【生きてゆく人間花たち/2014年7月の唄】

平成二十六年七月三十一日
 【未来工業山田昭男氏死去 創業者 型破り経営 年140日休日】【社員大事に 無駄に厳しく】(31日付、中日朝刊2社面見出しから)
 朝刊を手に、あの自由奔放で人なつこい山田さんの死を知った。八十二歳だった。大垣市民病院で昨日、多臓器不全のため亡くなったという。きのう初めて訃報を知った〝チョウさん〟にせよ、どうして、こんなにいい人ばかりが、次から次へと逝ってしまうのか。世は無情だ。儚い。
 私にとっての山田さんは、新聞社の大垣支局長時代なので、もう二十数年前に溯る。いつ社長室を訪れても、ドテラみたいな作務衣を着て仕事に励んでおられた。私は、こんな山田さんを失礼にも〝ヌートリアおじさん〟と呼ばせて頂き、親しくしていただいた。
 山田さんは、記事にあったように昭和四十年に劇団仲間で電設資材メーカー「未来工業」を設立して社長に就任。残業禁止のほか、年間百四十日の休日など時代を先取りする型破り経営で社員のやる気を引き出し、電気工事に使う資材も大手メーカーにはない、アイデア商品の製造に力を尽くされた。
 また、岐阜県西濃地方の新聞に折り込みチラシと一緒に挟むホームニュース創刊に際しても、あれやこれや随分とお世話になった。あのころは日大芸術学部を卒業してまもない娘さんにもホームニュースの旅欄を担当して頂いたと記憶している。
        ☆        ☆
 ある日、大垣市内の水田地帯に夜な夜な、ヌートリア(カワウソ)が出没するところがあるので一緒に探しにいこう、ということになり当時の西濃運輸の広報担当〝横ちゃん〟と3人で真剣な表情で探索。結局のところは発見できず一緒に飲んで帰ったことも。とにかく豪放磊落かつ〝遊びごころ〟いっぱいの楽しく優しい方で、いらい私は天下に名だたる山田社長を〝ヌートリアおじさん〟と呼ばせて頂いてきた。傍に笑顔でいらっしゃるだけで、得も言われぬ温かさがにじみ出る、そんな人だった。
 いまは〈おやすらかに〉以外にどう言っていいものか。言葉を持ち合わせない。―合掌
        ☆        ☆
 わが家の近くに設置されている花霞町内、3組2班の地域を照らし安全を守る防犯灯が老朽化で役割を果たさなくなったので、三役が出て近隣の方々の意見もお聞きしてこんごどうするか、を検討。従来の防犯灯は撤去し、新しい防犯灯を新設してもらう方向で話を進めることとなった。
 しばらく休んでいた横笛ふきを再開、納得の音に満足する。ほかに社交ダンスのレッスンに出かけたり、きょうが締切日のテーマエッセイ〈忘れもの〉の早めの出稿を、まだ提稿していない「熱砂」同人一人ひとりに連絡したり(毎回のことだが、みなさん、どうしても遅れがちだ)。牧すすむさんからはテーマエッセイはまだだが、詩2編がファックスで送られてきたので、これをパソコンに打ち込むなど、慌ただしい一日に。
 そのことはさておき、本欄【生きてゆく人間花たち/2014年7月の唄】の過去一カ月をいまいちど、最初から読み返して頂けたら嬉しく思う。
        ×        ×
 日本男子の平均年齢が80・21歳と初めて80歳を越え、世界第4位へ。女子は86・61歳で世界1位は揺るがないまま。世界初の心筋再生治療を受けた心臓病の小6女児が無事、退院した。
 今宵みずがめ座の流星群が夜空を彩る。サッカーのブラジル代表ネイマール選手(22)が熱狂のなか、日本へ。夏の甲子園愛知大会決勝戦、東邦が栄徳に3―1で勝ち6年ぶり16度目の甲子園出場を決めた。ドラゴンズは広島に6―4で勝利。岩瀬投手が11年連続で20セーブ。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「こんなに苦しい野球をずっと続けるかと思うと本当にひどいですけど、うれしい。これからまたボクの第2の人生始まりますので一緒にがんばっていきましょう。」=ロッテ戦で3―1で勝ち、285日ぶりの勝利投手になった日本ハムの斎藤佑樹投手

【新聞テレビから】
☆『復興予算35%使い残し 13年度人手不足など響く』『東電元会長ら「起訴相当」 検察審議決 原発事故 再捜査へ「大津波試算 対応せず」』『〈解説〉「安全神話」を批判』、『アルゼンチン債務不履行へ 13年ぶり米ファンドと決裂』、『狂言面16世紀作 豊橋の保存会所蔵 3名人の刻銘と一致』、『桜木市議に辞職勧告へ 稲沢市議会 9月定例会に決議案』、『豊田大谷高監督逮捕 野球部員への傷害容疑』(31日付、中日夕刊)
☆『ケネディ米大使 平和式典へ』『来月6日広島 ルース氏に続き4回目』『平和に沸け甲子園』『戦中の「幻」、戦後「初」 80代元球児の願い=阪神甲子園球場が8月1日で完成から90年を迎える』、『汚職追及報道の中国女性ら受賞 マグサイサイ賞』、『除染基準を緩和 毎時0・23マイクロシーベルト 0・3~0・6マイクロシーベルトに 環境省』『自治体ごと対策促す』(31日付、毎日夕刊)
☆『「周氏以上の大物は不問」条件 党長老説得し立件か 汚職疑惑』『江蘇省・周氏の生家ルポ 昨春30年ぶり訪問 失脚覚悟故郷にお別れ(江蘇省無錫市・西前頭村で、加藤直人)』、『ガザ北部 国連学校砲撃19人死亡 東部でも攻撃15人死亡』、『乾杯条例宴たけなわ 地酒PR 全国で次々と』、『世界初「宇宙マウス」誕生 山梨 持ち帰った精子で繁殖』(31日付、中日朝刊)
☆『森下洋子さん祈りの舞 40年ぶり (ブルガリア東部の)バルナで「鳥の歌」』、『ビットコイン16億円分消失 警視庁が本格捜査』、『危険ドラッグ40人死亡 11年以降 今年急増24人』、『大阪府警 刑法犯 8万件過少報告 08~12年 現職280人を処分』(31日付、毎日朝刊)

七月三十日
 暑い夏とともに広島、長崎に原爆が投下された、あの運命の日が、ことしもやってくる。
        ×        ×
 本日付の新聞各紙夕刊によれば、1945年8月6日に広島に原爆を投下した米爆撃機B29エノラ・ゲイの搭乗員十二人の最後の生存者、セオドア・バンカーク氏が二十八日、米南部ジョージア州アトランタ近郊の高齢者施設で老衰のため死去した。九十三歳だった。
 原爆投下舞台のエノラ・ゲイでは航空士を務め、2012年には回顧録を出版。「日米双方の犠牲を最小限に抑え、戦争を終結させた」と原爆投下の意義を指摘し「後悔はしない」とする一方、「核兵器は二度と使われてはならない」と強調したことでも知られる。

 写真は広島への出発を前に10の束にして飾られた命の千羽鶴たち。「千羽鶴が飛び立つ事が出来ます。ご協力ありがとうございます」とも(愛知県江南市のミヌエット店内で)
 

 その、なんとも忌まわしい原爆の日を前に、私の知らないところで妻の舞がチョットいいことをしてきた。今になって思えば、だから二カ月ほど前から私に対して「広島行き」を宣言していたのだ。そして。そのチョットいいことに気付いたのは、ほんの数日前。何をしてきたのか? ドラマの舞台は一般の方々に常時、店内を開放しているボランティア同然のリサイクルショップ。彼女にとっては命も同然の「ミヌエット」店内で、であった。
 なんと過去一年の間に、平和を願う折り鶴を一羽一羽、来店者有志に備え付けの折り紙で折ってもらい、その数が一羽また一羽と増えとうとう千羽に到達した、というのだ。むろん、強制などはしない。あくまで平和を願い、かつ折ることが出来たり率先して折ってくれる人々=折れなかった人々には舞たちで手助けさせて頂いた、という=に限られ、そうした名もなき善意結集のおかげでちいさな夢が開くことになった。そこにあるのは、ただヒタスラ世界平和を希求する気持ちだけだ。
 私自身、一昨年に第76回ピースボートによる102日間地球一周の船旅に乗船、寄港した先々からユーチューブで【伊神権太が行く世界紀行 平和へのメッセージ/私は今その町で】を全世界に向け発信。以降は平和作家を自認する【一匹文士】としても生きてきているだけに、妻のこの隠れたこうした行為はとても胸を温かくするもので嬉しい。さすがは、かつて少女時代にベトナム戦争に反対したべ平連(ベトナム民主平和連合)の闘士だっただけのことはある。
 数年前、病魔に倒れ生死をさまよってなお、どこまでも戦争のない平和な世界と優しさが満ちあふれる社会実現を求めて突き進む一途さには、身内とはいえ脱帽するほかない。というわけで、8月6日の広島原爆投下日を挟んで5、6、7日は私も広島に同行することにした。そして平和記念公園にある原爆の子の像のモデルとされる【佐々木禎子の像】へ名もなき平和の使者として、妻が代表で千羽の鶴を献じる、その様子を見守ってきたい。
 これまで被爆地をこどもたちにも見せておかなければ、と彼らの小学生のころ夏休みの家族旅行で長崎へは訪れたことはある。だが、広島の原爆ドームへはなぜか、まだ不思議と行ってはいない。いい機会だと思っている。これも舞のおかげだ。
※佐々木禎子さんは広島に住んでいた被爆者。二歳で被ばく、十年後に白血病になって入院。病院では折り紙で千羽を折れば元気になると信じて折り続け、自ら折ったツルは千羽を越えた。
        ×        ×
 わが家に届いた中日社報7月15日号で中日スポーツ総局・編集委員、長縄和尋さんの死を初めて知った。〈おくやみ申し上げます〉欄に「6月1日、静脈瘤破裂などのため死去されました。65歳。」とあった。〝チョウさん〟は同じ編集局内でも整理畑出身だったので交流はそれほどなかった。でも、彼の月刊ドラゴンズ編集長時代、私がドラゴンズ公式ファンクラブの会報編集担当のころには少しの間だったが大変、お世話になった。物静か、かつ的確な判断には何度も助けられた。その彼が。よもや…。言葉もない。おやすらかに。
 
