一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年6月~)

2024年6月30日
 早朝は雨である。
 なぜか、私が高校生、十代のころに大ヒットし自室でよくひとりで歌った橋幸夫さんの「雨の中の二人」の歌詞(利根一郎作曲、宮川哲夫作詞)が口をついて出た。
 その歌は次のようなものである。
 ♪雨が真珠の小粒なら 
 恋はピンクのバラの花
 肩を寄せ合う小さな傘が 
 若いこころを燃えさせる
 別れたくないふたりなら 
 濡れてゆこうよ 何処までも
  
 好きと初めて打ちあけた 
 あれも小雨のこんな夜
 頬に浮かべた可愛いえくぼ 
 匂ううなじもぼくのもの
 帰したくない君だから 
 歩きつづけていたいのさ
 ……

 独りだけ、その世界に浸りきって、なんどもなんども歌った。
 雨そのものが私の恋人、青春時代のような、そんな気がするのである。
 いやいや、私は今も「青春」のまっただ中を歩いている。
      ※     ※

      ☆     ☆
 ほぼ六十年後の今。私は窓を開け、雨に向かって呼びかけた。「みんな元気でいるか。いますか」と、である。足元では愛猫シロが盛んにウーン、ウーンと声をあげて、こたえ「みんな元気でいるから。心配しないで。だいじょうぶだから」と私の足に何度も何度も頭をこすりつけてくる。どこからか、雨の中から「シロちゃん。シロはね。なんでも知っているのだから。なんでも知っているよ」と生前のあのたつ江、舞の鈴を鳴らすような甘ったるい声が聴こえてくる。
 私は雨が降るつど、なぜか彼女を思い出すのである。いまさら。思い出したところで、彼女はもはや、この世にはいない。なのに、である。

 能登半島地震の復興に始まり、東京都知事選、米大統領選と、この世はいろいろある。そんな中、私たちが決して忘れてはならないこと。それは、こうしている間にも東京電力の福島第一原発事故現場で延々と続く作業員による命懸けの後処理である。決して忘れてはならない。復興への道のり。それは、気が遠くなるほど長い道のり、闘いなのである。

(6月29日)
【北陸に初めて「いのちの電話」 被災の孤独 不安聞かせて 全国で相談員減少 なり手不足】とは、29日付の中日新聞朝刊軟派トップ記事。
 能登半島地震から7月1日で半年。被災者のつらい気持ちや悩みに耳を傾けようと、「日本いのちの電話連盟」(東京)が20日、被災者向けの相談電話を始めた。原発事故後、福島の被災者の声を受け止めてきた担当者は「半年ほどたって将来に不安を感じ始める人は多い。話を聞き、気に掛けている人がいることを伝えたい」と話す。-といった前文で始まり、記者は、私も知るあの片山夏子さんである。

 被災地の方々との心を少しでも通わせよう-というこうした人間愛に満ちた記事の一方では【「紅麹」新たに76人死亡疑い 厚労省、調査介入へ 小林製薬サプリ】(毎日新聞29日付朝刊見出し)との暗いニュースも。中日の【コロナ7週連続増】のニュースも、とても気になる。

 米民主党のバイデン大統領は28日、共和党のトランプ前大統領と戦う11月の大統領選について「この選挙に勝利するつもりだ」と述べ、選挙戦を継続する意向を表明し、27日の第1回テレビ討論会を受けて民主党内で浮上した指名候補の交代論を打ち消した。-とは、日経新聞の29日付夕刊。

 中日新聞の本日29日付尾張版に【個性あふれる書楽しんで 江南 3団体合同の作品展】の見出し。江南市の「清玉書道会」「清心会」と大口町の「大口書道クラブ」の合同書作展が江南市市民文化会館展示室で28日から始まった(30日まで)という内容だったが、3団体は書家青山碧雲さん(91)が主宰し、2年ごとに合同展を開いている-という。なんと、この青山碧雲さんは、私が小学生の頃、そろばんを教えて頂いた先生、その人である。

 英国を国賓として公式訪問中の天皇、皇后両陛下は28日午前(日本時間28日夜)、オックスフォード大を訪問。それぞれ20代のころに留学した思い出の地をふたりそろって訪れられた。

(6月28日)
 東京での日本ペンクラブの総会と引き続いての懇親会。こちら、尾張名古屋は雨がひどいばかりか、他に執筆はじめやらねばならぬ私事も多く、久しぶりに出席したい気持ちも少しあるにはあるが、きょうのところはやめておく。
 その代わり、毎週金曜日午後に一宮市のスポーツ文化会館で行われている社交ダンスのレッスンに。こちらは、ひごろの体力維持面からも続けなければ、と判断。豪雨のなか、車を運転して出向いた。今も私の宝物である亡き舞の遺言「あなた 社交ダンスだけは続けてよね」の言葉を大切に守りつづけているのである。
 というわけで、きょうは、いつものワルツ、タンゴに続き、これまた最近練習を始めてまもないスローを繰り返し学んだのである。相手は最近レッスンを始められたニューフェイス〝おときさん〟はじめ、いつもの悦ちゃん、そしてよしこ姉に若先生。ほかに男性陣の貴公子みたいな存在、水谷さんも加わっての少し厳しくはあるけれど、まずは楽しいひとときとなった。きょうは、ここだけの話ではあるけれど。夢中で踊っているさなかになぜか瞬間的に意識が遠のき、もうろうとしてしまい、「俺もとうとう、この世とはおさらばか」と思った次第。
 若き青年もチョットだけ、年を取ったか。ステップがかなり、ハードなので踊っているさなかに瞬間的に2度ほど意識が遠のいた。とはいえ、これも踊っている間に元に戻り心配するには及ばない」とでも言っておこうか。
 きょうは、このほか、午前中は歯のメインテナンス治療で自宅近くの歯医者さんを訪れるなど、とても東京を訪れる余裕などはなかったのである。ただ、私の命そのものだと言っていい文章だけは、こうして書き続けているのである。

 夕刊は【検事総長畝本(直美)氏就任へ 戦後33代目 初の女性トップ】【円安一時161円台 37年半ぶり水準】【米大統領選/2024 4年ぶり討論互いに非難 バイデン、トランプ両氏 中絶など巡り】【静岡に線状降水帯 列島広く大雨】【日本最古の化石初公開 4.5億年前のコノドント 28年前に飛騨で発見 名大博物館展示】【沖縄米兵性的暴行疑い 5月逮捕、県警公表せず】(いずれも28日付中日夕刊見出し)といったところか。いやはや、この世はいろいろある。

(6月27日) 
 【富士山相次ぎ4人死亡 火口内に3遺体 登山中の搬送も】とは、本日付の中日新聞朝刊見出し。相変わらず不幸の絶えない世の中だが、そんな中にあって【輪島港 今夏にも漁再開 国交省 必要水深おおむね確保】【役所広司さんら新規会員に招待 米アカデミー】(同見出し)は明るく、嬉しい話題だといってよい。

 そんな中にあってだ。26日の外国為替市場で円相場が対ドルで急落。大手銀行によれば、1時1㌦=160円台後半を付け、バブル経済期が始まった1986年12月いらい、37年半ぶりの円安水準になったという。こうした円急落につき財務省の神田真人財務官は26日夜、記者団に対して「(足元の円安進行について)深刻な懸念を有している。高い警戒感を持って市場の動向を注視している」とし「行き過ぎた動きに対しては必要な対応を取っていく」と述べたという。

