス人質解放へ】(いずれも17日付の中日1面見出し)の見出しが光る。

(1月16日)
 木曜日。朝からタクシーで一宮自動車学校構内の一宮交通安全講習所へ。この日、愛知県警本部の運転免許課から昨年夏、私が江南市内で起こした人身事故(自転車との出合い頭衝突で自転車の女性が足に重症)に関連しての出頭通知=運転免許の停止処分30日=があったためで、この日はしっかりと講習(実技含む)を無事、受けて夕方、タクシーで帰った。

 帰宅して見る夕刊(中日)は【ガザ停戦合意 6週間、人質解放へ イスラエルとハマス】【犠牲者忘れない/夢の気分/恒久停戦を 住民思い交錯】【<阪神大震災30年> 亡き兄の志継ぎ同業に 兵庫・姫路の学校職員 被災体験語り継ぐ】【営業時間内も窃盗か 三菱UFJ行員 電源切り金庫入室】【自分除く3人へ 報酬配分を提案 東京女子医大元理事長】(いずれも中日)といった内容である。
 なんだか、このところ女性の犯罪が目立つ。なぜなのか。わからない。

(1月15日)
 韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が15日、逮捕状執行に際して国民向けの談話を発表。「不幸な流血事態を防ぐため不法捜査ではあるが高位公職者犯罪捜査処(公捜処)への出頭に応じることにした」と述べた。ユン大統領は同日午前、公捜処が入る政府果川庁舎に向かう前に国民向けの談話を発表。同大統領は「今朝、公捜処の捜査チームが警護の保安区域を消防装備を用いて侵入する様子を目の当たりにした」と述べ、この決断の理由を説明した、という。―これは午前中、私のネットに入った速報である。

 というわけで、中日新聞の夕刊1面トップは【韓国大統領を拘束 現職初内乱首謀疑い 捜査本部 逮捕・起訴焦点】【尹氏「流血事態防ぐため」】との活字が躍った。ほかには【米証取委マスク氏を提訴 ツイッター株不開示疑い】【関税徴収の組織創設へ トランプ氏20日設置表明】【遺族ら慰霊 安全安心願う 軽井沢スキーバス事故 9年】というものだった。
 世の中は、時代は。いつもこのように知らん顔をして流れていくのである。人間たちが叫ぼうが、あげこうがだ。自然界は、そんなことは知った事ではない-とでも言いたげである。

(1月14日)
 社の大先輩で満91歳。永遠の美少年、すなわちカメラマン近藤正さん夫妻に小牧市内でそれこそ、何十年ぶり、かにお会いした。話せば話すほどに近藤さん夫妻ならでは、いろんな秘話を伺うことが出来、嬉しく思ったのである。「幸せ」という言葉が、この世にひとつだけあったとしたなら、だ。この日の近藤大先輩こそが、そのお手本だといっていい、そんな永遠の美少年と美少女であるような気がしたのも事実である。

 4日付のけさの朝刊(中日)は【宮崎震度5弱 津波観測 南海トラフ「基準達せず」 気象庁2度目臨時情報】というものだった。

(1月13日)
 能登半島地震を頭に、このところ密かに書き続けてきた私ならでは、の私小説【能登よ のと ―おかあさん】の初回を私が主宰するウエブ文学同人誌「熱砂」紙上で公開。今後は何はさておき、能登復興への願いをこめ、随時掲載をと思っている。体験を交えながらの私ならでは、私でしか書けない作品になればと思っている、何より、能登半島地震の復興への足掛かりになれば、と思い、出来れば、この世を生き抜くおかあさん方の姿、実像にも迫りたい、と思っている。

(1月12日)
 日曜日。能登半島地震の影響で延期されていた石川県の輪島市、珠洲市、穴水町の「成人式」が11日、2023年度に20歳を迎えた人を対象に各市町で開かれた。1年遅れとなった晴れ舞台で出席者たちは互いに門出を祝い、復興への決意を新たにした。

 小倉百人一首競技かるたの日本一を決める第71期名人位と第69期クイーン位の決定戦が11日、大津市の近江神宮で開かれ、クイーン戦は高校生では17年ぶりとなる東京都の矢島聖欄(せいら)さんが制し、名人戦でも福岡県の大学院生自見壮二朗さん(23)が3連勝で初のタイトルを獲得。同時に入れ替わるのは40年ぶり。
 愛知県が11日、常滑市の採卵用の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生した、と発表。常滑市内ではことしに入って感染が相次ぎ、感染は6例目。殺処分の対象は今回の1万7千羽を含め、同県として過去最多の計約59万羽に上るという。

 夜。NHK総合テレビでNHKスペシャル【椀をつなぐ 輪島塗職人たちの歳月/家全壊・車庫を工房に 心支える〝妻の言葉〟 金・銀輝く600年の技】を見る。妻を失ってなお、苦難にめげずに打ち込むひたむきさ。その一途な姿には思わず、がんばってください-とエールを送る私がいたのである。

(1月11日)
 土曜日。きょうはナンダカンダと1日、執筆に要した。
 夕刊によれば、プロ野球中日の新人合同自主トレーニングがこの日、名古屋市中川区のナゴヤ球場で始まった。ドラフト1位の金丸夢斗投手(関大)、2位の吉田聖弥投手(西濃運輸)ら8人が晴天の下、プロとしての一歩を踏み出した。

 青森県をはじめ、東北、岐阜…と、ことしは全国的に雪が深い。というわけで、中日朝刊1面には【雪背より高く】の写真入り見出しも。P説(キャプション)には「180㌢以上の積雪があった岐阜県白川村の合掌造り集落付近では10日早朝、児童が背丈を超える雪の壁近くを歩いて登校した」とあった。というわけで、この日は雪、雪、雪の記事がめだち、ほかに【日本海側で大雪 交通混乱 高速や新幹線 物流も配送に遅れ】【名古屋で一時積雪 今季最低の気温=名古屋市で氷点下1・4度、豊田市で同4度、岐阜県下呂市で同7・2度、岐阜市で同1・6度、津市で同0・3度など=】
 ほかには、天台宗(総本山・比叡山延暦寺)が10日、同宗トップを務める大樹孝啓天台座主(100)が高齢などを理由に退任する、と発表。2月1日付。生前に退任するのは2007年以来。後任の第259世座主は金乗院(佐賀県吉野ケ里町)住職の藤光賢探題(93)が就任するという。ほかには法政大多摩キャンパスで起きた【ハンマーで襲撃8人けが 法政大授業中「無視され鬱憤」容疑の女逮捕】か。

 米カリフォルニア州ロサンゼルスや周辺で7日以降、続く山火事はその後、死者が10人に。被害が大きい地域で鎮圧の兆しは見えず、犠牲者がさらに増える可能性があるという。バイデン大統領は「州の歴史で最悪の山火事だ」と述べ、AP通信によれば、これまでに住宅など1万棟以上が損壊し18万人以上が避難命令の対象になったという。

(1月10日)
 朝起きたら、外は一面の雪景色だった。この冬一番の雪の朝である。
 午後。ことし初の社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文へ。レッスンを早めに終え、レッスン教師の若さん、それに上級のヨシコさんとで真清田神社へ。ことし1年の無事平穏を願ってお祈りをした。気が利くよしこさんの勧めで遅ればせながら新年のお参りとなったが、久しぶりの年賀には、どこか気が引き締まるようなものを感じた。「ことし1年、家族のみんなが幸せに楽しく、豊かな生活が出来ますように」と手を合わせたのである。

 夕刊は【ロス山火事「過去最悪」 米大統領 エンタメ産業打撃 保険金請求100億㌦規模も】【韓国警護庁が出頭 現地報道「衝突・流血の事態」回避】(日経)【ロス山火事損壊9000棟超 バイデン氏「州の歴史で最悪」】【日本海側中心に大雪 山形新幹線一時見合わせ 東海今季一番の冷え込み】【名神高速など 各地通行止め】【「福男選び」能登から助っ人 西宮神社「復興への希望感じた」】(中日)といったところか。 
 やはり、所詮人間たるもの。どんなにあがこうと、だ。自然に勝つことは到底出来ないのである。

 (1月9日)
 夕刊1面に【高石さん名田庄とずっと 13年暮らした地 今月追悼ライブ 「ザ・ナタ―シャー・セブン」由来 福井】【岐阜知事選2新人届け出 人口減や産業振興、争点】【トランプ新政権でインフレ進む恐れ 米FRBが議事録公表】【実質賃金減 4カ月連続 24年11月】(中日)といった活字が躍っている。
 フォーク歌手高石さんといえば、だ。昨年夏82歳で亡くなられたが、わたくしが新聞社の大垣支局長在任中に〝揖斐川マラソン〟で随分とお世話になり、食事も何度かご一緒にしたことがある。それだけに、あの底抜けに明るかった笑顔が蘇ってくるのである。
 
 大阪在住の掛け替えなき友から「ユーチューブで異世界B級グルメというチャンネルの 西成6泊7日漂流記 大阪のドヤ街で毎晩怒声を浴びながら過ごした 格安の宿、激安のご飯、お金で買えない人情がこの街にある というのを見てます。なんだか西成へ行きたくなります。」のメール。
 さっそく私も見てみる。西成は以前、新聞記者として大津にいたころから思い出すたびに、ふらりふらりと何度も訪れたことがある。それだけに、またまたふらりと訪れたくなった。情緒ある街である。あの全共闘の美人闘士で歌人の重信房子さんも時折、ふらふらふらりと訪れ今も居酒屋で飲んでいる。そんな話もある魅惑的な街だけに、また訪れてみたく思う。

2025年1月8日
 水曜日。きょうは、わたくしが大好きなエルビス・プレスリーの誕生日である。彼は1935年1月8日に米国ミシシッピー州のイースト・テュペロで生まれた。というわけで私は朝さっそく「Cant Help Falling In Love(好きにならずにいられない)」をユーチューブで聞いたのである。
 むろん、いつものように亡き妻、たつ江(伊神舞子)が生前「わたしが居なくなっても、【エーデルワイス】と【みかんの花咲く丘】だけは毎日、歌ってよ」と遺言同然に言い残した2曲、そして友人で作曲家の牧すすむさん(琴伝流大正琴弦洲会会主・大師範)と作った能登半島地震の復興応援歌「能登の明かり」(歌は岡ゆう子さん。安本保秋さん編曲)に続いて、この日は、プレスリーのこの歌【好きにならずにいられない】も聴いたのである。

     ※     ※     ※

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 それはそれとして、だ。きょうも多くのニュースが紙面をにぎわせている。良いニュースがあれば悪いニュースも、だ。

 夕刊は、【ノーベル賞 被団協面会 首相「長年の努力に感謝」】【AI、EV先端技術に注目 米家電IT見本市開幕(ラスベガス)】【大阪・御堂筋をホコ天に 37年実現目指す 「人集う空間 都市の魅力向上」】(中日)【グリーンランド購入へ圧力 デンマークに トランプ氏、高関税示唆】(日経)など……いろいろ報じられ、あれこれと動きつつある。

(1月7日)
 七草粥の日。妹の誕生日である。
 とはいっても、わが妻たつ江(伊神舞子)は、もはやこの世にいない。というわけで、この日がくると決まってこしらえてくれていた七草粥の存在はもはや、わたくしたち家族には遠い存在となり、ないにも等しいのである(たつ江が生きていたら「自分で買うの。かうのよ。だれかがやってくれるだなんて。思ってたらダメよ。じぶんで作るのよ」と言うに違いない)。
 けさの新聞見出しは【日鉄米大統領を提訴 買収禁止無効求める USスチールと 首相は説明要求】【「SHOGUN」4冠 真田さん主演男優賞 米ゴールデン・グローブ賞】【松山11勝目 ツアー最少スコア 驚異的 35アンダー 新パター最終日も威力】(いずれも中日朝刊)というものである。ほかに目立ったのは、能登半島地震の被災地を舞台にした真山仁さん(62)の連載小説「ここにいるよ」(挿絵は遠藤拓人さん(45))が始まったことか。期待したい。

 夕刊は、日経が1面トップ見出しで【日鉄「買収諦める理由ない」 会長会見 政治介入と批判 米労組「買収阻止は国益」 クリフスは「訴訟の準備」】【トランプ氏 「USスチールなぜ今売る? 否定的見解を投稿】【日鉄「違法な政治介入」米大統領提訴 会長、徹底抗戦を表明】…と日鉄買収問題一色の内容だ。
 ほかには【カナダ首相辞意表明 在位9年 総選挙控え支持低迷】【トランプ氏勝利 議会が公式認定 米大統領選 ハリス氏が宣言】【宝くじ当てるなら広島? 高額当選続々 関東から来訪も】【久しぶり!思わずハグ 愛知の公立小中で始業式】【中国チベットでM6.8 9人死亡】(いずれも中日)といった内容である。世の中、やはり動いているのである。いや、動いてゆくのである。

 きのう、きょうと能登半島和倉温泉在住の元七尾青年会議所理事長田尻さんから思いがけず何度も再三の電話が入る。スマホの向こうからは「いがみサン。どしとん。ほやわいね」と、あの懐かしいトーンの能登半島の汚れなき声、能登弁が聞こえてきた。苦難に沈むふるさと・能登で「何かをしなければ」といった能登魂がいよいよ、膨らみ復興に向け動き始めてきた。そんな気がするのである。わたくしも応援に協力したい気持ちでいる。

 中日の年賀式が6日、名古屋市内の球団事務所で行われ、球団の吉川克也社長がナゴヤ球場の移転による2軍の新球場建設事業に着手している旨を明かしたという。新施設開場のタイミングは、中日スタヂアムの名称で始まった球団初の本拠地球場の歴史に幕を下ろす時となる、という。

 1948年からの歴史に幕 ナゴヤ球場移転構想を報じた中日スポーツ
 

「SHOGUN 将軍」のゴールデン・グローブ賞は中日スポーツでも大きく報じられた
 

(1月6日)
 月曜日。朝だ。いつもの生活がまた静かに始まり、わが息子は定刻どおり出勤していった。「ことしも健康で幸せな何よりも楽しく充実した毎日を」と父として祈る気持ちで無言で送り出す。いつまでたっても父と子である。いつもなら、愛猫シロちゃんと一緒に送り出すところなのだが。シロは昨秋、わたくしに何の断わりもないまま旅立ってしまったので役者不足ではあるが。私ひとりで送り出す。

 お昼は、あのハッスル姉さんのいる喫茶【日向ぼっこ】へ。いつものようにランチを食べ紅茶をのんで、近くの平和堂へ。ここで私と息子の夕食を確保し帰宅したが、この間ずっと冷たい雨、あめ、アメの連続にはハンドルを握る手も湿りがちだった。運転しながらいつも思うことは、わが最愛の妻だった舞(伊神たつ江、俳人で歌人だった伊神舞子)といつも私を助けてくれた、これまた今は亡き大いなる俳句猫「白」ことシロちゃん、すなわちオーロラレインボーである。こんなわけで、きょうは1日中雨降りで、全身が寒さと悲しさで凍りついてしまいそうな、そんな日であった。

