一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2022年12月~)

2022年12月31日
 土曜日。ことしも【年の瀬 花めく 柳橋 名古屋】(31日付、中日朝刊)の見出しとともに過ぎてゆく。記事には「新年を前に30日、名古屋市中村区の柳橋中央市場はマグロやカニ、タコなど正月用の食材を買い求める人らでにぎわった」とあるが、この光景は昔も今も何ひとつ変わらない。私自身、昭和54、55年ごろ、はるかかなた昔の新聞社の社会部時代に暮れの出番を言い渡され柳橋中央市場をカメラさんと一緒に取材に訪れ、このように書いた記憶があるのである。この記事を読みながら人間は昔も今も何ひとつ変わらないナ、と思った次第だ。と同時に若かったあの日あのころが思い出されてくるのである。

 大みそかのことしのニュースは、ほかに【円40年ぶり下落幅大揺れ1年 年末株価4年ぶり下落 東証大納会】【ペレさん死去 サッカーの「王様」82歳】【来年つばめG三大都市圏初 相乗りタクシー名古屋で発進 アプリでマッチング運賃割安に】【スーチー氏刑期計33年 最後の裁判 禁錮7年判決】(いずれも31日付中日見出しから)といったところか。

 夜。いつものNHK紅白歌合戦。特に記憶に残ったものをここに記録として残しておこう(NHK総合から)

 永遠の若大将、加山雄三さん
 

 ラスト出演を宣言した氷川きよしさん
 

 演出が光ったふたりのユーミン
 

 石川さゆりの<天城越え>は永遠の名曲である
 

 審査員も今年の顔。豪華な顔ぶれがそろった

 さようなら、2022年
 

    ※    ※

    ☆    ☆
 さて、ことしの私にとっての大ニュースは一昨年に旅立ったわが妻たつ江(伊神舞子)=10月15日に江南厚生病院で逝去=のあとを追うように5月16日に今度はわが愛する母、世界で、いやこの世でイッチバーン、家族と同じように好きだった伊神千代子=兄妹夫妻みんながそうだったに違いない=が6月1日の満102歳の誕生日を目の前に亡くなったことだ。ほかには、わが母校のクラス会、滝高校の同窓会二石会(昭和39年滝高校普通科卒)の第十五回総会兼懇親会を11月9日に木曽川河畔のホテルインディゴ犬山で無事開催することが出来、久しぶりに高校時代の同級生の元気な顔にあえ、互いに近況を語り合えたことか。このところはコロナ禍のとばっちりでしばらくは総会も開けないままできただけに、コロナ禍をぬっての奇跡的ともいえる開催には出席者の誰もが感無量の面持ち。みんなで手を携え、ともに苦労し準備してきたかいがあったなと心から嬉しく思った。
 これも全て愛すべきクラスメート、かつての詰め襟帽姿の<高校三年生><仲間たち>のおかげだった(実際、一宮市出身の大スター舟木一夫さんの<高校三年生>がヒットしたその年に私たちは、まさに高校三年生であった。当時、舟木さんはじめ姿美千子さん、倉石攻さん、高田美和さんら青春スターが集結し、滝高校で映画【高校三年生】が何日にもわたってロケされ、私たちはその姿を見守ったのだった。そして私は、この二年間たまたま二石会会長の要職にあった。総会の席では当然のことながら、みんなで校歌と、あの懐かしい「高校三年生」をアカペラで歌ったのである。再会の奇跡と喜びには、どの顔にも涙が光っていた)。

 ほかには、全国同人雑誌協会のメンバー(参与)として久しぶりに二度にわたって大阪文学学校に足を踏み入れ、小原政幸事務局長にお会いできたこと。これも私にとっては忘れられない奇跡にも似たシーンとなった。

 それでは。みなさま。今宵は【第73回紅白歌合戦】または【第55回! 大晦日恒例年忘れにっぽんの歌】または【クラシック名演名舞台2022 辻井伸行奏でるショパン▽ウクライナにささぐ感動の運命】など、それぞれに気に入った番組を大いに楽しんでください。よいお年を-

2022年12月30日
 厚生労働省が29日、新型コロナウイルスの死者が全国で新たに420人確認された、と発表した。1日当たりの死者数としては28日の415人を上回って、2日連続で過去最多を更新。一方、新規感染者数も全国で19万2063人が確認され、前週の木曜日と比べ約7700人増。主な都道府県別では北海道4789人、東京都1万8372人、愛知県1万2281人、大阪府1万1727人、福岡県1万987人となっている。感染拡大の流行8波に入ったコロナ禍は依然、つづいているのである。
 ここらあたりで流行の終焉を望む気持ちは誰とて同じなのだが。なんだか、このままだと底なし沼に落ちていくような、そんな気がしないでもない。止まれえ~、ゴマ。ではないが。止まれ止まれ、コロナと天に向かって訴えたい。

 その天には、舞がいるのだが。元気でやっていてほしい。元気でいてくれれば良いのだが。
    ※    ※

    ☆    ☆
 日本政府は30日から新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国本土からの入国者全員に抗原検査を行う臨時措置を開始。直行便は成田、羽田、大阪、中部の4空港に限定し、水際対策の再強化となる。陽性の入国者は待機とし、ウイルスのゲノム解析も実施。実態が不透明な中国での感染状況や変異株の把握にも努める。政府は現在、全ての国や地域からの入国者にワクチン3回の接種証明か、出国前72時間以内の陰性証明の提示を求めている。臨時措置では、これに加え中国本土から直行便で到着した人や7日以内に中国渡航歴のある人全員を検査対象としたという。

 というわけで、本日の新聞1面見出しは【対中国水際強化を開始 入国者全員検査 到着空港を限定 米・台湾も強化 中国反発】【香港便3空港で一転容認 7日以内、本土滞在なし条件】に、ちょっと明るい話題が加わって【遊び心が、まさかの神商品 一宮の町工場「トイレ紙使い過ぎ防止器」 いたずらっ子対策▶介護業界「欲しい!」】【神田伯山さん ジブリパークを語る】というものだった(いずれも中日30日付)

(12月29日)
 木曜日の朝。あれやこれやと朝の定期ゴミ出しをして、ホッと一息。愛猫シロちゃんとストーブに当たる。やはり、たつ江(伊神舞子)がそばに居ないのでとても寂しい。何をしていても、かなしさに打ちひしがれ、それこそ、宇宙の果てにまで投げ飛ばされそうである。なんだか、片輪の男が1人で悲しみをこらえて街中をトボトボと歩いている。そんな気がしないでもない。

 それとは別にことしも、あとわずかだ。
 きょうの新聞紙面は【困窮相談17万件 22年度上半期 コロナ・物価高影響 食料品支給の自治体も】【5類引き下げ「段階的に」 コロナ 専門家組織が見解案 年末年始医療逼迫に注意】(29日付中日)【「黒い雨」新制度1940人救済 手帳交付 広島以外110人 国の対象拡大半年 本紙調査】【増税前解散「あり得る」 首相「時期決めていない】【国立競技場 公費年10億円 24年度民営化後も 維持・管理に】(29日付毎日)というものだった。
 なかでも前にも少し触れたが、ドラゴンズの平田の引退は残念でならない。中日スポーツ1面トップ記事によれば、プロ野球経験者が学生を指導するために必要な「学生野球資格」の回復を目指していると明かした-との話題がせめてもの救いか。平田、人生レースに負けるな! とエールを送りたい。平田はまだまだこの先長いのである。ヤクルトの村上が熊本県民栄誉賞を受けたのと比べると、ちょっと寂しいのである。

 平田の引退を1面で報じた中日スポーツ
 

 ことしも残り少なくなってきた。きょうは、一般社団法人「全国同人雑誌協会」事務局でもある、東京のアジア文化社(五十嵐勉代表)から文芸思潮第86号(2023新年冬号)が送られてきた。第45回銀華文学賞、第18回現代詩賞、第3回文芸思潮新人賞発表に加え、文芸思潮編集長であり、全国同人雑誌協会の代表理事でもある五十嵐勉さん自らの筆による連載【亜細亜二千年紀第十章レイテ決戦――捷一号作戦】など充実した内容である。また大阪文学学校からも事務局(小原政幸事務局長)から中身の濃い文校ニュース、そして秋期「樹林」を拝受。ありがたく思っている。

 わが家に届いた文芸思潮第86号と大阪文学学校からの文校ニュースなど
 

(12月28日)
 文士刮目の20回目【新しい年こそ、ウサギさんの確かな目と耳で 果敢に挑もう】を書き終えたので東京在住詩人で「脱原発社会をめざす文学者の会」幹事でホームページの編集にも携わっている詩人森川雅美さんあてに出稿。執筆に際しては、あれやこれやと調べることも多く、結構の時間を要した。

