詩二編/「タンタ君の忘れもの」、「いくぞ 海賊コアラ君」
詩「タンタ君の忘れもの」
学校からの 帰りみち
タヌキのタンタ君 気がついた
あれれ 僕の 丸眼鏡がない
急いで さがしに 行かなくちゃ
カラフルな 花咲く 花壇で
ラッコのランちゃん ニコニコしながら
楽しそうに お水をあげる
「僕の 丸眼鏡 みなかった?」
「ううん わたしは しらないわ」
近くにある まるい 砂場で
ブルドッグのブル君 真面目な顔して
砂のお城を 造っている
「僕の丸眼鏡 みなかった?」
「いま 忙しいよ しらないな」
でっかい 要塞の ジャングルジムで
おサルのチンパ君 うれしそうに
身体を ユラユラ 遊んでいる
「僕の丸眼鏡 みなかった?」
「一緒にやらない? 面白いよ」
真っ白な ブランコで
子ネコのミャーちゃん 口笛吹いて
青空 ながめて 揺れている
「僕の丸眼鏡 みなかった?」
「きょうも お天気 いい気分ね」
ピカピカ 光る すべり台で
ペンギンのペンキ君 大声上げて
すべって 転んで しりもちついた
「僕の丸眼鏡 みなかった?」
「いててて なんの話だよ」
もう あきらめた 家に かえろう
えいやと ランドセル 提げなおして
ランドセルの ポケットに 気がついた
そうだ ここに 入っていた
僕って なんて 間が抜けている
向こうに キツネのコン君が 去っていく
おーい コン君 待っておくれよ
詩「いくぞ 海賊コアラ君」
船出だ 船出だ いざ出陣だ
おおきな おおきな 海賊船に
ドクロの旗が なびいている
指揮をするのは 片目のコアラ
黒い眼帯にも ドクロのマーク
剣をかかげて ポーズを決めて
号令一下で 大海原へ
何百匹の コアラの子分
あちらこちらで 威勢をあげて
準備オッケイ 取り舵オーライ
船に積まれた 金 銀 財宝
悪党船から奪った お宝だ
チャンチャンバラバラと
戦い抜いて 勝利を収めて
百戦 練磨の 勢いだ
向かうところに 敵はない
めざすは でっかい 宝島
財宝 いっぱい ぶん取って
貧しい人々 救うため
海賊船は 波を超えて 嵐を超えて
今日の 相手は ヤマザル軍団
やつらは 悪事の やり放題
コアラ船長 大声を上げて
大砲一発 打ち上げて
船に乗り上げて 大合戦
剣を交えて エイッサ オイッサ
あっという間に ヤマザル完敗
みなで 勝ちどき オウ オウ オー
財宝 ねこそぎ いただきだ
コアラの海賊 向かっていく
大海原の 果ての果て
水平線に 夢が 待ってる
みんなの幸せ かなえるために
ぼくらの海賊船は 荒波をこえて
明日も 希望の 陽が昇るんだ