一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年9月~)

2024年9月30日
 自民党の石破茂総裁がこの日、党本部で記者会見。次期首相として衆院選を10月27日投開票の日程で実施する、と表明。9日に衆院を解散する意向で公示は15日になる。首相就任前に衆院選の日程を明言するのは極めて異例で、立憲民主党の野田佳彦代表は「国会軽視だ。不見識極まりない」と批判している。

【大谷 2冠確実 54本塁打・130打点 2位に大差 打率は4厘届かず 打者専念最高のシーズン 初のプレーオフへ躍進誓う】【ヒズボラ幹部ら 20人超殺害 イスラエル主張 イエメンでも空爆】【ローマ教皇批判「不道徳」】。いずれも本日付中日新聞の夕刊1面見出しだが、同じ人間でありながら、この落差は一体何なのだ、と。天国と地獄とは、このことではないか-と、ついつい思ってしまう。

 午前中、愛猫シロちゃん(オーロラレインボー)に留守をたのんで昨日の歯のメインテナンス治療に続き、再び歯医者さんへ。古くから使っている入れ歯の矯正、そしてもうひとつ新しいのをつくって頂くためだが、新しいのは、なおしばらくかかりそうだ。若いころには、思いもしなかった年寄りの歯の治療である。

(9月29日)
 プロ野球の読売巨人軍が28日、マジックナンバーを「1」として臨んだマツダスタジアムでの広島戦で8―1で快勝。2020年いらい4年ぶりに39度目のセ・リーグ優勝を果たした。1リーグ時代の9度も含めれば通算48度目の制覇で、強打の捕手だった阿部慎之助監督は就任1年目での栄冠となった。新聞報道によれば、過去2年連続4位だったが、今季初めて開幕投手を務めた戸郷翔征、復調した菅野智之両投手が二枚看板として活躍。昨季王者だった阪神の追い上げを振り切ったという。
 一方、米大リーグ、ドジャースの大谷はデンバーでのロッキーズ戦に1番・指名打者で出場、54号3ランを放つなど5打数4安打4打点で打率をナ・リーグ2位の3割9厘に上げ、トップとは5厘差に近づいた。また二回には二盗を決め今季57盗塁とし、2001年にイチロー(マリナーズ)がマークした56の日本選手シーズン最多記録を更新。チームは11-4で勝ち、3連勝。またダイヤモンドバックス戦に先発したパドレスのダルビッシュは、5回3分の1を3失点で7勝目を挙げ、日米通算203勝で黒田に並んだ。大谷にせよ、ダルビッシュにせよ、日本人選手は本当によく頑張っている。

 朝刊は【能登豪雨1週間 住民456人が避難】【泥まみれでも前を向く 輪島片づけ作業続く】【幹事長 森山氏起用へ 自民人事 選対委員長は小泉氏】【ヒズボラ指導者殺害 イスラエル軍が本部空隙】(いずれも中日新聞)といった見出しが目立つ。

(9月28日)
 土曜日。石川県能登地方を襲った記録的豪雨からこの日で1週間。豪雨による死者は輪島市と珠洲市で計11人、他に2人が行方不明で、連絡が取れない安否不明者も4人に上っている。イスラエル軍が27日、レバノンの首都ベイルート南部にある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆。イスラエルメディアは、指導者ナスララ師を標的にした攻撃で、ナスララ氏は死亡。レバノン国営通信によれば、この空爆で6人が死亡、91人が負傷。AP通信はここ1年ほどでベイルートに対する最大規模の空爆だった、と伝えたという。それにしても、人を人とも思わない、このむごたらしい戦争はいつまで続くのか。人間とはやはり、自分勝手な魔物、いきものに過ぎないのか。

(9月27日)
 静岡県清水市(現静岡市清水区)で1966年6月30日に起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)。再審公判で静岡地裁(国井恒志裁判長)は、きのう26日に無罪の判決を言い渡した。〝犯行着衣〟とされた5点の衣類と衣類の一部の切れ端、自白調書の3つをいずれも「捜査機関の捏造(ねつぞう)」と認定、同時に検察や警察の責任が厳しく断じられたのである。最新判決公判で無罪を言い渡した国井裁判長は「ものすごく時間がかかりました。裁判所としては申し訳ないと思っております」と語り、巌さんの姉ひで子さんは判決後、浜松市の自宅に帰り、弟の巌さんに「今日はいいことがあった。無罪の判決が出た。あんたが勝った。あんたの言うとおりになったよ」と語った。巌さんは、うちわをあおりながら姉の言葉にじっと耳を傾け、「あんたが勝った。あんたの言うとおりになった」との姉ひで子さんの言葉には時折、笑みを浮かべたようだったという。

 また中日新聞社も1面で【事件当時、中日新聞社は袴田巌さんを犯人と断定する報道をしていました。袴田さんと家族の人権と名誉を傷つけたことを深くおわびいたします。】と謝罪の記事を掲載。【中日新聞社は2009年、容疑者を犯人と決めつけない「事件報道ガイドライン」を策定しました。今後も予断や偏見を排した冷静な報道を続けて参ります。】とも付け加えた。

 冤罪事件といえば、だ。当時、赤いフェアレディーZを乗り回し、長野富山連続女性誘拐殺人(1980年2月~3月に発生)を犯したあの女性犯(宮崎智子)とともに共犯容疑で逮捕された贈答品販売業北野さんのことが思い出される。当時、マスコミ各社は北野さんを共犯と断定する報道を続け、のちに各社とも冤罪報道で謝罪したいきさつがある。
 あのとき、名古屋本社から派遣され、長期にわたって現地取材。足と耳、目を駆使した取材で「北野さんはやってない。なぜ書かなきゃいけないのだ」と長野支局デスクに食ってかかり「デモな。ガミちゃん。警察が逮捕したものを書かないわけにはいかないだろう」という冷たい表情のデスクと怒鳴り合いとなった日々が思い出されるのである。冤罪捜査同様、冤罪報道もよくないのである。

 パワハラなどの告発文書を巡り兵庫県議会で不信任決議を受けた斉藤元彦知事が26日、県庁で記者会見。30日付で自動失職し、出直し選挙に出馬する-と表明。

(9月26日)
 【能登豪雨 死者11人 廃棄物仮置き開始】【石破・高市・小泉氏競る あす自民総裁選 決選投票の公算大】【伊勢湾台風映し出す教訓 ―被災65年― 大同高教員撮影の動画発見公開へ】(中日新聞26日付朝刊)。
 かなしいこと。楽しかったこと。辛いこと。このところは、むしろ気が滅入るような不幸で悲しい出来事ばかりではあるけれど。新聞各紙は、それでも-と、きょうも歴史の1ページを後の時代に向けて、発信し続けているのである。
 なかでも嬉しい話といえば、だ。【池江選手 白血病が「完全寛解」】ではなかろうか。2019年に白血病を公表した競泳女子の池江瑠花子選手(横浜ゴム)が25日、病状が治まって異常が見られなくなった状態を指す「完全寛解」を迎えたとインスタグラムで報告したニュースか。池江さんは「とても長い5年間だったなと感じています」などと今の心境をつづったという。