【森保監督の続投決定 サッカー協会 W杯後も指揮は初】【元中日・平田 引退を表明】とは、28日付の中日新聞夕刊。人生いろいろである。なかでも中日を退団した平田良介外野手(34)の現役引退表明には驚いた。平田外野手は10月に戦力外となり、他球団での現役続行を希望していたがオファーがなく、引退表明をしたという。なんだか、惜しい気がしてならない。
 彼がドラゴンズに入団。ナゴヤ球場を訪れた時には、それこそ平田目当ての大勢のファンが殺到。当時誕生して間もないドラゴンズ公式ファンクラブの会報編集の担当スタッフでもあった私自らも球場入り口に立ち、混雑緩和とパニック防止に務めた日のことや春の沖縄キャンプでも平田選手目当てのファンが殺到した日のことなど、ついきのうのことように思い出す。
 その平田が他球団からのオファーもないだなんて。この世は無情、神も仏もないのか。打撃力はむろん、人格的にもあれだけいい選手をあっさり切り捨てるだなんて。もし、そんなことがあったとしたなら、信じられないし許されない。ドラゴンズに対する貢献度は結構大きい、と。少なくとも私はそう思っている。

(12月27日)
 「脱原発社会をめざす文学者の会」のホームページで私が月イチで連載している【文士刮目】の20回目の執筆に数日前から書いては消し、を繰り返し大所高所の視点から挑んでいる。そのためにも、この一カ月間に新たに起きた社会現象を何よりも頭にたたきこむことから論理を展開しなければ、と思っている。

 そして。もう、ひとつ。私に課せられた彼女、すなわちたつ江、伊神舞子に対する責任だが〝舞〟という人間のはかなきさを物語として書き進め、後世に残すということだ。そのためにも、彼女の生前につき▽舞が好んでよくつかった言葉をはじめ▽自由律俳句、一行詩も含めた詩に俳句、短歌、ほかにオノマトペなど好きだった文芸全般(彼女は天の川など星座をはじめとした空の光景はじめ、海や川、山、音楽、鉄道などへの関心が高かった)に対して。最後の最後まで果敢に向き合い続けたそのけなげな姿勢▽私と共に訪れた土地と、その場所での思い出▽舞ならでは、のともだちなど。これら全般につき、まず私の頭に思い出させ、分析し解析することから、筆を進めなければと思う。そして。この執筆となると、簡単なようでなかなか難しいが、いましばらくの時間が欲しいことも事実である。

 いずれにせよ、私と舞、ふたりの永遠の純文学としてこの先もずっとふたりで書き進めていくことが出来たらイイナ、と願っている。

2022年12月26日
 月曜日。きょうは朝早くから不燃物処理の当番日で午前7時半には指定の不燃物処理場へ。こうしたとき、いつもなら私はこれまでわが妻たつ江(伊神舞子)と一緒に行って不燃物処理の作業を終え、ふたりでアアダこうだ、と話し合いながら帰ってきたものなのだが。いまや、その舞はひと足早く空の人なので私は作業に出て任務を終えると寂しく帰ってきた。それから今度は息子が昨夜の間にしておいてくれた洗濯物を2階のベランダに干し、しばらくの間、愛猫シロちゃんとあんなことこんなことを話し合い、今はデスクに向かってこうしてキーを打ち始めたのである。
 
 不燃物の処理作業はテキパキと進んだ
 

【住宅に3遺体近所の男逮捕 埼玉・飯能 殴打か殺人未遂容疑】【渡辺京二さん死去 92歳 近代史家、石牟礼さん支援】【海自の内部通報で発覚 特定秘密漏洩】【知る防ぐ新型コロナ 愛知8669人 岐阜は2477人】(いずれも26日付中日新聞の見出し)と相変わらず、どこもかしこも暗いニュースが多い。
 そうしたなか、新春恒例の【歌会始の入選者に山梨の中2ら10人 召人は小島ゆかりさん】(同)の話題は、どこかホッとさせてくれる。記事によれば、今回の題は「友」で選考対象は一万五千五首(うち海外七十五首、点字十七首)。召人を務める歌人小島ゆかりさん=名古屋市出身=は、中日新聞の朝刊投稿欄「中日歌壇」の選者。「古代から今に至るまで続く皇室と和歌の関係は世界的にも希有。伝統的な歌会始に招かれたことはとても光栄」と話す、とあったが、こればかりは心がうるおう記事だったと思う。

(12月25日)
 キリスト教の古知野教会へ。

 数年前に一度、舞(たつ江)に勧められて一緒にクリスマスの礼拝に訪れたことがあったのと、何よりも幼いころからずっと母子家庭で育った舞にとって、キリスト教は少女のころから何かにつけ心のよりどころにしていたことを私自身、十分に承知していたためだ。幸い、岩田直子牧師が親切かつ、とてもやさしく対応してくださったので、嬉しく思った。
 そして。この教会は、新聞社の志摩通信部にいた私の懐に、舞が駆け落ち同然に飛び込んでくる前、まだ10代のころに「誰がどう反対しようとふたりは一緒になるのだ」と決意した、その時に私を半ば強引に連れて行ってくれた、紛れもなくその教会だったのである。
 母子家庭で育った舞は、少女のころから何かにつけ教会を生きる寄すがに努力し、頑張ってきたのである。だから、あの時、イの一番で私を教会まで案内してくれたのである。しかし、ふたりで訪れた時は、確か外から教会を眺めただけだ、と記憶している。

 その後、気が遠くなるような歳月がたったが、私はきょう教会に一歩足を踏み入れた瞬間、何かしら目がキラキラ、らんらんと輝いたことを忘れはしない。彼女は心底ではキリスト教の信者だったのだ。そう言われても何ら不思議ではない。とはいえ、彼女の家と絶縁までして(あのとき、両家で何があったのかは私には皆目分からない。ただ舞が血判状のようなものを書いて私の厳格このうえなかった父親に指で押し、差し出した、あの瞬間だけは私はなぜか、よく覚えている。一体全体何があったのだろう。家柄に問題があったのか)。
 私と一緒になり、伊神家の一員になった以上、先祖代々の臨済宗妙心寺派の教えも大切にしなければならなかった。おおげさに言えば、彼女は、ある面、そうした面でも生前は宗教の二刀流をこなしていたわけである。その分、私の父と母は、舞をことのほか大切に、かつかわいがってくれたのである。その証拠に舞は春分や秋分はじめ、ことあるごとの私の実家の墓参りを欠かしたことはなかった。今ふり返れば、これは見事なほどの徹底ぶりだった。

 なんだか思いもかけない話になってしまったが、きょうの突然の教会行を、伊神たつ江、すなわち舞はおそらく喜んでくれている。そんな気がするのである。

 Merry Christmas&Happy New Year> 【わたしは光として世に来ました。わたしを信じる者が、だれも闇の中にとどまることのないようにするためです=イエス・キリストのことば(聖書・ヨハネの福音書12章46節)】

 舞が心のよりどころとしていた古知野教会は昔も今も何ら変わりはなかった。この日、訪れた古知野教会ではクリスマスの礼拝が行われていた
 

 それはそうと、日本は、各地で平年を上回る積雪となったという。

(12月24日)
 朝起きると、外は一面の銀世界だった。気がつくと、シロはいつのまにか居間のドアを両手でこじ開け、外に。自宅庭の白い雪原でからだを浮かせるようにして戯れていた。相棒がやってきた、とでも思ったのだろうか。よほど白い雪が気に入ったのだろう。嬉しくて仕方がないといった表情でしばらくの間、雪とじゃれあっていたが、絶好の場面だというのに。あいにくシャッターチャンスを見逃してしまい、スマホで決定的瞬間を撮ることは間一髪の遅れから、出来なかった。

 その話とは別に、きょうの降雪は、おかあさん(たつ江、伊神舞子)がイブに私たち家族にプレゼントとして与えてくれた、そんな白一色の雪の原のような気がしてならない。せっかくなので自宅とその周辺の雪景色を写真グラフ形式で本紙「熱砂」の紙面に記録として残しておこう。舞が生きていたなら、思いがけない白い雪の訪問者には、さぞかし喜んだに違いない。

 駐車場も雪の原に
 

 横庭も雪でいっぱいに
 
 
 舞の部屋から臨む外界

 ナンテンも雪に包まれた
 

 天窓を通じて雪とおかあさんを見る愛猫シロちゃん、オーロラレインボー 

 ちなみに名古屋地方気象台はこの日、午前8時11分に臨時の「大雪に関する気象情報」を発表。24日8時までの2時間で10㌢の降雪を観測したという。ということは、ここ尾張も大体、似たところで道路も屋根も皆、10㌢ぐらいの降雪があったということか。夕刊見出しは【名古屋、初雪10㌢積雪 クリスマスイブの朝真っ白 岐阜は11㌢ 名高速全線通行止め】【全国広範囲で大雪 北海道・紋別・自衛隊を派遣】(24日付中日夕刊)【銃撃山上容疑者を起訴へ】(24日付毎日夕刊)といった内容だった。