 けさの話題は何と言っても東京江東区・豊洲市場での初競りだろう。中日新聞朝刊によれば、だ。【大間マグロ2億700万円 豊洲、初競り】との一段見出しがひときわ、光った。記事にはこうあった。
ーー東京都江東区の豊洲市場で5日、今年最初の取引となる「初競り」が開かれ、276㌔の青森県大間産クロマグロがこの日の最高値の2億700万円で競り落とされた。都によると、記録が残る1999年以降で2番目の高値だという。仲卸の「やま幸(ゆき)」と「鮨(すし) 銀座おのでら」などを運営する会社が共同で落札した。

 ほかには本日の中日夕刊の【大波小波 昭和百年の作家たち(佐助)】がすこぶる良い。その最終部分をここに記しておこう。
―昭和百年である。存命する元日本軍兵士もわずかとなってしまった。縁日から傷痍軍人が姿を消して久しい。その一方で全世界いたるところで戦争が勃発し、解決の手だてが見つからずにいる。日本は今や「戦前」を迎えようとしているという声もある。三島と丸谷の双方を見据えることで、日本人は何を学ぶか。(佐助)

 そして。【9連休終え仕事始め 企業、官公庁 万博、世界陸上イヤー】【「あいち銀」発足祝う】【大発会東証は続落 一時500円超安 米株安が波及】(中日夕刊見出し)【ゴールデン・グローブ賞 真田さん・浅野さん受賞SHOGUN】(日経夕刊見出し)といったところか。

(1月5日)
 小寒(しょうかん)。きょうは寒さが増してくるころで「寒の入り」。これから節分までが「寒」。寒中見舞いを出し始める時(二十四節気)だという。

 暦とは正直で、きょうは本当に寒くて各地とも今シーズン一番の寒さとなった。 
 朝。居間のガラス戸を開けると、縁側に亡き愛猫シロちゃんといつも一緒だった2代目こすも・ここ(愛称はタンゴ)ちゃんが、静かな表情でこちらにやさしいまなざし、静かな視線を向けてきた。「おはよう」というと、タンゴはさらに目を大きくし「オトン。おかあさんもシロも死んじゃって。大変だけれど、負けないでね。アタイがいるから元気を出すのだよ」といった表情でまるで、私を慰めるかの如く憂いに満ちた、かわいい静かな視線を投げかけて来た。あぁ~、タンゴにはオトンの悲しみに満ちた目がわかるのだ、となぜだか感動した次第である。

 シロお姉さんはいなくなってしまったけれど。オトン、シロの分まで楽しく幸せに生きていこうねーとやさしい目を注いできた2代目こすも・ここ(愛称はタンゴ)ちゃん
 

 シロたち先代のお墓にも食事が供えられた
  
     ※     ※     ※               
     
     ☆     ☆     ☆
 朝刊によれば、世界最高齢だった兵庫県芦屋市の糸岡富子(いとおか・とみこ)さんが昨年12月29日午後9時3分、老衰のため入居していた特別養護老人ホームで死去していたことがわかった。大阪市出身。116歳だった。葬儀は4日に行われたという。糸岡さんは1908年(明治41年)5月23日生まれ。2023年12月に当時116歳たった大阪府柏原市の女性の死去に伴い国内最高齢に。24年8月、世界最高齢者としてギネス記録に登録されていたスペイン在住の女性が117歳で死去し、糸岡さんが新たな最高齢者としてギネス記録に認定されていた。糸岡さんは乳酸飲料カルピスが好きで、100歳を過ぎてからも趣味のウォーキングをしていたという。

 そして。ほかのニュースといえば、だ。やはり能登半島地震のその後で【一般住民、中心部や高台へ 能登6集落集団移転検討 「海好きだが、津波考えると…」】の記事が気になる。

 というわけで、ことしのお正月もアッという速さで過ぎ去り、きょうは早くも5日だ。午後4時から東海テレビで江南市制70周年記念ドラマ【ようこそ 家族のかたち】を見る。
 
(1月4日)
 早いもので新しい年も早や、4日である。
 朝刊(中日新聞)は、やはり【青学大大会新で2連覇 箱根駅伝 「最高」選手層圧巻の独走】をはじめ、【尹大統領拘束できず 韓国高捜庁着手 警護庁が抵抗 刑訴法を盾に膠着状態】【能登半島1年・阪神30年 震災世論調査 倒壊への備え進まず 自宅耐震化48%】【米、日鉄買収禁止を命令 USスチール巡り 大統領正式発表】という内容だった。

 なかでも通風筒は、能登の伝統行事である「アマメハギ」を伝えるもので次のようなものだった。
 
 
(1月3日)
 朝から、とても寒い。正月も早や、3日だ。息子夫妻らと食事後、江南市内の臨済宗永正寺の永代供養墓へ。ここで手にしたスマホで私と友人の牧すすむさんとで先に作った能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり(作詞伊神権太、作曲牧すすむ、編曲安本保秋、歌は岡ゆう子)】を流し、みんなで今は亡き舞(静汐院美舞立詠大姉、伊神舞子)の墓前に手を合わせたのである。長男夫妻は、その後、新幹線で名古屋から川崎へと帰っていった。久しぶりに顔を見る家族には互いにホッとしたのである。

 新聞は相変わらず【能登地震追悼式 1年鎮魂と誓い】(毎日)【復興の道「地域と共に」 能登半島地震1年追悼式】【ただいま一緒に、前へ 珠洲妻子4人と親族犠牲 元日被災宅を初訪問】(中日)など。やはり能登半島地震に関するものが多いが、中には【米車突入テロ15人死亡 ニューオリンズ 現場にIS旗 トランプホテル前テスラ車炎上 ラスベガス】(毎日)といった物騒なものも。まったくもって、この世の中、新春早々から何が起こるか知れたものでない。

 私が脱原発社会をめざす文学者の会ホームページで月に一度、執筆している文士刮目の連載第44回目の【令和AI(人工知能)に聞く「新しい年 世界はどうなる」】がきょう公開された。1人でも多くの人びとに読んで頂けたら、と思っている。アドレスは次のとおりである。
 https://dgp-bungaku.com

(1月2日)
 シロちゃんといつも一緒だった半のら2代目こすも・ここが午前10時ごろ、ことし初めて顔を出し前もって置いておいた食事を、おいしそうに食べてくれた。とても嬉しくなり「ことしも、よろしくね。あけましておめでとう」と声をかける。「ニャア~ン。ニャン。ニャン。昨年は、オカンにシロ姉さんまで亡くなってしまったが、おとうとオニンもげんきでね」と甘えた声で2代目ここ。 

 新年早々から少し不思議なお方とお会いした。愛知北エフエム放送の栗本孝平さんである。彼によれば、岐阜の柳ケ瀬商店街で最近、能登半島地震の被災地である輪島の朝市が開かれており、出来たら柳ケ瀬商店街で能登復興を願ったイベントを開きたい。ついては【長良川】を歌っている演歌歌手、岡ゆう子さんに柳ケ瀬まできて頂いてうたってもらいたい-と思っているというものだった。
 岡ゆう子さんといえば、牧すすむさんと私とで作った能登半島復興応援歌【能登の明かり】の歌でも最近、じわじわ人気を膨らませている期待の演歌歌手だけに、柳ケ瀬での歌謡ショー実現に向け、地元岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会との間で岡さんの歌謡ショーを実現させたい-というものだった。岡さん出演となれば当然、能登半島地震と豪雨水害に対する復興応援歌も唄ってもらえれば能登復興は無論、柳ケ瀬商店街の活力増強にもなるのでは-という相談であった。
 私に異論があるはずもなく、私は栗本さん発案によるこの歌謡ショーが実現し、柳ケ瀬の復興にも役立つ催しになれば、それはそれで一挙両得ですばらしい試みだ。実現するとよいですね、と答えたのである。さて、この試み今後どうなるのか。大いに関心を持ち協力できるところは協力すべきだ、と。そのように思ったのである。

 イスラエルとハマスの交戦、新年早々から続く。

2025年1月1日
 元日である。
 朝刊は各紙ともわたくしたち家族が大好きな能登、のと、能登半島で明けた。
 長男夫妻が用意してくれた能登半島は七尾市和倉温泉「加賀屋」のおせちを囲んで談笑が弾んだ。むろん、今は亡き妻たつ江(伊神舞子)と俳句猫シロちゃん=俳号<白>=(オーロラレインボー)も遺影姿で家族みんな一緒に、である。

 舞もシロも加わっての楽しいお正月
 

 食膳には加賀屋さんのおせちも並んだ
 
 

 室内には、岡ゆう子さんが歌う能登半島地震と豪雨水害からの復興応援歌入り賀状も置かれた
 
 
 紙面を開いて読んでいて、昨年の1月1日午後4時10分に起きた能登半島地震の被害の多さと深刻さをあらためて痛感。この巨大地震がとてつもない揺れと地盤沈下。そして隆起、津波に液状化現象による被害を与えた事実を今では誰もが知るのである。

 ここに元日の中日新聞の1面記事【地震発生1年 明るい未来願い 避難所や仮設に今も2万2000人超】と、軟派・社会面トップ記事【優しさいつもそばに 能登地震1年年越しルポ 仮設住宅の男性育んだ縁】【新しい年 どうか穏やかに】のリード(前文)部分を、それぞれ記録として記しておく。
――能登半島地震は1日、発生から1年を迎えた。石川、富山、新潟3県で504人が亡くなり、なお2人の行方が知れない。昨年9月には記録的豪雨も重なり、16人の命が奪われた。石川県内では地震と豪雨で市町の避難所や宿泊施設にまだ約250人が身を寄せ、少なくとも約2万2500人が仮設住宅や公営住宅などで暮らす。能登地方には再び本格的な冬が到来したが、復旧はまだ道半ばだ。
――あの日から1年、能登半島地震の被災地は、鎮魂の元日を迎えた。町には倒壊家屋が残り、仮設住宅での生活は続き、復興はいまだ見通せない。「2度と災害が起こらず、おだやかにすごせます様に」。今年は阪神大震災から30年。再生を果たした神戸から届いた「希望の灯(あか)り」が同じように傷ついた能登の闇を照らし、被災者たちを勇気づけた。

一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年12月~)

2024年12月31日
 きょうは大晦日である。というわけで、NHK総合テレビの【第75回紅白歌合戦】を聞きたいところではあるが、だ。各チャンネルとも【第57回! 大晦日恒例年忘れにっぽんの歌! 〝一挙100曲6時間〟】(テレビ愛知)はじめ、【大晦日オールスター体育祭】(CBCテレビ)【N響〝第9〟演奏会】(NHKEテレ)と多彩な番組内容で、結局は【年忘れにっぽんの歌】を一番長く見た。生前の妻舞(たつ江)ならば、文句なく【N響〝第9〟演奏会】を見るに決まってはいるが、私の場合は、やはり歌の方が良いのである。

 ことしの暮れもN響、紅白歌合戦、にっぽんの歌…と何かとにぎやかだった(各テレビ画面から)
 
 
 

 そして。新年が明けた(NHKの「ゆく年くる年」から。そのひとコマ)
 
 
 
    ☆    ☆    ☆

    ※    ※    ※
 ともあれ、ことしも1年が過ぎ去ろうとしている。長年連れ添ってきた愛猫シロちゃん(今は亡き舞命名による俳句猫「白」。本名はオーロラレインボー)が、車に轢かれ、命を落としたのが10月21日だった。わが家にとっては一番大きな不幸、ショックではあったが、多くの人に励まされ私たち家族はなんとかここまでくることが出来たのである。
 暮れには文部科学省(分野は科学技術・学術政策)に務める長男が、日本の「研究・イノベーション学会賞」という栄えある賞に輝き、物理学者ここにありの本領を発揮してもくれた。舞(たつ江)がいたら、どんなに喜んだことか。「おかあさん。とうとうすばらしい賞に輝いたよ。まだまだ前身あるのみだがね」と私が仏前に報告したのは当然のことである。

 そして。ことし元日早々に起きた能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】(作詞は私・伊神権太、作曲は、かけがえのない友・牧すすむさん、歌は岡ゆう子さん。編曲は門前の安本和秋さん)がこの秋、CDとして無事、誕生(ユーチューブにもアップしたのでユーチューブでも聞くことが出来ます)。能登に響け、とばかり歌の輪はこのところ、全国各地でグングンと広がりつつある。なかでも編曲に力を尽くしてくださった安本保秋さんは、能登半島地震で自宅が全壊した被災者でもあり苦難のなかでの愛あふれる協力で、こうした人々のおかげで【能登の明かり】は誕生したのである。
 輪島市門前の琴が浜。ここでは砂浜を歩くとキュッキュッ、と砂たちが鳴いているような音をたてることから泣き砂の浜とも呼ばれ、春になると白い雪の中から雪割草が顔を出すことでも知られる。わたくし自身、家族5人で7年間過ごした能登半島。その能登の方々に何とか立ち直ってほしい-との私たちの願いをこめ誕生したのが能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】なのである。この先、1人でも多くの人々がこの歌をうたい、能登半島そのものが元気になって前に向かって一歩、前進してくれれば-と、私は心から願っている。

 【カーター元米大統領死去 100歳中東和平尽力、ノーベル賞】とは、31日付中日新聞の1面見出し。中東和平の推進はじめ国際紛争の平和的解決・人道支援に尽くし退任後にノーベル平和賞を受賞した第39代米大統領のジミー・カーター氏が29日、南部ジョージア州プレーンズの自宅で死去。100歳。米大統領経験者では史上最高齢だった。カーター氏が設立した非政府組織(NGO)「カーター・センター」が発表。

2024年12月30日
 年の瀬もいよいよ押し迫り、マイカーの給油に始まり、わが家の石油ストーブの灯油確保(五郎油さんへの配達依頼)、ほかにちょっとした買い物…と結構忙しい。同居の三男坊も彼は彼なりに家の中の整理やら仏壇への供花などナンダカンダとあれこれやってくれるので、大いに助かっている。彼は生前のおかあさん(舞)にとっては毎年、必需品だった「日めくりンレンダー」の必要性をよく知っており、先ほど私の大学ノートも一緒にコンビニかどこかで買ってきてくれ、「ありがたいな」と改めて感謝した次第だ(実は日めくりは先日、かつて劇団「小牧はらから」の団長として活躍した小畠辰彦さん=今は名古屋市在住。会社員=がステキなカレンダーと一緒に先日、わざわざわが家に届けてくれたので既にあるにはあるのだが)。
 それにしても、こうした時に舞(たつ江)とシロが居てくれたなら、それこそ、鬼に金棒なのだが。ことしは、先に逝った妻の舞ばかりか、愛猫シロちゃん=舞命名による俳句猫「白」。オーロラレインボー=までが天国に召されて旅立ってしまい、悲しくも辛く、悔しい暮れである。
 とはいっても舞、シロのためにもしっかりせねば-と残された私たち家族は皆こうして、頑張って生きていくのである。