 中国で1兆7000億円もの不正蓄財をしていた前最高指導部メンバー、周永康氏(71)が財産を押収されると同時に重大な規律違反で調査を受けることに。長崎の高1少女による同級生殺人は、その後の調べで被害者のスマートフォンが加害少女の住むマンションの敷地内で発見され、猫を虐待死したこともある少女は「人を殺して解剖してみたかった」と供述。東電福島第一原発事故で発生した「指定廃棄物」の最終処分場について環境省が栃木県内の候補地として塩谷町の国有地を選定し伝えたが、地元は猛反発。

【きょうの一文・ことば】
「これからも大和魂を貫いてまいります」=30日付中日夕刊『「大和魂を貫く」決意 豪栄道大関昇進』の記事中。大関昇進の伝達に訪れた日本相撲協会の使者に対し愛知県扶桑町の境川部屋宿舎で豪栄道が述べた口上

【新聞テレビから】
☆『師匠に最高の誕生祝い 豪栄道「親子」の絆で大願』『高山の朝市 パン屋店頭に 米国人にぎわい一役』、『原爆投下の爆撃機 最後の搭乗員死去』、『世界みんなでコスプレを=愛知県内で26日に開幕した「世界コスプレサミット2014」の各国代表が30日、外務省を表敬訪問した=』、『危険ドラッグ3人逮捕 愛知県警 アダルト店、販売容疑』、『津波で6000㌔を漂流 村営住宅看板戻る ハワイから岩手へ』(30日付、中日夕刊)
☆『周氏資産1・4兆円押収 中国指導部 党籍剥奪を検討』、『新疆で暴動、数十人射殺 警察当局 政府施設など襲われ』、『エボラ出血熱まん延 南アフリカ 死者672人 過去最多』、『西濃運輸V報告 都市対抗 毎日新聞本社を訪問』、『少女、別居直前 父に暴力』『同級生殺害 被害者携帯、部屋の外』、『愛知発QRコード世界へ』『デンソー系社員ら発明人気賞』『工場部品管理や交流の道具に』(30日付、毎日夕刊)
☆『稲沢市議、不審物なし確認』『薬物事件 知人に「だまされた」』『中国当局、運搬罪で起訴』『中国・広東省 日本人の麻薬事件増加』『猶予付き死刑判決も』『稲沢市議起訴を受け 家族「事実無根」、議会あす協議』、『美濃加茂市長「辞任意思ない」 市議会に回答』(30日付、中日朝刊)
☆『「入閣」「無役」揺れる石破氏 「安保相」首相打診に難色』、『中国、周永康氏立件へ 汚職容疑 保守派の重鎮』、『「全品の加工国公表」 日本マクドナルド社長 鶏肉問題受け発表』、『【授業中、他の邪魔するようなら、コレやで】児童の口にガムテープ 三重(志摩市和具小40代の男性教諭)の小学教諭』(30日付、毎日朝刊)

七月二十九日
 土用の丑の日。
 東京ドームであった全国都市対抗社会人野球の決勝戦で「踏まれてもなお」の福寿草魂で知られる、岐阜県大垣市の西濃運輸が富士重工を2―0で破り、初優勝した。とても嬉しい。私が大垣支局長時代、西濃運輸が決勝に初めて出たころ、健在だったトッサ(田口利夫氏、元会長で創業者・田口利八氏の長男)が生きていたら、どんなにか喜ばれたことか。今夜は、独り酒を飲み続けた。
 ドラゴンズも広島に3―1で勝ち、上にあがってきた。首位巨人に4・5差だ。ここで一気に強竜打線復活といってほしい。大リーガー、メッツの和田毅投手も初勝利。ここ、江南市の江南団地で少年時代を過ごした和田にもエールを送りたい。
        ×        ×
 私が書いた小説「カトマンズの恋」=ウエブ文学同人誌「熱砂」の本欄・伊神権太作品集で公開済み。総合文芸誌『中部ぺん』第21号/2014にも掌編小説として発表=がきっかけとなり、周りからの勧めもあって三か月かけ書きあげた詩「カトマンズ恋歌/ラブバード」が、ひょんなことから歌に生まれ変わり、きょうの午後、名古屋市内の今池芸音センタースタジオで歌い手のソプラノ歌手・張柳春さんと、ピアノ=ピアニストは北川美晃さん=の最終音合わせがあり、立ち会わせて頂いた。あとはCD化して完成の運びだ。
 今回の作曲話は私自身が詩作でからんでおり、気恥ずかしさもあったが、いい話なので中日新聞に取材依頼を出したところ、放送芸能部の記者とカメラマン氏が来てくれ、有り難く思った。取材は互いに時間の制約もあり、新聞記者本来の【百を聞いて一を書く】ところまではとてもいかないだろう。でも、熱心な姿勢を目の前に、ペンもカメラも素晴らしい後輩たちだな、と心から頼もしく、かつ嬉しく思った。
        ×        ×
 このところ横笛のふきすぎか(それだけではない。サンポーニャも習い始め、喉への負荷は高くなっている)、社交ダンスのレッスンのし過ぎか(こちらは、し過ぎとまではいかないが)。それとも、もしかしたら、いよいよ病魔急襲のサインなのか。痰に血がよくまじる。デ、午前中、近くの町医者へ。
「のどが全体に赤く腫れています。よくソプラノ歌手が喉から血を出すことがありますが、横笛のふきすぎかもしれません。でも、注射を一本と毒をやっつける薬を出しておきますので、それでよくなっていくかと思います。」との医師の弁に、少し安心した。
 医師の診断を信頼する限り、いっときのもので心配なさそうだ。笛もダンスも、執筆活動も。今までどおりでよい。というわけで、今池へは予定通り出かけた。

 深夜から未明にかけて。黒宮涼の連載小説「死神の秘密〈その4〉」をあらためて繰り返し読む。原文を大切にしてアップした。きのうも触れたが、句読点、?、…、!、〝〟、「」などは多用せず削ぎ落とす。効果的な使い方に努めたらいい。文章の基本は主語、述語、目的語、さらに国語の時間で学んだ【は、が、の、を、に】【ぞ、なん、や、か、こそ】の精神をきっちりさせて書くことだ。修飾語は、これで決める気持ちで使わなければ。そのうえに余韻とか、リズム、構成力と読者を引きつける感覚、筆力を養う。「熱砂」同人は互いに原点を大切に、練磨してゆきたい。
 ひとりよがりでない、新聞のように分かりやすい文体、そして時には突拍子もないストーリー性の構築。そこには、いつも愛と平和を願い、やさしさと気品、主張、問題意識といったようなものがほしい。それこそが真の文学なのだ。
 少し、酔っぱらったか【な】。=こうした【な】表現も親しみやすくて効果的で良いが、乱発が過ぎると本来あるべき文が荒れて雑な寄せ集め文に見えてしまいかねない。続けることは大変だが、事象の一つひとつを大切に。惰性に陥ることのなきよう=
 私の場合、本欄だけでも削ったり付け足したりを、何度もやっている。そして、どうしたら人びとの胸のなかに飛び込んでゆける文を書けるか―を日々、探究している。
 
【きょうの一文・ことば】
 長野県読書村(現南木曽町)で生まれ育った(創業者の田口)利八氏は、田んぼのあぜなどに咲くフクジュソウの強さに感心し「踏まれても/踏まれても/強く野に咲く福寿草」と詠み、座右の銘としていた。企業経営とともに、野球部にもその精神は根付いている。=29日付毎日朝刊の記事『〈第85回都市対抗野球大会〉大垣市20年ぶり決勝 初Vかけ太田市と対戦』『(創業者、田口利八氏の)命日に決めた西濃運輸』『創業者の思い胸に決勝進出 踏まれても 踏まれても 粘り強く』から

【新聞テレビから】
☆【お別れ会】『黒木感謝 「失楽園」の撮影…「強烈な作品なので『私、なにやってるんだろう』家に帰るとその繰り返し」』『津川本音「11本出ているのに『失楽園』出ていない…悔しい」』『渡辺(淳一)ずっと忘れません』(29日付、中日スポーツ)
☆『〈クローズアップ現代〉憎しみの連鎖どこまで ガザ・戦闘の行方』、『〈ニュースウオッチ9〉若田光一さん生出演! 宇宙滞在188日の苦闘』(29日付、NHK総合)
☆『「殺すため自室に誘った」 同級生殺害 2人の間トラブルか』、『稲沢市議を中国当局起訴 麻薬密輸罪 一貫して否認』『最高は死刑 識者「厳しい判決も」』『中国最大の麻薬拠点 市議拘束の広東 公安が撲滅作戦』『稲沢市議長「起訴は重い」31日に会派代表者会』『薬物犯罪量刑重く 死刑の執行猶予…減刑も』『「邦人保護の観点で支援」官房長官表明』、『香ばしさ、届きますか? 「土用の丑」かば焼きに行列』、『危険ドラッグ高速道初逮捕』『愛知県警 容疑者が自損事故』(29日付、中日夕刊)
☆『ハーグ条約日本人初適用 英滞在の子 返還命令 英裁判所「約束期間超え違法」』、『「露が中距離核条約違反」 米大統領が書簡で伝達』、『死亡2男性から青酸 周辺に60代女性 連続変死か』、『月の中心熱かった 地球の引力による変形 原因』、『■皇太子ご一家、伊勢神宮参拝』(29日付、毎日夕刊)
☆『「人を殺してみたかった」 同級生殺害 容疑の生徒供述』『実母病死、生活が一変 同級生殺害事件「生徒に二面性」』『心の傷は深く 無念の通夜 両親「宝物でした」』、『40㌔漂流 救助の男性 浮かび続け体力温存』、『異物シシャモ 東海でも』『ユニー7店、23日まで販売』(29日付、中日朝刊)
☆『日本が露追加制裁へ ウクライナ問題 EUと足並み』、『〈第85回都市対抗野球大会〉大垣市20年ぶり決勝 初Vかけ太田市と対戦』『(創業者、田口利八氏の)命日に決めた西濃運輸』『創業者の思い胸に決勝進出 踏まれても 踏まれても 粘り強く』(29日付、毎日朝刊)