 そして。夕刊は何といっても5098人もの死者・行方不明者を出したあの昭和34年9月26日夜に東海地方に襲来した伊勢湾台風に関するもので、紙面は【伊勢湾台風65年 犠牲者悼み 防災へ思い新た 名古屋などで慰霊祭】の見出しに能登半島豪雨災害関連の記事【学校再開久々の笑顔 豪雨で休校 輪島の小中】だろう。ほかに、あえて言うなら、だ。【兵庫知事 出直し選出馬へ 午後会見 自動失職の意向】か。

2024年9月25日
 新聞を読んでいると、つくづく思う。この世は地獄なのか、とだ。でも、そうであってはならない。人間みんなの努力で少しでもそうはならないように、幸せな社会にしていかなければ、と。そうは言っても人間たちに自然界を災害のない、不幸のない世界にする力があるかとなれば、だ。はなはだ疑わしく難しいことも事実だ。

 【能登豪雨72時間経過 死者8人に 被災仮設救いの手 ボランティア始動】【片方の靴 希望と焦燥 能登豪雨72時間経過 懸命の捜索続く 千枚田複数土砂崩れ 輪島】といった見出しの数々。これらの活字を目の前に、わたくしは、かつて家族5人(あえていえば、ほかに今は亡き愛猫てまり、に兎のドラえもんさんが共に過ごしていた)そろって7年の長きにわたって過ごしていた能登がそれこそ、満身創痍、傷だらけになっている惨状を改めて思う。と同時に被災地の皆さまは誰もが、もはや心が折れる寸前ではないか、とも推察する。そのように思うと、いま改めて能登の悲劇に打ちのめされるのである。でも、なんたることだと叫んだところで、どうにもならないのも事実だ。

 夕方。届いた夕刊を手に取ると【大関大の里誕生 「唯一無二の力士を目指す」 昭和以降最速】の活字が飛び込んできたのである。

 25日付の中日新聞夕刊1面。「唯一無二の力士を目指します」と大関大の里が誕生した 
 

 
(9月24日)
 火曜日。
 プロ野球のソフトバンクが23日、4年ぶりのパ・リーグ制覇を果たした。この日、マジックナンバーを【1】として臨んだオリックス戦の終了直前に2位の日本ハムが破れたことにより優勝が決定。オリックスには9―4で勝った。中日スポーツによれば、だ。ソフトバンクは南海時代の10度、ダイエー時代の3度と合わせ20度目、1リーグ時代も含めると22度目の栄冠。過去3年はオリックスに3連覇を許したが、就任1年目の小久保裕紀監督(52)が昨季の3位からリーグ制覇に導いたという。

 けさの朝刊報道。【能登豪雨死者7人に 断水5000戸 孤立なお56カ所】【田を守り続けた父=輪島市堀町、尊谷松夫さん(89)=「なぜ…」 輪島で犠牲 長男悔やむ】【「奇跡起きて」祈り捜索 能登豪雨 中3不明 同級生も現場に】【濁流82歳夫婦のむ 救出後に犠牲「悔しい」近隣住民ら】=いずれも中日=といった記事がなんともいたましい。私たち人間は自然の猛威の前には、ただ立ち尽くすほかないのか。合掌―

 能登の豪雨水害はNHKでも連日、報じられている(NHKニュース。24日夜の画面から)
 

 

 午後。銀行へ行き、平和堂近くの喫茶「日向ぼっこ」でランチを食べ、レモンティーをのみながら、なぜか舞、たつ江のことを思い出す。彼女の生前に何度も一緒にこれば良かった。のに、と。つくづく反省する。共に訪れたのは、数えるほどだった。

 帰宅し、夕刊を開く。新聞紙面には【不明者 懸命の捜索 能登豪雨72時間経過 災害ボランティア始動】【レバノン1600カ所 空爆死者492人に イスラエル、攻撃続行の構え】の見出しが目の前に迫った。自然の威力が脅威なら、人間のやることは誠にお粗末に過ぎる。あ~あ。

(9月23)日
 朝。新聞(中日など)に目を通す。
 【能登豪雨115集落孤立 死者6人 行方不明2人】【中3の娘1人いた家流され 父「早く見つかって」】【寸断 家族捜せない 能登豪雨 不明の義母案じる男性】【地震耐えた家 弟犠牲 土砂で倒壊、姉悲鳴】【仮設住宅9カ所で床上浸水 安全な平地少なく】【トンネル付近13人救出 輪島 消防・自衛隊、捜索続く】……の活字がわが目に次々と飛び込んでくる。なんたることなのだ。わが愛する能登半島。あれほどまでにいたいけで純粋な能登に、自然たちは何か恨みでもあるというのか。泣きたくなってくる。とは言っても、だ。今は少しでも早い復旧を、このうえは被災地に1日も早い平穏が戻ってくることを願うほかない。

 ところで、今は午後10時過ぎである。外では、ここ尾張の地でも雨粒の音が異常と言っていいほどの大きさで軒を打ち始めた。この雨音の集団を耳に私は、かつての自身を思い出すのである。こうした被災地を目の前にするつど、私は若き日々、第一線の取材記者として写真部員のカメラさんと一緒に、それこそ決死の覚悟で何度も何度も、それこそ数えきれないほどの現場に急行。これでもか、これでもかーと全国各地の被災現場(どこも多くの人々が息絶えた修羅場といっていい惨状であった)に取材ヘリで上空から派遣されたあの壮絶だった日々のことを思い出すのである。
 どの現場も100年に一度あるかないかの地獄の惨状に呻いていた。人間たちの心という心が全て切れ切れになっていた。そんな被災地のあの日々の姿が目の前に大きく浮かぶのである。

 具体的には、三重の嬉野豪雨に始まり、岐阜の栃尾温泉崩落、山陰豪雨、長崎大水害、中部日本海地震、長野で起きた老人ホーム「松寿荘」崩落、三宅島噴火……と、それこそ数えきれないほどの被災現場を訪れた、あのころは歩けば歩くほどにこちらの精神までが傷つき、ボロボロになりながらの過酷な取材で、それでもどこまでも歩き続けた……。まさにあの日々の、あの悲劇の数々が頭に焼き付いているのである(災害以外では稚内沖オホーツクの海へのソ連機による大韓航空機撃墜事件の現地取材、そして御巣鷹山への日航ジャンボ墜落時には航空評論家氏に同乗して頂いての再三に及ぶ上空からのルポ、ほかに山口で起きた自衛官小銃乱射事件の現場や長野富山連続女性誘拐殺人事件の現場取材でも長期特派されたりした)。

 ましてや、能登半島といえぱ、だ。名古屋空港を担当する空港記者として各地の災害事件現場にそのつど派遣された社会部(小牧)に続く思い出の染みついた任地=当時、七尾支局長として着任した=で実に7年の長きにわたり家族5人もろともに過ごしたそれこそ、私たち家族には忘れられない聖地なのである。その能登が今、地震、そして豪雨水害という自然災害に呻いている。かといって、起きてしまった災害をなくすわけにもいくまい。所詮、人間たちは自然の手の中で生かされている。起きてしまった以上は、どうしようもない。薄情極まる自然たちに遊ばれているとさえ思われてくる。
 それでも、なんとかして元の平穏なる生活に戻らなければならないのである。