(6月26日)
 水曜日。
 国賓として英国を公式訪問中の天皇、皇后両陛下が25日午後(日本時間25日夜)、ロンドンの英王室騎兵隊本部「ホースガーズ」で催された歓迎式典に出席。出迎えたチャールズ国王夫妻と握手を交わし、この後、天皇陛下は儀じょう隊による栄誉礼を受けられた。礼砲が鳴るなか、日本の童謡「さくらさくら」が演奏された。引き続き、陛下は国王、皇后さまはカミラ王妃とそれぞれ馬車に同乗、バッキンガム宮殿へ。騎兵隊を伴った馬車の列は、王室の重要行事のパレードコース「ザ・マル」を約10分かけ進んだ。バッキンガム宮殿では国王が主催する英王室との昼食会が催された。

 石川県は25日、能登半島地震の「災害関連死」として18人を追加認定することを決定。関連死は、これで既に正式認定された30人、認定が決まっている22人と合わせ計70人となった。地震による犠牲者は、倒壊家屋の下敷きになるなどの直接死230人と合わせ300人に上ることに。この世の中、ほかにも【公用車を私的利用、戒告 名古屋国税局幹部 旅費不正受給も】【元大阪地検検事正を 準強制性交疑い逮捕 在任中事件か】などと。いろいろ信じられないことが多発している。

 買い物から帰って。先日、スーパーで買っておいた桃を食べてみる。それが、おいしいこと。こんなにおいしい果物だったとは。桃といえば、かつて在任した小牧が桃の名産地だ。よく「桃の花咲く桃花台」と書いたものである。

(6月25日)
 火曜日。【57歳カズ 鈴鹿復帰 1年半ぶりにJFL(日本フットボールリーグ舞台へ】とは、本日付の中日新聞夕刊。サッカー元日本代表FWで「カズ」の愛称で知られる57歳のベテラン三浦知良が、日本フットボールリーグ(JFL)のアトレチコ鈴鹿に加入することが決まった、とは本日付の中日新聞夕刊である。記者会見での三浦知良、すなわち三浦カズの言葉「1試合でも多く出場して期待されているゴールを挙げたい」がまた、よかった。

 夜。お風呂から出たあと、たまたまスマホで【二度と見れない貴重映像(歌唱指導) 福島県いわき市 NHK勝ち抜き歌謡天国】なるものを見、歌はいいな-と、つくづく思うと同時に大変、勉強になった。やはり歌はいい。

2024年6月24日
 愛猫シロ、オーロラレインボーがいつものように午前10時過ぎ自宅を出たが、正午過ぎには帰宅するはずが、なかなか戻ってこない。心配していたところ、30分遅れて少しバツの悪そうな顔をして裏口からでも入るような表情で、いつもの居間の横、縁台から遠慮がちにソロリソロリと入り、帰ってきた。やれやれ、だ。ホッとしたところで、お風呂のスウィッチを入れたのである。シロは、今や、たつ江、舞の生まれ変わりも同然。わたくしにとっては、とても大切な生き神さまなのである。
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 沖縄で埋め尽くされた紙面(中日)
 

 沖縄慰霊の日の式典で仲間友佑さんが朗読した「平和の詩」の全文

  

 きょうの新聞紙面。やはり各紙とも1面は沖縄で埋め尽くされている。【防衛強化『まるで戦前』 沖縄慰霊の日 台湾、尖閣複雑な安保環境 戦争体験者 外交での衝突回避望む】【戦後79年沖縄慰霊の日 自衛隊拡張平和の道か 「集団自決」親戚が母を 死んだふり生き延びた90歳「地獄絵図」】(中日)【自衛隊増強憂える沖縄 慰霊の日 知事「外交で緊張緩和を」】(毎日)といった具合に、である。各紙とも沖縄一色といってよい。
 そして。ほかの記事といえば、だ。中に政局に関するものがあり、【改正規正法効果否定78% 世論調査 首相再選「望む」10%】(中日)【内閣支持率17% 規正法「再発防止ならず」80% 本社世論調査】(毎日)と、岸田政権に対する国民の目はいっそう厳しいものとなっている。

 中でも自民党の菅義偉前首相が23日公開のインターネット番組に触れ「派閥の裏金事件による国民の政治不信は責任を取っていない岸田文雄首相に一因がある」との考えを示した点をあげ【菅氏 事実上の退陣要求 裏金事件「首相、責任に触れず」】の見出しを打った紙面が当を得た記事といっていいだろう。

 政治家各氏には悪いが、ことほどさように今の政治に対する信頼感はガタ落ちなのである。
あぁ~、とため息が出るのは、別に私だけでもあるまい。いや、国民の大半が政治に対する不信感の海のなかで生きている、と。私は、そう思わざるをえない。

【円下落、160円に接近 一時159円90銭台 2カ月ぶり水準】【ロシアで武装勢力襲撃 南部16人死亡、テロ容疑捜査】【「ガザ激戦まもなく終了」 イスラエル首相 部隊再編の意向】とは、日経の24日付夕刊の見出しである。

(6月23日)
 ノー・モア・ザ・ウオー。
 きょうは、私たちが決して忘れてはならない日。沖縄戦で実に20万人以上もの人々が亡くなった沖縄慰霊の日である。中日新聞のサンデー版大図解では【沖縄戦と特攻】を特集しており当時、人命軽視の作戦がなぜおこなわれたのかについて分析。特攻隊員になった人たちに触れ、【戦争指導者の賭けの材料にされた若者の命(埼玉大教養学部・一ノ瀬俊也教授)】についても論考を深めている。よい紙面だと思う。

 サンデー版大図解も沖縄一色に埋め尽くされた
 

 

 そして。この日がくると、私はなぜか、今は亡き妻たつ江(伊神舞子)の顔と彼女が詠んだ平和の俳句【れもんかみつつ思う事平和】を思い出す。振り返れば、私と彼女が両方の親の反対を押し切って逃亡同然に志摩半島の鵜方(当時は三重県志摩郡阿児町鵜方)で駆け落ち結婚したのが1972年の秋。沖縄は、まさにこの年に本土復帰を果たしたのである。日本では田中角栄の日本列島改造論が華やかなころだった。
 これより先、当時、米軍の北爆開始を受け、1965年4月24日に小田実さんや鶴見俊輔さん、高畠通敏さん、小中陽太郎さんらにより誕生したベ平連(ベトナムに平和を! 市民連合)の活動が盛んで、社会的にも定着。たつ江は、ベ平連活動にも加わり、若き一員として青春の血をたぎらせ、ギターを胸に抱え、反戦女性歌手ジョーン・バエズの<勝利を我らに>などをうたっていたものである。自分で言うのもおかしいが、長い黒髪に澄み切った両の目は天使のようにも見え、見事なほどに若さと美しさで輝いていた。

 こんな経緯もあってか。後年、私が退職後に当初、嫌がったピースボートに(無理やり)乗るチャンスを与えてくれたのも何を隠そう。たつ江、伊神舞子であった。おかげで私にはその後、多くの船友が出来、少しは世界をこの目で見ることも出来、当時得た友人からは、いまもアレヤコレヤとお世話になっているのである。

 きょうは、ほかに中日新聞が今月27日に発生から30年を迎える松本サリン事件に触れ【恨まず日々を生きる 松本サリン事件30年 第一通報者・河野さんの娘の思い】という記事を1面で展開。さらに軟派(社会面)でも【<悲しみの先に 松本サリン事件30年> ㊤「冤罪」河野さん一家 母が心支えてくれた】【犯人視 過熱した報道 元本紙記者、今も自問】などと補足、当時の松本支局記者の談話入りで一歩間違えば冤罪報道も十分ありえた点についても反省を込め、検証してみせた。この紙面展開は、なかなかよいと思う。