 きょうは、クリスマスイブでもあり、雪が融けたころを見計らって久しぶりにアピタへ。舞がいたころには、この日がくると決まって一緒にアピタに行き、舞の好きだったクリスマスケーキを買ってきたものだからである。というわけで、舞がそのケーキをおいしそうに食べる姿が、眼前に大きく迫りきたのである。

 夜。東海テレビで全日本フィギュアスケート選手権2022「女子フリー」を見る。連覇を果たした坂本花織さんの演技は、お見事のひと言に尽きた。そして三原舞依の演技もすばらしく、日本の女子スケートの将来は十分、希望を抱かせるものだった。

(12月23日)
 金曜日。恥ずかしながらたつ江、伊神舞子の遺稿集の話が本日付尾張版に【江南の伊神さん 妻舞子さんの遺稿集出版 家族の中 生き続ける証し「泣かんとこ」 俳句など700作品収める】の見出しで地元江南通信部兼一宮支局小中寿美記者の闊達自在なる筆さばきで掲載され、家族一同心から嬉しく思っている。

 というのは、舞が亡くなる前の数年間というもの、彼女は自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」を訪れるお客さまはむろんのこと、一緒に俳句の道を学んだ江南俳句同好会の皆みなさま、ほかに歌のお姉さんで知られるトシコさんなど多くの尾張の方々に、とてもお世話になった。だからである。
 亡き妻、たつ江はきっと大いに感激し、かつ喜んでいるだろう。私はシロちゃんと一緒にさっそく仏前に朝刊を供え「舞よマイ。おまえのことがとうとう紹介されたよ。これでおまえの偉業、努力の数々は永遠不滅。天下に広く残されることになった。おまえが作った俳句や1行詩、詩。そして詠み続けた短歌はこの世に、いつまでも残るのだ。感謝しようよね」とシロちゃんを傍らに線香を焚いて報告。またしても頬を涙が伝ったのである。

 読者の皆みなさま。舞が、たつ江がお世話になって、ほんとうにありがとうございました。きょうの一匹文士はここらでやめておこう。

 【自分を表現してみたい】 伊神舞子の遺稿集のことを報じた23日付の中日新聞尾張版
 

2022年12月22日
 きょうは、冬至。1年で太陽の南中高度が最も低く、夜が最も長くなる日である。ゆず湯に入り冬至かぼちゃを食べる習わしがある。亡き妻、たつ江、舞は、この日がくると決まって、家族のためにゆずをお風呂に浮かべてくれたものだ。今から思えば、ゆず湯に入るのが密かな楽しみでもあった。いつだったか。能登にいたころ、たまたま知人から頂いた超特大のゆずを浮かべ、自宅ふろに家族で入った時のことは今なお忘れられない。あんな時代もあったのである。

 けさの中日朝刊は【北朝鮮、ロシアに武器輸出 鉄道で先月20日 初確認】の特ダネが硬派1面トップで、また軟派には【研修医 救急車に寄り道させる 患者輸送後、私用で駅に 江南 病院も認識、謝罪】の記事が掲載されたのが目についた。
 このうち「研修医 救急車に寄り道させる」の方は、江南市消防本部の救急隊が江南厚生病院からの患者を愛知医科大病院(愛知県長久手市)まで転院搬送した後、江南厚生病院の女性研修医の求めに応じて、帰りのルートを一部変更する形で、依頼された藤が丘駅(名古屋市名東区)まで送り届けた。」というもので、ありがちな話だとは言え、チョット首をひねらざるをえない内容だ。関係者の談話に「転院搬送に同乗した場合は、自分の病院に戻ってから勤務を終えるのが基本。搬送先で勤務を終えた場合は病院で下車し、その先は自分で移動すべきだった。」とあったが、そのとおりだと思う。
 この話はNHKの正午のニュースでも報道していたが、女性研修医には、それこそ良い薬になったのでは。人の命を預かる未来を背負う研修医だけにそのあたりの基本を徹底させる面では【良薬は口に苦し】。いい記事だったと思う。

 午後。いつものように愛猫シロに留守番を頼んで途中、喫茶店に入って昼食後、布袋のピアゴへ。ここでゆず3個を買い、帰宅後、自宅のお風呂に浮かべる。

 わが家のお風呂に浮かんだゆず3個。白く見えるのはお風呂の窓
 

 夕刊は【バイデン氏支援継続強調 米ウクライナ首脳会談 ゼレンスキー氏 鋭さと軽妙さ ロシア侵攻開始後 初の外遊】と22日付中日。一方、毎日の夕刊22日付<近事片々>は、といえば。【後任見つかれば辞めるとマスク氏。ツイッター投票で辞任賛成多数。どこまで本気?◇「遠客再来」とはうまい表現。今年の創作四字熟語。水際緩和で訪日客も戻り始め。】に納得。

(12月21日)
 愛猫シロに留守をたのんで名鉄金山駅近くの金山ペインクリニックへ。
 いつもなら、太宰治の文庫本「斜陽」か何かを手にするところだが。きょうは20代のころを思い出してフランソワ・ボワイエの「禁じられた遊び」を手にして、だ。舞との志摩半島での生活が始まったとき、ふたりで手にして読みあった懐かしい文庫本(花輪莞爾訳)をもう一度、読み直してみたかったからである。あのころ、舞は愛用のギターを胸に抱き、私はこの本とハーモニカを手に、それぞれ若きふたりの新しい人生がスタートした。だから。なぜか、あの日々を今一度思い起こしたい。そんな気持ちにかられたからである。

 写真は50年前から手にする文庫本「禁じられた遊び」
 
 
    ※    ※

    ☆    ☆
 金山ペインクリニックの方はいつもの薬(三叉神経の薬と血圧降下剤)を処方していただき川瀬医師から「出来るだけのんでくださいね」とアドバイスされたが、川瀬先生ご自身が体調不良でここしばらくの間は休診していたこともあって、クリニック内はそれこそ多くの患者さんたちでごった返していた。1人ひとりの顔を見る限り、川瀬医師に対する信頼の度合いがいかに高いか、が手に取るようでもあった。
 診療後は薬を手に、金山駅の食堂街で食事をして帰った。おかげで抜歯にともなう三叉神経からくる顔面の痛みは、このところ、ほぼ回復、血圧も下がってきてはいるのだが。「三叉神経の方は痛みが治まれば、のまなくても結構です。ご自身の判断にお任せします。でも血圧降下剤はやはり、しばらく飲まれた方がよいですよ」との丁寧なアドバイスを胸に、私は名鉄とバスで帰宅。私の場合、これまで長年にわたって薬と名の付くものには殆んど縁はなく、70代まではよほどのことがない限り薬などというものは、ほとんど飲まなかったが、これも寄る年波という魔物のせいなのか。今では欠かせない存在に少しずつなりつつある。残念ながら、そんな気がする。

 ところで、きょうの夕刊は【原発60年超 規制委了承 福島事故後の制度転換】【W杯凱旋 400万人熱狂】【駐米大使「評価挽回へ絶好の機会」 湾岸停戦「掃海に自衛隊を」 91年公電、(当時の海部俊樹)首相に決断促す】【薗浦衆院議員 辞職願を提出 過少記載疑惑、自民離党も】【ゼレンスキー氏訪米へ 侵攻後初外遊 首脳会談計画と報道】(21日付中日)【NY円急伸一時130円台】【タリバン女子高等教育停止を発表】【掃海艇派遣 駐米大使、首相に迫る 91年湾岸戦争時 外交文書公開「不退転の決意で」】(21日付毎日)といったところか。

 それはそうと、だ。私たちが生きる人間社会。今に始まったことでもないのだが。毎日毎日いろんなドラマが展開され、その濁流のなかを、人々はそれぞれの思いでそれぞれの道に向かって生きていく。そして。きょう付の朝刊ニュースはといえば、だ。【美浜3号機停止認めず 大阪地裁 稼働40年超で初判断 「責任取れるのか」 申立人憤り】に尽きるといえよう。
 大阪地裁が、運転期間が40年を超え、国内で唯一稼働している関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)は老朽化が進み安全性に問題があるとして約80㌔圏内の福井、滋賀、京都の3府県の住民9人が関電に運転の停止を求めた仮処分訴訟で、住民側の申し立てを却下、差し止めを認めない決定を下したというのである。大阪地裁は美浜3号機の老朽化対策や安全性に問題はない、と判断したというが、申立人らは当然のように地裁前で不当決定と書かれた幕を広げ、「地裁は責任が取れるのか」と憤りの声をあげた、というのだ。

2022年12月20日
 このところ、ここ尾張名古屋も【寒い朝】が続いている。
 ♪北風吹きぬく寒い朝も/心ひとつで暖かくなる/清らかに咲いた可憐な花を/みどりの髪にかざして今日もああ/北風の中にきこうよ春を/北風の中にきこうよ春を

