真伏善人が詩「きらい」を発表
きらい、な奴は夜明けの雨音。見たくも聞きたくもない。その雨がいつしか全身に放射され、そして塞がれた穴に空気を通すと、アラッふしぎや。蘇ったリズムが躍り出し踊っている、という筋立て。やがて嫌いな雨は、夕焼けに。
この世のなか、【きらい】ほど気になるものはない。詩人・真伏善人は最後に夕焼けを運んでくれた雨音が本当は好きだった。全編にながれる新感覚。〈雨さん〉を主人公とした自然に誘発された作者の感動をすなおに表現した叙情詩とでもいえようか。(伊神権太記)
❤名古屋の〝ばあちゃん合唱団〟がウエブ文学同人誌「熱砂」を通じ〈愛のラブバード〉を世界に発信
熱唱する合唱団メンバーとピアノで伴奏する嶺田さん=女性会館「イーブルなごや」で
名古屋の平均年齢80歳から成る〝ばあちゃん合唱団〟に、このほど新しい歌〈愛のラブバード〉が誕生。市婦人会館で内輪だけのお披露目があった。合唱団生みの親でピアニスト、詩人でもある嶺田久三さん(84歳)=名古屋市昭和区前山町=によると、昨年世に出た恋歌〈ラブバード・カトマンズ〉(伊神権太作詞、張柳春作曲・歌)をヒントに、高齢女性でも気楽に歌えるように―と全体に音階を下げ嶺田さんご自身が作曲。こんごは合唱団の持ち歌として末永く歌い続けていくという。詳しくは本紙「熱砂」の【WORLD WINDOW―世界の窓―】コーナー、または伊神権太のウエブ作品集【生きてゆく人間花たち/2015年3月の唄(3月17日分)】をご覧ください。
【生きてゆく人間花たち/2015年3月の唄】がスタート
この世に生きる全てに対する、光と影。その一端を、伊神権太の筆で、どこまでも描き続けていきます。
町は沈み、何もかもが音もなく泣いていた。この町の人々が一体、何をしでかした、というのか
全てが閉ざされた住宅街。そこには物音ひとつしない不気味な町が死んだように横たわっていた。言葉もなく咲く梅一輪がいたましい この町が息をふき返すのは、いつなのか
「熱砂」主宰の伊神権太=脱原発社会をめざす文学者の会メンバー。日本ペンクラブ会員。小説家=が美空ひばりさんの最後のレコーディング曲〈みだれ髪〉の舞台で知られる塩屋埼灯台直下に広がる東日本大震災の被災地を経て大震災発生に伴う原発事故の放射能汚染で今なお「避難指示準備区域」になっている浜通りの双葉郡楢葉町に入った。ただ1人、黙々、延々と1日じゅう傷ついた町なかを彷徨うかの如く、無言で歩き続けるゴンタ。そのときの現地ルポの一端を「熱砂」の伊神権太ウエブ作品集【生きてゆく人間花たち/2015年2月の唄】の2月26日分に収録。読者の方々に被災地の心情を、たとえわずかでも理解していただけたら、と願います。【伊神権太記】
詩人・真伏善人が「二月」を発表
いったいどうしたんだい二月よ/今朝の温かさは/……
この詩を読むと、この地上のモノ全てが〈みんな生きてる 生きているんだ〉といった不思議な感覚にとらわれる。春の訪れを前に、ひと味違ったポエムです。風の優しさ、ベランダのハンガー、猫、翼の持ち主たち、田畑…と、いきものも自然も、みんなで春を待つ。それが2月なのかナ。