七月二十八日
 北陸、東北でも梅雨明け。
 「熱砂」の若手、黒宮涼さんの連載小説「死神の秘密〈その4〉」のあすの公開を前に何度も読み返してみる。読みながら〝死神〟と聞こえは悪いが、結構【前を向いて真剣に生きようとしている、その姿勢】に感動させられた。ただ、?、…、!、-の安易な多用は避ける。そして「熱砂」同人である限り、文章の基本はむろんのこと、分かりやすい文体を心がけてほしい。一人だけ酔って書くのではなく、誰にだって分かる。わかりやすい文章術に励むことこそ、大切だ。
 日中、ある私的重要な件で東京在住の平賀源内賞作家・小中陽太郎さんに電話。留守電に要件を伝えると、まもなく折り返し電話がかかり「あの、ごめん。きょうは渡辺淳一さんを偲ぶ会でして。いま会場にいるので。林真理子さんと話をしていたら、権太さんからいきなり電話がかかったので驚いた。皆さん、何ごとかと一斉に僕を見て弱ってしまったよ」とのこと。
 相変わらず元気そうな声を耳にして安心した。いつも思うことだが、小中さんはどんな時でもボクのような一匹文士にも「権太さん、何でした」と律義に電話を折り返してくださる。ベ平連当時の魂はそのまま健在だ。平賀源内が疾走する大江戸戯作ワールド〈翔べよ源内(平原社)〉が生まれた背景には、こうした庶民感覚に優れた一人ひとりを大切にする精神が宿っていればこそ、と私には思えるのである。
        ☆        ☆
 「高1死因は窒息死 同級生殺害 ハンマーを押収」、「家族4人切り付け、逮捕」「長野・飯田の民家 71歳祖父 傷害容疑」、「包丁で妻刺す 76歳夫を逮捕 本巣、殺人未遂容疑」=28日付中日夕刊見出し=、「同級生殺害 腹部に複数の傷 刃物など事前に準備か」=28日付毎日夕刊見出し=など。
 日本はこのところ、血なまぐさい事件が多過ぎる。同級生を殺害した犯人(女子高1年)に至っては、その後の調べに対して「人を殺してみたかった」とまで供述しているという。その後の調べで直接の死因は首を絞められたことによる窒息死だと判明した。
 司馬遼太郎の「関ヶ原」など歴史ものが好きだったという加害少女。家族と離れ、マンションで1人暮らしだった。少女に何があったのか。ニュースを見聞きする限り、加害者の家庭は教育一家で日常生活でも素直に「はい」と答えトラブルはなかったという。気になるのは母親が最近、病死。父親は再婚した。だから一人…。寂しかったに違いない。
        ×        ×
 元関西電力副社長だった内藤千百里さん(91歳)が死を前にした素朴な気持ちだ、として「1972年の田中角栄さんから18年間、竹下登さんまで歴代首相七氏に毎年盆、暮れに一千万円、年に二千万円ずつ献金してきた。原子力は決して、安全ではない」などと衝撃の発言を朝日新聞の記者にしていた。フィリピンの人口が1億人を突破、1億人突破は世界で十二カ国め。うち3割が14歳以下で、平均年齢は23歳だという。ウクライナ東部ドネツクでのマレーシア航空機撃墜事件。依然米ロの間では隔たりがある。「真相解明は国連主導で行うべきだ」とロシアのラブロフ外相。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「相手をねじ伏せるような心の強い大関をめざしたい」=大関昇進が決まった豪栄道が記者団に語った抱負

【新聞テレビから】
☆『神の使い ウナギ食べない』『郡上・粥川地区 伝説守り「聖域」』『中国 欧州ウナギ禁輸へ 来年2月以降 安価な供給、ピンチ』、『75歳以上 怖い熱中症』『脳・内臓 体温上昇しやすく 名工大が研究』、『新日鉄住金の4度目黒煙 大村知事「信じられない」』(28日付、中日夕刊)
☆『「ガザへの空爆やめろ」欧州各地で抗議デモ』、『都市ガス17年自由化 家庭向け 電力に合わせ 政府方針』『飢えと渇き「きれいごとじゃない」 兵士が見た硫黄島戦 千葉の作家が小説化』、『〈チェック〉マー君肘痛リタイア 「中4日先発」元凶? 「不ぞろいなボール」も負担』、『「まだ実感湧かない」 「大関確実」豪栄道一夜明け』、『「新カラマーゾフの兄弟」亀山郁夫氏古典の続編 現代日本舞台に追究』(28日付、毎日夕刊)
☆『白鵬、30度目優勝 名古屋場所 史上3人目の大台』、『夫の実父精子で出産79組 長野・不妊治療院 体外受精、118人誕生』、『新日鉄住金 4度目黒煙 名古屋製鉄所 停電で排出事故』『抜本策至らず怒る住民 「何度続ける気か」』、『ブルーの風俗店 所得隠し』『名古屋国税指摘、8億7000万円』(28日付、中日朝刊)
☆『ビーチ満開 内海』、『川内2400人にヨウ素剤 5㌔圏 指針に則し全国初』、『金正恩氏 現地指揮か 弾道ミサイル発射 米韓打倒訴え』(28日付、毎日朝刊)

七月二十七日
 長崎県佐世保市のマンションで二十六日深夜、高校1年生の女子(15)が、クラスメートでこの部屋に住む同じ高1女子(15)に後頭部を多数回、工具用のもので殴られたうえ首を絞められ、殺害されるという猟奇殺人が起きた。遺体は首と左手首が切断されるという悲惨さだった。ふたりの間に、何があったというのか。
        ★        ★
 ここ数日は、街を歩いていても自宅に居ても蝉たちのなき声がかまびすしい。そのこえは、強くなったり弱くなったり。打ち寄せる波のようだ。そして。そうした音響といったようなものが、その時々の私の心理を映し出し、楽しくも聴こえればそうでないこともある。耳とその時々の気持ち、蝉たちのなき声が一本の血流となって微妙につながっている。
 午後。名古屋市内であった中部ペンクラブの理事会に出席後、市内で約束していた友人にお会いする。きのうに比べ、きょうは風があって適度に雨も降り、これがシャワー効果となって猛暑続きの割りには比較的過ごしやすい一日となった。
 夜遅く。希望舞台主宰の由井數さんから「長崎から帰ったところです。お会いしたいので僕の、この携帯に電話をしてほしい」と突然の留守番電話が入っているのに気づき折り返すと「伊神さんの携帯電話と(あす会う人物の電話番号を)勘違いしたようだ」とのこと。よくあることだ。私などもスマートフォンを手にし、さてかけようとする際などに指が勝手に作用し、まったく別の方にかかってしまい慌てて取り消し謝るケースがよくある。
 このところの猛暑でまったく効きめがなかった、わが家二階の旧式大型クーラーが今夜はよく効き、ホッとしている。というのは、「もう寿命なのだから。早く替えてしまいたい」と妻(舞)が見切りをつけようとしているからで「新品にかえたところで、これだけ暑くては効かないものはきかない」と私。以前にも本欄でふれたが、このクーラーは私たちが四十年ほど前、志摩半島で駆け落ち脱走記者生活を始めたころ購入した愛着深い名機だからである。今はよれよれになりながらも必死の形相で動いてくれている。私たちにとっては、恩人なのだ。
「過去を振り返ることはやめ、明日に向かって」が口癖の舞は「いつまでも未練たらしい」のが嫌で、この際スッパリと切ってしまいたいらしい。でも〈楽しみはあとからよ〉と言ったのは、誰だ。このクーラーは、これまで〈楽しみはあとからよ〉を実践してくれてきている。
        ×        ×
 連日の大入り満員で盛り上がった大相撲名古屋場所は横綱白鵬が混戦を制して13勝2敗で三十回目の優勝を成し遂げた。能登半島・穴水出身の西前頭5枚目の遠藤が8勝7敗で勝ち越し、エジプト出身の同3枚目大砂嵐は7勝8敗と負け越した。「夏の甲子園」出場への切符をかけ、熱戦が繰り広げられている高校野球各地区予選。石川大会は9回裏に星稜が小松大谷を9―8で大逆転し2年連続17回目の出場を決めた。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「私にとっても家族にとっても(日本のプロ野球界に移籍するのは)大きな決断だった。日本ですばらしい結果を出せるよう頑張りたい」「彼の人生のなかでは、とても大きな出来事。家族みんなで応援しているし、彼は最高の場所で戦っている」=27日夜、NHKサンデースポーツ〈野球大国キューバ 踏み出した〝開国〟〉のなかで。今春、巨人に入団、キューバからの海外移籍第1号となったフレデリク・セぺダ外野手(34)と妻