 それはそうと。きょうは、不思議なことが起きた。昼前。わが家の窓から1羽の蝶がふんわりふわりと、リビングに飛んで入り、しばらくカーテンにつかまっているではないか。わたしには、この1羽がどうしても舞の化身に思われて仕方なく、しばらくそのままにしておいたが、やがてその蝶は翼を広げ窓越しに大空に飛び立っていったのである。彼人(かのひと)ならでは、で長年住み慣れた能登半島のことを心配して飛んで来たに違いない。この世は不思議。謎めいた異界である。ふと、そんなことを思ったりした。舞よ、マイ、まい。たつ江よ。おまえが大好きだった能登、あの<のと>が今うめいている。早く元通りになるといい、よね。

 ふわりと室内に飛び込んできた不思議な蝶々。舞の化身に思われてしかたがなかった
 

 23日。この日は東京都内で開かれた立憲民主党の臨時党大会で野田佳彦元首相(67)が新代表に選ばれた。野田氏は1回目の投票でトップになったものの過半数に達せず、決選投票で枝野幸男元代表(60)に勝利した。「本気で政権を取りに行く」との第一声だったが、期待しようではないか。きょうは、昼の間、この町(花霞)の3組2班の班長として熱田神宮の初穂料の回覧板を回す、などあれやこれやに追われ、今(午後11時前)になってやっと、こうして書いている。それにしてもナンダカンダに振り回され、休む暇がない。

 防衛省によると、23日、露軍の哨戒機「IL38」1機が北海道礼文島北方の空域で同日午後、計3回領空侵犯。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進、1958年に対領空侵犯措置を開始してから初めて強い光りと熱を発するフレアを使用して警告。同時に日本政府はロシア政府に厳重抗議。イスラエルがヒズボラ拠点300カ所を攻撃。182人が死亡、700人以上が負傷。

(9月22日)
 朝刊1面は案の定、【能登豪雨16河川氾濫 1人死亡 仮設住宅浸水 10人と連絡取れず】【流される車 間一髪の救出劇 地震復旧作業員ガラス破り】【復興半ば無情の豪雨 仮設住人「地震で大変なのに洪水」 輪島 土砂崩れ両足挟まれ 珠洲 道路寸断孤立相次ぐ】(22日付中日見出し)と痛ましい活字が並んだ。ほかにも【「被爆体験者」の医療拡充 長崎地裁判決には控訴 首相表明】(同)と紙面は暗い話題で埋め尽くされている。

 それでも救いと言えるのが大の里の2度目の優勝を伝えた【大の里 2度目V 秋場所 大関昇進確実に】(22日付中日)といった記事である。大相撲の秋場所14日目が21日、東京・両国国技館で行われ、西関脇の大の里(24)=本名中村泰輝、石川県津幡市出身、二所ノ関部屋=が大関豊昇龍を破り、13勝1敗で2場所ぶり2度目の優勝を決めたという明るい話題である。
 大相撲と言えば、場所中に現役を引退した元大関貴景勝の湊川親方(28)=本名は佐藤貴信、兵庫県出身、常盤山部屋=が21日、両国国技館で記者会見に臨み「燃え尽きた。横綱をめざす体力、気力がなくなった」と言葉を詰まらせながら語った。優勝4度の実績があり、まだ若いだけに残念な気がしないでもない。先場所で2度目の大関陥落となり、今場所は復帰に必要な10勝をめざしたが、結果的に最後の取組となった2日目の一番で、かつて自身の付け人を務めた王鵬に敗れて土俵を去ることとなった。人生いろいろである。

2024年9月21日
 NHKラジオによれば、気象庁が午前9時7分、線状降水帯が発生した-として石川県能登半島の輪島市、珠洲市、能登町にレベル5の大雨の特別警報を出した。猛烈な雨により河川が氾らん、珠洲市では2カ所で孤立集落までが出ているという。なぜ、能登半島ばかりがこれほどまでに痛めつけられるのか。わたくしは、そのことを今は亡き妻、伊神舞子、すなわちたつ江に空に向かって聞いてみる。彼女はこういうだろう。
「わかんない。わからないってば。それより、からだ大丈夫。あまり無理しないことよ」と。

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(30)が19日、マイアミで行われたマーリンズ戦でメジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成。ふたつの盗塁を決め51盗塁としたあとに六回に49号2ラン、七回に50号2ランを打って到達。それぱかりか、九回には51号3ランも放ち、6安打、3本塁打、10打点はいずれも日本選手の1試合最多記録となった。チームは20―4で快勝。大谷は、9試合を残して「51本塁打、51盗塁」。メジャー7年目で初のプレーオフ進出も決めた。快挙を成し遂げた大谷は「これだけ打てたことは人生でもない。自分が一番びっくりしている。一生忘れられない日になった」と話している。

(9月20日)
 空の日である。
 斉藤元彦兵庫県知事らのパワハラ疑惑に端を発した県議会(定数86)の全会派と無所属議員が19日、斉藤知事への不信任決議案を共同提出し、全会一致で可決。斉藤知事は10日以内に失職か県議会を解散するかを求められるーとは、本日付の中日新聞。【兵庫知事不信任可決 全会一致 斉藤氏「責任重い」 辞職か解散 明言せず】の見出しで報じている。
 ほかには中国南部の広東州・深圳(しんせん)市で18日、深圳日本人学校の男子児童(10)が通学中に男に刺された事件で、病院で治療を受けていた男児が19日未明に死亡。金杉徳治駐中国大使が、中国側に事件の説明と日本人の安全確保を求めたことか。毎日毎日、いろいろある。

(9月19日)
 木曜日。彼岸の入りである。
 きょうも【中日・立浪監督 今季で辞任】、【通信機器2日連続 ヒズボラ標的21人死亡】(中日)をはじめ、【知床観光船沈没社長逮捕 海保業務上過失致死疑い】【ポケベル一斉爆発 ヒズボラ配備品12人死亡、2800人負傷】、【強制不妊、補償法案了承 超党派議運】(毎日)など、この社会にはいろいろ報道が飛び交っている。
 なかでも私が住むこの地方でのニュースといえば、だ。立浪監督の今季限りの辞任表明であろう。これはあくまで私見ではあるが、わたくしはピンチこそチャンスで、これをいい機会にあのイチローさんにドラゴンズの新しい監督になってもらえたら、と。あくまで願望ではあるが、そう願う。

 ちなみに、きょうの中ス(中日スポーツ)1面記事の総合リードをここに記録として残しておこう。
―中日の立浪和義監督(55)が18日、今季限りで退任する意向を表明した。バンテリンドームナゴヤでの阪神戦に3―8で破れた試合後の会見で「結果が全ての世界。監督が責任を取るのは当然です」と話した。2022年に就任し1、2年目は最下位。今季も下位に低迷していた。ファンに誓ったチームの立て直しを果たせないまま、道半ばでユニホームを脱ぐことになる。

