一匹文士伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2024年9月~)

2024年9月15日
 朝。起きて。いつものようにスマホをチェック。社交ダンス仲間のミズタニただしさんはじめ、曽我部さん、おときさん、若先生、そして。ほかにも多くのダンス仲間たちから「おはようございます。本日9月15日付の中日新聞朝刊に権太さんの本の記事が掲載されていました。なんか私達のダンス仲間 権太さんの事が光り輝いた感じです もう一度『わたし帰った かえったわよ』 本棚から取り出して読んでみます。」(ただしさん)「ゴンタさん 凄い!不思議な魅力がある方と思っていました」(おときさん)といった嬉しいメールが続々と相次いで寄せられ、わたくしは皆さんにどうお礼を申していいのか。ちょっと、たじろいでしまったのである。

 と同時にあらためて、かつて私自身も名もなき一人の新聞記者として携わってきた記事の威力が、どういうものであるかを、思い知らされもした。私の著書のこんな新聞掲載という思いもしなかったハプニングのせいか。けさは元々ちらちらと痛む前々からの抜歯跡が本日に限ってなぜだか、大波の如く痛み、これも何かの因果かなっ、と思った次第。それにしても、けさのその部分の激痛には驚いた。激痛は、まるで津波のように私を三度、襲ったのである。でも、それもしばらくして治まった。大丈夫かとは思うが。いつもの癖で何かと神経質になりすぎだからに違いない。

 午後、買い物の前に近くの古知野食堂で昼食を取ったが、朝方の歯肉痛は嘘の如く治まっており、食事もふつうに食べることが出来た。それにしても、けさのあの痛みは何だったのか。というわけで、きょうは、安全を期して入浴は久しぶりにやめることとした。ポックリ逝ってしまうようなことがあったら、こどもたちばかりか、日ごろお世話になっている友人や周りの人たちを悲しませるばかりか、何よりも迷惑をかけてしまうに違いないからだ。元気でいてこそ、わたくしの文学は実りあるものだからである。わが身を大切にしなければ。
 わが身はむろんのこと、まだまだ大切にせねばならない人々はいっぱいいるのである。簡単に倒れるわけにはいかない。

 中日新聞の「読者の一冊」特集に思いがけず掲載された自著「あたし帰った かえったわよ」の記事

(9月14日)
 【強制不妊全訴訟和解へ 原告と政府 合意書調印 本人に慰謝料1500万円】【静岡県ボーリング容認 リニアJR東海に17日にも伝達】【コメ5㌔ 前年比427円上昇 8月全国平均は2266円】【警察の個人情報収集違法 岐阜県警に一部抹消命令 名高裁判決】(14日付中日1面見出し)とは本日付新聞のニュースである。
 なかでもリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事を巡り静岡県が17日にも、県内でボーリング調査を容認する考えをJR東海側に伝えることが関係者への取材で分かっとは、これまで停滞していたリニア中央新幹線開業への道が一歩大きく進むことになったと言ってもよい明るいニュース。それだけに、こんごどんな展開となるか、大いに期待してよいと思う。

 ほかには【▲「人を笑わせ、考えさせる」研究に贈られるイグ・ノーベル賞。今年の生理学賞に選ばれた東京医科歯科大の武部貴則教授らのグループは米マサチューセッツ工科大での授賞式にさかなクンよろしくドジョウの帽子をかぶって登場した▲腸呼吸をヒントにマウスやブタに肛門から酸素を溶かした液体を注入して血中の酸素を増やす「腸換気法」を開発した。「哺乳類もお尻から呼吸できる」ことを証明したのが授賞理由だ(毎日、余録から)】とは、18年連続の日本勢の受賞研究の中でもトップクラスの受賞ニュースか。
 そして。もう一件あげるとしたなら、俳優吉永小百合さんの夫岡田太郎さん=元共同テレビ会長=の死であろう。東京都出身の彼は3日、胆のうがんのため亡くなり、妻吉永(岡田)小百合さんが喪主となり、家族葬が行われたという。94歳だった。悲しみは、どこまでも途切れることがない。