【新聞テレビから】
☆『金華山彩る光 長良川中日花火』『水面に光映える 津馬天王祭』、『猛暑地点今夏最多 東近江で38・8度』『熱中症で1389人搬送 10人死亡』、『危険ドラッグ警官逮捕』『愛知県警 ネット購入 所持容疑』『逮捕警官は交通畑 事故捜査を担当』(27日付、中日朝刊)
☆『米欧が停戦延長要求 外相共同声明 ガザ死者1000人超す』、『北朝鮮 弾道ミサイル発射』、『被災42市町村 震災理由に106人退職 本紙調査 心身の疲弊深刻』、『猛暑11人死亡 熱中症で1500人超搬送』、『岩瀬通算400S』、『生活保護費を三重受給 公判中の女 詐欺容疑再逮捕へ 静岡県警』『住所不定装い』『専門家「自治体間で情報一元化を」』(27日付、毎日朝刊)

七月二十六日
 中日ドラゴンズの岩瀬仁紀投手が、本日ナゴヤドームであった巨人戦で前人未到、プロ野球史上初の通算400セーブを達成した。おめでとう! 岩瀬さん。
「こんばんは。やりました。岩瀬が400セーブ達成しました。生で観戦できて嬉しいです」。突然のメール。興奮の度合いが伝わってきて、感極まったのは、北海道からナゴヤドームまで観戦に訪れていた帯広ドラキチ会メンバーで、ドラゴンズ公式ファンクラブ会員でもある会川桂市さんから届いたメールである。
        ×        ×
 土曜日。炎熱のなかをマイカーで走り回り、さすがに少し疲れた。
 走り回る、とはいっても若い日のように取材に飛び回るのとは少し訳が違う。これすなわち、全て我が輩の芸のため、といえば聞こえはいい。要は〝あそび〟のため、だ。
 ひとつは木曽川をまたぐ愛岐大橋を越えた、その向こう側、各務原市民会館で毎週土曜に行われている社交ダンスのレッスンへの参加。いま一つは、北名古屋市は名鉄西春駅近く名鉄コミュニティサロン西春での南米楽器ケーナ・サンポーニャの「ロべちゃん’sスクール」に出るためである。ロべちゃん’sとは、先生の名前がロベルトゴンサ(RobertoGonza)さん=大阪府寝屋川市在住=だからで、私はゴンタ、先生はゴンサさんで、なんだかとても息があいそうである。

 歩みこそのろくとも、どれも一歩一歩上達していくことが出来れば、と思っている。これらの【芸】が向上するに従い、私にとっての究極の目標でもある私なりの〝文学の域〟に達する、とそう信じている。私の文学哲学は、何よりも文の分かりやすさにあるが、ダンス、横笛、サンポーニャを極めていくうえでもこの〈分かりやすさ〉は同じである。
        ×        ×
 2カ月ぶりに復帰した楽天の星野監督がKスタ宮城での復帰2戦目の日ハム戦で3―2で勝利。あの今は亡き安江都々子さんが生きていたなら、小躍りして喜んだに違いない。

【きょうの一文・ことば】
「本当に一つひとつの積み重ねで、ここまでやってくることが出来ました。これから先もあるのでキチッ、と0点で終われるよう、やりたいです。」「今回は最初から一発で決めてやろうと決めていました。」「(落合元監督からは)おめでとう、の言葉に『(ただ500セーブ達成という大目標を)まだ、わかっているな』と言われました」=400セーブを達成したドラゴンズの岩瀬投手

「女児を監禁して育てたいという動機の事件は国内外で起き続けていて、学歴や職業とは関係ない。事件を起こす人の性質として孤独で人付き合いが少ないなどの特徴があるが、実家で1人暮らしという状況が、元々あった欲望に拍車をかけたのかもしれない」=26日付毎日朝刊『哲学を専攻 挫折の過去』『岡山の女児監禁容疑者 県警、全容解明急ぐ』の記事中。法政大文学部の越智啓太教授(犯罪心理学)の推測

【新聞テレビから】
☆『震災後やっと海開き 岩手・吉里吉里』『参加騎馬数9割に戻る 福島・相馬野馬追い』『豊漁願う鯛まつり』、『400人犠牲 語り継ぐ』『大阪で模擬原爆の追悼式』、『大阪・淀川 絶滅危惧伝統に逆風 街中ウナギ漁肩身せまく』『天然物 制限求める声 木曽川や豊川など生息』(26日付、中日夕刊)
☆『ガザ 12時間停戦へ』『イスラエル、ハマス 米仲介案同意』、『○eye 反核訴える3304枚 「ライフワーク」原爆ドームを描く』(26日付、毎日夕刊)
☆『沖縄知事選 保守分裂に』『那覇市長出馬へ 辺野古移設に反対』『福島も今秋 結果が政権左右』『「日韓改善へ都市外交」 都知事、朴大統領と一致』、『欧州からロマンスの魔法 栄でバレエ公演』、『名鉄フェリー廃止確認 師崎―伊良湖』、『高山に総合技能集団 屋台守る七分野の侍 織物業者参加 全工程担う』(26日付、中日朝刊)
☆『ガザ避難民15万人 過去最大 米、停戦求め調整』、『マック、中国製鶏肉中止 タイ製に 品切れの恐れ』、『中電で今夏最大需要=25日、管内の需要が午後2時台に2452万キロワットと今夏最大を記録』、『名駅暴走容疑者を起訴 殺人未遂罪 責任能力問えると判断』『ひき逃げ容疑者「人とは思わず」 愛知・小牧』(26日付、毎日朝刊)

七月二十五日
 岐阜県多治見市で午後二時に39・3度を記録。今季の全国最高となった。
 名古屋も38・2度にまで上昇。きょうは全国187地点で35度以上の猛暑日となり、どこもかしこも猛烈な暑さに襲われた。この日、熱中症で病院に運ばれたのは全国で老若男女合わせて1120人。うち2人が死亡、16人(うち4人が一時、意識不明に陥った)が重傷。「晩は寝られんし、もう、疲れてくるばっかし。年寄りには(この暑さは)厳しい」との悲鳴が炎熱日本列島のあちこちから聴こえてきた。
 北海道では札幌はじめ全域で「もや」が出現、夜景が美しいはずの函館もこの夜に限っては、もやに包まれ、せっかくの景観も台無しに。ロシアの森林火災の影響か、シベリアから流れてきた煙によるためらしい。それにしても、きょうの北の大地は、どこもかしこも「火事のあとみたいに焼けたにおいまでがする」ということで傷だらけの大地が、かわいそうに見えたのである。
        ×        ×
 朝食の飯台に「ハイ、これっ」と差し出されたのが、長さ20㌢ほどはあろうか。青い糸瓜(へちま)であった。この糸瓜、私の書斎の窓で目隠し替わりの蔓がだんだんと大きくなってきていたのには気づいていたが。まさか、こんなに大きな実までが育っていたとは。驚いた。
 ピンポーンと玄関の呼び鈴が鳴る。顔を出すとお隣のオオツキさまの奥さまだった。「あの、これ」と玄関先に置いた野菜を前に「食べてください」と続けた。恐縮して「ご主人にくれぐれも、よろしくお伝えください」と私。見るとミニトマトとゴーヤ、茄子が紙袋いっぱいに入っており私は「いつも、いつも申し訳ございません。ありがとう」と、もう一度あらためて頭を下げた。
 野菜といえば、わが家は実家の母や兄、妹からもスイカやらトウモロコシ、キュウリなどそれぞれ腕自慢・味自慢の〝逸品〟をいただくが、先日は同じ花霞町内のハセガワさまご夫妻からも、心尽くしのトマトや茄子、キュウリをいただき、こんなにもらってばかりで良いのか、と少し気にはなっている。でも、手塩に育てられた愛の結晶ばかりなのだから、自慢は素直に受けた方がいい。オオツキさまもハセガワさまご夫妻も人生の大先輩だけに、つくづく有り難いと感謝。現役時代には思いもしなかったご近所付き合いという〝楽しい事件〟が今、私たち夫婦にも起こりつつある。それはそれで、とてもいいことだ。
        ×        ×
 病気療養中だった楽天・星野仙一監督が【東北を再び熱く】と、Kスタ宮城での対日本ハム戦で復帰。8―1で敗れはしたが、ファンに温かく迎えられ、相変わらず存在感は抜群である。中日ドラゴンズはナゴヤドームで巨人戦。10―0で撃破した。イスラエル軍がガザの国連避難所を攻撃。17人が亡くなった。名古屋場所は横綱白鵬が大関稀勢の里に敗れて2敗に。優勝争いは混沌としてきた。

【きょうの一文・ことば】
「出席者は前回の半分に減った。次はみんなで出るのは無理ね、と歌えなかった『卒業式の歌』を歌おうと決めた」=25日付中日夕刊『歌えなかった卒業の歌を 戦禍の元女学生、70年ごし合唱へ』の記事中。浜松市中区蜆塚の鈴木美恵子さん(86)