(6月22日)
 天皇、皇后両陛下がこの日、国賓として英国を公式訪問するため政府専用機で羽田空港から出発された。滞在中は歓迎式典やチャールズ国王夫妻主催の晩さん会などの公式行事に臨まれ、29日に帰国される。両陛下の海外訪問は2023年6月のインドネシアいらいで即位後2度目。また国賓待遇での天皇の訪英は、在位中の上皇さまの1998年いらい26年ぶりとなるという。滞在中は25~27日に公式行事が予定され、25日は歓迎式典や英王室との昼食会があり、バッキンガム宮殿で催される国王夫妻主催の晩さん会では天皇陛下がスピーチをされることになっているという。

 米アップルが2024年内は欧州で新たな生成AI(人工知能)サービスを提供しない方針を固めたことが21日、分かった。欧州連合(EU)の巨大IT(情報技術)企業の独占などを取り締まるデジタル市場法(DMA)が理由だとしている」とは、22日付の日経夕刊記事で、見出しは【生成AI、欧州に提供延期 アップル、規正法受け方針 年内断念】。また同日付中日夕刊は、今月16日に名古屋市内であった中部ペンクラブ総会での詩人北川透さん(88)の講演「夢から想像力へ-難破する世界と共に」に触れ、「ニーチェと漱石は、夢の引力。僕らも一人ずつ違う人生の物語を生きてきているが、最後にこういう境地にたどり着きたいなと思う」と語った、と結んでいた。

 きょうは満月。6月の満月は米国の先住民の間でストロベリームーンと呼ばれています。これは今の時期にイチゴの収穫をすることに由来しています。月がのぼる時の空がストロベリーのように赤く見えます。……-とは、本日付中日新聞夕刊の【星の物語 永田美絵】。夜空が好きだった舞(たつ江)が生きていたなら、ストロベリーのような月をどんな顔をして仰ぎ見たことだろう。

(6月21日)
 きょうは、夏至。北半球で昼の長さが1年で最も長い日である。

 夕方。社交ダンス「スロー」のほんの少し過酷なレッスンから帰って手にした中日新聞夕刊に【東海 梅雨入り 平年より15日遅く】の見出し。NHKの夜のニュースも【近畿東海 関東甲信が梅雨入り 平年より2週間ほど遅く】と報じていた。
 けさの新聞1面見出しは、やはり【藤井 八冠陥落 叡王戦 伊藤七段が奪取 タイトル戦初敗退 得意の終盤「らしさ」なく トップ争い再び激化】【都知事選 56人届け出 小池、蓮舫氏ら過去最多 来月7日投開票】(中日新聞)【小池都政8年問う 知事選告示 最多56人 事実上の与野党対決に】【藤井8冠陥落 叡王戦 伊藤初タイトル】(毎日)というものだった。無敵だったあの若き藤井八冠(21歳)が甲府市で指された第9期叡王戦5番勝負第5局で後手番の伊藤匠七段(21歳)に156手で敗れ、シリーズ通算3勝2敗で叡王位を奪取されたのである。

 けさは、午前中、眼科医へ。例によって常用の目薬ミケルナが切れてきたためだが、幸い眼圧は右19、左18でまずまず。連日、目を過酷なほどにまで多用しているため「急に見えなくなることはないですか」と担当医師に心配を聞くと「しっかりした治療さえしていれば、そんなことはありませんよ」と言われ、まずは安心した。午前中、雨降りで留守番をしてくれていた愛猫シロも、心配して帰宅と同時に玄関先に走って出迎えてくれたが「大丈夫だったから。心配ないよ」の私の声にホッと安心したのか。顔をなごませた。シロには私のことは、何から何まで全部、分かるらしい。シロよ。シロ、シロ。シロちゃん。ありがとう。

(6月20日)
 世界難民の日。
 けさの新聞各紙。【改正規正法が成立 政治資金先送り多く 全野党反対】【泉氏 落第改正解散を 馬場氏内閣万策尽きた 3年ぶり党首討論 首相解散せず課題に専念する】【ロ朝、有事に相互支援 首脳会談「同盟水準」条約署名】【改正規正法が成立 具体策「検討」多数 政活費や企業献金温存】【非常時 国指示権拡大 改正地方自治法が成立】【露朝有事に相互支援 条約署名軍事協力を強化】などといった見出しが目立つ。
 ほかには【都知事選きょう告示】、【子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する制度「日本版DBS」法成立】も見逃せない。日々、情報はこのように満載で新聞をはじめとした各種媒体から私たちの茶の間に届けられているのである。

(6月19日)
 きょうは、【ロマンスの日】だそうだ。石川県が能登半島地震の災害関連死として新しく22人を認定。地震の犠牲者は家屋の下敷きなど直接死230人、既に認定済みの関連死30人と合わせて計282人に。2016年熊本地震の276人を上回った。

「日本生命セ・パ交流戦」は18日、阪神が延長十一回の末2-1で日本ハムにサヨナラ勝ちして全日程を終了。既に13勝5敗で終えた楽天が球団創設20年目の初優勝を決めており、パ・リーグが53勝52敗3分けで2年連続16度目の勝ち越しとなった。また交流戦史上最高の打率4割3分8厘で水谷(日本ハム、愛知県津島市出身)が首位打者に輝いた。
 ほかには、各種報道によれば、ロシアのプーチン大統領が18日夜、ロシア極東から北朝鮮の平壌に向け、出発。プーチン大統領の訪朝は24年ぶりで、19日には金正恩朝鮮労働党総書記と会談予定で、両氏は政治や経済、安全保障面などでの協力体制を盛り込んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名するという。

 昼過ぎ。携帯スマホがぴこぴこと鳴るので「何事か」と画面を開くと-。「改正政治資金規正法法が可決・成立 立憲は「抜け穴」批判、維新も一転反対」とあった。

 この日。愛知、岐阜、三重は8月上旬並みの暑さとなった。

(6月18日)
 「能登半島地震から間もなく半年。11日時点で石川県内142カ所に4695戸の仮設住宅が完成し、入居が進む」とは、けさの中日新聞の報道である。そして一方ではきょうも【中国核弾頭500発に拡大 平和研推計「24発は実戦配備」 中国「自衛」主張】といった物騒な見出しが並ぶ。
 見出しと言えば、だ。名古屋を代表する俳優の山田昌さん(やまだ・まさ、本名天野昌=あまの・まさ)の死が同紙で【山田昌さん死去 94歳 名古屋弁俳優、反戦訴え】の見出しで報じられた。ひと足早く亡くなられたアマチンさんで知られた夫、天野鎮雄さん(2023年11月に87歳で死去)に次ぐ悲しい逝去で、なんだか名古屋を照らし続けた大きな光りが相次いで消えてしまったような。そんな感覚に包まれたのである。
 アマチンさんご夫妻とは、かつて牧すすむさんらも加わって「名古屋に関する物語」を有志で制作した際に一度だけ、ご一緒したが、ご夫妻ともにほんとに気さくな良い方であったことを強烈に覚えている。あの時は、確か舞も一緒だっただけに、ユーモアに満ち溢れたアマチンさんのことは今でも鮮明に覚えている。