(9月13日)
 この世の中は、毎日毎日が流れ星のごとく瞬間的に通り過ぎてゆく。
 そんな中を人間たちはそれぞれの思いを胸に、どこまでも生きていくのである。

 金曜日。朝刊は【自民総裁選に最多9氏 27日投開票「政治とカネ」争点】【脱派閥議員票奪い合い 自民総裁選自主投票が浸透 裏金再発防止 世帯交代 子育て支援】【マイナ免許証3月導入 警察庁方針切り替えは任意】【強権の「救世主」激動人生 フジモリ元大統領死去】【ペルーに「アイチ・ナゴヤ学校」 寄付で建設 貧困地域に教育機会】【両親がアフガン難民 女児に日本国籍許可 名高裁が初の決定】(いずれも13日付の中日見出し)…といったところか。

 いやいや、まだまだある。
【兵庫知事不信任へ 全会派 19日に共同提出 パワハラ疑惑】【「ドンファン」元妻 無罪主張 和歌山地裁初公判 検察「遺産目的」 資産家殺害事件 完全犯罪何度も検索】(毎日13日付朝刊見出しより)。
 世の中が生きている限り、いろいろある。天気が悪くなれば天から降ってくる雨粒みたいなものか。わたくしは生前の舞に「だから、世の中なんて。所詮は無、無なのだよーと訳も分からないのにそう言い、同意を求めたものである。それでも、この世は生きているんだから。互いに大事にしようよね-とは生前の彼女の目、視線でもあった。

 私が主宰するウエブ文学同人誌の次回テーマエッセイをどうするかーについて黒宮涼編集委員と電話で久しぶりにあれやこれやと話し合う。この結果、次回テーマエッセイは、AIを取り入れたエッセイ(テーマは自由)にすることで新しい文学の世界に挑戦していくこととなった。さて、どうなるか。中部圏の同人誌、いや、日本中の同人誌でもおそらく初めての試みとなるに違いない。それだけに、読者のみなさまには大いに期待してほしく思う。

 午後、社交ダンスのレッスンで一宮のスポ文(スポーツ文化センター)へ。タンゴにワルツ、スロー、それにきょうからはスロー・フォックス・トロットが加わり、かなりハードなレッスンとあいなった。それでも先生(わかさん)は「ごんたさんには、スロー・フォックス・トロットが案外、あうような気がします」なんだって。

(9月12日)
 さて誰が次の自民党総裁に選ばれるか。国民の関心は高い
 

 岸田文雄首相の後継を決める自民党総裁選が12日午前に告示され、27日投開票に向けた15日間の選挙選がスタート、過去最多の9氏が届け出た。上位2人による決選投票になる公算が大きいという。夕刊1面の紙面はどこも自民総裁選一色だが、ほかのニュースといえば、だ。【フジモリ元大統領死去 86歳 ペルー、日系人で初】【マイナ免許証3月から 警察庁 取得・更新費用安く】(中日)【日鉄、米当局と協議 USスチール買収 正当性主張か】【景況感2期連続プラス 大企業7~9月 製造業、価格転嫁進む】(日経)といったところか。

(9月11日)
 中日新聞夕刊によれば、米大統領選の民主党候補ハリス副大統領(59)と共和党候補トランプ前大統領(78)によるテレビ討論会が10日夜(日本時間11日午前)、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれた。6月の討論会で撤退したバイデン大統領(81)に代わって出馬したハリス氏とトランプ氏の直接対決で2人は経済や人工妊娠中絶の権利、移民政策などを巡り激しい応酬を繰り返したという。

 午前中、神宮前のレコーディングスタジオへ。先日、歌手岡ゆう子さんに吹き込んで頂いた能登半島地震の応援ソング【能登の明かり】のCD化の件で担当スタッフ石川海(いしかわかい)さんにお会いし、最終調整をするためである。能登半島を赤く照らす水平線、そして海岸に咲いた歌のポイントでもある雪割草…と被災地の方々お一人ひとりに岡さんの声とともに十分、勇気と希望を与える内容だと確信し、私なりに満足して帰宅したのである。あとは作曲者である牧すすむさん、歌手の岡さん、編曲者の安本和秋さんにあらためて確認させて頂き、異論がなければ、このCDでーと思っている。
 帰りに、名鉄神宮前駅近くの食堂に入り、久しぶりに名古屋めしの昼食をたべ、帰宅した。