【新聞テレビから】
☆『多治見39・1度 今季全国最高』『猛暑の仕事術 あえて厚地で■塩分こまめに』、『日本人の死刑執行 覚せい剤密輸絡み 中国で5人目』、『潜水艦極限と悲哀 伊29号艦内誌碧南で発見 「平和教育の一助に」』『「朴大統領関係改善に意欲」』『舛添都知事が40分会談』、『契約社員1万人 60歳まで雇用へ 三菱UFJ銀、来春から』(25日付、中日夕刊)
☆『空の安全願い100号 悲しみ「一人でない」』『日航ジャンボ墜落 遺族の会報「おすたか」』、『写真を撮って目指せ社長!』『岐阜・未来工業 イタリア社員旅行で撮影 1位なら会社設立権獲得』、『親睦会費着服の巡査長=愛知県警豊田署の男性巡査長(31)。親睦会費の口座から約100回にわたって約382万円を着服=書類送検 愛知県警』、『慰安婦へ「完全な賠償」を ヘイトスピーチ禁止せよ』『国連人権委 日本に勧告』(25日付、毎日夕刊)
☆『日本文化に関心 ミクロネシア学生訪問団が江南市へ』『出張!なんでも鑑定団in江南 29日に放送』(25日付、尾北ホームニュース)
☆『吹き流しきらきら 一宮七夕まつり』『私の太陽 黄色満面 南知多』『ハロー! 伊賀牛でござる 米に来月進出 忍者もPR』、『危険ドラッグ製造に手順書 原料密輸容疑者 実家納屋で作業』『石川(県七尾市)の納屋 鍵交換、机やライト』、『大垣署、企業に個人情報提供 住民「反対運動つぶされる」』『「導水路 長期的視野で」』『名地裁判決 公金支出に理解示す』(25日付、中日朝刊)
☆『最高裁、裁判員判決を破棄 1歳虐待死 求刑の1・5倍「不当」』(25日付、毎日朝刊)

七月二十四日
 きょうも猛暑の一日となった。
 花霞の資源ごみ分別収集の統括当番日。で、午前6時半には妻と自宅近く所定の集積場へ。着くと同時に私より先に、現場を訪れていた総代が「しまった。これで3回連続ですよ」と悔しそうなので「何ごとですか」と集積場を見ると、前回同様、大量のごみが、またしても放棄されていた。警察に連絡、お巡りさんが駆け付け検分する騒ぎに。

 写真は不法に投棄されたごみの山と防犯カメラ、検分に忙しいお巡りさん=江南市花霞の資源ごみ分別収集置場で
 
 
 
 

 現場には不法投棄監視中の防犯カメラも置かれているのに。犯人は大胆不敵にも、堂々と大量を投棄。分別はされていたので、恐らく今日が資源ごみ収集日であることなど大体を知り尽くした何者かが引っ越しか何かで深夜から未明にかけ、そのまま放置していったものらしい。
 いずれにせよ、後味の悪い当番日となってしまった。とはいえ、町内の人々から出される資源ゴミは相当な量で、不法投棄ごみも全体の量が増えるに従い、さらに巨大なごみの渦にのみこまれてしまい、時の経過に従い当初の怒りが少しずつやわらいでいった。これは、不思議な感情である。
 だからといって許される行為ではない。やはり、自分勝手な不法投棄は社会の秩序を乱す。街づくりは公徳心からで、このうえは一人ひとりの良心に待つほかない。

 というわけで、分別収集作業がひととおり終わるのを確かめたところで、今度は社交ダンスのレッスンへ。帰宅後は、市の収集車が全てのごみを運びきるまで二度、三度と現場へ足を運んでチェック。夕方、鉄の鎖が入り口部分に出されているところを確認して、やっと安堵。この間も新聞チェック、執筆、ウエブ文学同人誌「熱砂」への自作テーマエッセイ(テーマは「忘れもの」)の【消えたICレコーダー】の出稿と、時はまたたくまに過ぎていった。
        ×        ×
 小牧のひき逃げ死亡事故現場。
 昔、小牧在任時にあった同じひき逃げ死亡事故の近くで他人ごとではない気持ちに。被害者は、毎晩、馴染みの居酒屋で酒に酔って帰宅途中に、空を見て路上で寝るのが常だった。当時は田んぼのなかの一本道で、車が通ることも殆どないので安心しきって寝ていたところをひき逃げされた。
 あのとき亡くなる前に被害者が寄った居酒屋の女将によれば、「お酒が大好きでして。いいお人でした。天涯孤独が口癖で、いつも酔っぱらって〝柿の木坂〟を歌い終えると、帰られるのが日課でした」とも。いくらなんでも路上でなんか寝なくとも良かったのに―と思い、残念で仕方がなかったことを覚えている。    
 サッカー日本代表の新監督に元メキシコ代表監督のハビエル・アギレ氏(55)が決定。乗客、乗員116人を乗せたアルジェリア航空機が西アフリカのブルキナファソからアルジェに向かって飛行中、離陸後50分後に消息を絶ち、その後アルジェリア航空当局が墜落した、と明らかにした。このところ航空機の受難が相次いでおり、何かにたたられているようだ。
 精神科患者で長期入院中は、この日本だけでも実に20万人に達する、という。中日新聞朝刊の〈通風筒〉によれば、名古屋・名駅の名鉄百貨店前で「ゴジラ」の手が壁を突き破り、名物マネキン「ナナちゃん人形」をわしづかみに。なんでも【25日に全国公開される米ハリウッド映画「GODZLLA」のPRの一環】とかで、ゴジラの映画第1作公開から60年を迎え、配給元の東宝が、ナナちゃんを設置する名鉄百貨店の開店60年にも合わせた企画だそうだ。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「婚姻届を出す夫婦に、穴の開いたコンドームを配ってはどうか」=24日付中日朝刊『不適切発言 指摘の議員に矛先』『新城市議会 発信制限ルール』の記事中。愛知県新城市議会で長田共永市議(49、無所属)が少子化対策として発言、問題化した

【新聞テレビから】
☆『祇園祭49年ぶり後祭 大船鉾 都大路へ船出』、『小保方氏側がNHKへ抗議 「長時間追われ、けが」』、『★両陛下、(気仙沼市)魚市場を視察』、『木曽川導水路「支出は妥当」 名古屋地裁 住民敗訴の判決』、『岐阜県警 個人情報漏えい』『風力発電建設で 反対住民学歴など』、『トラック運転手を逮捕 小牧ひき逃げ、容疑認める』(24日付、中日夕刊)
☆『韓国大統領あす舛添知事と会談』、『悲しみの列40台 旅客機撃墜 祈りのオランダ』『オランダが主導 米露や英独参加 国際調査団』『プーチン氏長女「国外追放を」 オランダの市長 後に謝罪』、『自爆テロ? 82人死亡 ナイジェリア (イスラム過激派の)ボコ・ハラム関与か』、『外交文書公開 ニクソン氏、異例の「失望」』『繊維交渉決裂 佐藤氏に書簡』、『青森から東京へ復興支援リレー 高橋尚子さんら参加』、『まな、お母さんのところに帰ってきて』『郡上・女児不明5年』『チラシ配り情報提供呼び掛け』、(24日付、毎日夕刊)
☆『南木曽 元気届け』『絵手紙でエール続々』、『危険ドラッグ原料 中国から』『輸入疑い2人逮捕』『海岸さんの流入横行』、『台湾機墜落50人死亡か 離島で着陸に失敗、炎上』、『クロマグロ沖縄で養殖』『豊田通商計画、来年中にも』、『会社ぐるみ長年不正か』『期限切れ肉 幹部5人を拘束=中国上海市の食肉加工会社「上海福喜食品」』『チキンナゲット マック販売再開 別の会社製』(24日付、中日朝刊)
☆『名古屋と津 初の猛暑日』、『浅田選手 優美に「ボレロ」』、『マレーシア機撃墜「機体残骸に切断跡」 親露派、証拠隠滅か』、『■札幌ボンベ爆発、女を5回目逮捕』(24日付、毎日朝刊)

平成二十六年七月二十三日
 夏の暑さが極まる【大暑】。
 暦どおり、午前中から広島33・9、名古屋33・3、京都33・2、東京33・1度…と各地で真夏日となり、全国十七カ所で35度以上の猛暑日に。名古屋は35・0度を記録した(ちなみに東京は33・1度、津は35・8度、松山34・2度)。先週1週間に熱中症で病院に運ばれた人は全国で3179人に及び、うち3人が死亡、重症は61人に及んだという。このうち半数近くが65歳以上の高齢者だそうだ。
        ×        ×
 名古屋への行き帰りに読んだ文學界八月号。たまたま目にした「詩人はなぜ、思想家になったのか―吉本隆明の態度」(若松英輔)に、こんな興味深いことが書かれていた。
―詩とはなにか。それは現実の社会で口に出せば全世界を凍らせるかもしれないほんとのことを、かくという行為で口に出すことである。(「詩とはなにか」)
 (中略)
 …宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」に次の一節がある。「この人のほんとうの幸(さいわい)になるなら自分があの光る天の川の河原に立って百年つづけて立って鳥をとってやってもいいというような気がして、どうしてももう黙っていられなくなりました」。賢治の生涯もまた「ほんとのこと」の探求に費やされた。賢治は吉本がもっとも愛した詩人であり、また彼にとって不可視な同伴者だった。
        ×        ×
 私だけかもしれないが、よく分かる。

 きょうは、文学談義ついでに。
 わが家に届いた七尾の短歌雑誌「澪(れい)」(2014年7月号)を読み、能登という土地からにじみ出る作品群の奥の深さ、力作ぞろいに唸った。なかに、わが妻、伊神舞子が知らない間に「澪」同人として【憲法九条】の題で出稿していたのには驚かされた。以下、九首のうちの3首をここに記しておきたい。
♪ゴジラはGODZILLAとよみがえる伝説にあらず六十年の時
♪水すまし「人間なんてラララララ」跳ねて泳いで跳ねて泳いで
♪あの世からメールの届く特攻になりたる人の叫びと無念