 けさの新聞は、やはり韓国で昨日起きた航空機事故の見出し【韓国機事故179人死亡 南西部の空港 着陸失敗、炎上 チェジュ航空生存2乗員のみ】(韓国南西部、チョルラナムドにある務安=ムアン=国際空港で乗客乗員181人を乗せた韓国の格安航空・チェジュ航空の旅客機が着陸時に滑走路を外れ空港の外壁に衝突し炎上。乗員2人は救助され病院に運ばれたが、残る179人の全員が死亡)が痛ましい。鳥の群れが何かの拍子でエンジンに吸い込まれたバードストライク(鳥衝突)が原因とも伝えられているが、やはり離着陸時の鳥飛行は怖い。かつて名古屋空港を長年、担当した空港記者として【空港昨今】という連載を長期にわたり書いた私だが、飛行機にとって鳥はとても怖い存在ということは私も十分わかっている。とはいえ、今回の突然の事故は防ぎようのない点もあり、不運としかいいようがないのも、またしかりである。 

 夜。NHK総合で【映像の世紀73分SP戦後80年 日本の設計者3人の首相激動の記録 ▽ワンマン宰相・吉田茂▽昭和の妖怪・岸信介▽列島改造・田中角栄 敵か味方か権力の攻防】を見る。人間は、ドラマの上を歩んでいる。ふと、そんなことを思ったりする。

(12月29日)
 日曜日。ことしも残すは、あとわずかだ。きょうも、いつものように新聞をしっかり読む。
「命つなぐ炊き出し 50回目「名古屋越冬活動」(そういえば、この炊き出しは私がはるか昔。新聞社の名古屋社会部で名古屋中村・西署のサツ回りをしていたころ、暮れになるとは取材したことがあった)「旅客機墜落プーチン氏謝罪 防空システムが反撃中」(アゼルバイジャン航空の旅客機が28日、カザフスタン西部に墜落、38人が死亡。ロシア軍の旅客機誤射とみられる)「石川さゆりさんが能登町復興大使に」(ヒット曲「能登半島」で知られる石川さんが石川県能登町の復興応援大使に29日付で就任)など、新聞紙面には相変わらず、きょうも多くのニュースが満載されている。
 なかでもイイナッ、と思ったのは、日本の映画界を代表する俳優だった、あの高倉健さんのことを【俳優 高倉健 没後10年】として紙面展開していた中日新聞サンデー版である。サンデー版は、かつて私がデスク長当時に特報紙面とともに定年になるまで5、6年ほど携わったことがある。それだけに、懐かしく、紙面の内容もなかなか良かった。今は亡き名優、高倉健さんも喜んでいるに違いない。

 午後の間隙を縫って、かつて何百枚と出していたころと比べれば、それこそ数えるほど、わずかな枚数ではあるが。既に印刷済みである賀状に宛名を書き、郵便局へ。脱原発社会をめざす文学者の会ホームページで連載中の文士刮目第44回目【令和AI(人工知能)に聞く 「新しい年 世界はどうなる」】もなんとか出稿。ここ数日間は、あれやこれやでバタバタしたが、きょうまでに一応、年内の区切りはつきホッとしている。

 夜。NHKのEテレで【日曜美術館 今年92歳で世を去った美術史家・高階秀爾▽マネやルノワールなど名画の秘密を語った貴重な映像とメッセージ】を見る。続いてNHK総合のNHKスペシャル【大谷翔平が全てを語る歴史的な1年の舞台裏 最大の試練そのとき…孤高捉えた1枚の写真 同僚が激白! 胸熱物語】を見る。
 なかでも私は日曜美術館を見ながら、亡き妻(伊神舞子)が生きていたなら、間違いなく見たに違いないと思うと、なぜだか、画面に目を注ぎながら、泣けて、泣けて、泣けて仕方なかったのである。一方で「あなた。そんなに弱っちぃん、ではダメよ。あなた。これから生きていけるの。生きていかなきゃアカンよ。生きていくのでしょ。やっぱり弱っちぃな」との舞の肉声が飛んできたのには、驚かされたのである。

 歌手の石川さゆりさんが能登半島地震や豪雨で大きな被害を受けた石川県能登町の「復興応援特命大使」に29日付で就任。任期は3年。ヒット曲「能登半島」で知られる石川さんが歌で被災者を励まし復興へ向かう地域の魅力を発信するという。よいことである。

(12月28日)
 ことし最後の土曜日。新聞紙面の本日付主な見出しだけを追ってみると。
【<能登1年被災地は今>―2- 結い直す失った日常 過疎の珠洲・大谷 輪島、珠洲 人口が急減 1年で9%超】【能登の基幹国道 全線開通 249号復旧・復興の加速期待】【地震死者500人超え】【川重40年前から架空取引 防衛省が厳重注意へ 特別監察中間報告】【鈴木修さん死去 スズキ元社長 軽を国民車に 94歳】【115兆円予算案閣議決定 25年度 最大更新国債費重く】【インフル過去10年で最多 全国平均で警報水準超え】【名古屋市人口233万人 過去最多、外国人は初の10万人】【死刑異例の2年連続ゼロ 袴田さん再審無罪影響か】といった具合である。

(12月27日)
 金曜日である。午前中、新聞各紙を読み終えたあと、インフルエンザの予防接種をしに「たつ江(伊神舞子)」も生前、よく訪れた説田クリニックへ。左腕を出すと、担当医師が現れブスリと注射を打たれ、接種は一瞬にして終わったのである。同院には数名の患者さんがいたが、全員マスク姿だったのには驚いた。どうやら、このところはインフルエンザやコロナがまた流行り出したような、そんな気配を感じたのである。目には見えないけれど。「接種をしてもらって。よかったわね」とたつ江の声が風に流れて飛んできた。俺が病気になって死んでしまえば、おまえとこうしていつまでも楽しくしているわけにはいかない。だから私は勇躍、小さいころから大嫌いだった注射をあえて打ってもらったのである。

 午後はことし最後の社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文へ。タンゴとワルツに続き、クイック・スティックに繰り返し挑む。社交ダンスは、舞との約束だから。出来得るかぎり、いつまでも続けよう。

(12月26日)
 きょうは、とても嬉しい話がある。それは文部科学省に務める長男正貫が、ことしの日本の研究・イノーベーション学会賞に輝き「表彰式が無事終わった」とのメールがはいったことである。さっそくおかあさん(伊神たつ江、舞子)の仏前に行き、蠟燭の火をつけ線香を焚き、手を合わせて「マサツラが権威ある賞に輝いたよ。本人のこれまでの努力と、あそこまで立派に育て上げたおまえ、おかあさんの手柄だ。よくぞ育ててくれた。おめでとう。むろんマサツラも努力を重ね、さすがノーベル物理学賞に輝いた江崎玲於奈さん門下だね」と報告をした。

(12月25日)
 メリー・クリスマス。聖夜である。
 能登半島地震後の避難中などに亡くなり、遺族が石川県の市や町に災害関連死認定を申請したのに、その後県などによる審査をまだ受けていない人が実に209人にも及ぶことがその後の取材で分かったーとは、けさの中日新聞1面の【能登関連死209人未審査 地震犠牲者 大幅増の可能性】【インフラ復旧遅れ 介護も人手足りず 関連死熊本地震との違いは】というものである。記事には「建物倒壊などによる直接死と合わせ現在500人超となる見通しの犠牲者数が大幅に増える可能性もあるーとしており、今回の能登半島地震による死者がいかに多かったか、が改めて浮き彫りとなっている。
 そして。もうひとつは、これも本日付の毎日新聞の1面見出し【PFAS水検査義務化へ 基準超えで改善措置 環境省・26年春】、中日新聞第2社会面の【水道4割PFAS未検査 重い負担、検出後にも費用 各務原市活用炭に年1億2000万円】というものである。こちらは環境省が24日、水道水に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の濃度を従来の暫定目標値から、水道法に定める「水質基準」に格上げする方針を決め、2026年4月から水道事業者などに検査を義務づける案を有識者検討会に示し了承され、来春にも正式決定するというものである。

 ロシアのインターファクス通信によると、25日午前(日本時間同日午後)、カザフスタン西部アクタウ付近で緊急着陸を試みたアゼルバイジャン航空の旅客機(乗客乗員67人、エンブラエル190型機)が地面に衝突、炎上。カザフスタン当局によれば、乗員乗客のうち生存者32人が病院に運ばれた。同機はアゼルバイジャンの首都バクーから露南部チェチェン共和国のグローズヌイに向かっていたが、霧のため着陸出来ず、目的地をアクタウに変更していたという。乗客に日本人がいたという情報はないという。

(12月24日)
 クリスマス・イブ。ことしも押し迫ってきた。なぜか、亡き妻たつ江(伊神舞子)と、おかあさんのあとを追いかけるようについ先日、すなわち10月21日に車に轢かれて旅立った俳句猫シロちゃん(オーロラレインボー)のことが思い出されてならない。思えば思うほどに、胸が痛くなってどうしようもないのである。涙がとめどなく流れる。

 けさの新聞(中日)に【温かい新年やっと 能登地震の仮設全戸完成 4カ月遅れ】の見出し。それによれば、石川県が能登半島地震の被災者向けに整備していた仮設住宅のうち珠洲市で23日、24戸が完成。これにより、10市町の計6882戸の整備を終了。地震発生から1年を前に被災地は生活再建に向けた新たな段階に入ったという。ほかには【ホンダ・日産26年統合目標 三菱自は年明け判断 協議入り発表】【トヨタ上海にEV工場 中国で日系初単独出資へ 次世代レクサス】【須田寛さん死去 93歳 JR東海初代社長】という見出しがめだつ。
 夕刊は【日鉄のUSスチール買収 バイデン氏に是非一任 米当局 協議まとまらず】【不正支出 北朝鮮系が関与 警察庁特定DMM系のビットコイン】【政治改革法案、午後成立へ 政活費(政策活動費)、26年から廃止】【「グリーンランドが必要」 トランプ氏 購入意欲を再表明 自治政府「売り物でない」】【仏、新内閣を発表 有力候補、直前に外れる 野党配慮か】とは、日経夕刊の見出しだ。

(12月23日)
 上皇さま(平成天皇)がこの日、91歳の誕生日を迎えられた。上皇さまは日々、国内外の動きに関心を示される日々のなか、時には戦時下の記憶や平和への思いをお話しになられ、右大腿骨上部を骨折した上皇后美智子さま(90)のリハビリを温かく見守られ、時にはともに散策。おふたりで体調を気遣いあいながら過ごしておいでになる、という。

 全国高校駅伝が22日、京都市のたけびしスタジアム京都発着で行われ、第75回の男子(7区間、42・195㌔)は佐久長聖(長野)が2時間1分33秒で2年連続4度目、第36回の女子(5区間、21・0975㌔)は長野東が1時間7分27秒で2年ぶり2度目の優勝をした。
 この日は大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームでフィギュアスケート全日本選手権最終日が行われ、女子は24歳の坂本花織(シスメックス)が合計228・68点で4年連続5度目の優勝。ショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位で4連覇が懸かる世界選手権(来年3月・米ボストン)代表に決まった。

 夜はひと息ついたところで、メーテレで漫才日本一決定戦「M―1グランプリ」を観戦。亡き舞と愛猫シロちゃんがおれば、ふたりとも興味津々の表情で笑顔を満面に浮かべて見守ったに違いない、と。そんなことが思い出され、ついつい、ほろりほろりとまたしても涙の雨が、わが頬をしたたり落ちたのである。(M1グランプリには10330組のなかから、令和ロマンが昨年に続く2連覇で選ばれ、賞金1000万円を獲得。どちらかといえば、私はバッティリーズの方が良いと思ったのだが…)。いずれにせよ、見事な漫才の数々には久しぶりに感動した。

 ドイツ・マクデブルクでは20日、車がクリスマスマーケットに突っ込み5人が死亡。少なくとも200人がケガをするという大惨事が発生。21日、現場近く教会前では大勢の人々がろうそくをともし花を手向けた。捜査当局によれば、拘束したサウジアラビア出身の男が同胞の難民に対するドイツの対応に強い不満をいだいていた可能性がある、という。

(12月22日)
 昨日はNHKのラジオニュースを聞いていても秋田、神奈川、福岡……と全国各地で火災が相次いだが、けさの新聞によれば、だ。ほかにも秋田県能代市で木造2階建て住宅が全焼するなど全国5道県で計10人が死亡したという。寒くなり、ストーブや火を使うことが増え、その分、必然的に火災も増えているようである。

 本日付の中日新聞朝刊によれば、政府は全国の原発周辺の自治体に放射性物質の侵入を防ぐ可搬型の防護テントを配備する方針を固めたことが内閣府への取材で分かった、という。事故時に高齢者などの一時避難先となる放射線防護施設が地震などの被害で使えない場合に、被爆を防ぐために用いるが、能登半島地震で施設の損傷が相次いだことを踏まえての対応だという。
 そして変わったニュースでは【首相コンビニで息抜き!? 自ら買い物 数カ月ぶり】といった記事か。

(12月21日)
 きょうは1年で太陽の南中高度が最も低く、夜が最も長い冬至である。日本には、ゆず湯に入り冬至かぼちゃを食べる慣習があるが、かつて能登半島にいたころ、私たちはテルさん=当時、北陸中日新聞の笹谷女性販売店主。あのころ笹谷輝子さんは多くの人々から〝テルさん〟〝テルさん〟と呼び親しまれ、新聞界の日本に誇る女傑店主で知られた=から「イガミさん。今日はネ。からだのためにも冬至かぼちゃを食べ、ゆず湯に浸かるのよ。支局のみんなもだよ。いいわよね。かぼちゃを食べるのよ」とよく言われ、私たち家族と支局員はそのようにしたものである。そうして厳しかった能登の冬を、みんなで、チームワークで乗り切った。

 中日新聞の21日付夕刊によれば、だ。米国務省のリーフ次官補が20日、シリアの首都ダマスカスを訪問。暫定政府を主導する過激派「シリア解放機構(HTS)」のジャウラニ指導者と会談。内戦で荒廃したシリアの復興について協議した、とオンライン記者会見で明らかにし、ジャウラニ氏が穏健な統治に前向きな姿勢を見せた-と評価。国務省によれば、米国外交団によるダマスカス訪問は2012年いらい約12年ぶり。米政府はロシアやイランが後ろ盾となってきたシリアのアサド政権崩壊で中東の地政学的な構図が一新されたと歓迎。親欧米的な新政府樹立に向けて、働きかけを続ける構えだという。