 2025年の大阪・関西万博の開幕300日前となった17日、兵庫県姫路市の国宝・姫路城が万博のイメージカラーである赤と青色にライトアップされた。日赤愛知医療センター名古屋第二病院(八事日赤、名古屋市昭和区)が昨年5月に救急搬送された男子高校生(当時16)が腸閉塞になっているのに気づかないまま適切な治療を怠り重度の脱水で死亡させる医療ミスが発生。佐藤公治院長が謝罪。

(6月17日)
 月曜日。久しぶりにたった一人の妹にメール。「きのう16日に、久美ちゃん(私の姪)のおかあさん=義母=に名古屋であった中部ペンクラブの総会でたまたまお会いした。中ペン総会にご主人の土屋純二さん(詩人平子純さん)を車椅子で連れておいでになられたためだが、総会のあと講演をされた詩人北川透さんに会われただけで、すぐに帰られた。あの、土屋のおかあさんは本当にステキなお方だ、とあらためて思った。誰にとっても、母の存在はホントに大きいよね。だけど『イガミさん、少し肥えられたわね』と言われてしまったのが、少しショックだったよ」と。

 しばらくして私のかわいい妹=もう、おばあちゃんだが。昔は、それでも数学の特異な天才美少女で、とても賢く、名大、津田塾、南山と全ての入試に合格。名大理学部数学科を出てからは、しばらく公立中の数学教師をしていたが、途中から努力して全く畑違いの税理士資格を取り、私たちの父の税理士事務所を引き継ぎ、税理士として現在に至る。そんな妹は自分で言うのもおかしいが、今でも久美ちゃんと同じでとても美人である=から届いた返信メールは次のようなものだった。
「ゴメン。事務所(税理士事務所)が忙しくて返信できませんでした。誤解しないでね。『勿論、土屋さんはとても優しくて良い方で、久美子は造さんと土屋さんご夫妻のおかげで幸せになりました』などといった内容だった。というわけで、みんな幸せでイイナ、と思った次第。

2024年6月16日
 名古屋市千種区覚王山通のホテル「ルブラ王山」で開かれた中部ペンクラブの令和6年度(2024年度)の総会と公開文学講演会、その後のパーティーに出席し夜遅く、帰宅した。
 名古屋に出るのは、久しぶりのことなので少し疲れたのも事実だ。何よりも、わたくしこと妻たつ江(伊神舞子)が逝ってからというものは、ずっと〝有り合わせの着た切りスズメさん〟なので、着ていくものがなく、あまり失礼な服装でいくのも憚れる。
 デ、舞が生前買ってくれた黒い上っ張りと青い半そでシャツを着ていざ、出陣とあいなった。きょうは、何よりも小説「忘れ雪」で中ペン文学賞に輝いた小森由美さん(岐阜県瑞穂市在住)にお祝いの言葉を直接かけること、そして東京からはるばるおいでた全国同人雑誌協会代表理事の五十嵐勉さん(文芸思潮編集長)と理事和田伸一郎さん(クレーン)に久方ぶりにお会いできる、それが目的だっただけに、両方とも願いがかない、満足している。五十嵐さん、和田さんとも同じテーブルで歓談でき、うれしく思ったのである。

 中でも、小森由美さんとは私が岐阜県警回りの記者として岐阜に勤務当時からの知人でもある。岐阜県庁汚職事件はじめ安八での長良川決壊豪雨、淡墨桜の保存活動取材など激務の合間に、同じ物書きとしてどうしたら人の心を打つ小説が書けるようになるか-を穂積町(現瑞穂市)内で何度かお会いし、話し合った、そのお方なのである。こころから「おめでとう」と祝福したかっただけに、総会後のパーティーにも出席してよかったと思っている。

 「忘れ雪」で中ペン文学賞に輝き、受賞の喜びを語る小森由美さん
 

2024年6月15日
 能登半島地震で被災した曹洞宗の総持寺祖院(石川県輪島市)が15日、5カ月半ぶりに一般拝観を再開。巡ることが可能な区域は限られるが、当面は午前9時から午後3時まで無料で拝観できる-とは、本日付の中日新聞夕刊報道。

 きょうは私あてに日々届くラインの中でも不必要なものを削除した際、誤って大切なものまで削除(アインストロール)してしまい、全滅してしまう緊急事態に。そのごドコモショップに行き、出来る範囲で復活して頂くなどチョット、大変だった。と同時に、現代社会がラインにどれほど助けられているかを思い知りもしたのである。
    ※    ※    ※

    ☆    ☆    ☆
 朝。どこで傷ついたのか。シロが左耳を少しケガしているのに気がつき、消毒してやる。それでも彼女、オーロラレインボーは、外に出ると言ってきかないので「きょうは、風が強いからくれぐれも気をつけて。おかあさんに、よろしく言っといてよね。人間社会では、みんなそれぞれ生きているから心配しないで、とな」と言づてをして、窓を開け、鳥を空に放つでもするように出してやる。
 こんなわけで、オーロラレインボーの帰りは、いつもより少し遅れはしたが、午後1時前には帰宅。ホッと安堵したのである。もしかして。彼女は先日、〝ジュリーさん〟ちで亡くなった黒猫ピーちゃんを訪ね、焼香のあと、ご主人の〝ジュリー〟さんとあんな話やこんな話をしてきたのかも知れない。

 きのう。14日は岐阜県美濃市で35度となり、中部6県では、ことし初の猛暑日に。ほかに岐阜市34・3度、愛知県豊田市34度、三重県伊賀市33・7度、名古屋市33・3度、京都市では全国では最も高い35・9度を記録した。

 日銀が14日の金融政策決定会合で月間6兆円規模で購入している国債の額を減らす方針を決定。7月の次回会合で減額幅など今後1~2年の具体案を示し、速やかに実行に移す-とは本日付の中日新聞。植田和男総裁体制になって以降、ことし3月の17年ぶりの利上げとなるマイナス金利政策解除決定に続くもので、金融政策の正常化への舵がいよいよ取られた-といえようか。

(6月14日)
 日本郵便が13日、手紙やはがきの郵便料金を10月1日から約3割値上げする、と発表。1通84円から100円へと上がる手紙(25㌘以下の定形郵便物)では、消費税増税時を除き1994年いらい、30年ぶりの料金改定で、はがきも63円から85円に変わる。

 第77回中日文化賞の贈呈式が13日、名古屋市内のホテルであり、中日新聞社の大島宇一郎社長から賞状と正賞の時計、賞金が贈られた。ことしの受賞者は、QRコード開発と普及によるデジタル社会への貢献で受賞したデンソーウェーブ主席技師の原昌宏さん(66)=名古屋市=はじめ、ネオジム磁石の発明と脱炭素社会の推進に功労があった大同特殊鋼顧問の佐川真人さん(80)=京都市=、将棋八大タイトル独占と将棋文化振興に役立った藤井聡太さん(21)=愛知県瀬戸市=、そして創造的な漆表現と輪島塗産地への貢献で漆芸家小森邦衛さん(79)=石川県輪島市=の4人であった。どなたも、すばらしい業績を挙げられた方ばかりで新聞を読みながらこうした方々の存在の偉大さと努力の尊さをあらためて思い知ったのである。

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)が13日、イタリア南部のプーリア州ファサーノで開幕。日本の岸田文雄首相も出席。イタリアのメローニ首相が議長を務め、ロシアのウクライナ侵攻などについて協議。制裁で凍結したロシア資産を活用し、少なくとも500億㌦(約7兆8千億円)の新たなウクライナ支援を行うことで合意。パレスチナ自治区ガザ情勢に関連し、イスラエルとイスラム組織ハマス双方に即時停戦を求めることにしているという。この首脳討論は14日まで続けられた。

