受贈誌(「弦 第87号」と「みずしなさえこの世界」)を、ありがとう
☆「弦 第87号」(発行日・二〇一〇年六月十五日、編集発行・弦の会、代表者・中村賢三、発行所・名古屋市守山区、中村方「弦の会」=電話・FAX052ー794ー3430)
小説、紀行、エッセイ、詩、短歌、評論、表紙のことば「アルハンブラの思い出」とベテラン作家、書き手ぞろいの同人誌ならでは、の充実した内容だ。なかでも今回初めてニューヒーロー『豪田浩介』が登場した市川しのぶさんの「朝の光のために」は、一読に値する。
☆「みずしなさえこの世界 Facesー顔の中の顔ー」(第1刷発行・2010年6月14日、定価・1200円、著者・みずしなさえこ、制作・R.M.Y.企画、連絡先・名古屋市緑区大高町、堀田志保方=電話&ファックス052ー623ー4383)
(1)ダイスの君
僕は詩人・みずしなさえこのファンである。
(序文・美しき船出 清水 信)
おまえは いくつの顔を見せてきた
おまえの おまえ自身のその顔の中に
数えきれないくらいの くらいの
得意と失意の顔を
愛と憎と善と悪の顔を
生きてきた 途方もない日々の季節の中に
生きてきた 途方もない時間の朝と昼と晩に
… (Facesー顔の中の顔ーより)
加藤行が渾身の短編2作「出会い」「プラットホーム」を発表
☆二作ともに、ありがちな夫婦の機微と窮地を、人間愛に徹して描き切っている。あとは、お読みになられてから。茶色のロングカール、ほのかに香るオーデコロン…と、女性の洗練された雰囲気にも注目を。「世の中にはお金で買えないものがいっぱいあるんだわ」の述懐には、身につまされる方々も多いに違いない。
受贈誌(詩集「閾、奥三河の花祭」、「北斗」)をありがとう
☆詩集「閾、奥三河の花祭」(著者・紫圭子、発行者・小田久郎、発行所・株式会社思潮社=東京都新宿区市谷、電03ー3267ー8153=、印刷・創栄図書)
日本ペンクラブ会員で詩誌「宇宙詩人」同人でもある紫圭子さん(豊川市在住)が現場に何度も通い、奥三河の花祭を一冊の詩集に還元させた。
雲間から射すひとすじの陽光にのって
鬼に化身した神が降りてくる
テーホヘ! テーホヘ!
-今「わたしのなかの女人花祭」が現代社会に甦る
☆文芸誌「北斗 六月号」(編集発行人・竹中忍、発行所・北斗工房、連絡窓口・名古屋市中区、棚橋鏡代=電話052ー321ー0218=)
珠玉の一篇「携帯電話」が、世に
☆牧すすむが珠玉の一篇(詩「携帯電話」)を公開。携帯電話が、これほどまでに優しさに包まれたものだったとは。涙がポトリとこぼれた。あなたのこ・こ・ろは、十分、私に伝わっている……。
「恋の犬山」「トコタン冬物語」「青春の街・小牧」「さよなら橋」など。数々の名作を世に送り出してきた俊英ならでは、の詩をぜひ味わってください。
心から、おめでとう 「きなり」が70号達成
☆文芸「きなり」70号記念号(発行日・二〇一〇年六月、発行所・文芸「きなり」、事務局・石川好子代表方=名古屋市昭和区、電話052ー763ー5643=、印刷所・株式会社タナカ企画)
創作、清水信・座談批評、寄稿、俳句、エッセイ(テーマは「傘」)、漢詩、連載と重厚な内容が光る。さすが記念号である。どの作品からも意欲の表れがビンビン伝わってくる。あとがきに『「ものを書くのに、卒業、終点はありません…」。原点に戻って、ときめきを、誰かに伝えていこう。 (石)』と。
『清水信先生卆寿と文芸きなり70号を祝う会』は七月九日午後一時~三時半まで名古屋市千種区のルブラ王山で開かれる。朗読「華やかにことばの花束を」に続いて、文芸評論家清水信さんの講演「文学を愛して90年」がある。入場無料。この日は引き続き午後四時から文芸きなり70号の祝賀会もある。会費は一人、七千円。お問い合わせは、石川好子代表まで。
☆受贈誌「北斗」六月号(平成22年6月1日発行、編集発行人・竹中忍、発行・北斗工房、連絡窓口・棚橋鏡代=名古屋市中区、電話052ー321ー0218)