(12月20日)
 午後、わが妻、舞との永遠の約束である社交ダンスのレッスンで一宮スポーツ文化センター、すなわちスポ文に。クイック・ステップを何度も繰り返し学んだが、きょうはクリスマスも近いというので「サンタさんの帽子でもなんでもいいので。クリスマスの雰囲気を出すため、皆さん、何でもよいので赤いものを持ってきてください。ごんたさんもよ」との事前の先生の要望に応え、私は寝室一角に何げなしに置かれていた今は亡き舞が愛用していた赤い服を手に「あっ、これがあるから良かった」とスポ文へ、と出向いた。
 いつものように先生の指導でレッスンが始まり、私はタンゴ、ワルツに続いて、最近習い始めた【クイック・ステップ】を踊ることに。持参した舞愛用の服を腰に巻き、ダンス仲間のよしこさんから頭にかぶせていただいた赤い帽子姿で躍ったが、これが少しはさまになっていたみたいで皆さんからは「いいじゃん。いいじゃん」「いいよ」と褒められてしまったのだが……。一体全体、レッスンが褒められたのか、赤い服が褒められたのか。そこまでは恥ずかしくて聞くに聴けなかったのである。
 そして。レッスンを終えるころになり、〝よしこさん〟が赤い服をしげしげと見つめ「ごんたさん。この服、なかなかいいよ。いいと思う。あたしが着てあげようか」とおっしゃられるので「そりゃ、ありがたい。いいですよ。その方が、舞も喜ぶと思います」と私はひとつ返事でオーケー。よしこさんは「じゃあ、こんど来るとき、あたし着てくるから」といって別れたのである。

 福岡県警は、北九州市小倉南区のファストフード店で起きた中学3年男女殺傷事件で男子生徒(15)に対する殺人未遂の疑いで逮捕された平原政徳容疑者(43)の自宅などを家宅捜索。黄色いサンダルや灰色の上衣、黒のズボンを押収したことが捜査関係者への取材で分かったという。

(12月19日)
 きものデザイナーで学校法人清水学園理事長だった清水ときさん=本名清水都岐子(しみず・つぎこ)さん=が9日、老衰のため死去。100歳だった。ときさんは日本の伝統衣装である「きもの」の普及振興と技術指導、人材育成に尽くされ、一般財団法人国際文化きもの学会理事長などの要職を務められた。そればかりか、1966年5月の中日栄文化センターの開設いらい、和裁や着付け講座を担当され、その功績となると偉大である。
 ときさんには私自身、文化芸能局の担当部長在任当時から大変お世話になったことが思い出される。確か、東京での着物ショーに何度か招待されたり、今は亡き聖路加国際病院の日野原先生を紹介して頂くなど随分とお世話になったものである。栄センター着物教室の受講生でもあった姪の久美ちゃんの結婚式にまで参列して頂くなどアレヤコレヤと随分お世話になった方である。1996年には勲4等瑞宝章を受章されるなど日本の着物界の牽引者的存在で生涯を着物の道ひとすじに歩まれたその功績となると、とても大きいのである。

 ほかに訃報と言えば、だ。読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄(わたなべ・つねお)さんが19日午前2時、肺炎のため東京都内の病院で死去したことだ、といえようか。98歳だった。【わたつねさん】の愛称で親しまれた渡辺さんは日本のマスコミ界のドン的、リーダー的存在で新聞界ばかりでなく、プロ野球界にも大きな功績を残しての旅立ちとなった。合掌―

 ほかに気になるニュースといえば、だ。【ホンダ・日産 統合協議 三菱自も合流見込み 世界3位浮上 持ち株会社設立へ】【訪日客最多3337万人 1~11月で更新「観光公害」深刻に】(19日付、中日朝刊見出し)といったところか。

(12月18日)
 きょうのニュースといえば、だ。何と言っても中日新聞1面に躍った見出し【「原発依存を低減」撤回 エネ計画原案 電源構成2割維持】である。それによれば、経済産業省は17日の有識者会議で、中長期的なエネルギー政策指針「エネルギー基本計画」の原案を示した。2011年の東京電力福島第1原発事故以降から明記してきた「可能な限り原発依存度を低減する」との表現を撤回。同じ原発の敷地内に限って認めていた建て替えの要件も緩和する。40年度の発電量全体に占める割合は原発が2割程度、再生可能エネルギーは4~5割程度と最大電源に位置づけた。パブリックコメント(意見公募)を経て、25年2月ごろの閣議決定を目指す。―とあるのだが。やはり<「原発依存を低減」撤回>の活字が気になる。本当に大丈夫か。心配である。

(12月17日)
 トランプ次期米大統領の妻メラニアさんが15日、故安倍晋三元首相の妻昭恵さんが南部フロリダ州パームビーチのトランプ氏の私邸で夫妻と面会した、とX(旧ツイッター)で明らかにした。夕食を共にしたとみられる。石破茂首相はトランプ氏との会談を模索したが実現しておらず、昭恵さんと交わした会話の内容が注目される-とは、中日新聞の本日付の朝刊報道である。

 ほかには【七難去れ熱き願い 熱田で火渡り神事】の見出しも。いよいよ、ことしも師走が押し迫ってきている。そんな中、14日に北九州市小倉南区のマクドナルド322徳力店で中学3年の男女2人が殺傷された事件で同区の中島咲彩(さあや)さん、15が腹を刺されて亡くなった事件は痛ましい限りである。言葉もない。

(12月16日)
 けさの中日の朝刊記事。【戒厳令下 言論守った 韓国紙「光州事件」教訓に号外 正門施錠「軍が検閲する前に発行」】は、戒厳令下で記者魂が発揮された内容でなかなか良い。新聞記者の使命感というものは、どんな状況下にあろうが、こうでなくてはいけない。この点で「光州日報」の編集局長崔権一(チェグォンイル)さん(56歳)はじめ、現場記者を含む編集スタッフには賛辞を贈りたい。マスコミ人は、こうでなければ-と思った次第である。
 そして夕刊は【イタイイタイ病存命患者ゼロに 激痛母は半世紀耐え 8月死去91歳の22年に認定 四大公害病続く訴訟】もまた見過ごすことの出来ない記事である。新聞の使命は、やはり重いものがある。一方では【韓国与党代表が辞任 弾劾対応で党内分断招く】の記事も。ことここに至ってはさもありなん、といえようか。

(12月15日)
 日曜日。けさのニュースは中日新聞の見出しによれば、➊「尹大統領弾劾可決 韓国与党一部が造反 職務停止憲法裁罷免判断へ 尹氏「私は諦めない」 戒厳令国民は許さず➋名鉄百貨店26年閉店へ 再開発新たな商業施設に➌若竜に託す夢 8新人が入団会見―といったところか。

 それはそうと、きのう、きょうと日本列島は真冬並みの寒さに。ここ尾張名古屋もこのところは厳しい寒さが続いており、私は3日ほど、いや4日ほど前から電気アンカの使用をとうとう始めた、のである。このところの寒さに震えあがりながら私はつくづくと自然にはかなわない世の中を実感している。あゝ、夏の方が、秋の方がいい、と思うのは万民に共通ではあるまいか。人間どもは、やはり自然には勝てないのである。

(12月14日)
 プロ野球の中日ドラゴンズに加わる新人選手8人が14日、名古屋市内のホテルでの入団会見に臨んだ。ドラフト1位左腕の金丸夢斗投手(21)=関大=は1年目の目標を問われ「新人王を取ることです。自分の武器はストレートの質とコントロールの良さです。最終的には日本一の投手になりたい」と宣言。2位の左腕吉田聖弥投手(22)=西濃運輸=も「身が引き締まる思い。将来的には沢村賞を取りたい」と語るなど皆頼もしい限りの入団会見となった。というわけで、来シーズンのドラは大いに期待できそうだ。

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞授賞式に合わせ、ノルウェーの首都オスロを訪れていた「高校生平和大使」の4人が帰国。14日、東京都内で記者会見、「若い世代の責任は大きい」「核廃絶へ声を上げていかないといけない」などと述べ、誓いを新たにした。

(12月13日)
 金曜日。けさ新聞(中日)に載ったニュースを見出しで列挙すれば、だ。
【五輪の栄光か 政治の暗部か 今年の漢字「金」】【「ドン・ファン」死亡元妻無罪 「覚醒剤 誤飲可能性も」 和歌山地裁判決 震える手、宣告に涙】【藤井七冠 竜王4連覇】【尹錫悦(ユンソンニョル)大統領早期退陣応じず 戒厳令を正当化 野党弾劾案再提出あすにも採決】【自民知多支部 収支報告10年以上未提出 規制法違反の可能性 伊藤(忠彦)復興相が代表時】……といったところか。

(12月12日)
 【福井中3殺害 検察再審に新証拠出さず 前川さん無罪近づく 高裁金沢支部3者協議】【早期決着見通しに安堵 来年3月に初公判、結審】【検察側、有罪立証困難か】【袴田ひで子さん「良い流れ続く」 前川さんと親交】【電車衝突後に立ち去り 踏切殺人、容疑者の車2台】【女性検事「泣き崩れた」 性的暴行 元検事正無罪主張方針に】……
 きょうも新聞紙面には多くの見出しが並ぶ。活字を前に「人間、所詮こんなものなのか」と、ついつい思ってしまう

 なかでも元大阪地検検事正北川健太郎被告(65)が準強制性交罪に問われた事件だが、これは「いただけない、を通り越して恥ずかしい限りだ」。記事によれば、被告は初公判で起訴内容を認めたが、一転して無罪を主張。これを知った女性検事は、その時の気持ちを「絶句し泣き崩れた」と振り返ったという。記事には「同意はなかった」と改めて反論したとあるが、なんだかとても低俗で、程度の落ちる話しである。それも司法を裁く検事同士、男と女の見苦しい罵り合いだ。司法は、即刻ふたりとも首にすべきだと思う。とても司法の番人など任せることは出来ない。それとも。人間、やはり誰とてこうした愚か者の集まりなのかも知れぬ。

 和歌山地裁は12日、かつて〝紀州のドン・ファン〟と呼ばれた資産家野崎幸助さんが2018年5月に急性覚醒剤中毒で死亡した事件で殺人容疑で起訴されていた元妻の須藤早貴被告に対し無罪を言い渡した。判決について国際弁護士の清原博氏は「検察側は消去法で立証しようとしたが、肝心の覚醒剤をどう飲ませたか、について立証出来ておらず、この点が大きかったのでは。疑わしきは罰せずということでしょうね」などと話している。

(12月11日)
 【「核も戦争もない世界へ共に頑張ろう」 ノーベル賞授賞式 被団協 万感の平和賞】【核タブー軽視「限りない憤り」式典演説92歳田中さん切々と】(11日付中日朝刊)【核なき世界共に 被団協ノーベル賞授賞式】(11日付毎日朝刊)……。
 けさの新聞は、どこもノルウェーのオスロ市庁舎で開かれたノーベル平和賞授賞式について大きく取り扱っていた。日本被団協を代表して受賞演説をした田中煕巳(たなかてるみ)代表委員(92)の「核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけない」との呼びかけを、世界の人々はどう受け止めたのか。原爆許すまじ、戦争はしないことで、こうした不幸は、2度とあってはならないのである。

 ノーベル平和賞の演説の様子など大きく報道された
 
 
 

 それはそうと。ここ数日間に私が住む地域も含め、日本中が厳しい寒さに襲われつつある。こんな寒さのなか、中日新聞の本日付朝刊【通風筒】に三重県志摩半島から望む海上に姿を見せた【浮き富士】の話題が紹介されていた。私自身、若き日々、志摩で記者生活をしていたころ、この浮き富士現象を味わったことがある。それだけに、とても懐かしく思った。かつて私が伊勢志摩の記者でいたころ、志摩の人々は上半身裸になって富士山の方に向かって浜辺に座り、センゲ、センゲ、センゲ……と言いながらお経のようなものを唱えお参りをしていた。「これは重要なことなのだよ。伊神さん」と当時、志摩郷土史会の上村角兵衛会長に教えて頂いた、あの頃が思い出される。けさの通風筒はそんな1枚だと言ってよい。
「いがみさん。阿児町志島の浜からは天気が良いと時に、はるかかなたに富士山が見えることがある。だから、その日は富士を遠くに眺め、上半身裸になり下帯、褌姿でセンゲ、センゲ、センゲ……と富士山に向かって願いごとが叶うように祈るのだよ」と。角兵衛さんは、そのように、若き新聞記者に教えてくださった。なぜか、この通風筒の記事を前に若かったころのことが思い出されたのである。
 確か、そんな漁どころの話題を紹介したことがあったが。おそらく、けさの記事で紹介されている【浮き富士】に向かってみんなでセンゲ、センゲ、センゲ……とお祈りをしたに違いない。というわけで私はこの記事により、懐かしいかつての思い出の場面に思いをはせたのである。

「浮き富士」が紹介された通風筒
 

 そして。本日付夕刊はといえば、だ。【被団協にノーベル平和賞 反核、共に歩こう オスロ市民がパレードで祝福】【文学は生を破壊する全ての行為と真っ向から対立するものだ ハン・ガンさん文学賞】(11日付中日夕刊)とノーベル平和賞の続報に、ことしのノーベル文学賞の紹介が加わったのである。

(12月10日)
 本日付の中日新聞夕刊に【故白井名誉会長 財界人らしのぶ 名古屋でお別れの会】が一段で掲載された。記事にはこうあつた。
―10月に96歳で死去した中日新聞社顧問・名誉会長の白井文吾さんのお別れ会が10日、名古屋・栄の中日ビル6階「中日ホール」で営まれた。/会場には献花台が設けられ、愛知県の大村秀章知事や名古屋商工会議所の嶋尾正会頭など政財界の関係者らがカーネーションを供えた。中日ドラゴンズの井上一樹監督や落合博満元監督、選手ら球団関係者も参列。大島宇一郎社長と白井さんの長男の伸明さんが立礼で参列者にあいさつした。