 ところで私が大好きな作家太宰治が亡くなったのは、確か、きのう。6月13日のはずである。私は、サクランボを今は亡き舞の仏前に供え「太宰さん。おげんきですか」と聞いてみた。
 その太宰が亡くなったと同じ日に知人の〝ジュリー〟が愛してやまなかった愛猫ピーの死が突然、ラインでもたらされ、大変、ショックであった。でも、死んでしまった以上、この世に戻ることはなかろう。いや、ないのである。そんなことを思うと、私の目からは滂沱の涙が滴り落ちたのである。この世から去ってしまった以上は、わめこうが叫ぼうが、だ。ピーは、もはや帰ってはこない。どうにもならないのだ。ただピーちゃんのこの先の行く末が、どこまでも幸せであるよう。そのことを祈るほかない。
 なぜか、水原弘の【黒い花びら】と【君こそわが命】をひとり、歌って葬送の歌とした。友は、さぞかし悲しんでいるに違いない。でも、そういう悲しみに襲われるのが生というものなのである。生きている。生きているから、悲しむのである。人びと、いやいや、この世に生きている全ての人々がきょうも【悲しみの海】を歩いているのである。これはいかんとも仕方のないことなのだ。

 そんなこともあってか。わが家といえば、だ。きょうのシロは午前10時過ぎに外出。正午過ぎには帰宅、なにやら殊勝に見えたのである。シロよ、シロ。シロ。あのな。おまえたち猫ちゃんのアイドル的存在と言ってもいい、あの【ピーちゃん】が亡くなってしまったのだよ。今さらジタバタしたところでどうにもなるものでもない。あとは、ただひたすらに冥福を祈ろう。この先、安らかな道を歩むことをただひたすらに祈ろう。アーメン。
 さようなら。ピーちゃん。日々を元気に逞しく。どこまでも清らかに生きぬいたピーちゃん。 その生き方は、どこまでもけなげなものだった。最期は飼い主〝ジュリー〟の腕のなかで死んでいった。おつかれさま。
 
 野良猫仲間にも多くの勇気と愛を与え続けた天下猫、ピーちゃん

2024年6月13日
 日本列島はきのう12日、高気圧に覆われ、各地で高気圧に覆われた。気象庁によれば、福島県伊達市で午後1時55分、35・2度を記録。ことし全国で初めて最高気温が35度以上の猛暑日になった。全国914の観測地点のうち30度以上の真夏日は猛暑日の1地点を含め326地点に達し、各地でことし最も熱くなったという。

 そして。きのうは、愛猫シロちゃん、オーロラレインボーに1日振り回された。
 というのは、いつもの時間に散歩に出たシロが定刻の正午過ぎはおろか午後1時になっても、2時になっても、3時、4時になっても帰宅しなかったからである。私は、ずうーと昔、まだ舞(たつ江)が元気だったころ、飼い始めて間もなくわが家からいなくなったシロちゃんを舞が探しに出かけ足を棒として見つけた古知野高校近く道路に面した草むらをはじめ、自宅周辺を時には隣人に聞くなどして歩いて回り、最後に先日、隣家無人家屋の解体工事が行われたことで、距離が縮まったようでより身近なお隣さんとなったその家、西川さん宅を訪れ、アルプスの少女のような奥様に「うちの白猫がいなくなってしまい捜しているのですが。どこかで見かけなかったでしょうか」と。思い切ってそう聞くと「なんか、うちの息子が白猫がそこいらで遊んでいるのを見かけたそうよ」とのこと。で、そちらの方に二人で行くとシロちゃん、こちらの様子を窺うようにしながらも逃げ去ったので「そのうち帰宅するだろう」と、ホッと安堵の胸を下ろしたのである。
 シロちゃん、いたづらごっこでもするようにその床下部分で、しばらく私たちの方をさぐるようにしていたが、近づくと逃げ出したーところを、この目で目撃。私は生きていることを確認したのでホッとした。というわけで、それ以上探すことはやめ、午後5時ごになって、いつもの縁側をのぞくと案の定、彼女は少しバツの悪そうな顔をして帰宅して座っていたのである。「シロよ。シロシロ。シロちゃん。心配してたよ。どこへ行っていたのだ。怒らないから」と言って窓を開けると、彼女はニャアン、ニャア~ンと甘えた声とともに室内に入り、晴れて帰宅とあいなった。
 というわけで、めでたし、めでたし-とはこのことか。私はシロが私の前から消え去ったら、生きてゆく気力を失うに違いない、と。そんなことを実感しもした。

 今や、亡きおかあさんに代わってわが家の女神と言ってもいいオーロラレインボー

 
 いつもはこうして私の足元に居てくれる
 

    ※    ※    ※

    ☆    ☆    ☆
 スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムが12日、各国の男女平等度を順位付けした2024年版「男女格差(ジェンダー・ギャップ)報告」を発表。日本は146カ国中118位だった。1位はアイスランド、2位はフィンランド、3位はノルウェー、4位はニュージーランドたった。

 東京都の小池百合子知事(71)が12日、任期満了に伴う都知事選(20日告示、7月7日投開票)に3選をめざして立候補する意向を表明。自民、公明両党と地域政党「都民ファーストの会」が支援する見通し。一方、既に出馬の意向を示している立憲民主党の蓮舫参院議員(56)はこの日午後、離党届を党本部に提出。立民、共産、社民各党が支援する方針で事実上の与野党対決になりそうだ。

 上方落語家の桂ざこば(かつら・ざこば、本名関口弘=せきぐち・ひろむ)さんが12日、ぜんそくのため死去。76歳だった。大阪市出身。

2024年6月12日
 日記の日。きょうは、アンネフランクが満13歳になったその日、昭和17年(1942年)6月12日に日記を書き始めた、まさにその日だそうである。

 アンネ・フランクに触れた毎日新聞の12日付「余録」
 

 岐阜県警捜査2課が11日、前池田町長の無職岡崎和夫容疑者(76)を官製談合防止法違反(入札妨害)と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕。調べによると、岡崎容疑者は2022年7月上旬、同町萩原の温知保育園にエアコン10台を設置する工事の指名競争入札を巡り、業者に指名通知をする前に少なくとも1社に対し秘密事項となっている参加業者名を漏らし、入札の公正を害したとしている。捜査2課は相手業者の名を明らかにはしていないが、お粗末極まるとは、このことか。これでは、これまで前町長を信じてきた町民がかわいそうである。

 東日本大震災と福島第一原発事故の被災地を回っていた「脱原発社会をめざす文学者の会」のメンバーから「昨日は脱原発の会で大熊町、双葉町をまわりました。暑い日でしたが、よく周り勉強になりました」「町長さんのお話聞きました」などといったラインを頂く。添付されてきた文学者の会メンバーの写真を目の前に【脱原発社会をめざす文学者の会健在なり】を実感。そして。私自身も、その後の復興ぶりをこの目で確かめてこなければ―との思いを強くしたのである。