 立浪退任を報じた中日スポーツと中日本紙
 

 

 夕方。能登半島地震の復興応援歌【能登の明かり】を作曲して頂いた作曲家牧すすむさん=牧さんは琴伝流大正琴弦洲会の会主(倉知進さん)で大師範でもある=ともども名古屋の神宮前レコーディングスタジオへ。牧さんの指示に従い【能登の明かり】が同スタジオのエンジニア名手、若干24歳の石川海(いしかわかい)さんの幽玄、かつ幻ともいえる不思議な手で最終的に繰り返し繰り返し、修正されていく場面をこの目と耳でしっかりと確かめさせて頂いたのである。
 ここまで長い道のりではあったが。あとはCDの誕生を待つばかりとなった。

(9月18日)
 水曜日。徳富蘆花忌。

 本日(18日)組の中日新聞夕刊は【ポケベル爆発2800人負傷 ヒズボラ標的、9人死亡 レバノン イスラエルに報復宣言】【「次は私たちのスマホか……」原因不明 市民は恐怖】、さらには【北朝鮮が弾道ミサイル 複数発射 日本のEEZ外落下】(18日付中日夕刊)といった内容で、血なまぐさい活字が並ぶ。そうしたなかで米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(30)が17日、マイアミで行われたマーリング戦で自己最多を更新する48号2ランを放ち、メジャー通算219本塁打としアジア選手単独最多となったとの報道は明るい話題である。ドジャースのシーズン記録は2001年のショーン・グリーンの49本塁打で、大谷はあと1本に迫ったという。

 きょうの中日新聞1面に【17日夜は「中秋の名月」 岐阜市木田の堤防の上ではほぼ真ん丸の月が、金華山山頂の岐阜城の背後から昇っていく光景が見られた】の写真説明入りで<名月を背に>した満月の写真が。そして尾張版には【新本堂響く本格オペラ 江南・永正寺でこけら落とし公演 プロ歌手とアマ合唱団 上質な音追求した空間】の記事が掲載されていた。どちらも、心なごむ新聞ならではの温かい報道である。

 17日夜の中秋の名月(中日新聞)
 

 永正寺での本格オペラのこけら落とし(中日新聞尾張版)
 

    ※    ※    ※
 今季の中日でファン投票を基に最も活躍した選手をえらぶ「第43回ドラゴンズクラウン賞(中日スポーツ主催、愛知トヨタ協賛)」に17日、高橋宏斗投手(22)が決まった。愛知トヨタから最高級乗用車「クラウン」が贈られる。表彰式は23日の広島戦終了後にバンテンドームナゴヤで。

(9月17日)
 火曜日。十五夜である。
 米テレビ界最高の栄誉とされる第76回エミー賞の発表・授賞式が15日(日本時間16日)、ロサンゼルスで開かれ、日本の戦国時代が舞台の米配信ドラマ「SHOGUN 将軍」が連続ドラマ部門作品賞を受賞、出演した真田広之さん(63)とアンナ・サワイさん(32)がそれぞれ主演男優賞、主演女優賞を獲得した。エミー賞で日本人俳優の主要部門受賞は初めて。SHOGUNは18冠に輝いた。プロデューサーも務めた真田さんは日本の時代劇関係者らに謝意を示し「あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、国境を超えた」と日本語で語った。サワイさんは、真田さんが「扉を開いてくれた」と目に涙を浮かべた。――とは、中日新聞の【日本人2俳優 エミー賞受賞 真田さんら「将軍」18冠】(17日付見出し)の記事からである。

 それから自民党総裁選(27日投開票)だが、共同通信が国会議員票や党員・党友票(地方票)の動向を探ったところ、9候補のうち小泉進次郎元環境相(43)、高市早苗経済安全保障担当相(63)、石破茂元幹事長(67)の3氏が先行している情勢が分かったという。このままだと、1回目の投票でどの候補も過半数を獲得できず、上位2氏による決選投票となる公算が大きい。総裁選の期間はまだ10日ほどあるうえ約2割の議員が投票先未定のため、なお流動的だという。自民党支持層電話調査で「新総裁」に誰がふさわしいか尋ねたところ、高市氏が最多の27・7%、石破氏23・7%、小泉氏19・1%だったという。

 ほかには【100歳以上 最多9万5119人 54年連続増 女性が88%】【トランプ氏暗殺未遂容疑者 11時間半待ち伏せか】(いずれも17日付、中日夕刊)といったところか。

(9月16日)
 月曜日。「敬老の日」で祝日。夕刊はこない。
 朝。ゴミ出しのあと、いつものように俳句猫「白」、すなわちシロちゃんを送り出す。雨降りの後で路面が水に濡れていたため、シロちゃん、すなわちオーロラレインボーは、しばらく外の様子を確かめたあと、いつもより遅く午前11時前になって自宅を出た。おかあさんと会い、近況を報告するには、やはり、晴れたそらの下の方が良いらしい(彼女は、その後、正午過ぎには帰宅、ほんとに規則正しい)。

 敬老の日ということで各紙には【65歳以上最多3625万人 人口推計4人に1人が就業】(中日)【高齢者過去最多3625万人 総務省統計 4人に1人就業】(毎日)といった見出しが目立つ。
 スマートフォンが鳴る。開くと「ゴルフ中のトランプ氏暗殺未遂事件…容疑者との距離400m前後コース付近の」とあった。開くと【コース付近のフェンスで銃を構えた男にSSが発砲 FBIが捜査開始】とあるではないか。さらに読み進めると「アメリカ南部フロリダ州で、トランプ前大統領を銃で狙ったとみられる事件がありました。FBI(アメリカ連邦捜査局)は、暗殺未遂事件として捜査を開始しました。捜査当局によりますと、15日午後、トランプ前大統領がゴルフをしていたコース付近のフェンスで、銃を構えた男をシークレットサービスが見つけ、発砲しました。/現地メディアによりますと、男はライアン・ラウス容疑者(58)で、捜査当局は容疑者の身柄を拘束し、現場から「AK47自動小銃」を押収しました。……】とあるではないか。いやはや、トランプはまたしても狙われたのか。

 そういえば、つい先日、弁護士の兄夫妻が一昨年(2022年)の5月16日に満102歳の誕生日(6月1日)を前に日進の愛泉館で亡くなった母(伊神千代子)の生前、101歳のころの写真をわざわざ送ってくれた。倹約、節約家だった母を習ってか兄夫妻は母の使い古した切手を秋の切手の値上げ前に-と思ってか封筒いっぱいに張り、送ってくれたのである。
 その懐かしい母の写真を息子がおかあさん(舞、たつ江)の仏の隣に掲げたのは言うまでもない。おかあさん、そして舞よ、マイ。俺たち元気でいるから安心してよね。