 白井文吾さんお別れの会は中日スポーツでも報じられた
  

 デ、わたくし伊神権太のこの日の行動といえば、だ。やはりお世話になった白井さんに、何よりもお礼を言いたくなって名鉄犬山線と地下鉄を乗り継いで名古屋・栄の中日ビルへ、と急いだのである。
 というわけで、先日、亡くなられた中日新聞の顧問・名誉会長だった、あの白井文吾さんの「お別れの会」に行ってきた。白井さんには、それこそ社会部(小牧通信局長時代含む)当時から能登半島七尾支局長時代(当時。白井さんは北陸本社代表)のあとも大垣、大津、一宮各支局長、この後も文化芸能局、編集局デスク長、さらには定年後の中日ドラゴンズ公式ファンクラブの会報編集担当時代に至るまで、それこそ、言葉には言い尽くせないほどずっとお世話になりどおしだった。
 なかでも公式ファンクラブスタッフ当時はドラゴンズの白井文吾オーナーの下、あの落合博満監督率いるドラゴンズの黄金時代まで多くのファンのみなさまと共に日本一の喜びに浸らせてもらうことが出来たのである。むろん、ファンクラブのマスコットキャラクター・ガブリと共に球場入り口でお客さんを待たせて頂き、ファンクラブ通信などの取材で連日、ハードな日々を過ごすーなどそれはそれなりに大変な時代でもあった。でも、あのころトップに何よりも新聞販売店を重視した白井文吾さんの存在があればこそ、我々スタッフと落合信者をはじめとする多くのファンが一丸となって歩いてこられた。このことは間違いないのである。

 というわけで、白井文吾さんのお別れの会にはそうした過去の経緯があっただけに、どうしても、たとえ一言だけでも遺影を前に直接、お礼を言いたくて出かけた。そして。場所は、最近、建て替えられたばかりの中日ビルディング六階ホールである。

――私は、この日、白井さんの遺影を前に一本の花を献花。前に進み出て遺影を前に白井さんの顔を見つめ「長年の地方記者生活の間、わたくしはじめ、妻、家族が小牧はじめ能登半島七尾でも大変、お世話になりました。ありがとうございました」と頭を下げた。黙って語りかけたあとは、ただ深い涙が激流となって全身の芯の部分から立ち上がり、あふれ出てくる気配を感じ、最後に別れの目礼をし、辞したのである。
 そして。軽く目礼をして帰るときのあの声「ありがとうございました」と二度声をかけてくださった若き、現大島宇一郎社長には無言でそのつど深く一礼。と同時に「わざわざ丁寧にありがとう。俺がお世話になりどおし。かけどおしだったよ。どれほどお世話になったことか。こっちこそ、お礼をいわなきゃ」とあふれ出る涙を押し殺しながら、心の中で返答、頭を下げ会場を後にしたのである。

(12月9日)
 本日付の中日新聞夕刊は、1面が【アサド政権崩壊 シリア反体制派首都掌握 大統領、ロシアに亡命】【強権体制50年超 歓喜と不安交錯】【尹大統領内乱容疑で捜査 韓国検察 前国防相の身柄拘束】といったものだ。いやはや、シリアと韓国が同時進行で夕刊紙面のトップを二分しているのである。

 かと思えば、だ。同じ9日付夕刊で【ノートルダム大聖堂再開 パリ、火災から5年】の記事には、かつて舞と訪れた、あのノートルダム大聖堂が復活したか、と思い、どこか、ホッとした。2019年4月に火災に見舞われたフランス・パリのノートルダム大聖堂の修復がほぼ終わり、再開記念式典が7日開かれ、8日には再開後初のミサが執り行われ、一般公開も始まったーという内容である。ほかには【被団協代表団オスロに到着 ノーベル平和賞 あす授賞式】の記事も目立つ。

(12月8日)
 日曜日。三男坊が運転する車で午前中、江南市内の「キッチンくま」へ。
 わたくしが敬愛する兄夫妻と妹夫妻、そして。ひとりぽっちの私ひとりが参集。年に一度の兄妹会があったためで、兄は正義の味方(私は尊敬する兄のことを昔からそのように思っている。兄は過去、小塚ヨットスクールのリンチ事件や爆弾魔・加藤三郎らによる北海道庁爆破など数々の事件の主任弁護士を手掛けてきた)そのものの日本に誇る弁護士であり、そして妹もまた、美しさ抜群の才長けた税理士(元々、数学が得意で、数学教師だったが教師の傍ら税理士資格を取得。教職から転身し、税理士だった父の後を継いだ)である。

 というわけで、私たち3人兄妹が年に一度の約束で久しぶりに集まった。そこには兄の妻の声楽家(ソプラノ歌手。音楽療法士としても、この地方の草分け的存在)と妹の夫(彼は長年、日本特殊陶業に務め半導体の研究開発で知られた。長身の二枚目である)も同席。そして俳人で歌人でもある私の妻たつ江(伊神舞子)も、と言いたいところだが、彼女は先年、ひと足早く旅立ってしまったこともあり私だけが片肺飛行の青春? といおうか。ひとりポッチの寂しい出席とあいなった。何はともあれ、久しぶりに会う兄夫妻と妹夫妻は、どちらも元気そうで先ずはひと安心。ランチを前に近況につき互いに話し合い、楽しいひとときとなったのである。
 このうち妹夫妻は、つい最近沖縄に行ってきたということで沖縄・石垣島銘菓石垣の塩、すなわち〝ちいすこう〟をお土産にもらったが、これがまた格別の味で、これまで風邪気味だった私の体調がみるみる回復していったのには驚かされた。というわけで、帰宅後は、いつもの調子で新聞を詳しくチェックし、お風呂に入り、このところは剃る暇もなく見苦しいほどに茫々と伸び放題だった髭を剃り、今度は夕食をたべ、こうしてデスクに向かいパソコンキーを打ち始めたというわけだ。

 ロシア外務省が反体制派の武装勢力によって政権が崩壊したシリアについてアサド大統領が自発的に辞任した、と発表。歌手で俳優の中山美穂さん(54)が自宅浴室で死亡していた件で警視庁は8日に行った解剖の結果や現場の状況などから「検死の結果、事件性はなく、入浴中に起きた不慮の事故(ヒートショック)によるものと判明した」点を明らかにした。また死因については遺族からの要望があるとして明らかにはしていない。

2024年12月7日
 きょうは大雪(たいせつ)。雪が激しくなり、降り積もるころで、地面に霜柱が立ち、朝夕には池や川に薄い氷が張るようになる(二十四節気)、そんなころだ。なんだか、アッという間に冬が駆け足でやってきた気がする。そういえば、きょう7日は死者が約1200人、全壊・流失家屋が2万戸を超えたとされる昭和の東南海地震(昭和19年12月7日、紀伊半島南東沖を震源に発生。マグニチュード7・9)から80年になる。まさにその日である。
 夜。韓国国会が尹大統領の弾劾訴追案を否決。

 風邪がなかなか治らない。体温は平熱、頭、喉も痛くはないのだが。鼻水が止まらず、ちょっと憂鬱である。だから入浴は久しぶりに思い切ってやめることにした。
 このところは岐阜県多治見市の文芸祭に寄せられた文芸作品のうち小説部門の審査に追われて半ば自宅で缶詰め状態だったばかりか、「脱原発社会をめざす文学者の会」幹事会の要請で文学者の会ホームページで連載している月に一度の【文士刮目】の執筆、出稿……、そこに加えて。つい先日に終わった社交ダンスのメダルテストに向けてのたゆまぬレッスンなど。正直、満78歳というこの歳になってなお休む間がない日々に追われてきた。
 だから、〝さすがのガミちゃん(私の愛称)〟も自分では自信のある体力に少しだけガタがきた、と言ってよさそうである。というわけで、息子から渡された葛根湯(かっこんとう)とやらを飲んで、こうしてペンを走らせている。ちなみに今回公開された文士刮目は第43回目で、タイトルは<能登半島地震と豪雨水害の復興応援歌【能登の明かり】がCDに>である。
 アドレスは以下のとおりである。
 https://dgp-bungaku.com

【韓国大統領「心から謝罪」 戒厳令巡り 今後、与党に一任 弾劾訴追案今夕採決】【フィギュアGPファイナル ペアりくりゅうが2位 ジュニア女子日本勢メダル独占】とは、本日7日付の中日新聞夕刊。同じ7日付の朝刊には【中山美穂さん死去 54歳、自宅浴室で発見】の悲しいニュース。いつも前を向いて歩き続けた努力の女性、好きな歌手だっただけに、残念無念な旅立ちとは、このことか。中山さんの旅立ちは、中日スポーツでも大きく報じられた。合掌ー

 
 

(12月6日)
【音の日】だそうだ。
 南米パラグアイで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会が4日(日本時間5日)、日本酒や本格焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録。新聞報道によれば、だ。岐阜県飛騨市古川町で150年以上の歴史を持つ酒蔵「渡辺酒造店」は、無形文化遺産登録をお祝いするセレモニーを店頭で開いたという。「日本酒を飲むことが伝統文化の体験につながる。酒造りの魅力をさらに発信したい」とは、渡辺久憲社長(56)。その言や良し、である。

 金曜日なので社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化会館)へ。きょうからは、新たにこんどはクイック・ステップへの挑戦が始まった。社交ダンスのレッスン続行は、今は亡き妻たつ江(伊神舞子)との永遠の約束だけに、生きている限り、守らざるを得ない。このクイック・ステップ。きょうのレッスンでなんとか足の運びはマスターできたような、そんな気がする。それから。先日あった検定試験(メダルテスト)のスタンダード2級(スロー・フォックス・トロット)の成績表を先生から渡された。

 先生から「ごんたさん。よくがんばったね」と渡された成績表
 

(12月5日)
 【「酒造り」無形遺産登録 ユネスコ日本酒や本格焼酎】【仏 内閣不信任案可決 マクロン大統領も窮地】【大統領弾劾案与党反対へ 韓国一時戒厳令 野党、7日採決意向】【企業献金「禁止より公開」 衆院予算委で首相 裏金再調査拒否】とは、本日付中日新聞の1面見出し。アレヤコレヤと、せねばならないことがあり過ぎ、きょうの一匹文士は合間を縫って、これだけ書くのが大変である。でも新聞があるので要点を記録しておける。

(12月4日)
 水曜日である。きょうは月一回診ていただいている定期診療で名古屋・金山のペインクリニックへ。前回して頂いた血液検査の結果につき一覧表で説明して頂いたが、担当医がおっしゃられるには「腎臓も、肝臓も、すい臓も内臓はどこも特に問題ありません」とのこと。きょうは、いつものように血圧測定もしていただいたが正常値で、血圧の薬など常備薬を手に帰宅した。
 ただ、これら検診結果とは別に、このところの激務などでここ数日間は殆ど寝ておらず体力の衰えどころか、のどが痛くて咳が出て、ようやく生きている-といえば言い過ぎか。いずれにせよ、自身の小説執筆も合わせ胸突き8丁の日々をどうにかこなしている、とでもいえようか。それでもこうして原稿を書いているのである。

 帰宅したところで、たった今、手に玄関を開けるのに使ったばかりの鍵が行方不明に。30分ほど探しまわったが、外出時には常時手にしている小銭入れに入っており、ヤレヤレで発見と同時に疲れがドッと私を襲ったのである。やはり、年なのか。

 日本ペンクラブの大先輩で何かとことのほか、よくして頂いた作家小中陽太郎さんが3日、老衰のため亡くなった。90歳だった。小中さんといえば、NHKでバラエティー番組やドラマの制作に携わったばかりか、作家の小田実さんらと「ベトナムに平和を! 市民連合」の活動に参加したことでも知られる。日本ペンクラブの専務理事も務められた。私が地球一周の「ピースボートの船旅」から帰国した際には、有志で帰国を祝う会まで開いて頂き、その懐の深さと広さには今も敬服、感謝している。小中さん。お疲れさまでした。これまで何かとありがとうございました。合掌―

【韓国大統領「戒厳」を解除 宣言から6時間 軍撤収 野党即時退陣求める 弾劾が平和/もう信じられぬ 国会前で市民ら】とは、中日新聞の 4日付夕刊1面見出し。まったくもってこの世の中、何が起きるか知れたものでない。【堀田力さん死去 元検事ロッキード事件捜査】(中日新聞夕刊)の訃報も。

(12月3日)
【ヒズボラ 停戦後初攻撃 イスラエル、直後に反撃】【シリア要衝奪還へ「反攻」 アサド大統領 イランが支援強化】とは、3日付の中日新聞夕刊の見出しだ。それにしても、人間とは何故にこれほどまでに愚か極まる戦争が好きなのか。そこが分からない。

 多治見市文芸祭小説の部に寄せられた力作の数々にあらためて目を通す。近年、時折、散見される独りよがりで何を言わんとしているのか、がさっぱり分からないプロ? という名のまだまだ力のない作家たち(もちろん、全部とは言わないが)。彼らよりも数段上の作品を何編か読むことが出来、つくづく良かったな、とも思う。

(12月2日)
 気象庁が、ことし秋(9~11月)の日本の平均気温が平年より1・97度高かったーと発表。1898年の統計開始以降で最高だった昨年(プラス1・39度)を大きく上回り、3年連続で最も暑い秋となった。過去最高だった夏から暑さが続いた一方、最新の3カ月予報では、冬は全国的にほぼ平年並みの寒さになる見通し。寒暖差が大きく、四季を感じづらい傾向が続いており、気象庁は秋の高温は「異常気象」だとしている。

 ことし話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2024年ユーキャン新語・流行語大賞が2日発表され、宮藤官九郎さんが脚本を手がけたドラマ「不適切にもほどがある!」を略した【ふてほど】が年間大賞に選ばれた。トップテンには、ほかに自民党派閥による【裏金問題】や、闇バイトを募集する際の誘い文句【ホワイト案件】などが選ばれた。

(12月1日)
 伊吹山が、この冬初の冠雪をし、流れ星が空をながれたこの日。私は名古屋の平針新公民館へ。愛知県ダンス検定委員会のスタンダード2級のスロー・フォックス・トロットに挑み、なんとか合格証を頂いた。社交ダンスのレッスン続行は亡きわが妻、愛するたつ江(伊神舞子)の私に対する永遠なる遺言でもあっただけに、その言葉を順守、おかげで健康維持にも役立って何とかここまで続けてこられた。幸い、良き先生(若原さん)はじめ、悦ちゃんにヨシコさん、水谷さん、そがべさん、おトキさんら良きダンス仲間の皆さんにも恵まれ、遠い山道を登るようにして、どうやらこうやら、ここまでやってこられた。それだけに、前回のモダン(ワルツ、タンゴ)に続く合格証書は私にとっては久しぶりにとても嬉しく、かつ価値あるものになった。これも若さんはじめ、ダンス仲間の皆さんのおかげがあればこそで、感謝している。

 というわけで、私はこの日、バブル全盛期のころ、新聞社の七尾支局長在任当時に七尾市内の洋服店(七尾青年会議所のメンバーが経営していた)でエイ、ヤアーッと26万円也で購入したブラックカシミアジャケットに、それこそ何十年ぶりかに袖を通した。そして当時、能登半島を米国西海岸のフィッシャーマンズワーフのように育てよう-と<港の町づくり運動>を進めていた七尾青年会議所がつくった、あのマリンシティーのネクタイピンを胸につけ、スロー・ソックス・トロットに挑戦。幸い、名匠の教えにダンス仲間の助けもあって、なんとか辛うじて無事、技術検定試験をパスすることが出来たのである。私は帰宅するや、仏の舞【静汐院美舞立詠大師】に報告したのは言うまでもない。
 