 初めて乗り込んだ敵地・エスコンフィールド北海道で竜の投打がガッチリかみ合った。中日は11日、日本生命セ・パ交流戦の日本ハム戦に4-0で快勝した。先発の高橋宏斗投手(21)が初体験のマウンドをものともせずに7㌄無失点の快投。打線も2本塁打で援護した。過去2年は6戦全敗だった天敵を破り、チームは2連勝となった。-とは、けさの中日スポーツ1面のリード記事である。
 そして。さっそく北海道のドラキチさん、会川さんから私のラインに入った言葉は、以下のようであった。あいかわさぁ~ん。これからも応援よろしくね。
――おはようございます。昨日はエスコンフィールド北海道での、初めてのセパ交流戦観戦に行って来ました。2年間、立浪和義監督は新庄監督に6連敗中でしたので、初めて勝利がエスコンフィールドでしたので、感動しました。(以上、会川さんの原文どおり)

 会川さん、いつもいつも本当にありがとうございます(伊神権太より)。

(6月11日)
 いずれも職員のハラスメント行為が認定され町長が辞職した愛知県東郷町と岐阜県池田町の町長選挙が9日、投開票され、東郷町は無所属新人で前町議長の石橋直季氏(38)が、池田町は無所属新人で生命保険会社社員の竹中誉氏(53)がそれぞれ、初当選。石橋氏は愛知県内の現役首長では最年少となった。

 世界の方はといえば、だ。【対北拡声器放送再開 韓国軍 北の汚物風船に対抗】【「どこを見ても死体が…」 ガザ人質奪還 住民多数巻き添え 人口密集地で爆撃・戦闘】(11日付中日見出し)など。人間のやることは全くもっておろかしいことばかりである。そんな中、【インド与党辛勝 民主主義再生の契機に】の社説(11日付中日)が、なかなか読ませた。

 きょうは、おかあさんの仏(静汐院美舞立詠大姉)に木曽の流れを含んだ清らかなるお水を与え、彼女・伊神舞子も知る淡墨桜のお線香を立てて愛猫シロちゃんと一緒に手を合わせ、久しぶりにお参りし近況を報告。脱原発社会をめざす文学者の会の福島現地視察の方は、今回は、ほかにすべきことが多いこともあって欠席したことなどにつき説明。能登半島地震の応援歌「能登の明かり」のCD化の方は順調に進みつつあることなどについて報告した。

 仏の舞に手を合わせ、このところのアレヤコレヤをシロと一緒に報告した
 

 それにしても、きょうは本当に暑い。飛騨高山の神岡で、なんと30度を超えたというではないか。シロも帰宅後は、さすがに暑さでグロッギー気味で、私は私でシロに水をのませるように配慮、彼女は私に言われるとおり、水をのんでくれたのである。暑いのは、人間も猫も同じだと思う。

 この日、いつもどおり自宅周辺の散歩に出かけたシロは正午過ぎ、時間通りに無事、帰宅した。
 
(6月10日)
 朝早く。私が住む花霞町3組2班の区費の件で私は〝班長さん〟の大役を仰せつかっているため、区費記入申告票がまだ未回収になっていたKさん宅を訪ね、回収。夕方、2班の全戸分(9戸)をそろえて、近くの組長さん宅にお届けする。
 しばらくしたら、その若き組長さんがわが家を訪れ、「KさんとMさんの分がないのですが」との疑問を呈せられたので「おふたりともこの1年の間に亡くなられたのですよ」と答えると「ああ、そうでしたか」と納得して帰られた。というわけで、ことほどさように、町の〝班長さん〟は忙しい、のである。この大役を亡き妻、たつ江が文句ひとつ言うでなく生前に複数回にわたってやり遂げた事実に私はあらためて感謝。ほんとによくやってくれたとの気持ちでいっぱいになった。

 きょうは、このほか午前中、舞の勧めもあって彼女の生前時から定期的な健康診断を兼ねて訪れている名古屋は金山の「金山ペインクリニック」へ。幸い血圧も正常で「特に問題はありません」との診断であった。外出中は、わが愛するシロちゃんが留守番をしてくれており、随分と助けられた。私が帰宅すると、シロはホッとした様子で私に向かって「ニャア~ン」と言ったのである。

(6月9日)
 滋賀県警は8日、保護司でレストラン経営者新庄博志さん(60)が大津市内の自宅で殺害された事件で同市仰木の里、無職飯塚紘平容疑者(35)を殺人の疑いで逮捕。飯塚容疑者は6年前のコンビニ強盗事件で執行猶予付きの有罪判決を受け保護観察中で、新庄さんが支援を担当していたという。新庄さんは2006年から保護司として活動しており、保護司が中心となって就労や教育、医療の組織を連携させ更生支援につなげる「滋賀KNAMAプロジェクト」を進めていた。
 調べによると、飯塚容疑者は5月24日午後7時~26日午後4時ごろに新庄さん方で鋭利な刃物で新庄さんの上半身を複数回突き刺すなどして殺害した、とされている。これに対して飯塚容疑者は「私はやっていませんし、何もこたえたくありません」と話し、容疑を否認しているという。いずれにせよ、保護司という社会的使命に燃えた新庄さんの死が社会に与える影響は限りなく大きい、といっていいに違いない。

 そして。今ひとつ気になったのが、鹿児島県警の署員盗撮記事か。【「前刑事部長が静観指示」 前生安部長記載、本人は否定】(9日付中日)の見出しがなんとも気になる。
 というわけで、きょうも人間社会という川の流れは、流れ流れてどこどこに。一体全体、どこまで流れていくのだろうか。

(6月8日)
 土曜日。「脱原発社会をめざす文学者の会」のホームページに私、伊神権太が月に一度、執筆している連載の文士刮目【第37回 どこへ行く? 流転社会】が昨日付で公開されたので、読んで頂けたら嬉しく思う。読者のみなさまには、次のアドレスをクリックして読んで頂けたら、と願っている。
 http://dgp-bungaku.com

【劣勢挽回へ 350億円支援 米ウクライナ首脳会談】とは、本日付の中日新聞国際・総合面の見出しである。第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦から80年の式典に結集した欧米首脳らが連合国がナチス・ドイツに勝利した歴史と現在を重ね合わせ、ウクライナに侵攻したロシアの権威主義と闘う姿勢を鮮明とし、バイデン米大統領は7日、パリでウクライナのゼレンスキー大統領と半年ぶりに対面会談。米議会の党派対立でウクライナへの支援が長期間滞ったことを謝罪、侵攻を続けるロシアに対する劣勢の挽回に向け、2臆2500万㌦(350億円)の追加軍事支援も発表した。これに対してゼレンスキー氏は米国の支援に謝意を示し、ウクライナは孤独でないと語ったという。

 毎日新聞の本日付け朝刊1面に【涼やかにごあいさつ】の、さわやかな絵とき記事。夏の到来を目前に、京都の花街で芸舞妓がお世話になった料亭などに夏のあいさつで配る「京丸うちわ」の生産が続いている。白地に濃い朱色で芸名や家紋などが入り、華やかなのが特徴。1624(寛永元)年創業の老舗うちわ店「小丸屋住井」(京都市左京区)が発祥で、京都と屋号から一文字ずつ取ってうちわの名前が付けられたという。

(6月7日)
 中日ドラゴンズは6日の日本生命セ・パ交流戦でソフトバンク戦(バンテリンドーム・ナゴヤ)に臨み3-0で勝利。1950年の2リーグ分立後、巨人、ソフトバンク、西武に次ぐ球団通算5000勝のメモリアル勝利。4回にダヤン・ビシエド内野手(35)が今季1号ソロを放ち先制。来日から9年連続となる本塁打は今季39打席目で飛び出した。(6月7日付中日スポーツ1面から)