 久しぶりに食べた名古屋めしの昼食
 
 

 そういえば、きょうは9月11日である。ニューヨーク同時多発テロが発生したその日だ。私はあの日、新聞社の編集局デスク長としてデスク長席に座った、まさにその時、世界を揺るがす大事件が起きたのである。以降は、ウサマ・ビンラディンを中心とした記事に来る日も来る日も同僚らとともに忙殺された、まさにその日が始まりだった。

(9月10日)
 中日新聞の本日(10日)付夕刊によれば、東電が本日、福島第一原発2号機の溶解核燃料(デブリ)の試験的取り出しを始めた。2週間程度をかけ格納容器内からの少量の採取をめざすという。8月22日に準備作業を開始したがパイプの並び順を誤るミスが判明し、中断。採取作業は2011年3月の事故後、初めてで当初計画の21年から3年遅れでの着手となった。デブリは極めて強い放射線を出し、取り出しは廃炉の最難関とされているだけに、無事な採取を願いたい。

 長崎地裁が9日、国の援護区域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認定されていない「被爆体験者」44人(うち4人死亡)が長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の判決で15人(うち2人死亡)を被爆者と認め、手帳交付を命じた。15人がいた地区に放射性物質を含む「黒い雨」が降ったと判断、残る29人の訴えは退けたもので、中日新聞は1面トップ見出しで【長崎被爆体験者15人救済 援護区域外 残る29人は敗訴 地裁判決手帳交付命じる】と報じた。

 第17回夏季パラリンピック・パリ大会が8日(日本時間9日)閉幕。新型コロナウイルス禍の収束を受けて2大会ぶりに観客が戻り、チケット販売は史上2番目の250万人に上り、パラスポーツ最大の祭典はたぐいまれな盛り上がりを生み出し、「共生社会」の未来図も提示したのである。囲碁の国際棋戦「第10回応氏杯世界選手権」五番勝負の第3局が8日、中国・上海で打たれ、一力遼本因坊(27)が謝科九段(24)に黒番中押し勝ちし、3連勝のストレートで初優勝。主な世界戦で日本勢が優勝したのは、2005年のLG杯の張九段いらいで19年ぶりだという。

(9月9日)
 月曜日。きょうは休刊日で新聞(朝刊)が来ない日なので、その分ゆったりとした時間が取れ、どこかホッとしている。朝刊が届くと、どうしても隅から隅までとは言わないまでも紙面全体を把握するのにかなりの時間を費やし、体力も消耗するので、その分疲れてしまうのは事実である。

 というわけで、けさは新聞がこないので少し解放された気持ちでいる。月曜日なのでゴミ出しをしたあとは、いつものように舞(たつ江)が晩年に私の目を見て訴えるように話しかけてきた「あのねえ、私が居なくなっても▽エーデルワイス、と▽みかんの花咲く丘(加藤省吾さん作詞のこの歌は、舞が営んでいたリサイクルショップ「エーデルワイス」の歌でもあり、舞は毎月お店を解放してミニ音楽会=コンサート=を開いていた)の2曲は毎日聴いてよね」の言葉に忠実に、ゴミ出しを終えたところでこの2曲を、いつものように愛猫シロちゃんと一緒に聴いたのである。そして、シロは、いつもの時間よりは30分ほど遅れ、意を決してお外に出た。
 どうやら私の心はシロちゃんにも分かるらしい。デ、私はそのつどシロは今や舞の化身ではないか、と。真剣にそう思っているのである。