 運よく頂いた合格証
 

一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年11月~)

2024年11月30日
 午後3時過ぎ。買い物から帰り、自宅前の車庫にマイカーを入れようとしたところへ。今は亡きシロちゃんに可愛がられていた2代目こすも・ここ(タンゴ)が現れ、車に近づいてきた。危ないので私は2代目に向かって「ここ。車には気をつけるのだよ。怖いよ。シロの二の舞だけは食わないように」と言うと2代目こすも・ここはしばらく立ち止まったまま、私の顔を食い入るように見つめてきた。「お父さんの言ってること。分かる? 車にはくれぐれも気をつけるのだよ」と私はあらためて二代目の目を見つめ、諭すように言ったのである。
 2代目は「わかった」と頷くと、何度も何度も振り返りつつ目の前を立ち去ったのである。

 石破茂首相が29日、衆参両院本会議で所信表明。衆院の少数与党として「他党に丁寧に意見を聞き幅広い合意形成が図られるよう謙虚に取り組む」と表明。年収103万円を超えると所得税が生じる「年収の壁」を巡っては「2025年度税制改正で議論して引き上げる」と明言。自民党派閥裏金事件を受けた政治改革に関しても法整備を含め年内に結論を出す考えを示した。

 朝刊によれば、政府の認知症施策の指針となる基本計画が29日まとまった。1月に施行された認知症基本法に基づく初の策定で重点目標として認知症がある人の意思尊重を掲げ、就労を含めた社会参加の機会確保など12項目を推進すると明記したという。石破首相は首相官邸で開いた認知症施策推進本部会合で「当事者が住み慣れた地域で、周囲とのつながりから希望を持って暮らし続けられる社会が必要で、認知症になっても地域社会で安心して生活できる〝新しい認知症観〟の普及を図りたい」と話したという。

 1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)であった一家4人強盗殺人事件で再審無罪が確定した元プロボクサー袴田巌さん(88)=浜松市=が29日、東京・後楽園ホールでプロボクシングの試合の一部を観戦。同行した姉ひで子さん(91)は、この日リングに上がって「弟は58年間闘い続けてやっと勝ちました。みなさんの応援のおかげです」と感謝を述べた。人生いろいろである。

(11月29日)
 紅葉の名所、愛知県足助町の香嵐渓で約4000本のモミジが赤や黄色に染まり見ごろに。新聞報道によれば、ことしは例年より2週間遅いというが、好天に恵まれた28日は多くの人々が川沿いを散策したという。囲碁の第50期天元戦5番勝負の第4局が28日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれ、午後3時31分、黒番の一力遼天元(27)=棋聖、名人、本因坊=が挑戦者の芝野虎丸九段(25)に123手までで中押し勝ち。一力は通算成績3勝1敗で初防衛を果たし、四冠を堅持した。
 【Gグラブ岡林なお向上心 3年連続受賞 プロ野球 「まだまだ思い切ってやる」 三井ゴールデングラブ賞】とは、29日付の中日新聞運動面の見出しだ。中日ドラゴンズの岡林勇希外野手が守備のベストナインに相当する【三井ゴールデングラブ賞】に3年連続3度目の受賞をしたというドラファンにとっては、とても嬉しいニュースである。

 いつもなら毎朝顔を出す半ノラ、二代目こすも・ここがけさは寒くなったためなのか。いつもの場所に顔を出さない。どこか、ほかの家に行っているのだろうが。毎朝、顔を見せてくれて今は亡きシロちゃん、オーロラレインボーとも仲良しで、いや家来のようであっただけに心配である。何もなければ良いのだが。

(11月28日)
 【検事正袴田さんに謝罪 静岡地検「犯人視することない」】【イスラエル・ヒズボラ停戦 レバノン「60日間」米が合意発表】【07年小2刺殺疑い再逮捕 兵庫県警45歳男調べに黙秘】【猪口議員宅で火災 都内マンション 本人無事、1人死亡】(いずれも28日付の中日新聞見出し)……など。この世は、いろいろある。
 中に【★石川県、関連死12人追加】の一段ベタ記事があり、次のような内容だった。
―石川県は27日、能登半島地震による災害関連死の審査を行い、新たに七尾市、珠洲市の計12人を認定すると決定。地震の関連死は新潟、富山両県の計6人を含め247人となり、建物倒壊などによる直接死227人と合わせた死者数は474人に上る見通しとなった。
 
 そして28日付の中日夕刊はといえば、だ。【街一変 思い出壊され 停戦直後のレバノン首都 空爆で避難の住民ら帰還】というものであった。また同日付の日経夕刊は【メキシコ「米雇用40万人減」 トランプ関税に警告】【閣僚候補に「爆弾仕掛けた」 FBIが捜査】と気になる内容である。

2024年11月27日
 朝。新聞を開く。

 能登地方での地震を伝える27日付中日新聞朝刊
 

 やはり最初に目がいくのは、昨夜遅く起きた私が愛してやまない土地、能登半島でまたしても起きた地震のことである。シロちゃんの後継である半野良、2代目こすも・ここちゃん、人呼んでタンゴ(この愛称は、社交ダンスを愛するわたくしがシロちゃん=オーロラ・レインボー=が健在だったころ、レインボーと相談して名付けた経緯がある。2代目は、この呼び名をたいそう気に入ってくれているようだ)は、いつもの場所、居間に面した板敷き縁で朝食をすませるや、早くも現地に急行したようで、今は姿はない。こうした現場100回の姿勢、機敏な行動は、ありし日の先輩猫シロそっくりでもある。「気をつけてね」と私。

 ありし日の愛猫シロちゃん(オーロラ・レインボー)
 

 ほかに印象的なニュースといえば、だ。【世界最高齢男性 英国の112歳死去】【百合子さま「斂葬(れんそう)の儀」 夫三笠宮さまと同じ墓に】【停戦交渉「合意目前」 米高官イスラエルとヒズボラ】(いずれも中日新聞見出しから)といったところか。

(11月26日)
 火曜日。晩秋。寒い朝だ。
 あれやこれやと忙しくて、なかなか本欄「一匹(いっぴき)文士」を書いている時間がない。かといって、書かないでいたら、わが社会を見る目と筆力はその分衰えてしまう。世情を常時、キャッチし続けるわたくしならでは、の文を編むといった日々のちいさな夢さえ途絶えてしまうのである。
 このところは、連日、岐阜県下のある自治体の文芸祭の作品(小説)の審査に追われているのだが。どんなに忙しかろうが、だ。私の場合、ささやかなる小説執筆以外にはせめて本欄・一匹文士だけは、書き続けなければ。その時々の世の中の流れといおうか。人々の心の動きもあわせ、社会の主な動きだけはしっかり押さえておかなければ、と。そうした強い意志の下、私はきょうもこうして書き続け、生きてゆくのである。

 というわけで、本日の主な動きといえばだ。【「中国に10%追加関税」トランプ氏 メキシコ、カナダ25%】【トランプ氏の起訴取り下げ 21年議会襲撃事件】【百合子さま「斂葬の儀」 秋篠宮ご夫妻、首相参列】【アマゾン 独禁法違反疑い 公取委、日本法人立ち入り】(いずれも26日付中日夕刊見出し)……といったところか。
 ほかには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がこの日すなわち26日午前、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目エンジンを地上で燃焼させる試験を鹿児島県の種子島宇宙センターで行ったが、異常燃焼が起きて火災が発生。このエンジンは、昨年7月に秋田県の能代ロケット実験場で行った試験でも爆発事故を起こしているーといった不幸なニュースが【ロケット試験再び事故 イプシロンS、異常燃焼 種子島】の見出しつきで報じられた。

――と。ここまで書いたところでグラリと少し揺れたように感じ、傍らのラジオをつけると、まもなく「ただいま午後10時47分ごろ、石川県能登地方で強い地震がありました。輪島市と志賀町で震度は5弱。震源地は石川県西方沖です。志賀原子力発電所は1、2号機ともに運転停止しており、これまでのところ異常はありません、とのことだ。いずれにせよ、災害はいつ何時に天から降ってくるのか。知れたものではない。地震は私たちが住む、ここ尾張でも少し揺れ、瞬間的にヒヤリとしたが、被害はなさそうである。
 
(11月25日)
 月曜日。午後11時前。おかあさん(伊神舞子)に続き、愛猫シロまでがいなくなってしまったわが家はやはり、寂しく、かつ静かだ。こんな時に、私の傍らにいつも居てくれたあの愛猫、超お美人さんだったシロちゃん、オーロラ・レインボーがいてくれたなら、どんなに幸せか-と思う。だが、その彼女は過日、車に跳ねられ死んでしまったのである。わたくしには今もシロちゃんが自ら車に飛び込んだ自殺に思えて仕方ないのである。

 あ~あ、なんたることなのだ。なんたる皮肉なのだ、と。シロは「あたしが家にいると、オトンは、おかあさん(たつ江、舞)が生きていたころのように自由に外に出ることが出来ない。あたいがいない方がオトンはその分、外に取材などで自由奔放に出かけられる。だから、アタイなんて。いない方がよい」
 賢かったシロちゃんのこと。私にはそう思われて仕方がないのである。

(11月24日)
 大相撲九州場所は千秋楽結びの一番で21年ぶりの大関相星決戦となり、共に13勝1敗同士で大関琴桜と大関豊昇龍が対戦、琴桜がはたき込みで豊昇龍に勝ち、14勝1敗で初優勝。

 注目の名古屋市長選は24日投開票され、無所属新人で前副市長の広沢一郎氏(60)=日本保守党、地域政党「減税日本」推薦=が、前参院議員の大塚耕平氏(65)=自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党推薦=ら無所属新人の6氏を破って初当選。広沢氏は選挙戦で市民税減税と市長給与削減、名古屋城天守閣の木造復元化という前任の河村氏の看板政策を「丸ごと引き継ぐ」と訴えたほか、河村氏とともに街頭活動を精力的に行い、交流サイト(SNS)の発信にも力を入れていた。

 夜。NHK総合でNHKスペシャル【雪冤(せつえん)の歳月▽袴田事件・10年の記録 知られざる姉弟の闘い 獄中記した生への叫び 無罪信じ弟を支えた姉】を見る。「おまえは罪のない身でありながらいつになったら自由を取り返せるのか」と嘆く姉のことばが私の胸にズシリと突き刺さった。

(11月23日)
 石川県が22日、能登半島地震の影響で心身に負荷がかかり亡くなった災害関連死の認定が建物倒壊などによる直接死を上回った、と発表。関連死は新潟、富山両県で認定された6人を含めて計235人となり、2016年熊本地震による熊本、大分両県での認定数222人を超え、これで直接死と合わせた能登半島地震の死者は計462人となった。また、石川県内ではこれら地震に加え、9月に記録的豪雨被害を受け、11月19日時点でなお474人が避難生活を余儀なくされているという。

 厚生労働省は22日、全国約5000の定点医療機関から11~17日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が9406人で1機関当たり1・90人だったと発表。前週比1・29倍で約3カ月ぶりに増加に転じたという。
 警視庁浅草署捜査本部は22日、東京都台東区の夫婦が不凍液に含まれる有害物質を摂取させ次女と夫の父親や姉を殺害した疑いで逮捕された事件で、2018年に死亡した母親にも有害物質を摂取させて殺害したとして、殺人容疑で、いずれも元会社役員の細谷健一容疑者(43)と妻の志保容疑者(38)を再逮捕。

(11月22日)
 夕刊(中日)は。【大谷3度目満票MVP 両リーグ達成58年ぶり指名打者専任で初 守備に就かないマイナス「走攻」で大幅カバー】と【ロシア「最新中距離弾」 長射程攻撃に報復措置】【コメ58・9%上昇過去最大 10月消費者物価 流通量減など影響】(いずれも見出し)といったところ。なかでも米大リーグで史上初めて「50本塁打、50盗塁」を達成したドジャースの大谷翔平(30)が21日、ナショナル・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれたニュースは、エンゼルス時代のアメリカン・リーグで獲得した2021、23年に続き、投票者全員から1位票を獲得する満票での受賞。3度目の選出は歴代2位に並ぶもので称賛に値する快挙だといってよい。たいした男である。

 きょうは午前中に近くの歯医者さんへ。月に一度の歯のメインテナンス治療のためである。時々チクチク痛むところ、以前に抜歯していただいた上奥歯の痕を診ていただいたが、特に異常はなく心配ない-とのことなので、ホッとした。と同時に現在、辛うじて残る歯は、これから大切にして長持ちさせなければ、とけなげにも、そのように思った次第である。

(11月21日)
 NHKの名物解説で知られた、あの大相撲の第52代横綱北の富士の北の富士勝昭(きたのふじ・かつあき、本名竹沢勝昭=たけざわ・かつあき)さんが、12日午前、入院先の都内の病院で死去。82歳だった。北海道旭川市出身。葬儀・告別式は故人の遺志により、20日に近親者のみで行われたが、12月18日に八角部屋でお別れの会が開かれるという。そして訃報は、今ひとつ。あの自転車を漕いでのNHK・BSの旅番組【にっぽん縦断 こころ旅】などで人気を博した俳優の火野正平(ひの・しょうへい、本名二瓶康一=にへい・こういち)さんが、14日、自宅で死去。75歳だった。

 世の中。大切な人が相次いで亡くなっていく。そうした運命のようなものには、決まって非情な何かを感じるのである。きょうは大きな被害をもたらした9月のあの能登半島豪雨の発生から、まる2カ月。そしてわが家では家族にとってかけがえのない愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)が車に引かれて命を落として丸1カ月の、その日でもある。一体全体、誰があのかわいいシロちゃんをひき殺してしまい、知らぬ存ぜぬでいるのか。私はその非情を決して許さないし、忘れもしない。せめて謝りにでもこれないか-と思うと怒りがあらためてメラメラと立ち上ってくるのである。
 それにしても、シロを引いておきながら知らんぷり、を装っているだなんて。私は決して許さない。永遠にだ。でも、謝りに顔を出してくれたのなら、許さなければ、と。そのように思っている。