 あの私より少し年上の吉永小百合さんの歌<寒い朝>が思わず、口をついて出る。そういえば、昭和45、6年のころ。新聞社の松本支局員の当時に彼女、すなわち吉永小百合さんを松本警察署内の松本司法記者クラブに来て頂き、取材したことがある。当時、松本労音(労働者音楽協議会)のためなら、とかれんそのものの彼女が松本を訪れたのを機会に、たまたま司法記者クラブの幹事を務めていた関係で大げさにも記者クラブにお呼びしたが彼女は「喜んで」きてくださった。
 あのとき、小百合さんは「事件記者って。幹事のいがみさん。何をやるのですか。教えてくださいよ」と興味津々で盛んに私たち駆け出しのサツ回りの日常について聞いてきて、どっちが会見をしているのか。これではアベコベじゃないのか、と思ったあの楽しかった貴重な時間は今も忘れられない。私のもとには、その日からしばらく、彼女が結婚するまでサユリストという雑誌が毎号、丁寧かつ一方的に送られてきたのも、今となれば忘れられない思い出となった。
    ※    ※

 きょうも。いつものように【くらしの作文(毎日は女の気持ち、または男の気持ち)】を最初に、【中日春秋(余録)】【新聞小説(中日は<ひとでなし>、毎日は<永遠と横道世之介>)】【軟派・社会面(漫画含む)】【地方版(尾張版、愛知県内版)】【生活面】、時には社説や核心、国際面や経済面などの順に読み進める。大体を読み終え、頭にたたきこんだあとで、こんどはユーチューブで舞(たつ江)が好きだった<エーデルワイス><みかんの花咲く丘>を愛猫シロちゃんと一緒に聴く、というのが日課で、その間、シロすなわちオーロラレインボーちゃんはずっと私の傍らに座り、歌が終わって外に出たくなった場合は外出を要求してくる。そこで、午前中だけ外に出してやる、というのが毎日のセオリーというか。パターンである。でも、きょうは、さすがに出ようとはしなかった。彼女なりのポリシーがあるようだ。

 本日付の中日夕刊1面トップは【日銀 大規模緩和修正 長期金利上限拡大 0・5%程度 事実上利上げ 円急騰一時133円台】。急激な円安で食料やエネルギーの価格が高騰し、家計や企業の痛手になっていることに日銀がやっと対応。景気に悪影響を及ぼすため金利は引き上げないとしてきた従来の路線を転換するというのだ。ほかに【一宮の小5手作り警察官に贈る 交番1/150でリアルに 再現してみた! 全国名所も制作中 ユーチューブに】。この少年は、一宮市丹陽南小5年の木戸絆人くん(11)。ど凄い少年が現れたものである。いやいや、ほかにもいるかもしれない。

 フランスのカンヌ国際映画祭事務局が19日、イランの著名女優タラネ・アリドゥスティさんが反スカーフデモを巡り当局に逮捕されたことについて「断固として非難し、直ちに釈放するように」と表明。英中央銀行イングランド銀行が20日、エリザベス女王の死去に伴い、9月に即位したチャールズ国王の肖像が描かれた新紙幣のデザインを公開。NHK総合が夜、【プロフェショナル 素顔のYOSHIKIカリスマとの1200日】を放映。YOSHIKIさんを見ながら、脱原文学者の会の詩人森川雅美さんにどこかしら、似ている気がした。ふたりとも音楽と詩作にかける情熱がただものではない、そういう点で似ている気がしたのだが。どうだろう。

(12月19日)
 月曜日。新しい週の始まりである。名古屋地方気象台によれば、この日は東海地方の各地で今季一番の冷え込みを記録。名古屋市が氷点下2度で今季初めて最低気温が零度未満となる冬日となった。このほか、岐阜県高山市では同7・7度、愛知県豊田市でも同7・2度となった。また岐阜県内では山間部を中心に雪が降り続き、郡上市では午前10時現在、57㌢の積雪を観測。金沢市内でも同10時現在、12㌢の積雪となったという。
    ※    ※

    ☆    ☆
 夕刊1面はサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。【アルゼンチン36年ぶりV メッシ挑戦5度目で悲願 MVP2回目 PK戦仏の連覇阻む】(中日)、【カタールW杯2022 アルゼンチンV 36年ぶりフランスにPK勝ち メッシ5度目の悲願 「ラストチャンス」金色の輝き】(毎日)というものである。やはり、スポーツはいいな、と思う。たつ江(伊神舞子)が生きていたなら、アルゼンチンの36年ぶりのVを、どんな俳句にしていただろう。私はサッカーのW杯を見ながら、どうしても今は亡き妻のことを思ってしまう。

 アルゼンチンの36年ぶりVが報じられた夕刊
 
 

 朝。ゴミ出しから帰宅したそのスキをついて愛猫シロちゃんが玄関から外に脱出。心配したが、どこをさまよってきたのか。1時間ほどしたら何食わぬ顔をして帰ってきた。やれやれである。新聞の整理をしながら、このところの社会問題を一つひとつ頭に入れる。原発再稼働の運転延長はじめ、宗教2世の虐待問題、障害者に対する結婚時の不妊処置(北海道の施設 拒否なら退所要求)など悪いことばかりだ。そればかりか、きのう18日には東海道新幹線の豊橋―名古屋間で停電が発生、運転見合わせが上下線ともに同区間ばかりか、一時は東京―新大阪間の全線にまで拡大。運転再開が午後5時までずれ込むなどダイヤが大幅に乱れ、乗客約11万人に影響するハプニングも起きた。
 そんな中、カナダ・モントリオールで19日まで開かれている国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が大詰めを迎え、2010年に名古屋市でのCOP10で採択された、生態系保全のための【愛知目標】の後継目標を決められるか、が焦点となっている-との記事が【藤前干潟今も問う「ごみ」 生態系保全「愛知目標」の出発点 排出量減少 リサイクル率は低下】(中日)が人間社会に希望の光りのようなものを与えてくれるから、不思議だ。

 夜。たまたま夕食後にスイッチをつけ見たテレビ愛知。【世界! ニッポン行きたい人応援団3時間半「ニッポン愛がスゴイ 忘れられないアノ方は今…どうしている!?】といった番組が見ごたえあった。中でも▽〝タミヤ模型〟愛するアルゼンチン人は今!? 37年憧れ続け…念願の来日&最長1カ月滞在 模型職人の技に感涙&憧れの石坂浩二と対面……、といった内容が私の心を大きくえぐったのである。と同時にものごとに熱中する人間の凄さにも感服したのである。人生いろいろ、人もいろいろである。

2022年12月18日
 ここ尾張名古屋の一角。愛知県江南市の街中はところによってはカラフルなクリスマス飾りやイルミニューションで彩られ、ショッピングセンターには兎さんの重ね持ちも所せまし、と並んで早や、お正月の様相である。

 全国的にこの冬一番の寒さに。日本海側では新潟などで積雪100㌢を越えるなど、どこもかしこも雪一色に。北陸など全国各地で風速30~35メートルの強風も珍しくなく、日本はスッポリと本格的な厳しい冬の到来となった。
「きょう18日 日本海側は大雪 四国など西日本太平洋側の平地も積雪や路面凍結注意」とは、スマホ画面に見るきょうの天気である。事実、ラジオのニュースなどによれば、日本海側は広範囲で雪が降り、北陸を中心に積雪が急増。鹿児島でも初冠雪があり、街は白一色に。私が住むここ東海地方の街中でも昼過ぎ、出先から帰って空を仰ぐと白い粉雪が遠慮もなくチラチラと舞い、頭に降りかかってきたのである。なんだかシンデレラ姫にでもなったような。そんな気がせぬでもない。

 けさの新聞で私の目を引いたのは、3面の【「反撃能力保有しても安全高まらない」 国際政治に詳しい東大・石田淳教授に聞く】の右隣、漫画家佐藤正明さんの風刺漫画か。岸田首相が、オリーブの枝を掲げた平和の鳩から、ミサイルを誇示する鷹に変貌した姿が表現されており、見事のひと言に尽きる。そしてほかには、【「空から見守って」「実感湧かない」大阪ビル放火1年】【ポイ捨ての常習認めます 高山市長 従来の説明修正】【セクハラ提訴で劇作家公演中止 原発事故題材の新作】【男性の父 映像開示求める 岡崎署勾留中死亡 愛知県警幹部ら面会 岡崎署員らの男性に対する問題行為の疑惑】【ドコモ通信障害 5時間後に復旧 サイト閲覧など影響】(いずれも中日新聞から)といったところか。
 いやはや、この世の中は、いろいろだ。ロシアのウクライナ侵攻に始まり、次から次に、人間社会はいろいろあるなと思う。でも、自然現象は別にして、どうして、こんなにも<人間の尊厳>が傷つけられるのか。私には、それがわからない。「ねえ~、シロちゃん。教えてよ」と同意を求めたら、シロは、ニャ、ニャオ~ンといって「あなたたち。人間たちって。なんで、そんなにも愚かなの」と頷いたのである。
 夕方。またしても、ピコピコピコとスマホに最新ニュース。何事かと開くと「内閣支持率が最低の25%に 毎日】とのことである。さもありなんか。