 ついでながら、巻頭はかつて互いに底が知れないほどの飲み友だちだった、あの能登・七尾、いや北陸を代表する歌人山崎国枝子さんの〈山あじさい〉の十二首が飾っていた。うち三首を、ここに紹介させて頂こう。
♪あかるめば露をふくみし紫陽花の道の片側青のしたたる
♪雨上がりに抜く雑草の柔らかくやさしきものに心かたむく
♪やや赤き塩鮭の切り身皿にのせ一人の昼のひとりの食事
 能登はやさしや土までも、の国ならではの作風に思えてしかたがない。
 ほかに古田敏子さんの夫・古田精一さん撮影による〈表紙 上高地〉の写真はじめ、明道子さん、泉淑子さん、木倉由美子さん、岸昭夫さん、北村和代さん、崎田富代さん…ら同人二十氏、それぞれのほとばしり出る短歌の妙には正直、感服させられた。皆さん楽しく、お元気そうで何よりである。
 作家といえば、きょうはわが知己でもある太田治子さんからも心温まる便りが届いた。小包みの片隅に書かれた、たった一行「何よりもお元気で」のことばが嬉しかった。
 月日はこうして流れてゆく。人はやはり、人間という川をながれてゆく。そんな気がしてしかたがない。どこへ辿り着くのか。
☆        ☆
 サッカーワールドカップW杯ブラジル大会得点王(6得点)のコロンビア代表、ハメス・ロドリゲス(23)がスペイン1部リーグ、レアル・マドリードに移籍。スペインの報道によれば、移籍金は約8000万ユーロ(約110億円)。「夢がかない、本当にすばらしい。ここで終わるわけではない。心もからだも準備万端。ここでのボクの目標は勝ち続けることです」とロドリゲス。台湾の離島・澎湖島で高雄発の民間機が着陸に失敗し、乗員乗客51人が亡くなったという。 

【きょうの一文・ことば】
「政治は血を流さない戦争である。一方、戦争は血を流す政治だ」=23日付毎日朝刊1面〈余録〉から。毛沢東のことば

【新聞テレビから】
☆『親ロ派 誤射の可能性』『民間機撃墜 米指摘「ロシアに責任」』『EU、ロに金融制裁警告 来週にも首脳会談開催へ』『オランダ「遺体200体」 親ロ派の「282」と食い違う』、『仮設の商店街 両陛下が訪問 南三陸』、『「最大の公害」原発に警鐘』『足尾鉱毒記録映画 足掛け40年、完成』、『細胞シートで女児心臓治療 大阪大、(11歳の)子どもに初移植』、『大暑 名古屋で初の猛暑日』、『ウナギ産地久々の活気 稚魚量持ち直し 一色、休業者復帰』、『期限切れ肉 組織的不正か』『上海の食品会社 責任者ら5人聴取』『輸入を差し止め 官房長官』(23日付、中日夕刊)
☆『旅客機撃墜 収容遺体は200体 オランダ側 捜索やり直し要求』、『「復興の歩み伝えたい」 南三陸 写真店主、両陛下と対面 心込めた10枚用意』『仮設商店街訪問 商店主らと懇談』、『花嫁姿の35人 1.5㌔練り歩く 南会津』、『中国内9社に納品 期限切れ肉混入業者』『「お客様の信頼裏切った』陳謝 ファミマ社長』(23日付、毎日夕刊)
☆『遺体 ウクライナ統治下に』『搬送列車到着 空路オランダへ』、『統合失調症83遺伝子関与 藤田保健大など 新たに特定、新薬に光』、『中国産鶏肉 期限切れか』『マック・ファミマ 1万店販売中止』、『登山ルートに難易度 長野県が初 体力・技術で判断』、『〈文化〉中部の文芸 小説・評論清水信 『文学館』発行やセミナー 多彩な日中文学交流』(23日付、中日朝刊)
☆『ゆり園列車が行くよ 岐阜・郡上』、『福島第1原発 汚染水タンクに中古品 20~30基 東電は未公表 メーカー保証なし』『汚染水タンク 急場の中古品そのまま 東電、国会でも触れず』、『(トヨタ自動車が年度内に国内販売を始める)燃料電池車、自動車税免除へ 最大5年11カ月分 愛知県が支援』『中小企業導入時に補助も』、『「危険(ドラッグ)」怖さ強調 脱法ドラッグ 新名称』(23日付、毎日朝刊)

七月二十二日
 関東甲信も、きのうの名古屋に続いて梅雨明け。
 夏がきた。
♭帆はいつも遠きところや月見草   下鉢 清子
♯月見草ひらかんと身をよぢらせて  青柳志解樹

 名もなき一匹文士(いっぴきぶんし)と、月見草を気取る私の今現在、偽らざる心境である。
        ×        ×
 ウクライナ東部でのマレーシア機撃墜事故に関連、親露派武装勢力のドネツク人民共和国首相・ボロダイ氏がマレーシア・ナジブ首相との電話会談で協力姿勢を見せ、事故機のフライトレコーダーとボイスレコーダーがマレーシア側に渡されたという。同じ人間同士だ。ロシア、ウクライナ政府側ともに、このところ情報戦の様相を呈しているが、この際、互いに撃墜機の犠牲者の立場に立ち、譲り合って事故後の遺体引き渡しなどにも全力を注いでほしい(この後の話し合いで、遺体はウクライナのハリコフ経由でオランダに移送され、遺族の立ち会いの下、検視作業を進めて引き渡されることになった)。
 起きてしまったものは、どうにもならない。でも、なぜ、こうした悲劇が起きたのかを、真剣に考え、この際、国際協調への姿勢を深め、双方とも真摯に事故後の処理に当たってくれたなら、と思う。でなければ、突然命を散らした仏さまが浮かばれまい。
 一方のパレスチナ自治区ガザ。ここではイスラエル軍のガザ地区への地上侵攻など戦闘拡大に伴い犠牲者は増える一方だ。これまでに560人以上が亡くなり、避難民も10万人に達しているという。こちらも戦禍を広げることなく停戦してほしく思う。

【きょうの一文・ことば】
(1989年5月27日、横浜スタヂアムでの第1号から)毎年、少しずつ打ってやってきてここまできました。=22日夜、横浜スタヂアムでの対DeNA戦で。26年連続ホームラン記録を打ち立てた中日ドラゴンズ谷繁元信選手兼任監督(43)、ヒーローインタビューのお立ち台で。ドラゴンズは、この日横浜でDeNAと対戦、7―3で快勝した

【新聞テレビから】
☆『ロシア国防省〝情報戦〟で反論 対ロ包囲網にプーチン計算』(22日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『ブラックボックス親ロ派が引き渡し 撃墜事件 マレーシア当局者に』、『「卒原発」継承を確認 滋賀の三日月知事 初登頂』、『遺体は沈没船会社会長 韓国 指紋などで確認、自殺か』、『加藤唐九郎氏の孫 大麻所持容疑逮捕 中部空港署』『「危険ドラッグ」「脱法」改め新呼称』(22日付、中日夕刊)
☆『■両陛下が宮城へ出発』、『旅客機撃墜 親露派、遺体引き渡し 飛行記録も 態度を軟化』『安保理が非難決議採択』、『オスプレイ佐賀配備要請』『副防衛相 米機受け入れも』、『女子高生殺害認める 三鷹ストーカー被告 地裁初公判』(22日付、毎日夕刊)
☆『〈核開発の果て 米ハンフォードルポー上ー〉漏れ続ける汚染水 長崎のプルトニウム製造(米ワシントン州ハンフォードで、長田弘己)』、『お待たせ東海梅雨明け』、『ウクライナ東部で激戦 空爆や銃撃戦 死傷者多数』、『エレベーター停止1時間閉じ込め 地下鉄名城公園駅 乗客9人、救出される』、『監禁目的? 部屋改装』『倉敷の事件「殺す」脅し 連れ去る』、『かがやく夏物語 名古屋みなと祭』(22日付、中日朝刊)
☆『■瀬戸内寂聴さん、故郷の拠点=「寂聴 ナルト・サンガ」(徳島県鳴門市)=閉鎖へ』、〈見えない鎖①ハイチ・ドミニカ報告〉『子ども奴隷の闇ハイチ』『1日1食 寝るのは床 「逃げる場所もない」』(22日付、毎日朝刊)

七月二十一日
 月曜日で〝海の記念日〟。祝日である。能登にいたころ、この季節になると一連の七尾港まつりで、ちびっこ広場や和倉の花火大会開催などで心地よく振り回されていた。あの日々は、もはや帰りはしない。
 九州北部と山口県、近畿、東海地方が梅雨明け。気象庁によると、九州北部と山口県は平年より2日遅く近畿、東海は平年並み。昨年と比べれば、九州北部と山口、近畿は13日、東海は14日遅いという。
        ×        ×
 文學界六月号を取り出し、先日芥川賞に選ばれた柴崎友香さんの「春の庭」をあらためて読み返してみる。全編を通じ私が気に入ったのは、「空き家であるときは停止していた時間」が(人が住むことによって)動き出す下り=71頁下段=。この部分を中心とした随所に見られる卓越した表現力と筆致で、具体的には以下の通りだ(一部抜粋)。
―…写真の中と同じくいつまでも眺めていられると思い込んでいた家が、意思をもって動き始めたように感じた。大げさかもしれないが、人形が人間になったような生々しさがあった。家の前を通るたび、ポストからはみ出した封筒やベランダに干されたシーツが目に入るたび、西は体の内側を撫でられたようなむずむずした感触を覚えた。
 ……
 空き家だったときよりもいっそうあの家を近しく感じると同時に、他人の家になって入ってはいけない場所になった。入れないのだと思うと、入ってみたくなった。
 ……
        ×        ×
 欲を言えば、筋立てが絶妙で一気に読ませる筆力を感じさせ、最終局面で名古屋の姉を登場させ読者に親しみを感じさせると同時に何が始まるか、とドキドキさせる展開だっただけに、ラストをうまく逃げて、ストーリー全体に余韻を持たせて着地させるべきだったのでは。
 実際、最終場面で土を掘らせ、フィニッシュに映画のロケシーンをもってきたのは、それなりの工夫ではあろうが、私に言わせれば余分であり蛇足意外の何ものでもない。原稿の枚数が決まっており、とってつけた苦し紛れの投球だったような気がしてならない。
 選考委員氏は「完成度もよく」と評価しているようだが、それは最終局面の手前までのことであり、一読者として言わせてもらえばフィニッシュは独りよがりの展開で決してよくなかった。意味不明である。分かりづらい。それより、ここは練りに練られた文体とストーリー性を評価すべきだと思う。