(11月20日)
 水曜日。
 本日付の中日新聞夕刊文化・芸能面の【大波小波】に<戦争と悪>のタイトルで私も知る五十嵐勉さんの『亜細亜二千年紀(ミレニアム)第一部「亜熱帯への召喚」』(アジア文化社)が3巻本として刊行された話題が掲載されていた。「400字詰め原稿用紙1800枚の大作だ。テーマは戦争と人間で、追い詰められた人間の悲哀、狂気、残酷や非道を描く。太平洋戦争時、敗走を続けるフィリピンで日本兵が体験した悪。さらに1970年代のベトナム戦争、カンボジア内戦、ポルポト派のクメールルージュに参加し大量虐殺に加わった若者の悲劇。戦後生まれの主人公が父の過酷な体験を知り、知人となった元ポルポト派兵士の話を聞く筋書きだ。極限状況下の飢餓で人肉食は許されるか。ひとりを殺しても何千人を殺戮しても悪は等価か。人は人を裁けるか。人間の倫理やヒューマニズムは死の淵で通じるかなど、重い主題が展開される。小生らはこの善と悪の深い問いに答えられるのか。……」とあったが、その通りである。まったく同感で、良い評論であった。

 思えば、1カ月前のきょう(10月20日)、わが愛する猫のシロちゃん、オーロラレインボーは、まだ私の傍で元気で生きていた。そして。その夜。能登半島地震の復興応援歌「能登の明かり」のユーチューブ化を、わがことのように喜び私の部屋に入り、ニャア~ン、ニャア~ンと共に喜んでくれていたのである。それが、何がどう間違ったのか。いや狂ってしまったのか。わが愛するシロちゃん(オーロラレインボー)は、その日すなわち10月21日の朝、おかあさんの遺影にウ~ン、ウ~ンと言って近づいたあと、いつもより少し遅れて外に出てまもなく、何の因果なのか。何者かが運転する車に引かれ一命を落としたのである。
 そして。その後、ひき逃げ犯は出てこないままだ。引いた自覚があるなら、謝ってくれて当然のはずなのにだ。シロの魂はどうなるというのだ。私は、シロをひき殺したまま逃亡同然に姿を消したひき逃げ犯を決して許しはしない。せめて名乗り出て謝ってほしく思っている。

(11月19日)
 中部地方はこの日、冬型の気圧配置(西高東低)になった影響で名古屋市で7・1度となるなど中部6県の31地点で今季の最低気温を記録。私は40数年前、小牧在任当時に妻たつ江(俳人で歌人だった伊神舞子)に買ってもらったあったかそうな赤いガウンを今シーズン初めて羽織ったのである。

 本日付の中日夕刊によれば、米国野球殿堂が18日、2025年の殿堂入り候補者28人を発表。マリナーズなどでメジャー通算3089安打をマークしたイチローさん(51)=本名は鈴木一朗=ら14人が新たに加わったという。2019年に引退したイチローさんは日本人初の選出が確実視されており、史上2人目となる満票で選出されるかが注目される。

 戦後日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんが13日午後10時5分、老衰のため東京・杉並区の病院で死去。92歳だった。葬儀は近親者で行った。父は哲学者の谷川徹三さん。俊太郎さんは10代で詩作を始め、1952年、20歳の時に第1詩集「二十億光年の孤独」でみずみずしい言語感覚を持つ戦後詩の新人とし注目された。

 火曜日。ロシアのウクライナへの侵攻開始からきょう(19日)で1000日。バイデン米大統領がウクライナに対し、米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を容認したという。ドイツ政府副報道官が18日、米政府から容認について事前に伝えられていたと明らかにした。春と秋に花を咲かせる「四季桜」が愛知県豊田市小原地区で見ごろを迎えているという。
 岐阜県本巣市の採卵用の養鶏場で毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザの感染が疑われる事例が発生した問題で同県は19日、遺伝子検査で感染を確認した、と発表。10月以降の感染確認は全国9例目で東海地方では初。県は養鶏場が飼育する約1万5千羽の殺処分に着手。このところ無差別に市民を狙ったとみられる殺傷事件が相次いでいる中国の湖南省常徳の小学校前で19日、多数の児童が車にはねられ、負傷するという事件がまたしても発生。
 岐阜県池田町の発注工事を巡り、入札で業者に便宜を図る見返りに100万円を受け取ったとして加重収賄と官製談合防止法違反などの罪に問われた前町長、岡崎和夫被告(76)の判決公判が19日に岐阜地裁であり、平手一男裁判長は懲役2年6月、執行猶予4年、追徴金100万円を言い渡した。

(11月18日)
 知事失職に伴う兵庫県知事選が17日投開票され、無所属の前職斎藤元彦氏(47)が元尼崎市長の稲村和美氏(52)、日本維新の会を離党した前参院議員清水貴之氏(50)ら無所属の6新人を破り再選を果たした。選挙戦ではパワハラなどの疑惑告発文書で失職した斎藤氏への評価や県政の立て直しなどが問われた。この日は愛知県稲沢市長選の投開票もあり、無所属現職の加藤錠司郎氏(69)が無所属新人で市民団体代表永田千佳さん(37)を破り、3選を果たした。

 米主要メディアによれば、17日、バイデン米大統領がウクライナに米国製の長射程兵器を使ったロシア領への攻撃を容認したという。ウクライナが一部制圧したロシア西部クルス州の戦線には北朝鮮兵が投入されており、バイデン氏は危機感を強め、政策を大きく転換。ウクライナ支援に消極的なトランプ次期大統領の就任が迫っていることも背景にある。ウクライナのゼレンスキー大統領は17日の声明で使用する意思を表明したという。

(11月17日)
 日曜日。わが家の息子が今は半分、野良猫とはいえ、亡きシロちゃん(オーロラレインボー)同様、舞にもとても大切にされた2代目こすも・ここがわが家に近づいたら、その映像を映して知らせてくれる感知映像器を戸外一角にセット。システムエンジニアならでは、の機転の対応には、さすがは息子だ、と感激した。舞が健在だったころには考えもつかなかった半野良、2代目こすも・ここ(本名はタンゴ)見参の有無の感知が室内に居ながらにして可能になったのである。舞が生きていたなら「へえ~ぇ。すごいね。すごいよ」と喜ぶに違いない。

 きょうは、午後、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の同人仲間でもある牧すすむさん(琴伝流大正琴幻洲会の大師範・倉知弦洲さん)から朗報が舞い込んだ。というのは、先日15日に日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで~あの日 あの時 あの歌が~をメインテーマにあった琴伝流大正琴弦洲会第四十回記念中央大会の席上、日本大正琴協会のトップから【琴伝流永世大師範第1号】の称号が牧さんに与えられた、というのである。
 琴伝流大正琴といえば、あまたとある大正琴の流派のなかでも日本最大の人員を誇る流派だけに、友人としてもこれほど誇らしく、かつ嬉しいことはない。なんでも近く刈谷市文化協会からも刈谷市文化賞が贈られる、とのこと。名古屋で生まれ、名古屋で育った大正琴。その先頭になり続けての牧さんの努力は、まさに称賛に値するといってよい。おめでとう。牧さん。そして、かよ夫人。
 そういえば、だ。私が新聞社のデスク長で当時、名市大でメディアリテラシーなどにつき講義を頼まれていたころ、一度だけ友人である牧さん(倉知弦洲さん)に名古屋で生まれ、育った大正琴を講義室で学生を前に演奏して頂いたことがある。あの時の学生たちの喜びようと真剣なまなざしは、今もしっかり頭に焼き付いている。

(11月16日)
 土曜日。石破茂首相が15日午後(日本時間16日午前)、訪問先の南米ペルーの首都リマで、中国の習近平国家主席と初会談。東電福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が全面停止していた日本産水産物の輸入を再開するとの合意を着実に履行すると申し合わせたという。また日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係を構築する方向性を確認。石破首相は、さらにこのところの中国の軍事活動活発化に関連し「極めて憂慮している」とも述べた。日本の首相と習氏の会談は、昨年11月に岸田文雄前首相が行って以来、約1年ぶり。今回の会談は約35分間だった。
 
 朝刊(中日)は、【強制不妊 全訴訟が集結 名古屋の原告 和解成立】【大谷「打」の栄冠総なめ アーロン・最優秀DH(指名打者)・オールMLB(4年連続)】がそれぞれ、明るい話題として紙面を飾った。また【野球の国際大会「プレミア12」の日本代表が15日、台北ドームで行われた1次リーグB組で韓国を6―3で下し、開幕2連勝を飾った】とのうれしいニュースも見られた。

 夜遅く。半野良さんの2代目こすも・ここが、わが家窓下の隠れ家に帰宅。どうやら、私がおいておいた夕食も食べたようだ。わが家のお兄ちゃんが、2代目のことを心配し、セットしたカメラにその勇姿を現したためでドアの引き戸を開くと、案の定、食事を食べ終えた直後のようだった。亡きシロちゃん、2代目こすも・ここの健在には喜んでいるに違いない。

(11月15日)
 宮内庁の発表によれば、上皇さまの叔母に当たる三笠宮妃百合子さまが15日午前6時32分、老衰のため入院先の聖路加国際病院(東京都中央区)で亡くなられた。現在の皇室最高齢で、101歳だった。太平洋戦争開戦直前に結婚して皇室入り、夫の三笠宮さまが2016年に100歳で亡くなるまで75年間連れ添った。社会福祉法人「母子愛育会」の総裁を長年務められ、出産や育児に携わる人たちの支援に尽くされた。宮内庁によれば、百合子さまの逝去で皇室の構成は16人となった。百合子さまは脳梗塞と誤嚥性肺炎で3月3日に入院、治療を続けておられたが、その後、今月7日の検査で心臓や腎臓など全身の機能が低下していることが分かったという。
 百合子さまは1923年6月4日、高木正得(まさなり)子爵の次女として生まれた。女子学習院本科を卒業し、41年10月に昭和天皇の末弟三笠宮と結婚。5人の子に恵まれた。公務では、戦後間もない1948年から60年にわたって母子愛育会の総裁を務めたほか、日本赤十字社の名誉副総裁も務められた。

 きょうは私たちウエブ文学同人誌「熱砂」同人でもある牧さん(詩人で琴伝流大正琴弦洲会の会主・大師範)率いる大正琴弦洲会の【第四十回記念中央大会~あの日 あの時 あの歌が~】が名古屋市の日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(旧名古屋市民会館)で開かれ、さぞかし多くの観客に喜ばれたに違いない。あいにく、わたくしは岐阜県下のある自治体の文芸祭に寄せられた作品(小説)審査や社交ダンスの検定前のレッスンなどにも追われ、行くことは出来なかったが「熱砂」からは編集委員の黒宮涼さんが観客として観覧して下さって、「よかったな」と思っている。
 私の妹(税理士)が午前中、ひょっこりわが家へ。「あす、滝のクラス会があるので」と「能登の明かり」のCDを4枚お買い上げいただいた。1枚500円なので、これにより能登への義援金2000円がまた加算された。妹よ、ありがとうーとは、このことか。

 社交ダンスの方は、作品審査や各新聞のチェックの合間を縫っての、とてもハードなものとはなったが、タンゴ、ワルツのあと、今回の検定種目であるソロの順にレッスンに挑んだ。それでもステップを繰り返し踏むうち、なんとかいけそうな気がしてきたから不思議なものである。社交ダンスのレッスン続行は亡き妻伊神舞子の遺言ともいえる至上命令だけに、生きている限り、これを止めるわけにはいかないのである。

(11月14日)
 木曜日。久しぶりに布袋のピアゴ内にある美容室へ。いつもの女性に「床屋さんに行ってきましたーとならないように。自然に流して」と要望を言い、両耳にまでかぶさっている髪の毛をカットして頂いた。

 夕刊(中日)は「国内で稼働する中で最も古い関西電力高浜原発1号機(福井県高浜町)が、14日で営業運転開始から50年となったことを伝えるニュースが【高浜原発が運転50年 老朽化や燃料搬出課題山積】の見出しで報じられていた。また同じ1面では【トランプ政権監視弱まる恐れ 米共和下院も多数派「トリプルレッド」達成】【バイデン氏と会談「今日はいい日だ」和解演出】の見出しも。こんな中、日本経済新聞夕刊は【福島第1デブリ写真公開 輸送容器から取り出し分析】の見出しで、記事には「日本原子力研究開発機構は13日、東京電力福島第1原発2号機で試験的に取り出した溶解核燃料(デブリ)を茨城県大洗町の研究所で輸送容器から取り出したと発表し、作業の写真を公開した。機構は14日からデブリの詳しい分析を始める予定」とあった。

(11月13日)
 ピースボートの仲間、大の友人が大阪から車を運転してわざわざおいでになったので江南市内で一緒に食事。彼女と久しぶりに談笑した。私が最近、愛猫シロ(オーロラレインボー)を交通事故で失ってしまったので「すごく心配していたよ」とのありがたい心遣いには、またまたシロちゃんのことを思い出して涙してしまい、どう言ってよいものか。その人ならでは、の限りなくやさしい心遣いに私は、またしてもシロを思い出してしまい涙、涙の再会となったのである。でも、わざわざ心配してきてくださって本当にありがとう。嬉しく思っている。

 この日は、友人がわざわざ遠いところを訪ねてくださったこともあり、久しぶりにランチをスイトピアセンターでと思い出かけたが、あいにくの休館ということで、仕方なく街中に出て、食べた。せっかく来てくださったのに、と思うとナンダカ申し訳ない気持ちでいっぱいに。結局、食事のあとは、かつて亡き妻たつ江とも、たまに訪れた【ウィーンクラブ】へ。ここで共に近況を語り合って別れた。いずれにせよ、元気そうな表情を目の前に、こちらまでが勇気を与えられた、そんな気がしたのである。

(11月12日)
 あさ。8時ごろ。わが家の先代の飼い猫こすも・ここの〝そっくりさん〟だと言っていい2代目のここ(愛称はタンゴちゃん)が遠慮しながら室内に。今は亡きシロちゃん(オーロラ・レインボー)が食べていた膳で朝食をたべた。

 私はいつものように、エーデルワイス、みかんの花咲く丘、能登の明かりの順でスマホのユーチューブを聞く。以前なら、いつもシロと一緒に聴いていた、その歌をである。

(11月11日)
 第2次石破内閣が11日夜、皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て発足。発足に先立ち第215特別国会が召集され、石破茂首相(67)=自民党総裁=が衆院本会議での首相指名選挙の決選投票で立憲民主党の野田佳彦代表(67)を破り、第103代首相に選出された。衆院での首相指名選挙の決選投票は1994年いらい、30年ぶりである。

 衆院選で当選した河村たかし前名古屋市長の自動失職に伴う同市長選が10日、告示され、無所属新人の7人が立候補。10日は愛知県豊橋市長選の投開票もあり、元市議で無所属新人の長坂尚登氏(41)が現職ら3人を破って初当選した。長坂氏は市が豊橋公園内に2027年度の完成を目指す多目的屋内施設(新アリーナ)計画に反対し、公約に計画の中止とすでに締結済みの整備運営契約の解除を掲げてきた。投票率は前回比0・29㌽増の43・43%だった。