 佐藤正明氏による見事な風刺漫画と【「反撃能力保有しても安全高まらない」の記事】。わたし自身もその通りだと思う
 

 

2022年12月17日
 土曜日。寒い朝である。さすがのシロちゃんも朝から一向に外へは出ようとしない。いや、出ようとする気持ちなどさらさらない。空は1面の薄曇りで、やがてパラパラと小雨も落ちてきた。そんな冷たい雨降りのなか、きょうは午前中、息子とともに舞が眠る永正寺のお墓【尾張の大地】へと出向き花を手向け、線香を焚いて手を合わせお参りをしてきた。

 さて。本日付の中日新聞の1面総合リードは次のようなものだった。
――政府は16日、外交・防衛政策の長期指針「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定を閣議決定した。歴代政権が戦後一貫して否定してきた反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有や防衛関連の予算を2027年度に対国内総生産(GDP)比2%へ倍増させることを明記。自民、公明両党は財源の一部に充てる所得税などの増税方針を決めた。憲法に基づく専守防衛を形骸化させ、軍事大国化につながる安保政策の大転換となる。

 この紙面をどう受け取れば、よいのか。私に言わせれば、日本が世界に誇ってきた憲法に基づく【専守防衛】は、一体全体どこへ行ってしまったのだ、と言いたい。確かに自国は自国の力で守るべきだ、との論は分からぬこともない。ウクライナへのロシアの侵攻はじめ、中国や北朝鮮の軍備拡大と度重なる領海侵犯、30回以上にも及ぶミサイル発射実験など数々の脅威などに、ある程度の備えは当然、必要なことはわからぬでもない。とはいえ、世界に誇ると言ってもいい平和な国、ニッポンは、この先、一体全体どこに行ってしまうのか。この危機を乗り越えるためには、わからぬわけでもない。
 とはいっても、私は、日本は専守防衛に徹した方がその分、他国に攻撃される頻度は少なくなると確信するのだが。実際はどうなのか。正直、日本に住む人間、いや日本国の心理と行方となると、分からない。それでも、私はあえてニッポンは、あくまで憲法9条の精神に従って戦争をしない。それに徹してほしい-と願う。たつ江、舞とて生きていれば同じことを言うに決まっている。とはいっても、日本国首相の岸田氏としては「日本を守るため」そんなことも言っておられないというのが本音か。難しい問題である。

 【敵基地攻撃能力を明記】など安保政策の歴史的転換を報じた朝刊(17日付中日)
 

(12月16日)
 午後5時過ぎ。私のデスク上に置かれたスマホがピコピコピコとなったので何事かと確認すると。Yahoo! 速報で【新・安保関連3文書閣議決定、「反撃能力」保有で安保政策の歴史的大転換】というものだった。

 吹く風に枯れ葉のそよぎ。日の光り。ざわめき。音の風景。そして、あの空をどこまでも流れる雲たち、暮れゆく闇。夜明けの太陽。流れる水。人びとの声。夕焼け雲。闇夜のなかにだって。おまえの魂はいつだって、生きている。そして。昼はといえば、だ。車を運転しながら目の前に広がる果てしない空のなかに舞、たつ江はいるのだ。
 ありとあらゆる自然のなかに、おまえは何の文句を言うでもなく、ただ黙って前を向いて生き、何やら活動しているのである。そんなおまえとの、いっぷうかわった日々が突如やってきてから早や丸1年と1カ月が過ぎてしまったのである。私はおまえと離れれば離れるほど、かえっておまえとの絆が無限大に膨らんでいく、そんな現実を今、こうして感じ、味わっているのである。
 今は西暦2022年12月16日の午後4時15分である。きょうも食事に出た帰りにコンビニに寄り、青いノート4冊とおまえもお気に入りで私がいつも愛用している白と黒のボールペンを買い、つい先ほど帰宅した。家では、いつものようにおまえが愛してやまない俳句猫の「白」すなわちシロちゃん、オーロラレインボーが待っていてくれたのである。
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 このところの世の中。いや、日本社会は徳島市のホテルで15日に打たれた囲碁の第48期天元戦五番勝負(中日新聞社など主催)で関航太郎天元(21)が挑戦者の伊田篤史九段(28)に二百八十二手までで黒番半目勝ちし、対戦成績三勝二敗で初防衛を果たした-との話題を除いては、防衛増税に10代以下を中心に感染が増加傾向にあるコロナ禍、陸自の性被害問題など。相変わらず病んだ社会が浮き彫りとなっている。
 そして。【関天元が初防衛】以外には、相変わらず【防衛増税時期判断先送り 与党、財源税目は合意 きょう大綱決定】【敵基地攻撃能力保有きょう決定 日米防衛指針改定提起へ 首相、来月首脳会談を見込み】【夜の人出増… 重なる第8波 感染増加傾向10代以下が最多】【陸自5人を懲戒免職 性被害問題 中隊長ら4人も処分】(16日付中日)といった具合だ。
 ほかにも【薗浦氏発言 録音確認へ 特捜部 過少記載巡り秘書と会談】【岡崎署幹部も暴行か 勾留男性死亡 カメラに蹴る様子 便器に頭 放置した疑いも】【津島労基署、書類送検 凸版関連企業違法残業疑い 勤務日を休みに改ざん】(同)など。不幸な事件は後を絶たない。そんななか、けさの朝刊で言えば【白川郷一面銀世界 東海 今季一番の冷え込み】(16日付中日)の話題が、白川村の積雪が午後5時現在で14㌢で、寒い中にもホッとする内容といえようか。名古屋地方気象台によれば、東海地方は15日、強い寒気に覆われ、各地で今季一番の冷え込みになったという。津市で1月下旬並みの2・1度を観測したほか、名古屋市で2・0度、岐阜県中津川市では氷点下2・1度といずれも今季最低気温を記録したという。
 わが家のシロちゃんが布団の中で丸くなるのも当然で、いよいよこれからは厳しい冬との毎日が続くのである。

(12月15日)
 たつ江の月命日。寒い朝だ。昨夜は双子座流星群が見られたといい、例年なら舞(たつ江)と一緒にベランダに立ち見たはずだが。ことしはそんな気にもなれない。それに寒いのでベランダに立つことはやめた(あとでスマホの動画で見るには見たが)。
 明けて15日朝。2階の寝室窓から東の地平線に望み見る朝日は真っ赤に輝き、それは見事であった。昔から、夕焼けや朝の太陽が大好きだった舞(たつ江)の笑顔が天空に浮かんで迫ってきたようで、見事な朝日を前に私は思わずカメラを向けシャッターを切りながら「舞よ。マイ。元気でいるか」と呼びかけた。

 自宅2階から見る東の地平線に現れた真っ赤な太陽(午前7時ごろ写す)
 

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 15日付新聞の見出しは【防衛税創設 所得税1%分 復興税を分離、実質増税 自民税調大筋合意 復興税「流用」批判やまず】【「関係断つ決議しないで」 旧統一教会信者ら陳情次々 豊橋市議会など、文面ほぼ同じ】【4年ぶり長良川花火決定 一本化して8月】【岡崎署勾留中死亡 医師の診察署員失念か 「拘束解除 指示なし」 父 「なぜ息子が… 不信感」】【感染、回復の議員退席が発端 起立多数なのに議長「賛成少数」 滋賀・近江八幡市議会「目視で確認」主張】【中部初 江南市禁止条例制定へ 歩きスマホ ダメ絶対】【熱海市と県 争う方針 土石流訴訟初弁論】(中日)。

 そしてW杯の準決勝の結果については。「ワールドカップ(W杯)第20日は13日、ルサイルで準決勝の1試合が行われ、36年ぶり3度目の優勝を狙うアルゼンチンがクロアチアを3―0で下し、18日(日本時間19日未明)の決勝に進んだ。準優勝した2014年いらい2大会ぶりの決勝進出。/エースのメッシは前半に今大会5ゴール目となる先制PKを決め、2-0の後半にはドリブル突破からアルバレスのダメ押し点をアシストした」と要点を報道していた。

 アルゼンチンの勝利とメッシの活躍を報じた中日新聞朝刊紙面
 

(12月14日)
 午後のひととき。気を取り直して舞の遺影の前でハーモニカと横笛で久しぶりに<夕やけ小やけ>と<さくら>を何回もふく。舞の生前中は、よく気分がのったりすると彼女と愛猫シロのふたりの観客を前に「入場料1万円もらわんといかんな」と冗談で言ってハーモニカで<みかんの花咲く丘>や<公園の手品師><ほたるの光り>などを演奏したものだが舞はそのつど「逆よ。あたしが聞いてあげるのだから、ありがたく思わなきゃ。こっちが1万円もらわんといかんよ」とそのつど、笑って応じてくれたものである。でも、彼女なりに私の下手な横好き演奏をいつも真剣に聞いてくれ、本音をいえば、どれほど嬉しかったことか。観客はいつも舞とシロだった。
 というわけで、私は舞の遺影を前に久しぶりに、ハーモニカで【夕やけ小やけ】を。横笛で【さくら】を奏でたのである。