 ところで新聞の方だが、やはり気になる。夕方になり夕刊を開く。

2024年9月8日
 日曜日。本日付の中日新聞1面見出しは【PARiS 2024パラリンピック 小田 夢見た金 車いすテニス 男子単 「やばい、かっこよすぎる俺」】というものだった。記事もまた以下の通りでなかなか、よかった。
【パリ=下条大樹】宿敵ヒューエット(英国)との激戦を制した瞬間、18歳の小田凱人=おだときと=はラケットを放り投げ、感情を爆発させた。車いすの車輪を両方外し、赤土のコート上に寝転がると、両手で顔を覆って感極まった。初のパラリンピック出場で金メダル。昨年夏、初めて四大大会(グランドスラム)を制したローランギャロスで再び勝ちどきを上げた。「やばい、かっこよすぎる俺」】

 ほかには米大リーグ・ドジャースの大谷がロサンゼルスでのガーディアン戦に「1番・指名打者」で出場して45号ソロを放ち、既にマーク済みである盗塁と合わせ史上初の「45本塁打、45盗塁」を記録。4打数2安打1打点でシーズン100打点と160安打に伸ばし自己最多に並んだことか(ドジャースは1-3で負けた)。

(9月7日)
 パリ・パラリンピック第10日の6日、柔道女子57㌔級(弱視)の広瀬順子(SMBC日興証券)、男子73㌔級(弱視)の瀬戸勇次郎(九星飲料工業)がともに初の金メダルを獲得するなど日本勢は金4を含むメダル9個を奪取、今大会の金メダルは12となり、前回東京大会の金にあと1まで迫った。このうち50㍍自由形に続き、男子100㍍バタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した木村敬一は「最後苦しいところを耐えれば自己ベストが出るという自信があった」と話している。車いすテニス女子シングルスの上地結衣(三井住友銀行)は決勝でオランダ選手に競り勝って初制覇。男女を通じて日本勢初のダブルスとの2冠に。男子ダブルスの小田凱人(東海理化、愛知県一宮市出身)三木拓也(トヨタ自動車)組は決勝で英国ペアに惜しくも敗れ、銀メダルだった。でも、みんな逆境をはねのけてよく頑張っている、と。私は思う。

 立憲民主党の代表選が7日告示され、野田佳彦元首相(67)、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、当選1回の吉田晴美衆院議員(52)の4氏が立候補を届け出、23日の臨時党大会で新代表を選出することになった(任期は、2027年9月末まで)。このうち、吉田氏は、立候補を模索していた江田憲司元代表代行(68)と7日朝、国会内で会談。江田氏が出馬を断念し、吉田氏に一本化することを決めたという。どんな結果となるのか。関心がもたれるところだといえよう。

(9月6日) 
 「脱原発社会をめざす文学者の会」で私が執筆している文士刮目が40回目となり、その40回【どこへ行く ニッポン政治】が本日公開された。関心のおありの方にはぜひ読んで頂き、日本の行く末について共に考えて頂けたら、と願う。アドレスは次のとおりである。
 http://dgp-bungaku.com

 朝。スマホがピコピコ、ピコリンコと控えめに鳴った。画面を開くと、七尾で大変お世話になった、かの女性からで「お久しぶりです 今日の朝刊に載ったのでおくります」というもので、そこには本日付の北陸中日新聞<くらしの作文>【一筆啓上 伊神舞子様 竹内喜美代(金沢市=無職・90歳)】なる文が寄せられていた。私は、その心のこもった<くらしの作文>を読むうち、在りし日の妻舞(たつ江)を思い出し、涙ぐんでしまったのである。ありがとう。ありがとう。本当にありがとうございますーと、私は思わずスマホに向かって頭を下げている自分自身に気付いたのである。ありがとうございました。竹内さん! そして教えてくださった笹谷さん。

 北陸中日新聞の<くらしの作文>で紹介された竹内喜美代さんの【一筆啓上 伊神舞子様】
 
 

