名古屋で今夜、世にも不思議なバイオリン&俳句コラボの夕べ
☆名古屋の大須・七ツ寺で「ポエトリー・リーディング(往還のための朗読会)の夕べ」
七ツ寺共同スタジオ主催、あいちトリエンナーレ実行委員会共催で26日午後6時30分から、<往還・地熱の荒野から>をスローガンに、同共同スタジオで開かれます。開場は午後6時。
詩人・野村喜和夫さん、ボストン美術館館長で俳人でもある馬場駿吉さん、あいちトリエンナーレ芸術監督の建畠あきらさん、彫刻家市川武史さん、そして名古屋を代表する新進バイオリニスト・来島里奈さんの5氏が出演。
共同スタジオのユニークな劇場舞台で、それぞれに個性的な演劇と美術の出会いのためのインスタレーションと上演、朗読を展開。なかでも馬場駿吉さんの俳句を来島さんが彼女ならでは、の音の感性でメロディー化し、即興演奏するバイオリンとのコラボの試みが今から注目されています。
お問い合わせは、七ツ寺共同スタジオ=電話052(221)1318=へ。
“大暴走”を続ける夢二が新作発表
☆未完の大器・光村伸一郎から、香村夢二に生まれ変わっての処女小説「コンビニ」の登場です。香村世代にしか分からない、若者たちの生態心理社会に切り込んだ意欲作です。強盗も人の子、最後は「幸せの扉」が開かれます。請う! ご期待のほどをー
ぜひ、ご一読あれ、加藤行が新作2編
☆異色の作者が、ショートミステリー「ティータイム殺人事件」と詩「固い壁」を同時公開。
人はいつでも現実と戦う壁を叩く=「固い壁」から=。ならば、作者の言葉に、名もなき読者たちは、どんな壁をたたいてくれるのだろうか。
片山浩治改め『真伏善人』が登場、渾身の「青い谷の炎」
われらウエブ文学同人誌「熱砂」に、また新たな一ページが刻まれました。作家の名は、真伏善人(まぶせよしと)。文章の切れ、どきどきする展開、音のない世界までも表現する感性の冴え…。
どれをとっても新しいエースの誕生です。
=伊神権太
(本文から抜粋)
何かがいる。
やはり自分の近くに何かがいる。
獣か、人か。
釣りどころではなくなった。
(中略)
平井は立ち止まった。
釣り人ならば、いずれ追いついてくるはずだが。
いっこうに姿は、見えてこない。
人間の後ろをつけてくる獣、
まさかオオカミがいる はずもない。……
陽射しを閉ざす厚い雲が、ゆるゆると空を覆いだ
した。
ーさあ、これから、どうなる。思わず、読者を引きづり込んでいく真伏の文体。「熱砂」に誇る書き手・片山浩治ならでは、生まれ変わった新たな“真伏ワールド”です。ぜひ、お楽しみください。
寄贈誌(詩集「BLACKPAN」、「部分」と文芸誌「北斗」)をありがとう
☆詩集「BLACKPAN・1ー2010 98号」(発行/大和高田市土庫北方、発行者/日高てる、編集/岩谷まり、印刷/三晃社 定価1000円、平成22年1月30日発行) 今回は加納由将「未来の散歩」を特集。日高てるの『新 夢十一夜・その四』を抜粋するとー
花魁は威儀をただして拾壱の香料を 彼女の周囲にたてかけさせる……
銀箔(しろがね)の道は 夜の底の底へと
夜の底の底へと つづき そして
☆詩集「部分 43 2010・8」(発行・三井喬子、印刷・サンワ印刷)
☆文芸誌「北斗」(570号、1冊500円、平成22年9月1日発行、編集発行人・竹中忍、発行所・北斗工房、連絡窓口・棚橋鏡代=名古屋市中区、電話052ー321ー0218=)
小説、詩、エッセイ、評論と今回も充実している。小説『絶滅危惧IA類「ハリヨ」』(山中幸盛)がなかなか読ませて面白い。エッセイ「詩の宴ー日韓詩人交流会に寄せて」(尾関忠雄)なども一読に値する。文芸評論家・清水信さんの「ひたすら書いた人たち⑳ 現代文章作法」は、この先、文学を目指す若者たちにとっては、必読ものといっていい。