 名曲に満足そうな舞
 

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 ボクシングのバンタム級世界4団体王座統一戦で、3団体王者の井上尚弥(大橋)が世界ボクシング機構(WBO)王者のポール・バトラー(英国)に11回KO勝ちして日本人初の4団体王座統一を達成。世界ボクシング協会(WBA)国際ボクシング連盟(IBF)世界ボクシング評議会(WBC)に加えWBOの王座を獲得した。4団体統一王者は世界で9人目、アジアでは初、バンタム級としても初。そして。4つのベルトを全てKOで奪ったのも史上初の快挙となった。試合後、井上尚弥は「ここは通過点。満足はしているけど、次に向けて切り替えていきたい」と。その言や、よしである。

 井上尚の4団体統一王者を報じた14日付中日新聞
  

 宮崎駿監督(81)の新作長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」を来年7月14日に公開すると、配給元の東宝が13日、発表。宮崎監督の新作長編映画の公開は2013年の【風立ちぬ】いらい、10年ぶりとなる。

 ほかに主なニュースは、【自衛隊施設に建設国債 軍拡反省の従来方針転換 政府、首相見解と矛盾】【法人税5%上乗せ案 増税策 復興特別税は期限延長】【高市氏「罷免も仕方ない」 増税批判 閣内不一致鮮明】と【「献金で借金 教団推奨」 旧統一教会 90年前後 総額3000億円 元幹部証言】(いずれも中日新聞14日付1面)といったところか。
 なかでも高市早苗経済安全保障担当相が13日の記者会見で「防衛費増額の財源の一部を増税で賄うとの岸田首相の方針を批判。「間違ったことを申し上げたとの考えはない。閣僚の任命権は総理にあるので罷免されるということなら仕方ない」と明言したことと、西村康稔経済産業相の慎重姿勢は国民の立場に立った発言で納得、といえよう。

 愛知県が13日、新たに13208人が新型コロナウイルスに感染した、と発表。前週の火曜日より3058人多い。新規感染者の発表数が1万人を超えたのは1週間ぶり。13000人台となったのは、8月30日いらいだという。

(12月13日)
 朝、不燃物集積場へ。花霞町の評議員として集積場の倉庫の鍵の開け閉めから、自転車用の交通安全表示塔設置、時間刻みで進むゴミ担当当番の皆さんの手助けから不燃物収集車の出入りの確認まで、あれやこれやの任務があったためで、こうした時こそ舞がいてくれたなら。少しは助けてくれたのに、としみじみ思った。途中から雨が大降りに。ずぶ濡れの中での作業とあいなったが、ここは受け持ち班のみんなで互いに協力しての労力奉仕に。森田町会長も顔を見せて加わってくださり、作業はテキパキ、かつ整然と進んだのである。私は、新聞社を定年退職後もドラゴンズ公式ファンクラブの会報編集担当として数年間、務めていたこともあり、正直に告白すると、こうしたことはこれまで全て舞に任せっぱなしだっただけに、今になって少しは手伝わなければならなかったナ、と何だか悪い気がする。事実、こういうたぐいのことは彼女がホントに熱心にテキパキとこなしてくれていたのである。
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 日本漢字能力検定協会(京都市)は12日、2022年の世相を一字で表す「今年の漢字」が「戦」に決まった、と発表。ロシアによるウクライナ侵攻や、サッカー・ワールドカップ(W杯)の熱戦などがその理由に挙がった。京都市東山区の清水寺では森清範貫主が縦約一・五㍍、横約一・三㍍の和紙に、特大の筆で揮毫した。民間で世界初の月着陸を目指す宇宙ベンチャーisPace(アイスペース、東京・袴田武史社長)が11日、独自に開発した月着陸船を米フロリダ州のケープカナベラル宇宙基地から打ち上げた。着陸船は予定の軌道に入り、打ち上げは成功。燃料を節約するため着陸船はいったん地球から約150万㌔先をめざし、来年4月末ごろ月に到着するという。見出しは【民間初の月着陸へ出発 日本のベンチャー来年4月到着 燃料節約で遠回り】(13日付中日1面見出し)というものだった。
 そして今ひとつの気になる1面見出しは【安保3文書自公合意 敵基地攻撃日米協力明記 中国表現関係重視で決着】というものだった。

 昨日12日付中日夕刊に【大リーグ 千賀 メッツと合意 5年102億円 育成出身初メジャー 条件が合致し憧れの舞台へ】の見出し。千賀滉大投手(29)は愛知・蒲郡高から2011年に育成ドラフト4位で入団し、12年に支配下登録。160㌔を超える速球と落差のあるフォークボールを武器に16年から7年連続2桁勝利。19年に最多奪三振、20年には最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠にも輝いている。その千賀投手がプロ野球ソフトバンクから海外フリーエージェント(FA)権でメッツと5年総額7500万㌦(約102億7500万円)で契約合意したと球団公式サイトが10日、伝えたという。育成契約でプロ野球入りした選手がメジャー移籍するのは初。たいしたものである。

 アニメソングの帝王として知られてきた歌手の水木一郎さんが今月6日午後6時50分、肺がんのため死去。74歳だった。水木さんといえば【燃えよ ドラゴンズ】のあの力強かった歌声が忘れられない。落合博満監督率いるドラゴンズの黄金時代には、よく聞き、一緒にみんなで歌ったものである。人の命は儚い。

2022年12月12日
 月日はどんどんと流れていく。
 きょうは新聞休刊日で朝刊はこない。そのぶん以前から定期購読している<しんぶん赤旗>の11日付日曜版紙面に目を通す。1面の【敵基地攻撃能力の保有 自公が合意 憲法壊し戦火呼び込む 戦争準備すでに着々 「存立危機事態」想定した作戦計画 防衛省が策定】、33面の【統一協会が家庭も財産も奪った 30年間、告発を続けてきた 橋田達夫さん 妻が入信、部屋には文鮮明の写真。壺を買い、土地は売り献金被害は1億円になり、離婚。長男は家の壁に恨みの言葉残し自死した】の記事に胸が痛んだ。

 それに昨夜はNHKスペシャルが気になり、大河ドラマ【鎌倉殿の13人「義時追討の院宣下る 政子涙の演説】に続く【北朝鮮・内部資料入手 核ミサイル衝撃の実態▽なぜ急激に先鋭化? 金正恩総書記の真意は】を見た。10、11の両日は核兵器のない世界に向けた国際賢人会議(座長は白石隆熊本県立大学理事長)の第1回会合が広島で開催され、日本人委員3人をはじめ外国人委員10人の計13委員が対面参加、忌憚のない議論が交わされもした。

(12月11日)
 フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル最終日がカナダのトリノで行われ、フリー男子で宇野昌磨(トヨタ自動車)が4種類の4回転ジャンプを決め、204・47点でショートプログラム(SP)に続き1位に。今季世界最高の計304・46で初優勝。日本勢の制覇は高橋大輔(関大KFSC)羽生結弦に続いて6年ぶり3人目となった。また〝璃来龍(りくりゅう)コンビ〟で知られる三浦璃来、木原龍一ペアも世界選手権覇者の米国ペアにわずか1・30点差で初優勝、10歳違いのペアは歓喜の涙を流した。心より祝福したい。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題に関連、悪質な寄付勧誘規制を柱とした被害者救済法が10日の参院本会議で可決、成立。自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主の五党が賛成、れいわ新選組と共産党が反対。寄付勧誘時の法人や団体の配慮義務を定め、不当な霊感勧誘などを罰則付きの禁止行為として規定。この結果、家族が本人に代わって寄付を取り戻しやすくなったという。

(12月10日)
 午後、買い物で出向いたドン・キホーテ大口店。ここではミニラーメンや混ぜご飯、野菜サラダにクリームぜんざいの軽食を取ったが、買い物あとに寄ったレジの女性全員が赤と白のサンタさんの帽子姿で、これには圧倒された。もはやクリスマス一色の感である。
 そして。夕方。買い物帰りにハンドルを手に舞とかつて何度も花見に訪れた五条川大栄橋から望み見る夕焼けは、それこそ空いっぱいがオレンジ一色に染まり、元気だったころの舞のように美しかった。わたしはハンドルを手にその空に向かって「舞よ、マイ。たつ江、たつえ。おまえは今、そのオレンジ色に輝く空のなかの一体全体、どの辺りにいるのだ」と呼びかける。いまから思えば、彼女は本当にかれんで美しい女性であった。
 でも、本人はそんなことを自負するような気持ちはこれっぽっちもない、けなげで口数の少ない、ただ黙々と俳句や短歌、1行詩づくり、リサイクルショップの仕事に励む、口数の少ない人間だった。今となっては、そんな舞、たつ江のことが愛おしくてならない。いまにして思えば現役時代の私はそんな舞のことを内心でいつも心配していたような、そんな気がしないでもない。いや、現実にそうであった。たつ江自身、そんなことは思いもしていなかったのに。私は内心でそのように思っていたふしがないでもない。【オーイ。げんきでいるか】と私は空に向かって呼びかけてみる。
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 名古屋刑務所(愛知県みよし市)で昨年11月上旬からことし8月下旬にかけ刑務官22人が受刑者3人に暴行を加えるなどの不適切な行為をしていたことが分かり、法務省が昨日、発表。同省は関係者の処分や特別公務員暴行陵虐容疑などでの立件検討を始めた。斎藤健法相は臨時記者会見を開き、「受刑者の人権に配慮しながら改善更生に向けて尽力すべき刑務官がこのような行為に及んでおり、断じて許されない」と陳謝。法務省では全国で同様事案がないかを調査、有識者による検討会も開催したい、としている。