 母の写真は倹約家の母ならでは、か。兄夫妻により使い古しの切手と共に私たちの下に送られてきた
 

2024年9月15日
 朝。起きて。いつものようにスマホをチェック。社交ダンス仲間のミズタニただしさんはじめ、曽我部さん、おときさん、若先生、そして。ほかにも多くのダンス仲間たちから「おはようございます。本日9月15日付の中日新聞朝刊に権太さんの本の記事が掲載されていました。なんか私達のダンス仲間 権太さんの事が光り輝いた感じです もう一度『わたし帰った かえったわよ』 本棚から取り出して読んでみます。」(ただしさん)「ゴンタさん 凄い!不思議な魅力がある方と思っていました」(おときさん)といった嬉しいメールが続々と相次いで寄せられ、わたくしは皆さんにどうお礼を申していいのか。ちょっと、たじろいでしまったのである。

 と同時にあらためて、かつて私自身も名もなき一人の新聞記者として携わってきた記事の威力が、どういうものであるかを、思い知らされもした。私の著書のこんな新聞掲載という思いもしなかったハプニングのせいか。けさは元々ちらちらと痛む前々からの抜歯跡が本日に限ってなぜだか、大波の如く痛み、これも何かの因果かなっ、と思った次第。それにしても、けさのその部分の激痛には驚いた。激痛は、まるで津波のように私を三度、襲ったのである。でも、それもしばらくして治まった。大丈夫かとは思うが。いつもの癖で何かと神経質になりすぎだからに違いない。

 午後、買い物の前に近くの古知野食堂で昼食を取ったが、朝方の歯肉痛は嘘の如く治まっており、食事もふつうに食べることが出来た。それにしても、けさのあの痛みは何だったのか。というわけで、きょうは、安全を期して入浴は久しぶりにやめることとした。ポックリ逝ってしまうようなことがあったら、こどもたちばかりか、日ごろお世話になっている友人や周りの人たちを悲しませるばかりか、何よりも迷惑をかけてしまうに違いないからだ。元気でいてこそ、わたくしの文学は実りあるものだからである。わが身を大切にしなければ。
 わが身はむろんのこと、まだまだ大切にせねばならない人々はいっぱいいるのである。簡単に倒れるわけにはいかない。

 中日新聞の「読者の一冊」特集に思いがけず掲載された自著「あたし帰った かえったわよ」の記事

(9月14日)
 【強制不妊全訴訟和解へ 原告と政府 合意書調印 本人に慰謝料1500万円】【静岡県ボーリング容認 リニアJR東海に17日にも伝達】【コメ5㌔ 前年比427円上昇 8月全国平均は2266円】【警察の個人情報収集違法 岐阜県警に一部抹消命令 名高裁判決】(14日付中日1面見出し)とは本日付新聞のニュースである。
 なかでもリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事を巡り静岡県が17日にも、県内でボーリング調査を容認する考えをJR東海側に伝えることが関係者への取材で分かっとは、これまで停滞していたリニア中央新幹線開業への道が一歩大きく進むことになったと言ってもよい明るいニュース。それだけに、こんごどんな展開となるか、大いに期待してよいと思う。

 ほかには【▲「人を笑わせ、考えさせる」研究に贈られるイグ・ノーベル賞。今年の生理学賞に選ばれた東京医科歯科大の武部貴則教授らのグループは米マサチューセッツ工科大での授賞式にさかなクンよろしくドジョウの帽子をかぶって登場した▲腸呼吸をヒントにマウスやブタに肛門から酸素を溶かした液体を注入して血中の酸素を増やす「腸換気法」を開発した。「哺乳類もお尻から呼吸できる」ことを証明したのが授賞理由だ(毎日、余録から)】とは、18年連続の日本勢の受賞研究の中でもトップクラスの受賞ニュースか。
 そして。もう一件あげるとしたなら、俳優吉永小百合さんの夫岡田太郎さん=元共同テレビ会長=の死であろう。東京都出身の彼は3日、胆のうがんのため亡くなり、妻吉永(岡田)小百合さんが喪主となり、家族葬が行われたという。94歳だった。悲しみは、どこまでも途切れることがない。

(9月13日)
 この世の中は、毎日毎日が流れ星のごとく瞬間的に通り過ぎてゆく。
 そんな中を人間たちはそれぞれの思いを胸に、どこまでも生きていくのである。

 金曜日。朝刊は【自民総裁選に最多9氏 27日投開票「政治とカネ」争点】【脱派閥議員票奪い合い 自民総裁選自主投票が浸透 裏金再発防止 世帯交代 子育て支援】【マイナ免許証3月導入 警察庁方針切り替えは任意】【強権の「救世主」激動人生 フジモリ元大統領死去】【ペルーに「アイチ・ナゴヤ学校」 寄付で建設 貧困地域に教育機会】【両親がアフガン難民 女児に日本国籍許可 名高裁が初の決定】(いずれも13日付の中日見出し)…といったところか。

 いやいや、まだまだある。
【兵庫知事不信任へ 全会派 19日に共同提出 パワハラ疑惑】【「ドンファン」元妻 無罪主張 和歌山地裁初公判 検察「遺産目的」 資産家殺害事件 完全犯罪何度も検索】(毎日13日付朝刊見出しより)。
 世の中が生きている限り、いろいろある。天気が悪くなれば天から降ってくる雨粒みたいなものか。わたくしは生前の舞に「だから、世の中なんて。所詮は無、無なのだよーと訳も分からないのにそう言い、同意を求めたものである。それでも、この世は生きているんだから。互いに大事にしようよね-とは生前の彼女の目、視線でもあった。

 私が主宰するウエブ文学同人誌の次回テーマエッセイをどうするかーについて黒宮涼編集委員と電話で久しぶりにあれやこれやと話し合う。この結果、次回テーマエッセイは、AIを取り入れたエッセイ(テーマは自由)にすることで新しい文学の世界に挑戦していくこととなった。さて、どうなるか。中部圏の同人誌、いや、日本中の同人誌でもおそらく初めての試みとなるに違いない。それだけに、読者のみなさまには大いに期待してほしく思う。

 午後、社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化センター)へ。タンゴにワルツ、スロー、それにきょうからはスロー・フォックス・トロットが加わり、かなりハードなレッスンとあいなった。それでも先生(わかさん)は「ごんたさんには、スロー・フォックス・トロットが案外、あうような気がします」なんだって。

(9月12日)
 さて誰が次の自民党総裁に選ばれるか。国民の関心は高い
 

 岸田文雄首相の後継を決める自民党総裁選が12日午前に告示され、27日投開票に向けた15日間の選挙選がスタート、過去最多の9氏が届け出た。上位2人による決選投票になる公算が大きいという。夕刊1面の紙面はどこも自民総裁選一色だが、ほかのニュースといえば、だ。【フジモリ元大統領死去 86歳 ペルー、日系人で初】【マイナ免許証3月から 警察庁 取得・更新費用安く】(中日)【日鉄、米当局と協議 USスチール買収 正当性主張か】【景況感2期連続プラス 大企業7~9月 製造業、価格転嫁進む】(日経)といったところか。