 午後。いつものように社交ダンスに、と出かけた。久しぶりに【禁じられた遊び】の曲にあわせながら相方とワルツを踊る。おどりながら、腰まであった黒い髪をなびかせ、志摩半島の私のもとにからだひとつで来たころ、なぜかギターだけを胸に抱えていた亡き妻のことを思い出し、ステップを踏みながら果てなく、涙が出る私を感じていた。はたちになるかならないか、のたつ江、舞は【禁じられた遊び】とジョン・バエズの反戦歌が大好きで、わたくしが通信部で執筆中、いつもこのメロディーを弾いていた遠い日々が思い出されたのである。
 同時にこの世を旅立つ前、「社交ダンスだけは続けてよね。健康にいいのだから」と私に向かって命令長でいつも話しかけて、くれていた。でも、曼殊沙華と秋の空が大好きだったその彼女は、もはやこの世にはいない。
♪曼殊沙華人恋ふごとに朱深く
♪秋空に未来永劫と書いてみし

 どこに行ったのか。もしかしたら、私の隣にシロと一緒に幻の精となっているのかもしれない。

(9月5日)
 本日付の中日新聞夕刊1面に【日鉄のUSスチール買収 米、阻止へ最終調整 欧米報道】【島国デジタル化 日豪が支援強化 2プラス2共同声明】に加え【組みひも欧州で芽吹く 大垣の染織家 50年普及活動 独に組織設立 教え子が指導】のホットニュース。なかでも日本の伝統工芸である組みひもや草木染を50年にわたって世界に伝えてきた岐阜県大垣市の染織家所鳳弘=ところほうこう。83歳=さんの頑張りには頭が下がったのである。所さんといえば、私が大垣時代に大垣市の彼女の工房を何度か訪れ、当時は親しい間柄でもあった。記事を読んで、つくづく私もがんばらなきゃあ、と思った次第だ。

 日本新聞協会が4日、2024年度の新聞協会賞を発表。中日新聞社の「福祉事業会社『恵(めぐみ』)の不正に関するスクープと、一連の報道」(中日新聞社「恵」問題取材班)など6件が選ばれた。日本新聞協会は授賞理由で「利益を優先する運営実態を次々と暴いた一連の報道は、愛知県内の事業所指定の取り消しや全国的な『連座制』適用につながったほか、同様の事業所の実態調査を促した。福祉ビジネスに潜む闇を浮き彫りにし、社会的弱者に寄り添うジャーナリズムの在り方を示す報道だ」と評価。
 他の新聞協会賞は。▽自民党派閥の裏金問題をめぐる一連のスクープと関連報道(朝日 自民党派閥裏金問題取材班)▽能登半島地震「珠洲市街地に押し寄せる津波、輪島朝市通り炎上」のスクープ写真(北国新聞社編集局社会部)▽連載企画「里へ 人と自然の物語」(神戸新聞社 里へ取材班)▽OSINTと3D表現技術による新たなデジタル報道手法の開拓(日本経済新聞社OSINT=オープンソースインテリジェンス=取材班)▽京都アニメーション放火殺人事件連載企画「理由」と公判報道(京都新聞社放火殺人事件取材班)。
 またことしの新聞週間(10月15~21日)の代表標語には10104編の応募作から東京都文京区の山崎一矢さん(41)の【流されない 私は読んで 考える】に決まった。

 愛知、岐阜、三重の3県知事と名古屋、浜松の2市長が集う「東海3県2市知事市長会議」が4日、三重県明和町で開かれ、災害時の情報共有や観光戦略などについて意見を交換。

 ほかには、毎日新聞朝刊に【「俺は知事だぞ」激怒 兵庫申込制の夕食断られ 百条委調査】の見出し。なんとも情けない。もし事実としたなら、だ。ヒヨッコ知事である。警視庁は4日、交通トラブルを装って撮影した他人の運転免許証でクレジットカードを契約しスマートフォンを購入したなどとして東京都江東区の職業不詳、斎藤貴聡容疑者(32)ら男女3人を詐欺の疑いなどで逮捕。

(9月4日)
 きょうは、「くしの日」だそうだ。 
 死者・行方不明者が88人に及んだ紀伊半島豪雨からきょう4日で13年がたつ。このうち29人が犠牲となった和歌山那智勝浦町では、災害が発生した午前1時ごろ、遺族らが明かりをともし、祈りを捧げたという。
 
