伊神権太の小説「マンサニージョの恋」出版、全国発売へ
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昨年、第76回ピースボート102日間地球一周の船旅に乗船した筆者(本欄・ウエブ文学同人誌「熱砂」主宰)が下船後に書き上げた船上のラヴロマンスが「マンサニージョの恋」として今月下旬、幻冬舎ルネッサンスから全国発売されます。
〈マンサニージョの恋―女たちの船上ララバイ〉〈淡墨桜のやうな〉〈道化師〉の三話からなる連作小説集で、詳しくは上記アドレスをクリックされ、幻冬舎ルネッサンス書籍案内の「これから出る本」を参照してください。
なお、「熱砂」主宰の伊神権太は昨年の地球一周の船旅の途次、本欄ウエブ作品集で地球一周船旅ストーリー〈海に抱かれて みんなラヴ〉を長期にわたって連載、ほかに寄港した先々から〈伊神権太が行く世界紀行 平和へのメッセージ/私は今この町で〉を世界に発信し、船上からの初の試みの数々が国内外から好評を得ています。
生きてゆく人間花たち/三月の唄・言霊たち
☆【あ~ぁ、言霊たち】を新設 昨年九月から始まった伊神権太の日記文学「生きてゆく人間花たち」を引き続き、日々連載。ご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。21世紀を生きる人間社会。そこには喜怒哀楽の一方で多くの名言、苦言、名文も横たわり心の支えになっています。今回からは日常生活の中から掬い取った、そんな言霊たちを毎日ひとひらずつ紹介していきます。ご期待ください。
加藤行の掌編「或る一日」を公開。
年齢も、職業も、分からない。謎に満ちた男の世界。男は一体何奴か。真理はただ一つ、一人住まいということである。何の変哲もない時が、この男と共に生きてゆく…。「泣かせるねえ」。
受贈誌(「文芸中部92」、「詩遊 №37・冬季号」)をありがとうございます
☆「文芸中部 92」(二〇一三年三月一日発行、発行所・文芸中部の会=愛知県東海市、三田村方、電話0562―34―4522、表紙カット・三田村畯右)
書き手ぞろいの同人誌ならでは、か。今回も◇小説◇ずいひつ◇狂言◇詩、と多彩で充実した内容が目立つ。なかでも狂言「御深井焼き」(三田村博史)は、この地方の方言を使ってのテンポのいい作品で、なんとも関心をそそられる名作といって良い。
―時期になると、村上春樹がノーベル賞をもらうかどうかが話題となる。賞なんてもんは、と思う反面、芥川賞など批判があるのは承知だが、でも読みかえすと時代を反映しているなと思う。そして、映している時代が現代に通じているかーそれが結局その作品が今のところ再読に値するかどうかにつながっている気がする。将来も古典たりうるか否かはまた別問題である。……(三田村)=〈あとがき〉より抜粋
☆詩誌「詩遊 №37 2013 Winter」(発行所・詩遊社=大阪市都島区、電話06―6923―5680=、編集発行人・冨上芳秀、表紙デザイン・上田寛子、定価1000円)
今回も「こずさーて」(瀬戸ひかり)、「達人」(中村国男)、「石段の擬宝珠」(楡久子)、「半開の竜胆」(坂本久刀)、「ヒガンバナと大腿骨」(林美佐子)、「ルビー婚式」(井宮陽子)、「ふろふき大根の夜」(みやさすとう子)など同人一人ひとりによって編まれた【命の詩】を満載。それぞれに人生の光と影が垣間見られる渾身の作品ばかりである。
―……準備期間も含めてほぼ十年、「詩遊」の仲間もそれぞれが自分の書くべきものを見つけてきたように思います。詩を書くことは私を支えてくれています。これはもう毎日のように楽しんで書いているのですが、二、三日に一篇くらいのペースです。昨年、私は百五十二篇書いています。もちろん発表できるのはごく一部です。平凡な詩もたくさん書いています。毎日、推敲したり、新しい作品を書いたりしています。意識的に実験をしたり、書きたくなって夢中で書いたりしています。……(冨上芳秀)〈編集後記より抜粋〉
平子純の「巡って巡って」を公開
☆テーマエッセイ集〈巡る〉 真伏善人の「猫巡り」を皮切りに「からくり巡り」(加藤行)、「偶然そこで巡り会った人々」(黒宮涼)、「佐智子と増美」(眞鍋京子)、「古伊万里」(牧すすむ)、「奇跡の日々」(伊神権太)、「大宇宙の毛細血管」(山の杜伊吹)の順で公開。そして愈々、円熟の境の作家、平子純のエッセイ「巡って巡って」の登場です。
人間、年を重ねると百年以上のことが分かってくる。人は余程の名家でないと祖先の名前など知らない。人間はすべてにおいて新しい。それが地球を壊し続けている。いつまで人類が地球上に続くことやら。「巡る」。いろんな巡るがあるだろう。星の巡り、宇宙の巡り、人の巡り、……
巡って、巡って、やってくるものがある。この年になると、よくその意味が分る。そんな作者が、最後に辿り着いた言葉は何か。どうぞ、お楽しみください。
なお、テーマエッセイ集のテーマは〈音楽と私〉を第一回に〈酒〉〈雨〉〈色〉〈時〉〈夜明け〉〈にて〉〈贈り物〉〈便り〉〈走る〉〈声〉に続き、今回の〈巡る〉は十二回目です。