(9月11日)
 中日新聞夕刊によれば、米大統領選の民主党候補ハリス副大統領(59)と共和党候補トランプ前大統領(78)によるテレビ討論会が10日夜(日本時間11日午前)、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれた。6月の討論会で撤退したバイデン大統領(81)に代わって出馬したハリス氏とトランプ氏の直接対決で2人は経済や人工妊娠中絶の権利、移民政策などを巡り激しい応酬を繰り返したという。

 午前中、神宮前のレコーディングスタジオへ。先日、歌手岡ゆう子さんに吹き込んで頂いた能登半島地震の応援ソング【能登の明かり】のCD化の件で担当スタッフ石川海(いしかわかい)さんにお会いし、最終調整をするためである。能登半島を赤く照らす水平線、そして海岸に咲いた歌のポイントでもある雪割草…と被災地の方々お一人ひとりに岡さんの声とともに十分、勇気と希望を与える内容だと確信し、私なりに満足して帰宅したのである。あとは作曲者である牧すすむさん、歌手の岡さん、編曲者の安本和秋さんにあらためて確認させて頂き、異論がなければ、このCDでーと思っている。
 帰りに、名鉄神宮前駅近くの食堂に入り、久しぶりに名古屋めしの昼食をたべ、帰宅した。

 久しぶりに食べた名古屋めしの昼食
 
 

 そういえば、きょうは9月11日である。ニューヨーク同時多発テロが発生したその日だ。私はあの日、新聞社の編集局デスク長としてデスク長席に座った、まさにその時、世界を揺るがす大事件が起きたのである。以降は、ウサマ・ビンラディンを中心とした記事に来る日も来る日も同僚らとともに忙殺された、まさにその日が始まりだった。

(9月10日)
 中日新聞の本日(10日)付夕刊によれば、東電が本日、福島第一原発2号機の溶解核燃料(デブリ)の試験的取り出しを始めた。2週間程度をかけ格納容器内からの少量の採取をめざすという。8月22日に準備作業を開始したがパイプの並び順を誤るミスが判明し、中断。採取作業は2011年3月の事故後、初めてで当初計画の21年から3年遅れでの着手となった。デブリは極めて強い放射線を出し、取り出しは廃炉の最難関とされているだけに、無事な採取を願いたい。

 長崎地裁が9日、国の援護区域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認定されていない「被爆体験者」44人(うち4人死亡)が長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の判決で15人(うち2人死亡)を被爆者と認め、手帳交付を命じた。15人がいた地区に放射性物質を含む「黒い雨」が降ったと判断、残る29人の訴えは退けたもので、中日新聞は1面トップ見出しで【長崎被爆体験者15人救済 援護区域外 残る29人は敗訴 地裁判決手帳交付命じる】と報じた。

 第17回夏季パラリンピック・パリ大会が8日(日本時間9日)閉幕。新型コロナウイルス禍の収束を受けて2大会ぶりに観客が戻り、チケット販売は史上2番目の250万人に上り、パラスポーツ最大の祭典はたぐいまれな盛り上がりを生み出し、「共生社会」の未来図も提示したのである。囲碁の国際棋戦「第10回応氏杯世界選手権」五番勝負の第3局が8日、中国・上海で打たれ、一力遼本因坊(27)が謝科九段(24)に黒番中押し勝ちし、3連勝のストレートで初優勝。主な世界戦で日本勢が優勝したのは、2005年のLG杯の張九段いらいで19年ぶりだという。

(9月9日)
 月曜日。きょうは休刊日で新聞(朝刊)が来ない日なので、その分ゆったりとした時間が取れ、どこかホッとしている。朝刊が届くと、どうしても隅から隅までとは言わないまでも紙面全体を把握するのにかなりの時間を費やし、体力も消耗するので、その分疲れてしまうのは事実である。

 というわけで、けさは新聞がこないので少し解放された気持ちでいる。月曜日なのでゴミ出しをしたあとは、いつものように舞(たつ江)が晩年に私の目を見て訴えるように話しかけてきた「あのねえ、私が居なくなっても▽エーデルワイス、と▽みかんの花咲く丘(加藤省吾さん作詞のこの歌は、舞が営んでいたリサイクルショップ「エーデルワイス」の歌でもあり、舞は毎月お店を解放してミニ音楽会=コンサート=を開いていた)の2曲は毎日聴いてよね」の言葉に忠実に、ゴミ出しを終えたところでこの2曲を、いつものように愛猫シロちゃんと一緒に聴いたのである。そして、シロは、いつもの時間よりは30分ほど遅れ、意を決してお外に出た。
 どうやら私の心はシロちゃんにも分かるらしい。デ、私はそのつどシロは今や舞の化身ではないか、と。真剣にそう思っているのである。

 ところで新聞の方だが、やはり気になる。夕方になり夕刊を開く。

2024年9月8日
 日曜日。本日付の中日新聞1面見出しは【PARiS 2024パラリンピック 小田 夢見た金 車いすテニス 男子単 「やばい、かっこよすぎる俺」】というものだった。記事もまた以下の通りでなかなか、よかった。
【パリ=下条大樹】宿敵ヒューエット(英国)との激戦を制した瞬間、18歳の小田凱人=おだときと=はラケットを放り投げ、感情を爆発させた。車いすの車輪を両方外し、赤土のコート上に寝転がると、両手で顔を覆って感極まった。初のパラリンピック出場で金メダル。昨年夏、初めて四大大会(グランドスラム)を制したローランギャロスで再び勝ちどきを上げた。「やばい、かっこよすぎる俺」】

 ほかには米大リーグ・ドジャースの大谷がロサンゼルスでのガーディアン戦に「1番・指名打者」で出場して45号ソロを放ち、既にマーク済みである盗塁と合わせ史上初の「45本塁打、45盗塁」を記録。4打数2安打1打点でシーズン100打点と160安打に伸ばし自己最多に並んだことか(ドジャースは1-3で負けた)。

(9月7日)
 パリ・パラリンピック第10日の6日、柔道女子57㌔級(弱視)の広瀬順子(SMBC日興証券)、男子73㌔級(弱視)の瀬戸勇次郎(九星飲料工業)がともに初の金メダルを獲得するなど日本勢は金4を含むメダル9個を奪取、今大会の金メダルは12となり、前回東京大会の金にあと1まで迫った。このうち50㍍自由形に続き、男子100㍍バタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した木村敬一は「最後苦しいところを耐えれば自己ベストが出るという自信があった」と話している。車いすテニス女子シングルスの上地結衣(三井住友銀行)は決勝でオランダ選手に競り勝って初制覇。男女を通じて日本勢初のダブルスとの2冠に。男子ダブルスの小田凱人(東海理化、愛知県一宮市出身)三木拓也(トヨタ自動車)組は決勝で英国ペアに惜しくも敗れ、銀メダルだった。でも、みんな逆境をはねのけてよく頑張っている、と。私は思う。