 朝刊1面は、やはり【車いすラグビー 悲願の金 後続に夢 重度障碍者広がる活躍の場】(毎日)【車いすラグビー初の金 若山控えでも堅守支え】【バド梶原連覇】(中日)というものだった。ほかに【ガソリン・電気9891億円補助 追加を閣議決定累計11兆円超え 物価高予備費ほぼ全額】(中日)も気になる記事であった。

(9月3日)
 パリ・パラリンピック第6日。日本は車いすラグビーの決勝で米国に48-41で勝ち、初めて金メダルを獲得した(これまでの最高成績は、2016年リオデジャネイロ、2021年東京両大会の3位が最高成績)。 
 本日付の中日夕刊で目立った記事は、と言えばである。【マングース根絶「極めて高い」 奄美大島ハブ駆除へ移入 環境省検討会】か。ハブとマングースといえば、だ。その昔に北日本一周航路の旅先である七尾港に自船「メイキッス」号で、かの森繁久彌さんが寄られた際、あることで私と森繁さんとが船内で一升瓶を前に大激論となり、その光景を目の当たりにしていた森繁さんのご子息泉さんが「オヤジとゴンタさんはハブとマングースみたいだった」と、その後、私にお会いするつどおっしゃられていた、あの日々が懐かしい。だが、心やさしき日本の名優森繁久彌さんも、親孝行息子だった泉さんも今や、この世にはおいでにならないのである。ああ~ なんてことだ。この世は冷たい。冷た過ぎる  合掌―

 気象庁が2日、ことし夏(6~8月)の日本の平均気温が平年を1・76度上回った、と発表。1898年の統計開始以降で最高だった昨年に並び、2年連続で最も暑い夏に。この高温傾向は9月も続く見通しだという。

 きのう2日は大半の公立学校で始業式があった。能登半島地震で被災した多くの小学校でも始業式が行われ、輪島市中心部などにある6つの小学校の児童が通う仮設校舎(河井、鳳至、鴻巣、大屋、河原田、三井の各小の計396人)などでも同日から使用を開始。児童たちは元気よく登校した。これら児童は校舎が壊れたり校庭に仮設住宅が建ったりしたため、これまで輪島高校や輪島中学校の校舎を間借りして授業を続けてきたという。「新しい場所で、新しい学びが広がっていくとうれしい。『挑戦』『感動』『笑顔』という三つの合言葉を胸にベストを尽くして」とは校長先生=3日付の中日新聞から。

2024年9月2日
 富山市八尾町で私自身もかつて能登に居たころ、2度、3度……と訪れた「おわら風の盆」が、きのう1日から始まった。あす3日までである。立春から数えて210日目、すなわち二百十日のころに、豊作を願って風を切っておどる【風の盆】である。魂の底のそこまでをえぐるような胡弓の音(ね)。編み笠をかぶって踊る女性たち。風をおさえ、退散させる 手のしぐさに足音。そして身のこなし。透き通ったような目と目。何をとっても独特の哀愁をおび、なんともいえない踊りである。

 長い間、ノロノロぐずぐずとはっきりしなかった台風10号。その台風もきのう1日正午には東海沖で熱帯低気圧にやっとこせ変わり、きょうは台風一過の空。空の青が久しぶりに目の前に広がった。
 たつ江。舞。元気でいるか、と上空を見る。そんな朝がやってきた。

 だが、愛猫シロ、オーロラレインボーは、朝からなぜか私の部屋の定位置に座ったまま一向に動こうとはしない。彼女は聡明な猫ちゃんで路面がまだまだ濡れていることを十分に知っている。だから、きょうに限れば戸外などには関心がないのである。
 昨日は、早朝から自ら窓のガラス戸を開け、外に出てしまい、その後なかなか家の中に入ってこないので心配したが帰宅後、庭のかなり伸び放題になった雑草を「そろそろ除去しなければネ」といった顔で私に視線を投げかけ訴えかけるので、そのことを敏感に悟った息子が午後のいっときを当ててアレヨアレヨと言う間に雑草を除去してくれ、私は内心、シロちゃんと息子のふたりには心から感謝しているのである。

 わが家のことを真剣に考え、いつも助けてくれる救世主シロちゃん(オーロラレインボー)
 