 一方、国際社会の方はといえば、だ。中国の習近平国家主席が7~9日の間、約6年ぶりにサウジアラビアを訪問、アラブ諸国の首脳らと会談したことか。中国は経済力を武器に中東での存在感を増したい考えがあるだけに、こんごの国際情勢にどう影響するか。注意をもって見守りたいところといえよう。

 きょうは、新聞(中日)の社説【辺野古判決 地方自治の精神どこへ】と【映画館ない東濃 イオンにシネコン熱望】が問題点を突いてなかなかよかった。『辺野古が唯一の解決策」という政治的結論に、司法が思考停止のように形式的判断しかできないのなら、地方自治は死に至る。』との論調は、そのとおりだ。
 そして、もうひとつ。【映画館ない東濃】の方は、『地元の期待は高まっていたが、十月、岐阜県土岐市に開業したイオンモール土岐には結局、映画館が含まれなかった。……国内最大規模のシネマコンプレックス(シネコン)を展開するイオンモール進出の好機に「復活」を期していた住民らは、なおも今後に望みをつないでいる。』といった内容だったが、イオンモール土岐は社説でいうとおり、「映画館ゼロ」の返上が新たな街づくりへの力強い協力になることを忘れてはならないだろう。

(12月9日)
 金曜日。ふつうなら、午後に一宮スポーツ文化センターで社交ダンスのレッスンを受けるところなのだが。きょうから来月20日までは私たちにとっては欠けかけがえのないレッスン教師が両足の治療でしばらく名古屋市内の病院で入院治療されることもあってお休み。というわけで、きょうはなんだか気合抜けがしたような、そんな気がしないでもない。
 デ、私はその分、ことし5月に満102歳を前に亡くなったおふくろの喪中はがきのあて名書きに専念。気持ちを入れ替え、これを機会に名刺の内容も少しだけ替えることとし、いつもお世話になっている業者さんに従来の名刺の一部差し替えをお願いするなど結構、あわただしい1日となった。

(12月8日)
 わが心は舞亡き後、あいも変わらず日々、荒野をさまよっている。

 きょうも夕刊には多くのニュースが流れ、ながれている。▼英、原発建設から中国企業排除▼中国・習氏がサウジ訪問関係強化へ▼InterView 菜葉菜 近くにいそうな 映画「ワタシの中の彼女」4役演じ分け。(毎日8日付夕刊)さらには▼岡崎市八帖町→八丁町に みそ老舗だけ町名変更?! 「分かりやすい」「不公平」住民賛否(中日8日付夕刊)……といった具合で、どれも興味深く関心を引きそうな内容が目立つ。

 そんな中にあって、きょうは日米開戦の日だ。日本が米国真珠湾を攻撃した日であることは大半の人々が知っている。そんなわけで、中日新聞は1面で【真珠湾次世代へ語り継ぐ 攻撃81年、ハワイで式典】の夕刊記事が目立ったのである。

(12月7日)
 水曜日。雪が激しくなり、降り積もってもおかしくないころ。二十四節気の大雪(たいせつ)だ。

 事実、このところは、朝や晩になると、冷え込みのひどい寒い日が続いている。午後、新型コロナの5回目のワクチン接種で江南市内のKTXアリーナへ。5回目ともなると、接種をする側もされる方も、どこか一体感のようなものが生まれ、接種自体も当初のような張り詰めた緊迫感のようなものがなくなり、どこか和気あいあいといった感じだ。それでも接種後の15分間は、やはり、ピリピリしたものが漂い、帰り際の女性スタッフのことば「何ごともなくて良かったですね」には、どこかホッとしたありがたさというか、この尾張の地で共に生きている、といったような、連帯感をさえ感じた。接種会場にいる全ての人々が新型コロナウイルスの呪縛から1日も早く逃れたい、と願っている。そんな運命共同体的な感覚さえ伝わってきたのである。

 気になるニュースは【ロシア2基地に無人機攻撃 ウクライナ高官、関与示唆 爆撃機破損事態緊迫の恐れ】と【発生3カ月 死者470人、拘束1万8000人に ヒジャブ巡り混乱 政府が「風紀警察廃止」言及 イラン抗議デモ 勢い衰えず】【追悼大会で習氏弔辞 「江沢民氏は社会主義守り抜いた」】(いずれも7日付中日朝刊見出し)か。

(12月6日)
 きょうは、とても嬉しいことがあった。わが家への届け物を届けて下さったいつものゆうパックの女性が私が荷物を受け取る際に「いがみさん」とおっしゃられるので「ハイ、なんでしょうか」と荷物を手に答えると、「あの。あたし。亡くなられた奥さまの俳句遺稿集・泣かんとこを買いました。毎晩、寝床の枕元に置いて読ませていただいています。ホントに奥さま、いさぎよいお方でしたよね」と話され、そのお言葉には私のまぶたからは思わず涙が出てきた。
「本当にありがたいことで。本、読んでくださってありがとうございます」とお礼を言うのが精一杯だったのである。私はさっそく仏壇に手を合わせ「舞よ、マイ、おまえも知っている、あの働き者のゆうパックの女性がそういってくださった。ありがたいことだよ。感謝しようね」と話しかけたのである。

 その舞だが、同居する息子の心遣いもあって、慰霊写真はむろんのこと、仏壇など彼女の周辺はいつも花で満たされている。その花々に囲まれた舞に向かって私はあらためて、こうも付け加えた。「おまえは、俳句にせよ、短歌、1行詩にせよ。ほかにリサイクルショップ・ミヌエットでの七夕やクリスマス会など、どんな時にも全身全霊で打ち込み、本当によくがんばり一生懸命だったよな。その打ち込む姿が何にも代えがたくステキだったね」と。私のおまえを思う気持ちは、いささかも変わらない。そして。舞がもしも生きて私の傍らに居てくれたなら、私はそれだけで、とても嬉しいのである。

 いつも花に囲まれている舞の遺影
 
    ※    ※

    ☆    ☆
 月日は脱兎、いや疾風のごとし。アッというまだ。毎日毎日起こるいろんな出来事の合間をすり抜けるようにして私たちは、きょうも生きていく。

 思いつくまま箇条書きにして、このところの世界の話題から私が住む地域社会の話題までを並べてみよう
 ▽サッカーのW杯カタール大会。日本はドーハ近郊のアルジャヌーブ競技場で決勝トーナメント1回戦に臨みクロアチアと対戦。1―1のままPK戦に臨んだが3―1で敗退▽豊橋の養鶏場で鳥インフル 200万羽が移動・搬出制限となり、愛知県が全約31万羽の殺処分を始めた▽岸田首相が防衛費43兆円を指示 現行の1・5倍 23年度から5年間▽NHK会長に元日銀理事の稲葉延雄氏(72)を選出▽静岡県裾野市の私立「さくら保育園」で園児を虐待したとして暴行容疑で保育士3人=退職=が逮捕された事件。その後、園が6~7月に虐待行為に関する内部通報を受けながら市や県警に通報していなかった疑いがあることがわかった▽長野県伊那市西箕輪の住宅で3日に女性の遺体が見つかった事件。その後の調べで長野県警は5日、女性が首を絞められ殺害された殺人事件と断定。女性は、この家に住む無職原貴努代さん(85)とわかった▽馬と街練り地域の繁栄願う 江南・古知野祭り 3年半ぶりパレードといろいろある。

 そして。本日の夕刊1面トップは、【日本8強届かず 4度目挑戦進化見せた クロアチアにPK戦負け 決勝T】(6日付中日夕刊)【日本 8強逃す PK戦クロアチアに惜敗】【必ず未来は変わる 日本代表・森保一監督 勇気と感動もらった 岸田文雄首相】(6日付毎日夕刊)といったものだった。