 立憲民主党の代表選が7日告示され、野田佳彦元首相(67)、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、当選1回の吉田晴美衆院議員(52)の4氏が立候補を届け出、23日の臨時党大会で新代表を選出することになった(任期は、2027年9月末まで)。このうち、吉田氏は、立候補を模索していた江田憲司元代表代行(68)と7日朝、国会内で会談。江田氏が出馬を断念し、吉田氏に一本化することを決めたという。どんな結果となるのか。関心がもたれるところだといえよう。

(9月6日) 
 「脱原発社会をめざす文学者の会」で私が執筆している文士刮目が40回目となり、その40回【どこへ行く ニッポン政治】が本日公開された。関心のおありの方にはぜひ読んで頂き、日本の行く末について共に考えて頂けたら、と願う。アドレスは次のとおりである。
 http://dgp-bungaku.com

 朝。スマホがピコピコ、ピコリンコと控えめに鳴った。画面を開くと、七尾で大変お世話になった、かの女性からで「お久しぶりです 今日の朝刊に載ったのでおくります」というもので、そこには本日付の北陸中日新聞<くらしの作文>【一筆啓上 伊神舞子様 竹内喜美代(金沢市=無職・90歳)】なる文が寄せられていた。私は、その心のこもった<くらしの作文>を読むうち、在りし日の妻舞(たつ江)を思い出し、涙ぐんでしまったのである。ありがとう。ありがとう。本当にありがとうございますーと、私は思わずスマホに向かって頭を下げている自分自身に気付いたのである。ありがとうございました。竹内さん! そして教えてくださった笹谷さん。

 北陸中日新聞の<くらしの作文>で紹介された竹内喜美代さんの【一筆啓上 伊神舞子様】
 
 

 午後。いつものように社交ダンスに、と出かけた。久しぶりに【禁じられた遊び】の曲にあわせながら相方とワルツを踊る。おどりながら、腰まであった黒い髪をなびかせ、志摩半島の私のもとにからだひとつで来たころ、なぜかギターだけを胸に抱えていた亡き妻のことを思い出し、ステップを踏みながら果てなく、涙が出る私を感じていた。はたちになるかならないか、のたつ江、舞は【禁じられた遊び】とジョン・バエズの反戦歌が大好きで、わたくしが通信部で執筆中、いつもこのメロディーを弾いていた遠い日々が思い出されたのである。
 同時にこの世を旅立つ前、「社交ダンスだけは続けてよね。健康にいいのだから」と私に向かって命令長でいつも話しかけて、くれていた。でも、曼殊沙華と秋の空が大好きだったその彼女は、もはやこの世にはいない。
♪曼殊沙華人恋ふごとに朱深く
♪秋空に未来永劫と書いてみし

 どこに行ったのか。もしかしたら、私の隣にシロと一緒に幻の精となっているのかもしれない。

(9月5日)
 本日付の中日新聞夕刊1面に【日鉄のUSスチール買収 米、阻止へ最終調整 欧米報道】【島国デジタル化 日豪が支援強化 2プラス2共同声明】に加え【組みひも欧州で芽吹く 大垣の染織家 50年普及活動 独に組織設立 教え子が指導】のホットニュース。なかでも日本の伝統工芸である組みひもや草木染を50年にわたって世界に伝えてきた岐阜県大垣市の染織家所鳳弘=ところほうこう。83歳=さんの頑張りには頭が下がったのである。所さんといえば、私が大垣時代に大垣市の彼女の工房を何度か訪れ、当時は親しい間柄でもあった。記事を読んで、つくづく私もがんばらなきゃあ、と思った次第だ。

 日本新聞協会が4日、2024年度の新聞協会賞を発表。中日新聞社の「福祉事業会社『恵(めぐみ』)の不正に関するスクープと、一連の報道」(中日新聞社「恵」問題取材班)など6件が選ばれた。日本新聞協会は授賞理由で「利益を優先する運営実態を次々と暴いた一連の報道は、愛知県内の事業所指定の取り消しや全国的な『連座制』適用につながったほか、同様の事業所の実態調査を促した。福祉ビジネスに潜む闇を浮き彫りにし、社会的弱者に寄り添うジャーナリズムの在り方を示す報道だ」と評価。
 他の新聞協会賞は。▽自民党派閥の裏金問題をめぐる一連のスクープと関連報道(朝日 自民党派閥裏金問題取材班)▽能登半島地震「珠洲市街地に押し寄せる津波、輪島朝市通り炎上」のスクープ写真(北国新聞社編集局社会部)▽連載企画「里へ 人と自然の物語」(神戸新聞社 里へ取材班)▽OSINTと3D表現技術による新たなデジタル報道手法の開拓(日本経済新聞社OSINT=オープンソースインテリジェンス=取材班)▽京都アニメーション放火殺人事件連載企画「理由」と公判報道(京都新聞社放火殺人事件取材班)。
 またことしの新聞週間(10月15~21日)の代表標語には10104編の応募作から東京都文京区の山崎一矢さん(41)の【流されない 私は読んで 考える】に決まった。

 愛知、岐阜、三重の3県知事と名古屋、浜松の2市長が集う「東海3県2市知事市長会議」が4日、三重県明和町で開かれ、災害時の情報共有や観光戦略などについて意見を交換。

 ほかには、毎日新聞朝刊に【「俺は知事だぞ」激怒 兵庫申込制の夕食断られ 百条委調査】の見出し。なんとも情けない。もし事実としたなら、だ。ヒヨッコ知事である。警視庁は4日、交通トラブルを装って撮影した他人の運転免許証でクレジットカードを契約しスマートフォンを購入したなどとして東京都江東区の職業不詳、斎藤貴聡容疑者(32)ら男女3人を詐欺の疑いなどで逮捕。

(9月4日)
 きょうは、「くしの日」だそうだ。 
 死者・行方不明者が88人に及んだ紀伊半島豪雨からきょう4日で13年がたつ。このうち29人が犠牲となった和歌山那智勝浦町では、災害が発生した午前1時ごろ、遺族らが明かりをともし、祈りを捧げたという。
 
 朝刊1面は、やはり【車いすラグビー 悲願の金 後続に夢 重度障碍者広がる活躍の場】(毎日)【車いすラグビー初の金 若山控えでも堅守支え】【バド梶原連覇】(中日)というものだった。ほかに【ガソリン・電気9891億円補助 追加を閣議決定累計11兆円超え 物価高予備費ほぼ全額】(中日)も気になる記事であった。

(9月3日)
 パリ・パラリンピック第6日。日本は車いすラグビーの決勝で米国に48-41で勝ち、初めて金メダルを獲得した(これまでの最高成績は、2016年リオデジャネイロ、2021年東京両大会の3位が最高成績)。 
 本日付の中日夕刊で目立った記事は、と言えばである。【マングース根絶「極めて高い」 奄美大島ハブ駆除へ移入 環境省検討会】か。ハブとマングースといえば、だ。その昔に北日本一周航路の旅先である七尾港に自船「メイキッス」号で、かの森繁久彌さんが寄られた際、あることで私と森繁さんとが船内で一升瓶を前に大激論となり、その光景を目の当たりにしていた森繁さんのご子息泉さんが「オヤジとゴンタさんはハブとマングースみたいだった」と、その後、私にお会いするつどおっしゃられていた、あの日々が懐かしい。だが、心やさしき日本の名優森繁久彌さんも、親孝行息子だった泉さんも今や、この世にはおいでにならないのである。ああ~ なんてことだ。この世は冷たい。冷た過ぎる  合掌―