 
 いずれにせよ、長かった雨、雨、雨の日々がやっとのことで視界から消え、シロちゃんもこの間は随分疲れたに違いない。というわけで、けさの新聞見出しは【東海道新幹線が再開 台風10号熱帯低気圧に 土砂災害なお警戒】【「きつかった」乗客安堵 全線は3日ぶり】(中日1面)と、どこかホッとする内容である。

 新幹線の再開の報道には多くの読者がホッとした
 

 長雨といえば、だ。かつて岐阜県庁汚職事件が発覚、岐阜県警と岐阜地検により摘発された昭和51年の9月にも当時来る日も来る日も雨、雨、雨で岐阜県警のサツ回りと本巣郡回りだった私は新聞記者として連日、水没した穂積町牛牧団地を舟に乗ってルポ取材した、あの日々が思い出されるのである。

 そして。その年の9月12日。それまで7日から降り続けていた雨がやっと晴れ、まさに、その日に忘れもしない、安八町で長良川が決壊したのである。前夜、記者たち全員が岐阜市司町の岐阜総局(現岐阜支社)に集結し「このまま雨が降り続ければ、長良川は確実に決壊、岐阜市内は全域が水没してしまう。その時に読者一人ひとりを思い、どういった取材をしたら良いのか。みんな、気持ちを落ち着け、いざという時に備えそれぞれの持ち場を死守し、取材に携わってほしい」と時の中日新聞岐阜総局長エノさん(榎本喬岐阜総局長、後に中日新聞北陸本社代表。石川テレビ社長)の言葉に耳を傾け、記者全員が総立ちで緊張した面持ちで万一の取材体制につき話し合った、あの日のことが思い出される。
 翌朝(12日朝)。こともあろうに。それこそ、7日からそれまでずっと降り続いていた空がカラリと晴れ上がり、やっと延々と続いた豪雨取材から解き放たれる、そう思ったその日の朝に、安八町で長良川が決壊(あの時は、ため池破堤説が盛んに論じられた)。大騒ぎになったのである。

 そしてこの間、極秘取材が進むなか、岐阜県庁汚職事件にとうとうメスが入ることになり、日中友好の翼で中国に飛び立とうとする時の平野三郎知事らを同僚のサツ回り石原記者と大阪国際ホテルまで尾行、知事の腹心で捜査当局から任同(任意同行)がかかり、大阪からひとり岐阜にUターンした県参事和田氏を新幹線羽島駅でとうとうキャッチ、汚職の構造が音を立てて崩れ去っていったのも、その年であった(この直撃取材は、昭和51年10月15日付の中日新聞夕刊軟派=社会面=トップで和田岐阜県参事を直撃取材する若き日の私、伊神記者の写真入りで大きく報道されたのである)。

2024年9月1日
 防災の日。
【岐阜と三重で河川氾濫 台風10号「緊急安全確保」発令】(1日付中日新聞1面見出し)【関東など線状降水帯恐れ 台風10号 各地で大雨続く】(同、毎日新聞1面見出し)など。先月下旬から九州、四国、関西、三重、岐阜、東海、関東、三陸…と長期間に及び、各地に雨や風の多大の被害をもたらしてきた台風10号がきょうの正午、やっと東海沖で熱帯低気圧になった。
 この間、このじれったいほどのノロノロ大型台風。各地の新幹線をはじめとした鉄道網の運休はじめ、全日空や日航など空の便の欠航、高速道の通行止めなど。日本中の足を混乱させたばかりか、土砂崩れによる家屋倒壊や風水害、河川の決壊、床上浸水などといった災害を至る所で招き、人々の心を傷つけ、日本中をやきもきさせた。いわば稀有ともいえる大型で超スローモーの台風であった。それだけに、この国に生きる全ての人々が胸をなでおろした、と。そう言っても過言ではない。ホッとしたといおうか。やれやれである。
 
 夜。NHK総合でスペシャル【巨大地震メガクエイク 見えてきた能登の全貌 新たな脅威・軟弱地盤 首都直下あなたの家は】を見て、いろいろあれやこれやと考えさせられた。