 巨人、ソフトバンク、西武に次ぐ球団通算5000勝のメモリアル勝利を報じた7日付中日スポーツ1面
 

 派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡り、自民党が3度修正した改正案は6日の衆院本会議で可決され、衆院を通過。自民と公明党、日本維新の会が賛成。立憲民主党などが訴えた企業・団体献金禁止は含まず、不透明な政治資金である政策活動費も温存され、立民の西村智奈美代表代行は「抜け道だらけだ」と批判。中日新聞は7日付朝刊で【規正法改正案衆院を通過 企業献金と政活費温存】【「欠陥」だらけ議論は参院へ】と1面で報じた。まったくもってその通りだと思う。
 ほかに【前部長(前鹿児島県警生活安全部長)が不祥事隠避指摘 本部長「捜査で確認行う」鹿児島県警】【ズボン1000着ボタンから覚醒剤 愛知県警 密輸容疑でイラン人逮捕】(いずれも7日付中日見出し)など。相も変わらず、いろいろある。

 かつて今は亡き舞(伊神たつ江)と一緒によく訪れた円空仏とアジサイの寺で知られる愛知県江南市村久野町の琴聲山音楽寺で明日8日から30日まで第26回あじさい祭りが開かれます、とは、毎週金曜日発行の7日付の尾北ホームニュース1面トップニュース。

(6月6日)
 梅の日。ことしは、あまり生育はよくない、とのこと。

 それから。第2次世界大戦でナチス・ドイツに対する連合国軍の勝利を導いたノルマンディー上陸作戦のDデー(決行日)からこの日で満80年を迎えた。「フランス北西部ノルマンディー地方で史上最大の作戦を目撃した住民らは高齢になった今も凄惨な記憶が忘れられない。ロシアのウクライナ侵攻で欧州が再び戦争を目の当たりにする中、美しい平和をかみしめる」とは、けさの中日新聞の国際・総合面の報道である。【モディ首相が勝利宣言 印総選挙 与党単独過半数逃す】も同国際・総合面の見出しである。

 朝早く裏庭一角の倉庫内に置かれていた今では不要になったガラクタ類を先日お世話になった庭師さんにお願いして撤去していただく。シロは事態を悟ったらしく、外の様子にジッと目を注ぎ、終わったところでお外に。まもなく帰宅した。

 能登半島地震に伴う大規模火災で焼失した石川県輪島市の輪島朝市周辺で5日、建物の公費解体が始まった。輪島朝市エリアの264棟について法務局による建物が「滅失」したとする登記手続きが5月30日に完了したことに伴うもので、所有者全員の同意がなくても災害廃棄物としての解体が出来るようになったという。作業は申請が集まったエリアごとに実施していくが完了時期は未定だ、としている。
 厚生労働省が2023年の人口動態統計を発表。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」は未婚・晩婚化が影響して1・20となり、過去最低を更新したと発表。

(6月5日)
 【トヨタ本社立ち入り 認証不正 国交省、処分を検討 3品種月内は生産停止】【販売店に不安の声 本当に大丈夫なのか】【規正法審議ずれ込み あす衆院通過 自民異例の日程撤回】(5日付中日朝刊見出し)など。世の中は日々、流れている。いや、このように。時には、濁流の如く流れていくのである。でも、いつの日にかは、遠ざかってゆく。

 中国共産党・政府が1989年に学生らによる民主化運動を武力弾圧した天安門事件から、きのう4日で35年。各紙報道によれば、習近平政権下での言論統制は一段と強まり、現場となった北京の天安門前広場周辺には多数の警察官や私服の公安関係者らが配置され、厳戒態勢がとられたという。
※天安門事件については、拙著「火焔-空と海」(能登印刷、伊神ごん)の【天安門前広場で大虐殺】(175頁)で触れているので読んで頂けたら、と思う。そのホンのごく一端を以下に紹介させて頂こう。
--中国の天安門前広場は、とうとう最悪の悲劇にまで発展してしまった。さる4日、天安門前広場で民主化を訴え居座る学生、市民に対し戒厳軍が、武力行使。何千もの人びとを殺りく、流血の惨事となったのだ。/人間のすることは本当に愚かで、嘆かわしい。……

 それはそうと、私は今つくづく思う。民主化を訴える学生たちが次々に殺されていった、その日。まだ若かったはずである、現在の絶対権力者である、あの習近平氏は一体どこでどうしていたのか、と。それが分かれば私はそのことを歴史に記したい、と思うのである。

(6月4日)
 女子のメジャー第2戦、全米女子オープン選手権が2日、米ペンシルベニア州のランカスターCC(パー70)で最終ラウンドが行われ、笹生優花が68と伸ばして通算4アンダー、276で2021年大会以来となる2度目のメジャー優勝を果たした。男子も含め、日本勢初の複数回制覇。22歳11カ月13日での全米女子オープン2勝目は最年少記録で優勝賞金240万㌦(約3億7680万円)を獲得した。4位から出た渋野日向子も72と粘り、通算1アンダーで2位に入って賞金129万6千㌦を得た。ニッポン女子のおふたりを心から祝福したい。めでたし、めでたし-とは、このことか。

 こちらは、あぁゝ 情けなや―か。【トヨタなど5社認証不正 ホンダ スズキ マツダ ヤマハ発 国交省指示 6車種出荷停止】(4日付中日)【認証不正トヨタなど5社 38車種一部出荷停止 ホンダ、マツダも 国、立ち入りへ】(同毎日)の見出しが悲しい。
 東京都内で会見したトヨタの豊田章男会長は「心よりおわび申し上げる」と人間を代表して?
謝罪。再発防止に向け「私自身が現場に下り責任を持って推進していく」と述べたというが、正直言って本気かしら―と思ってしまうのは私だけか。自動車業界全体がたるんでいるような。そんな気がしてならない。

 そして。そうしたニンゲンたちに比べたら、だ。わが家の守護神と言っていい愛猫シロちゃん=オーロラレインボー=は、きょうもどこまでも謙虚かつ控えめで美しく、チャーミングなのである。けさも私と一緒にユーチューブで、晩年のおかあさんが病床で「これだけは毎日、歌って。聞いてよね」と言い残した【エーデルワイス】と【みかんの花咲く丘】をふたりで口ずさみながら聴いたあとは、いつものように、晴れわたったお空のもとに外出。どこを、どう散策してくるのか。正午過ぎには、わが家に帰宅。今は窓辺で穏やかな視線を大空に向け、両手をそろえて満足そうな表情で座っているのである。

 シロよ。シロ、シロ。シロちゃん。
ところで。おまえは今、いや、いつも何を思い、考えているの? あっ、そうそう。オトン(私)と同じだよね。最近、朝の曲に【能登の明かり】がもう1曲、加わったことを書き添えておかなくちゃあ。

2024年6月3日
 3日午前6時31分ごろ、石川県能登地方で最大震度5強の地震が、ぐらりと発生。幸い、津波の発生はなくこれといった被害こそなかったが、能登はまだまだ安心できる状態に至ってはいない。

 ヤクルトの石川雅規投手(44)が2日、楽天モバイルパーク宮城であった楽天との3回戦で今季初勝利。史上初めて新人年から23年連続勝利を達成。昨年に最長記録だった米田哲也(阪急など)の1956~77年の22年連続に並んだ。23年連続は工藤公康(西武など)山本昌(中日)三浦大輔(DeNA)に並ぶ最長。2日は4-0の五回裏終了降雨コールドゲームで9年ぶりの完封となった。石川は、現役最年長のサウスポーで秋田商高-青学大から2002年、自由獲得でヤクルトに入団。身長167㌢の小柄ながら同年4月4日の広島戦でプロ初白星を挙げている。通算成績は186勝186敗。あっぱれ、とはまさにこのことを言う。「おめでとう! 石川投手」と心からエールを送りたい。
 