 気象庁が2日、ことし夏(6~8月)の日本の平均気温が平年を1・76度上回った、と発表。1898年の統計開始以降で最高だった昨年に並び、2年連続で最も暑い夏に。この高温傾向は9月も続く見通しだという。

 きのう2日は大半の公立学校で始業式があった。能登半島地震で被災した多くの小学校でも始業式が行われ、輪島市中心部などにある6つの小学校の児童が通う仮設校舎(河井、鳳至、鴻巣、大屋、河原田、三井の各小の計396人)などでも同日から使用を開始。児童たちは元気よく登校した。これら児童は校舎が壊れたり校庭に仮設住宅が建ったりしたため、これまで輪島高校や輪島中学校の校舎を間借りして授業を続けてきたという。「新しい場所で、新しい学びが広がっていくとうれしい。『挑戦』『感動』『笑顔』という三つの合言葉を胸にベストを尽くして」とは校長先生=3日付の中日新聞から。

2024年9月2日
 富山市八尾町で私自身もかつて能登に居たころ、2度、3度……と訪れた「おわら風の盆」が、きのう1日から始まった。あす3日までである。立春から数えて210日目、すなわち二百十日のころに、豊作を願って風を切っておどる【風の盆】である。魂の底のそこまでをえぐるような胡弓の音(ね)。編み笠をかぶって踊る女性たち。風をおさえ、退散させる 手のしぐさに足音。そして身のこなし。透き通ったような目と目。何をとっても独特の哀愁をおび、なんともいえない踊りである。

 長い間、ノロノロぐずぐずとはっきりしなかった台風10号。その台風もきのう1日正午には東海沖で熱帯低気圧にやっとこせ変わり、きょうは台風一過の空。空の青が久しぶりに目の前に広がった。
 たつ江。舞。元気でいるか、と上空を見る。そんな朝がやってきた。

 だが、愛猫シロ、オーロラレインボーは、朝からなぜか私の部屋の定位置に座ったまま一向に動こうとはしない。彼女は聡明な猫ちゃんで路面がまだまだ濡れていることを十分に知っている。だから、きょうに限れば戸外などには関心がないのである。
 昨日は、早朝から自ら窓のガラス戸を開け、外に出てしまい、その後なかなか家の中に入ってこないので心配したが帰宅後、庭のかなり伸び放題になった雑草を「そろそろ除去しなければネ」といった顔で私に視線を投げかけ訴えかけるので、そのことを敏感に悟った息子が午後のいっときを当ててアレヨアレヨと言う間に雑草を除去してくれ、私は内心、シロちゃんと息子のふたりには心から感謝しているのである。

 わが家のことを真剣に考え、いつも助けてくれる救世主シロちゃん(オーロラレインボー)
 
 
 いずれにせよ、長かった雨、雨、雨の日々がやっとのことで視界から消え、シロちゃんもこの間は随分疲れたに違いない。というわけで、けさの新聞見出しは【東海道新幹線が再開 台風10号熱帯低気圧に 土砂災害なお警戒】【「きつかった」乗客安堵 全線は3日ぶり】(中日1面)と、どこかホッとする内容である。

 新幹線の再開の報道には多くの読者がホッとした
 

 長雨といえば、だ。かつて岐阜県庁汚職事件が発覚、岐阜県警と岐阜地検により摘発された昭和51年の9月にも当時来る日も来る日も雨、雨、雨で岐阜県警のサツ回りと本巣郡回りだった私は新聞記者として連日、水没した穂積町牛牧団地を舟に乗ってルポ取材した、あの日々が思い出されるのである。

 そして。その年の9月12日。それまで7日から降り続けていた雨がやっと晴れ、まさに、その日に忘れもしない、安八町で長良川が決壊したのである。前夜、記者たち全員が岐阜市司町の岐阜総局(現岐阜支社)に集結し「このまま雨が降り続ければ、長良川は確実に決壊、岐阜市内は全域が水没してしまう。その時に読者一人ひとりを思い、どういった取材をしたら良いのか。みんな、気持ちを落ち着け、いざという時に備えそれぞれの持ち場を死守し、取材に携わってほしい」と時の中日新聞岐阜総局長エノさん(榎本喬岐阜総局長、後に中日新聞北陸本社代表。石川テレビ社長)の言葉に耳を傾け、記者全員が総立ちで緊張した面持ちで万一の取材体制につき話し合った、あの日のことが思い出される。
 翌朝(12日朝)。こともあろうに。それこそ、7日からそれまでずっと降り続いていた空がカラリと晴れ上がり、やっと延々と続いた豪雨取材から解き放たれる、そう思ったその日の朝に、安八町で長良川が決壊(あの時は、ため池破堤説が盛んに論じられた)。大騒ぎになったのである。

 そしてこの間、極秘取材が進むなか、岐阜県庁汚職事件にとうとうメスが入ることになり、日中友好の翼で中国に飛び立とうとする時の平野三郎知事らを同僚のサツ回り石原記者と大阪国際ホテルまで尾行、知事の腹心で捜査当局から任同(任意同行)がかかり、大阪からひとり岐阜にUターンした県参事和田氏を新幹線羽島駅でとうとうキャッチ、汚職の構造が音を立てて崩れ去っていったのも、その年であった(この直撃取材は、昭和51年10月15日付の中日新聞夕刊軟派=社会面=トップで和田岐阜県参事を直撃取材する若き日の私、伊神記者の写真入りで大きく報道されたのである)。

2024年9月1日
 防災の日。
【岐阜と三重で河川氾濫 台風10号「緊急安全確保」発令】(1日付中日新聞1面見出し)【関東など線状降水帯恐れ 台風10号 各地で大雨続く】(同、毎日新聞1面見出し)など。先月下旬から九州、四国、関西、三重、岐阜、東海、関東、三陸…と長期間に及び、各地に雨や風の多大の被害をもたらしてきた台風10号がきょうの正午、やっと東海沖で熱帯低気圧になった。
 この間、このじれったいほどのノロノロ大型台風。各地の新幹線をはじめとした鉄道網の運休はじめ、全日空や日航など空の便の欠航、高速道の通行止めなど。日本中の足を混乱させたばかりか、土砂崩れによる家屋倒壊や風水害、河川の決壊、床上浸水などといった災害を至る所で招き、人々の心を傷つけ、日本中をやきもきさせた。いわば稀有ともいえる大型で超スローモーの台風であった。それだけに、この国に生きる全ての人々が胸をなでおろした、と。そう言っても過言ではない。ホッとしたといおうか。やれやれである。
 
 夜。NHK総合でスペシャル【巨大地震メガクエイク 見えてきた能登の全貌 新たな脅威・軟弱地盤 首都直下あなたの家は】を見て、いろいろあれやこれやと考えさせられた。