(11月10日)
 ズワイガニ漁が解禁され、石川県輪島市の輪島港が能登半島地震からほぼ10カ月ぶりに漁港として本格的に復活した-とは中日新聞の本日10日付朝刊。【ズワイガニ漁解禁 港が復活 それでも輪島で海に出る 地震、豪雨 長男に励まされ】の見出しも前向きで、能登の人たちの復興にかける強い意志がビンビン伝わってくる。そんな内容の記事だった。

 ほかにはフィギュアスケートNHK杯グランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯の報道で【大人な鍵山熱く連覇】【冒頭転倒 光る修正力】【坂本貫禄V ファイナル切符 全力全開攻めて今季世界最高点】といったところか。

 夜。私が原稿を書き進める間、いつも私の傍らに座り、執筆中の私を黙って応援してくれていた愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)のことが思い出される。シロには今は亡き妻たつ江(俳人で詩人、歌人だった伊神舞子)ともども本当にお世話になった。たつ江はいつだってシロのことを俳句猫だ、と敬意を表していた。その彼女たちは、もはやふたりともこの場にはいない。そんなことを思ううち私の口からは「シロよ、シロ、シロ、シロ。ごめんね。シロちゃん」の声があふれ出し、思わず、あのシロの顔が眼前に思い出されるのである。取り返しがつかない、とはこのこと。あの日のシロの悲しい死を思い出すのである。
 と同時に今となっては、だ。シロが生きていたころと何ら変わることなく、毎朝、わが家に顔を出してくれる半野良、すなわち2代目こすも・ここちゃん(愛称はタンゴ)のことが無性に思い出されるのである。2代目こすも・ここよ。タンゴちゃん、おまえを最後の最期まで大切にしてくれたシロの分まで長生きするんだよ、と。

(11月9日)
 半のら、タンゴ(2代目こすも・ここ)がとうとう、今は亡き愛猫シロ(オーロラレインボー)がいつも食べていたわが家の台所、シロちゃんが食事をしていたところまでツカツカッと入って来て食事をしてくれ、なんだか嬉しさで飛び上がりたい、気持ちにかられた。タンゴは食べ終えると遠慮がちに外に出て行き、こんどは残りの分をシロちゃんがいたころから、これまでいつもずっと食べている台所居間横の縁側指定席で食べたのである。
 そして。食事を終え、外に出るときの半のら、2代目こすも・ここは「おねん(お姉さんだった今は亡きシロちゃん=オーロラレインボー=)は、こうして家の中から外の景色を見ていたのだ」と感無量の表情で10秒ほど室内から外の景色を眺め、外に出て行ったのである。私は、その2代目の表情を目の前に、わが胸を押しつぶされるような無念と悲しさ、と同時に嬉しさを感じたのである。
 2代目こすも・ここよ! 本当にありがとう。シロちゃんは、そんな2代目の姿に感無量になったに違いない。オトンも2代目のその姿には、迸しり出る涙を抑えようがなかったのである。2代目こすも、こすも・ここよ。本当にありがとう。シロも喜んでいるに違いない。

 私は、こんな遠慮がちなタンゴを目の前に仮猫(かのねこ)と私の心が通じ合っていることを確信した。これからは、あわてないで。ゆっくりと。シロの後継ぎと思い、タンゴとの触れあいを深めていこう、と。そう思っている。タンゴはいつも外歩きなので、ひとつ間違えば車に跳ねられることも十分ありうるので「気をつけるんだよ」と頭をさすってやる。

(11月8日)
 金曜日。シロに先立たれた悲しさは日に日に深く、どうしようもない愛の結晶となり、私の周りにまとわりついている。でも、毎日、慰めにわが家を訪れる半野良、2代目こすも・ここのためにも「きょうも生きていかなければ」と思い、生きている。

 というわけで、午後、きょうも自らを鼓舞し、一宮のスポーツ文化センターへ。社交ダンスのレッスンのためで、タンゴにワルツ、ソロと踊って帰宅した。ソロは来月1日の資格審査会があるというので自らを鼓舞してのレッスンとあいなった。

(11月7日)
 甲府地方気象台が7日、富士山(3776㍍)が初冠雪したーと発表。1894年に観測を始めてから130年で最も遅いが、例年に比べ気温の高い日が続いたのが要因とみられるという。6日朝には山頂の積雪が静岡県側や麓の山梨県富士吉田市から確認できたが目視観測を担う甲府地方気象台からは曇りで見えず、発表がなかった。

 米大統領選は5日投開票され、主要メディアは共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)が民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(60)を破り、勝利を確実にしたと報じた。共和党は4年ぶりに政権を奪還。返り咲きを果たした大統領は、19世紀に第22、24代を務めた民主党のグロバー・クリーブランド以来、2人目となる。―とは、けさの中日新聞朝刊1面報道。見出しは【米大統領 トランプ氏 4年ぶり返り咲き ハリス氏敗北宣言へ】というものである。

 世界が注視した米大統領選はトランプ氏が4年ぶりに返り咲いたのである。ということで日本の石破茂首相は7日、さっそくトランプ米次期大統領と電話会談し、大統領選での勝利に直接祝意を伝えたという。両氏は日米同盟をより高い次元に引き上げる考えで一致。早期に対面での会談を調整する方針を確認したという。
 一方、米大統領選で共和党のトランプ前大統領(78)に敗れた民主党のハリス副大統領(60)は6日、首都ワシントンで演説。「この選挙結果を受け入れなければならない。トランプ氏とそのチームを支援し、平和的な政権移行に取り組む」と敗北を宣言。ハリス氏は演説に先立ち、トランプに電話で祝意を伝えたという。

(11月6日)
 【米大統領選投票始まる 「ひどい4年」批判締め 勝敗数日後か 「準備できた」未来協調】【立民・国民 政治改革で協力 党首会談「年収の壁」も連携】【日本の酒造り無形遺産へ 来月決定ユネスコ機関が勧告】……(中日1面見出し)と相変わらず、世界でも日本でもニュースは続く。軟派(社会面)には【酒造り 醸した魅力 無形文化遺産、中部で喜び 「次代へ」「世界へ」期待 能登の酒蔵「応援もらった」】(中日)といった嬉しい話も。
 人々はこうしたニュースの波に翻弄されながら生きていく。のである。

 中に【楳図=うめず=かずおさん死去 83歳「まことちゃん」「漂流教室」】の見出しも。記事には「恐怖をテーマにした作品で知られ、タレントとしても活動した漫画家の楳図かずお(うめず・かずお、本名=楳図一雄)さんが10月28日、死去した。88歳。和歌山県生まれ。葬儀は関係者のみで執り行った。胃がんを患い、施設で療養中だったという。】とあった。この世の中、毎日毎日多くのニュースが現れては消えていく。

(11月5日)
 津波防災の日。
 朝。いつものように朝刊各紙をチェックしたあと、【エーデルワイス】【みかんの花咲く丘】【能登のあかり】の順でスマホのユーチューブで聞く。シロちゃんが生きていたころには、朝食を終えたシロも私の隣の座椅子に座って静かに一緒に聴いていた。歌を聞き終えるとシロは散歩に出るのが日課で、そうした朝が私と彼女ふたりの<生活パターン>でもあった。

 でも今や、わが最愛のシロは、たつ江のあとを追うように旅立ってしまったのである。
 私は、こうしていながらも今、つくづく思う。
 あの日。シロが散歩に出かける時間が1分、いや、たとえ10秒でも遅かったのなら。おそらく。シロ、シロちゃんは助かっていたはずだ。そう思うと、全ての責任は私にあり、私の目からは、またしても滂沱の涙がとめどなく、落ちるのであった。

2024年11月4日
 中日新聞社顧問で名誉会長でもあった中日ドラゴンズ元オーナー、白井文吾さんが10月29日、老衰のため死去。96歳だった。愛知県田原町(現田原市)出身。葬儀(喪主は長男伸明さん)は近親者で執り行ったという(12月10日に名古屋市内でお別れの会が開かれる予定だという)。10月29日といえば、だ。わが家の愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)が車に引かれて死んでしまった10月21日から1週間後である。何ということか。シロが事前に自ら命を絶った、と。そんな気がしてならない。

 白井さんには昭和の時代に社会部着任以降、本当によくして頂いた。私が長期に及んだ岐阜県庁汚職事件の取材を終え、社会部に着任したその日。当時社会部長だった白井さんは私を前に、居並ぶ社会部員を前におっしゃられた言葉を私は今も忘れない。彼はこう、おっしゃったのである。
「泣く子も黙る最年少のいがみ記者が、岐阜からわが社会部に来てくれた」と、だ。
 そして。白井さんにはその後、も何かとお世話になったのである。能登・七尾では私たち家族が住む支局長住宅の屋根が台風でそっくりそのままはがされて飛んでしまった時。当時、北陸本社代表だった白井さんは、わざわざ七尾まで来て下さり「君イ、こんなところで家族みんなで住んでいるのか。大変だったな」と言ってくださるが早いか、あっという間に業者を呼んで住宅全体を改修してくださった。あの時の手際の速さ、嬉しさといったら、今も忘れない。
 そして。いつだってトップでありながら、地方を大切にされるお手本的存在でもあった。能登同人一丸となって執筆した「能登人間ものがたり」の出版に当たっても理解が深く、そのこともあって地方発の能登同人による【能登人間ものがたり】(企画・編集 北陸中日新聞七尾支局 印刷オフィス4510)が誕生した、あの時の喜びも忘れられないのである。
 そして定年と同時にドラゴンズ公式ファンクラブにきてくれないか-と言われ、中日スポーツに同僚とファンクラブ通信のコーナーを開設。おかげで落合博満監督率いるドラゴンズ黄金時代を味あわせて頂くーなど今から思えば感謝のしようもない。ありがとうございました。 

 さて、そのプロ野球だが、プロ野球の日本シリーズが3日、横浜スタジアムで第6戦が行われ、セ・リーグ3位からCSを突破したDeNAが、パ・リーグ王者のソフトバンクを11-2で下し、4勝2敗で26年ぶり3度目の日本一に輝いた。

 東北電力が3日、再稼働した女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉を停止すると発表。原子炉の状態を確かめる計測関連機器を送り込む途中にトラブルが発生、再開を延期した。原子炉に核分裂反応を抑える制御棒を挿入し、冷温停止させ、機器を点検する。原子炉に異常はなく、外部への放射性物質の漏えいはない、としている。
 10月29日の再稼働からわずか6日目での原子炉停止決定となり、今後管理体制が問われそうだ。東北電の担当者は「現時点では原因がわからない。あらゆる点検をするために原子炉を停止すべきだと判断した」と説明している。

(11月3日)
 日曜日である。ニャンニャンちゃん、2代目こすも・ここ(愛称はタンゴ)は今朝もあのどこか心配そうな顔でわが家1階縁台から私を元気でいるかどうかを心配し、覗き込む。私は「おはよう、タンゴ(タンゴとは。2代目こすも・ここの愛称)、元気でいるか。さあ、ごはんだよ」と声をかけ、いつもの場所に置かれた食器にシロちゃんも大好きだった猫の餌、コンボを入れてやる。すると2代目はニャア~ンと感謝の声を出し、餌に寄って食べるのである。それから。わたくしは、「食べてくれて本当にありがとう」。そのようにタンゴちゃんに向かって礼を述べるのだ。
 
 しばらくして窓を開けてシロちゃん、すなわちオーロラレインボーをはじめ先代猫ちゃんたちが眠る裏庭の墓をのぞくとナント、2代目こすも・ここは、そこに立ったままじっとし私に気付き、仰ぎ見るではないか。そんな2代目こすも・ここ、タンゴにせかされるが如く、私は裏庭猫の先代墓のお水をひとつ一つ替えてやるのである。2代目こすも・ここ、すなわちタンゴよ、タンゴ本当にありがとう。わたくしの目からは、またしても涙があふれ出たのである。

 夜。NHKスペシャル【混迷の世紀「最終回」激戦トランプ対ハリス超大国の分断どこまで 欧州で高まる米国不信】を見る。アレヤコレヤと考えさせられた。

(11月2日)
 気がつけば秋である。新聞には【黄金色の秋見つけた 香嵐渓ライトアップ】なる見出しが躍っている。とはいえ、きょうは雨、雨、雨の1日で、買い物の行き帰りには一部衣服がずぶ濡れになり、ピアゴの出入りを帽子をかぶったまま店と駐車場間を徒競走でもするように走って往復したりもした。

 あすの文化の日に先立ち政府は2024年秋の褒章受章者を2日付で発表。受章者は786人(うち女性157人)と26団体で3日に発令される。というわけで、新聞紙面には【タイトル31期活躍続く 渡辺明さん(40)将棋棋士】【パリ団体金 大逆転呼ぶ 杉野正尭さん(26)体操選手】【レカネマブ開発に尽力 岩坪威さん(64)東大教授】といった見出しが躍っている。

 きょうは雨、雨、雨で「会えないかな」と思っていた2代目こすも・ここちゃんだが午後4時過ぎ、いつもの居間隣の縁台に突然、ニャア~ンと顔を出して現れてくれた。私はさっそく「雨、大丈夫か」と声をかけ、シロがいつも食べていた猫の図柄入り食台にごはんを乗せ、与えた。雨の日でもあり心配していたが、おいしそうに食べてくれ、やれやれでホッとしたのである。
 気がつくとごはんを食べ終えた2代目のこすも・ここは裏庭のシロちゃんのお墓の前で何やら感慨深げに座っているではないか。私は、ここに向かって「毎日、ありがとう。シロちゃん、きっと喜んでいるよーと言うと、涙がこぼれ落ちそうになったのである。「ここ2世、タンゴ(愛称)よタンゴ。ありがとうね。事故に遭わないように。気をつけてよね」と私。

(2024年11月1日)
 日経の本日付の夕刊に【能登地震関連死218人に 4市町の19人 新たに認定】【兼六園冬の備え 雪づり始まる】【海女の絆 能登を支援 福岡・宗像と輪島・海士 450年前から縁 「長い付き合い」寄付届ける】の見出し。

 なかでも<海女の絆 能登支援>の話には、わが目からポタリポタリと涙があふれ出たのである。海女さんといえば、私は真珠と海女さんのふるさとである三重県の志摩半島で今は亡き妻たつ江(伊神舞子)と共に3年8カ月にわたって地方記者生活をし在任中には連載【海女その世界】を伊勢志摩版に書き続けたことがある。だから、海女の絆という見出しに何はさておき、目を奪われた。思えば、わたくしも歳を重ねたものだ。私の連載執筆は今から50年前の話である。ふと気づくと、わたくしは今や78歳。信じられない風雪流れ旅記者のひとコマである、とでもいえようか。
 というわけで、海女さんの話題には何よりも目が奪われたのである。確か、志摩の海女さんは、かつては手漕ぎ舟で済州島にまで漁にでかけていったことが魏志倭人伝に書かれていた。そんなことを思い出したのである。