 ヤクルト石川投手の23年連続勝利達成を報じた3日付の中日新聞本紙、下は中田の決勝打を報じた同日付の中日スポーツ1面
 

 きょうの中日の朝刊報道によれば、能登半島地震で石川県から県外に避難した人は4月1日時点で少なくとも38都道府県で1268人に上ることが共同通信の都道府県・政令指定都市調査でわかった。戻った人も含めれば最大2861人が県外に滞在していたという。石油輸出機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国を加えた「OPECプラス」が2日、オンラインによる閣僚級会合を開き、協調減産の枠組みを2025年末まで1年間延長する、と発表。原油の供給量を抑制して相場を支える狙いがあるという。

2024年6月2日
 日曜日。能登半島地震から昨日で5カ月。石川県ではなお3319人が避難生活を強いられているという。けさの中日新聞によれば、うち1736人が学校や公民館などの1次避難所に身を寄せ、1530人は被災地から離れたホテルや旅館などに2次避難。仮設住宅は5月末時点で、必要数の67%に当たる4443戸が完成。県は8月中に希望者全員の入居をめざす。また断水は最大約11万戸に上ったが5月末時点で早期復旧が困難な輪島、珠洲両市の計1821戸を除いて解消。国土交通省によれば、約9割の主要な幹線道路が通行可能になった。

 不倫の口止め料を不正に会計処理したとして有罪評決を受けた米共和党のトランプ前大統領が5月31日、「公平な裁判ではなかった」として控訴する方針を明らかに。トランプ氏は11月の大統領選を控え、有罪評決を民主党の政治的な思惑によるものだ、と繰り返し主張することにより支持者らの結束を促す構えとみられる。
 パリ五輪の聖火リレーが5月31日にフランス西部で行われ、トマ・ぺスケ宇宙飛行士らを含む聖火ランナーが世界遺産のモンサンミシェルなどを走り抜けた。ゴール地点のミニ聖火台に火をともした最終走者は101歳のロジェ・ルブランシュさん。ナチス・ドイツの強制収容所を生き抜いた経験があり、1948年のロンドン五輪ではボートの選手として活躍した。

 夜。NHKスペシャル【海辺の診療所の先生は お年寄りたちの人気者 密着4年いのちの記録 百歳の春と涙の別れ】を見る。学んだことは「尊厳ある死は他人が決めつけるものではない。よう頑張った。よう頑張ったのお」といった老医師の言葉だった。

(6月1日)
 土曜日。世の中にはすばらしい方がおいでだ、ということをつくづく感じた。
 というのは、きのう、きょうとわが妻舞が生前、彼女なりに懸命に手入れしていたわが家のちいさき庭が、彼女の死後=伊神舞子、たつ江は2021年10月15日午前4時43分、江南厚生病院緩和西病棟812号室で逝去。69歳だった=、かなり荒れてしまっていたので庭の伐採と剪定をお願いしたところ、彼のお方が、それはそれは見事にきのう、きょうの2日間で一新してくださったからである。と同時に、彼人(かのひと)のお話を伺うにつれ、生前の舞がどれほどの思いで庭に愛情を注いでいたか。その真実を今さらながら痛感した。

 名工の如き川瀬さんの腕で庭の雑草はみるみる伐採処理されていった
 
 

 見違えるほどにさっぱり生まれ変わったわが家
 
 
 

 ここで彼人とは、同じ花霞町内に住む、庭・樹木剪定士の川瀬貴生さん、その方である。年齢は60代~70歳前後か。私は、その川瀬さんからこの2日間で庭木の剪定をする合間に、一つひとつの存在を丁寧に教えてくださった雑木(エノキ)をはじめ、フクラクロガネモチ=江南市の木=、シャリンバイ、平戸つつじ、南天、金木星(10月はじめに濃い黄色の花を咲かせる。花が咲くようにてっぺんは切らない)、紅葉(ノムラ)、さらにはキンカン、柿、紫の実を鈴なりにつける紫式部、そしてアカメガシ、オリーブの木にアサガオ、南天の存在を知ったのである。これらの庭木はすべて舞の手で手入れされていたのだった(恥ずかしながら私は彼女に任せっぱなしでいた)。
 そして。この住宅は私が定年になると同時に彼女の思いを駆使して現在地に建てたものだが当時、私はまだまだ何かと記者稼業が忙しく、定年にあわせての新築の件は全て妻、すなわち舞任せにしていたのである。それだけに、今ごろになって私は彼女が彼女なりにいかに知恵をこらし庭木の植樹について深く考えてくれていたかを、思い知ったのである。今になって思えば、だ。私はなんて。薄情かつ自分勝手な男だったのだろう。
 舞、すなわちたつ江がこの世を去ってしまった今ごろになって初めて彼女の日ごろの庭の手入れに頭が及んだのである。そして。私は、あらためて彼女のマイホームに対する熱き思いと庭の樹々ひとつひとつに託した愛の深さを今ごろになり、思い知ったのである。「当時はまだまだ仕事、仕事で追われていたからだ」との私の言い訳は通用しないのである。

 実際、私はこの間、家のことは何ひとつすることのなかった自分自身を深く恥じたのである(ただ私たちの所有地である【エデンの東】へは、ふたりで朝早くから出かけ雑草を除去し、サツマイモや茄子、タマネギ、時にはスイカなどの野菜の栽培や柿の収穫にも打ち込んだことはあったのだが。わが家の庭木の手入れとなると舞にその全てを任せ、何ひとつとして手伝うことはなかった。気にも留めていなかったのである。この間、彼女はどんな気持ちで庭の樹々の手入れに励んでいたのかと思うとき、私の両の目からは、またしてもとめどなく涙の滴が落ちてくるのである。俺は、なんてどこまでも自分勝手で薄情な男だったのだろう。ごめんな。舞よ。マイ、たつ江。彼女にはリサイクルショップ「ミヌエット」の仕事もあった。あゝ。それなのに、だ。俺という男は何につけ、自分勝手にすぎた。一体全体何をしていたのか。

 午後。庭木の剪定と掃除がひと段落ついたところで、イーオン扶桑店へ。夕食の買い物に。店の前の広場で飛騨高山のお店が開店していたので、飛騨牛と昔懐かしいラムネをそれぞれふたつと、ほかに、さるぼぼアイスなるもの各ひとつを購入して帰る。
 それにしても、ラムネだなんて。何十年ぶりか。少年時代の郷愁を誘う懐かしき味である。帰宅する道すがら、今度は和田の実家近くに広がる私たちの土地<エデンの東>に寄ってみた。夕陽のさす光景が、かつて訪れた米国西海岸カリフォルニア州の大草原に落ちる光りにとても似ているので、私と舞(たつ江)とで、このように命名したのである。
 私たちふたりは、舞が元気で居たころ、ここで雑草を抜き、タマネギや茄子、大根、スイカ、サツマイモなどの野菜を育てたのである。彼女はチューリップの球根を植え育てることが、とても得意だった。今にして振り返れば、よき日々ではあった。

 舞との思い出が染みた【エデンの東】は、いつもどおりどっしりとした大地を横たえていた