 6日付の夕刊
 

(12月5日)
 【名古屋城天守に昇降機 木造復元 市が導入方針決定】に始まり、【園児暴行疑い3保育士逮捕 静岡・裾野 虐待常態化か 園捜索】【都道府県議334人接点 旧統一教会問題8割自民 共同通信調査】(いずれも5日付中日朝刊見出し)……といやはや、この世はいろいろある。そんななかで【初の8強へ 勇敢に 今夜0時クロアチア戦】は、どこか胸が弾むようないい話題である。
 この記事はサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメント1回戦で、日本は5日午後6時(日本時間6日午前0時)から当地近郊のアルワクラで前回準優勝のクロアチアと対戦する。森安一監督は4日の会見で「激しく厳しい戦いになる。選手たちには積み上げてきたものを発揮してほしい」と期待を込めた。―といった内容でいよいよ今夜0時にクロアチア戦が始まるのである。

(12月4日)
 将棋の藤井聡太五冠(20)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖、愛知県瀬戸市=に広瀬章八段(35)が挑む第三十五期竜王戦七番勝負の第六局が2、3の両日、鹿児島県指宿市の旅館「指宿白水館」で指され、先手番の藤井五冠が百十三手で勝ち、シリーズ成績を四勝二敗とし、竜王位を初防衛。アテネ五輪の女子マラソン金メダリストで三重県伊勢市出身の野口みずきさん(44)が大会長を務める「野口みずき杯中日三重お伊勢さんマラソンが3日、伊勢市朝熊町の県営サンアリーナを主会場に2日間の日程で開幕、3年ぶりの開催となった。初日は家族連れや友人同士によるウォークの部(5・4㌔)と障害のある人向けのバリアフリーラン(1・8㌔)に約2000人が出場。4日はランニングの部でハーフマラソンや5㌔の部に全国からの約600人が挑んだ。

 静岡県警が同県裾野市の保育園で3人の保育士が複数の園児に虐待行為を繰り返していた問題で4日午前、園児3人への暴行容疑で元保育士の女性3人を逮捕。

(12月3日)
 日曜日。けさの新聞はサッカーのスペイン戦、大逆転の話題で満載である。歓喜する。心が躍るとは、このことを言うのだろう。あらためて新聞記事の役割の重さと大きさ、報道の大切さを思う。

 【スペイン戦劇的逆転 日本決勝T進出 次戦はクロアチア 真っすぐ堂安弾 壁貫いた】の傍らには真逆と言っていい記事【敵基地攻撃 自公が合意 月内閣議決定 安保政策を転換】といった見出しが並ぶ。このところのサッカーの試合をテレビで見ていて私はつくづくサッカーは、いい。こうした健康的で健全な戦いに人々が熱狂する姿は、平和であればこそ-の風景であっていいな、と心から思う。ロシアによるミサイル弾が飛び交うウクライナの戦争、不幸を思う時、人間たちはなんて愚かな生きものなのだ。サッカーのようにスポーツや音楽、芸術で競い合うことは出来ないものか、とつい思ってしまう。

 それはそうと。前半、スペインに先制こそ許したものの、後半3分に堂安律(フライブルク)が同点弾を放ったのに続いての田中碧(デュッセルドルフ)の勝ち越しゴール。直前の三苫薫(ブライトン)のプレー時にゴールラインを割ったかが検証され、その結果、得点が認められたが、この時のドーハ・ハリファ国際競技場での観衆とサポーターの熱狂と興奮ときたらテレビ画面からも伝わってきた。

 スペイン戦の大逆転と16強入りを報じる新聞
 

 そして。もしもである。私が妻の舞とともにこのシーン、名場面を見ていたならば、だ。私と今は亡き、〝かぜ〟となってしまった舞の間では当然のように、いや、いつもの如く次のような会話が交わされたに違いない。
「よしっ。俺はこれからサッカーの選手になってやる。たつ江(舞の本名)、見ていろよ。きっとなってやるからな。なってみせる」
「だあ~め。だめだよ。(あなたは)何でもすぐにかぶれてしまうのだから。そんなに簡単になれっこないわよ」
「いや、俺は必ずなってみせる」
「あなた。なんでそんなに自信過剰のナルシストさんなの。第一、サッカーだなんて。柔道なら、いざ知らず、サッカーはしたこともないのでしょ。ダメ。だめ。ダメだよ。あきらめなよ」
――もしも舞が生きていたなら、テレビを前に半分冗談交じりでこんな会話が交わされていたに違いない。

 そして肩を落とした俺、すなわち私は天に向かってこう呼びかけたのである。
「舞よ。まい、マイ。生きていれば、この地上にはこんなにも楽しいことがあるのに。おまえは、なんで死んでしまったのだ。こんなに楽しい世界なのに。そして。生きてるって、すごいことなのだ」と。
    ※    ※

    ☆    ☆
 優れた産業技術や製品をたたえる第36回中日産業技術賞の贈呈式が2日、名古屋市の名古屋銀行協会会館で開かれ、最高賞の経済産業大臣賞には豊田中央研究所(愛知県長久手市)とデンソー(同県刈谷市)が共同開発した「リチウムイオン電池監視ICを小型化した高耐圧半導体素子」が輝いた。愛知県で2019年に開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会(会長・大村秀章知事)が名古屋市に負担金の残額3380万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が2日、名高裁であり、松村徹裁判長は全額の支払いを命じた一審の名地裁判決を支持。市側の控訴を棄却した。

 俳優でタレントの渡辺徹(わたなべ・とおる)さんが11月28日、敗血症で死去。61歳だった。喪主は長男で俳優の裕太(ゆうた)さん。後日、お別れの会を開く予定だという。

(12月2日)
 歓喜とは、このことを言うのだろう。サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。日本は1日午後10時(日本時間2日午前4時)からスペインと一次リーグE組最終戦を戦い、見事、2-1で勝ち、決勝リーグへの駒を進めた。川崎に住み東京で働く長男から早朝に届いたメールは「日本代表が勝ちましたね。お母さんも喜んでいると思います。」というものだった。おかあさんも喜んでいる。このことばに私は感嘆したのである。サッカーのルールも何も知らない、そのお母さんも喜んでいると思います。―とは、まさに至言である。
 生きていれば、こんなにも楽しいことがあるのである。そう思うと、一緒にテレビ観戦して歓喜の叫び声をあげたかったな、と思う。人は、戦争ではなく、誰もがスポーツや音楽、その他それぞれの楽しみのために生きていることをあらためて実感として思いもする。舞が隣にいたら、どんな俳句を、短歌を、1行詩を詠んだだろうか。私は長男の「お母さんも喜んでいると思います」のことばに胸打たれたのである。おかあさんが生きていたなら、平和な時代のサッカー試合「あのねえ。日本って。強いね」と言いながら、目を見開いて見たに違いない。

 当然のことながら新聞の夕刊1面見出しは【日本16強 スペイン破り首位突破 逆転劇またも堂安弾から】(中日2日付夕刊)【日本決勝T進出 スペインに逆転勝ち 後半 猛然プレスで撃破 8強かけクロアチア戦】(毎日2日付夕刊)とサッカー一色である。

(12月1日)
 東海地方はこの日朝、ぐっと冷え込んだ。午前6時現在の気温は名古屋8・2度、岐阜7・1度、津8・8度で、前日朝の同時刻と比べ、どこも8度前後低かった。

 郡上踊りがユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されることが決まった。モロッコで開催中のユネスコ政府委員会で30日決まったもので、24都府県41件の民俗芸能「風流踊(ふうりゅうおどり)」が無形文化遺産に登録される。近く遺産リストに記載されるという。
 全国の企業や家庭を対象とした冬の節電要請期間が、本日12月1日から始まった。期間は2023年3月末までの4カ月間。冬季としては15年度いらい7年ぶりの節電要請となる。期間中、特定の数値目標は設けないが、西村康稔経済産業相は「生活していくうえで最低限の電気使用は必要なので無理のない範囲でお願したい」と協力を求めている。

 天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが1日、21歳になられた。愛子さまは、成年皇族として充実した日々を過ごされている。

 北京共同、新華社電によれば、中国の江沢民(こうたくみん)元国家主席(96)が30日、白血病と多臓器不全のため上海で死去。江沢民氏は軍が民主化運動を武力弾圧した1989年6月の天安門事件直後に当時最高指導者だった鄧小平氏(故人)の抜擢で上海市トップから中国トップの共産党総書記に就任。鄧小平氏が築いた改革開放路線を軌道に乗せ、愛国主義教育を推進したことで知られる。要職を退いた後も政治への介入を続けたが、習近平指導部による「反腐敗運動」などで近年は影響力が低下。ことし10月の中国共産党大会では議事運営を取り仕切る「主席団常務委員会」に名を連ねたが、会場には姿を現さなかった。
 公式に姿を見せたのは、2019年10月の建国70周年記念式典の軍事パレードで両脇を支えられながら痛々しい表情で天安門に登壇する姿が確認され、これが最後になったという。江沢民氏は改革開放を打ち出した鄧小平氏の路線を引き継いで1993年に国家主席に就任。退任するまでの10年間、強力な指導者として中国が現在の経済大国となる基礎を築いたことでも知られる。

 「村神様」が流行語大賞に。トップテンに「キーウ」「宗教2世」も。