 この「春の庭」とは別に、たまたま見落としを妻に指摘されて読んだ中日新聞の〈週刊読書かいわい・文学一般〉で文芸評論家の清水良典さん(愛知淑徳大学教授)が取り上げていた淺川継太さんの「ある日の結婚」(講談社)。これは読んでみたい、気にさせる良い文だった。愛し合った男女がセックスを超え、互いのからだを口に貪りあう―という展開で「小説の大原則を超えた先へ」(見出し)を実践した小説とは、どんなだろう。
 だから、舞にきのう近くの夢屋書店にまで行こう、と誘われ、付き合わされたのだ(あいにく目的の本はなかったので、いつも文學界や一枚の繪、短歌俳句雑誌など諸々を届けてもらっている馴染みの本屋さんにお願いすることに)。その訳が今日になってわかった。
        ★        ★
 イスラエル軍侵攻後のパレスチナ自治区ガザでの死者数はとうとう五百人を超えた。ケガ人となると、三千人以上に及ぶという。一方のイスラエル軍も十八人が死亡した、とのこと。まさに血で血を洗う醜い戦争とはこのことか。
 ニンゲンの愚かさの極みと言えば、ウクライナ東部ドネックで起きたマレーシア航空機の撃墜事件を巡っての親露派武装集団とウクライナ政府の罪のなすりあいも、その典型的な例だといってよい。今夜のメ~テレ〈報道ステーション〉の現地からの記者報告によれば、「空から二十以上の人影が降ってきた、と周辺住民が話していた」とのことだ。
 ニンゲン、だれとて一瞬のうちに消え入る運命なのに。なぜ、こうまでに憎しみあわねばならないのか。運命で片づけるには、あまりにも悲惨過ぎるではないか。同じ人間として生まれてきながら、だ。

【きょうの一文・ことば】
 人間は笑える唯一の動物なので、僕はその〝笑い〟を大切にしたい。今は、井上ひさしさんなどユーモア作家が多くはなってきた。ただ純文学となると、ユーモアはまだ少ない。僕の場合は、シリアスな純文学を書くと疲れるので、その次にはエンターテイメント小説を書くようにしている。=NHK第二・ラジオアーカイブスカルチャーラジオ〈北杜夫自作「どくとるマンボウ航海記〉を語る(昭和55年1月28日収録分)、から

【新聞テレビから】
☆『ふわり 幸福の翼 岐阜・垂井=国の特別天然記念物のコウノトリ1羽が飛来』、『米欧、対ロ批判強める 撃墜事件 豪「G20排除を」』、『〈訃報〉河北新報社社主 一力一夫氏死去=仙台市内の病院で。88歳』、『オスプレイ佐賀空港配備 防衛省意向 陸自導入予定17機』、『化粧まわしに父の重み 名古屋場所 知立出身の近藤 新序出世披露』(21日付、中日朝刊)
☆『旅客機撃墜 収容遺体 親露派奪う「国際調査まで保管」』『貴重品略奪の情報も』『国際エイズ会議 悲しみの中開催 墜落機に専門家』、『被害7年連続ワーストの愛知県』『空き巣天国返上へ躍起』『パトロール強化 検挙数増』、『身元不明保護169人』『6月調査時の3倍 認知症は14人』(21日付、毎日朝刊)

七月二十日
 夜、激しい雷雨。稲光と轟音、たたきつける雨のなか、いったん電気が消えたかと思うも、すぐついた。テレビ画面には「一宮、江南 大雨洪水警報」の字幕が流れて消えた。
 昼間、妻と実家に出向くと父の祥月命日(七月二十四日)とお盆を前に兄夫妻が家の掃除をしていた。弁護士として超多忙なのに、やはり兄貴は長男の責任を果たしており、えらい。違うな、とあらためて尊敬する。能天気な私。合間を見て満94歳の母を囲み、持ち寄った餡まきとタコ焼きをパクつきながら、ことしのスイカの美味しさと出来栄えについて談笑。
「お袋が畑に行きスイカを見るときには、目の色がかわる。それだけスイカに対する愛情が凄い、という証拠だ」と兄が言えば「スイカはネ、育てるのが大変なの。一度育てたら、八年間は同じ場所で育ててはいけないのだから。スイカ栽培は子育てと同じ。〈わが子恋しさ〉のあまり、どれだけ畑まで(一人で)出かけたことやら」と母。確かに母の育てたスイカの味は絶品である。
        ×        ×
 パレスチナ自治区ガザではイスラエル軍の地上侵攻が進むに従って、あどけない子どもたちや女性ら一般市民の無抵抗の【殺戮】が増え続け、ウクライ東部上空でのマレーシア航空機撃墜も犠牲者二百九十八人のうち、子どもが八十人に及んでいることが分かった。そして。その現場では、撃墜犯と見られる親露派武装勢力がOSCE(欧州安全保障協力機構)代表団による調査を妨害するという異常事態が続いている。
 スピードスケートの浅田真央さん(中京大)が、ロングヘアを切ったショートヘアで姉舞さんと五月の休息宣言後、初の国内=長野市=でのアイスショーに出演。姉妹で映画〈アナと雪の女王〉を主題歌に合わせ華麗に踊ってみせた。大相撲は大砂嵐が横綱白鵬に挑み善戦したが、最後は土俵上にたたきつけられ、連続金星3とはいかなかった。

【きょうの一文・ことば】
「ありえないことが起きてしまった。こんなことは何億年に一度のこと。どうしてよいのか分からない…」=ことし3月、インド洋周辺で起きたマレーシア航空MH370便の行方不明での息子2人に続き、今度のウクライナ東部上空での同航空MH17便撃墜でこんどは孫2人を失った遺族男性の話
「事故が起きた国が責任を負うべきだ」=マレーシア航空機撃墜で親ロシア派武装勢力とウクライナ政府の主張が真っ向対立するなか、ロシアのプーチン大統領

【新聞テレビから】
☆『〈川内原発〉規制委が〝適合〟判断 再稼働まっぴらだ』『住民のたたかい正念場』『対策極めて不十分』『鹿児島県民の安全守れない』(7月20日号しんぶん赤旗日曜版)
☆『〝(失うものない)無敵の人〟が記す 自らの罪独白44頁全容』(20日夜、東海テレビ〈Mr・サンデー〉)
☆『大谷球宴最速162㎞/h=日本ハムの大谷翔平投手が甲子園球場で、オールスターゲーム新記録となる球速162㌔をマーク』、『伊勢に大輪咲いた 神宮奉納花火大会』、『子ども80人犠牲 マレーシア機墜落 夏休みに悲劇』、『倉敷の小5女児保護 監禁容疑、49歳男逮捕』『不審車ナンバー決め手 女児保護「本当に良かった」』、『外国人実習生 ある縫製会社の実態 時給350円で超過残業』(20日付、中日朝刊)
☆『犠牲者告げる白い布 旅客機墜落 旅の遺品散乱 ウクライナ』、『いわき市の精神科医 心の傷に寄り添う 避難長期化で自殺未遂急増 「あなたのせいじゃない」』『震災関連の自殺 福島は増加続く』『7割の海水浴場閉鎖されたまま 岩手・宮城』、『尾張名古屋は「ナモ締め」だ 関東「一本締め」、博多手一本…に対抗』『財界挙げて応援 西川流家元が考案』『「優しい雰囲気大切に」』(20日付、毎日朝刊)

七月十九日
 夜遅く。午後11時を過ぎたところでテレビ画面にニュース速報が飛び込んだ。目と耳を凝らすと「今月14日から行方不明となっていた岡山県倉敷市の小5女児(11歳)が無事、保護され、40代の男を監禁の疑いで逮捕」というものだった。助かって「よかったわネ」と妻。
        ×        ×        
 午後4時過ぎ。
 文學界を手にしたままソファで知らぬ間に寝入っていたところを、〝ピンポーン〟の音に起こされた。半分、眠った状態で玄関ドアを開けると、そこには花霞町の町内会長さん(総代)の毅然とした、あの威厳のある、少し怖いような顔があった。
「きょうは1カ月に一度の三役会の日でして。電話しても出られないので。もう終えました」の弁。アッ、しまったと急に眠けが吹っ飛んだが、言い訳のしようがない。後の祭りで「申し訳ありませんでした」とただただ、平身低頭、頭を下げるほかなかった。 
 携帯は1~2時間に一度は必ずチェックしているのだが。たまたま、きょうは帰宅後、自室で充電の合間に、睡眠不足のところへ疲れていたこともあり、この日に限って別室で本を読むうちスッカリ寝入ってしまっていた。朝起き、岐阜に出向く前に「きょうは何か予定があったような気がし、スケジュール表を一度確かめなければ」と思いつつ、チェックを忘れており迂闊だった。
 妻には「アナタ、何しているのよ。大切な三役会で皆さま、一生懸命なのに。他の役員さんに失礼じゃないの」と叱られそうで、しばらく正視できなかった。あ~ぁ。人生いろいろ、だ。このところはICレコーダーの紛失に始まり、不覚続きだ。でも、失敗は成功の元だから、と自身を戒めている。
        ×        ×
 毎日遊んでいるようではある。でも、本欄執筆も含め結構日々あれやこれやと、時間が足りない。全くもって自分で自分の首を絞めているみたいで、ナンダカ名もなき一匹文士(いっぴきぶんし)が実りなき〝一人芝居〟に翻弄されている。そんな気がしないでもない。きょうは午前中、岐阜での社交ダンスレッスンに続き、午後は居眠り失敗熟睡をはさんで「熱砂」同人、黒宮涼さんの「死神の秘密〈その3〉」の熟読と校正、文學界の読書などに追われ、相も変わらずバタバタしている。
        ☆        ☆
 青森県の平川市。ここでは全市議20人のうち、15人までが公職選挙法違反容疑で逮捕され、まもなく補欠選挙が行われる。このニュースは連日、各マスコミでカネに弱い〝津軽選挙〟だ、として報道されている。要するに、清き一票を金で買う体質が問われている。とはいえ、私に言わせれば、昭和40年代後半の話だが、三重県志摩半島でも選挙違反で摘発された陣営がおにぎりに現なま(現金)を入れ、集票していた事実がある。
 というわけで、一票をお金で買う文化は別段、津軽地方に限ったことではなく、むしろ日本全域に沁み渡った悪しき文化のような気がしてならない。そして―なぜか、憎めないのは、なぜなのか?

【きょうの一文・ことば】
〈現地時間17日午後4:40〉
(日本時間同10:40)の記録
「飛行機を撃ち落とした。(ドネツク近郊)エナキエボの辺りに落ちた」(親露派メンバー)
「パイロットはどこにいる?」(ロシア軍関係者)
「捜索を出して飛行機の写真を撮った。柱のような煙が見える」(メンバー)
「何分前だ?」(軍関係者)
「約30分前だ」(メンバー)
〈同午後5:42の記録〉
「飛行機を撃墜したが民間機だった。グラボボ近郊に落ちた。女性や子どもの遺体の山だ。テレビではウクライナ軍のアントノフ26だと伝えているが、機体に「マレーシア航空」と書いてある。この飛行機は一体ウクライナ上空で何をしてたんだ?」(親露派メンバー)「スパイを運んでいたのだろう。一体全体なぜこんなところを飛んでいたのだ。ここは戦場だぞ(親露派コサック隊将軍)
=19日付毎日朝刊1面のウクライナ保安庁が公開した盗聴記録から

 恐れるゆえに安心を追い求め、人は工夫を凝らしてきた。「神の罰より主君の罰恐るべし 主君の罰より臣下百姓の罰恐るべし」。官兵衛こと黒田如水の遺訓。為政者たるもの、恐れ覚えたし。=19日付中日夕刊〈夕歩道〉から

【新聞テレビから】
☆『会長への辞任勧告 経営委に申し入れ NHK退職者ら=元ディレクターで作家の小中陽太郎さん、元アナウンサーで作家の下重暁子さんら計170人の連名』、『「ミサイルはロシア製(ブク地対空ミサイル、SA11)」 マレーシア機墜落 米「強力な証拠」』、『国際監視団視察 武装勢力が制止』、『ガザ 死者60人超』『国連事務総長中東を訪問へ』、『半村良さん「日本沈没」に衝撃 小松左京さんに手紙』『もう小説を書くのをよそうと思った』、『独・バッハコンバイオリン部門』『岡本さん(東京芸術大二年、岡本誠司さん、20歳。千葉県市川市出身)1位 日本人初』(19日付、中日夕刊)
☆『ドネツク親露派リーダーが辞任 内部対立か』、『イラン核協議延長 6カ国と合意 11月24日まで』、『ふがいないが、しっかり向き合う 故障離脱 田中が心境』(19日付、毎日夕刊)
☆『「親ロ派地域からミサイル」 マレーシア機撃墜 米大統領明言』『国際調査、安保理が要請』『墜落現場「悲惨すぎる」 ウクライナ 遺体 次々収容』『エイズ権威ら搭乗』、『有形文化財に166件 ▲神戸ポートタワー▼滋賀県庁舎本館』、『名鉄フェリー存続断念 師崎―伊良湖 9月末に廃止』、『深田祐介さん死去 82歳「炎熱商人」で直木賞』、『猫虐待死の疑い 男性を書類送検 長野県警』(19日付、中日朝刊)
☆『政府側「親露派のテロ」ウクライナ・旅客機撃墜 盗聴記録を公表 安保理が緊急会合 露大統領停戦呼び掛け』『エイズ研究者100人犠牲か』『旅客機撃墜 WHO報道官も』『3月に続き親族犠牲に マレーシア機で』『冗談のFB(フェイスブック)投稿、現実に オランダ人乗客「もし消えたらこんな飛行機」』、『人間国宝 小三治さんら』『文化審7人答申 磁器・今泉さん最年少』、『夏告げる手筒花火 豊橋』(19日付、毎日朝刊)

平成二十六年七月十八日
 世界は、次から次へと不幸が連鎖し、暗黒へと陥ってゆく。この星はいつだって、病んでいる。いっそ見えない神の手で、地球という星そのものを壊滅させてしまったらどうか。
 きょうは江南署駅前交番にまで出向いて、さる十四日夜から翌日未明にかけ姿を消したICレコーダーの遺失物届を出しておいた。若いお巡りさんが親切に応対してくれ、ふと同じ人間同士でありながら、世界各地で起きている殺戮の繰り返しと比べ、この平和は何なのか。やはり、日本は今のところ、幸せな国なのだ、と実感した次第である(【ICリコーダーを失くした】と言う私に「【ICレコーダー】では?」と、そのお巡りさん)。
        ×        ×
 ウクライナ東部ドネツク洲で十七日、乗客と乗員計二百九十八人が乗ったマレーシア航空のボーイング777が墜落した事件が国際的に波紋を広げている。私は、このニュースを聞くと同時に一九八三年九月一日の大韓航空機007便(ボーイング747)撃墜まもなく、現場である、あのモネロン島周辺オホーツクの海上空を飛んだときの恐怖の取材飛行を思い出した。
「チュウニチさん! カエレ、カエレ、カエレ。引き返すのだ! 国籍不明機が近づいている。カエレ」と何度も繰り返した稚内レーダーサイトからの警告
 あの声が今も耳にしみついて離れない。あのときも明らかにソ連戦闘機によって撃墜され、多くの命(二百六十九人)が涙とともに海に散った(民間機が領空侵犯をしたため撃ち落とされた、とするのが一般的だが、当時は計器飛行中、操縦室で操縦士らがマージャンに興じていたのでは、との説もあるにはあった…)。
 今回の場合は、ウクライナのポロシェンコ大統領が政府軍と東部で戦闘を続ける親ロシア派武装勢力による旧ソ連製地対空ミサイル「ブーク」を使った「テロ行為だ」と非難すれば、親ロシア派側は「旅客機はウクライナ軍に攻撃されたもので、明らかに挑発行為だ」と真っ向から反論している。一方でウクライナ保安局が、親ロシア派武装勢力メンバーがロシア軍幹部に「撃墜した」と報告する会話の盗聴記録を公表、何者かの手で撃墜されたことだけは事実といってよい。また「ブーク」の射程距離は高度二万二千㍍で事故当時、ボーイング777が高度一万㍍を飛んでいたことからも、親ロシア側武装勢力による撃墜は十分考えられる。

 マレーシア航空機墜落を巡り、対立するポロシェンコ大統領と親ロシア派幹部、現場写真など
 
 
 
 

 イスラエル軍が十七日夜、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するヨルダン川西岸のパレスチナ自治区・ガザへの地上侵攻を始めた。ロイター通信などが伝えたところによれば、イスラエルのネタニヤフ首相は「テロリストが、イスラエルに侵入して攻撃を仕掛けるために掘った地下秘密トンネルを破壊するのが目的だ」と話しているという。
 地上軍のこうしたガザへの本格的投入は二〇〇九年一月以来で、ガザ地区では既に死者254人、ケガ人も2000人以上に達している。愚かなニンゲンたちの、こうした殺し合いは止めようがないのか。何の罪もないこどもや女性の命が無残にも戦禍の犠牲となっていく。人類の英知は一体、どこへいってしまったのか。
        ×        ×
 大相撲名古屋場所はエジプト出身の平幕、大砂嵐が昨日の鶴竜戦に続き、きょうは日馬富士と2横綱から金星をあげた。初対決で、なおかつ連続金星は大相撲史上初めての快挙だそうだ。もう1人の注目力士、能登半島は穴水出身の同じ前頭の遠藤はこのところ人気が先行するなか、負けが込んでいたが今日はなんとか白星をあげ2勝目。ホッとした。横浜ではあすから日中韓三国の芸術家たちによる「砂の彫刻展」が催されるという。

【きょうの一文・ことば】
 「わが国と世界にとって、残酷な日となった。撃墜が事実であれば、犯罪者には法の裁きを受けさせなければいけない。航路は国際民間航空機関(ICAO)から安全と認められ、制約を受けるものでもなかった。」=マレーシア航空機墜落を受け、首都クアラルンプール近郊で緊急会見したマレーシア・ナジブ首相のことば

【新聞テレビから】
☆『七尾続々出店、スピード創業 地方経済が変わる』『七尾市、のと共栄信用金庫、七尾商議所、日本政策金融公庫が〈ビジネスプラン〉に融資する創業カルテット』(18日夜、NHK総合〈ナビゲーション〉)
☆『待ってた!!夏休み 東海の公立小中で終業式』、『地対空ミサイルで撃墜か』『マレーシア機、298人死亡 ウクライナ』『「親ロ派が撃墜」盗聴記録やロシア報道』『マレーシア機撃墜で欧当局 現場空域の飛行禁止』『「事故ではなく撃墜」 米副大統領 実行者の特定急ぐ』『ナジブ首相「痛ましい日」』、『鉱山労働差別と無縁?』『熊野で大正期の文書 朝鮮出身者が責任者』(18日付、中日夕刊)
☆『イスラエル ガザ地上侵攻 トンネル破壊狙う』、『ECC2万7000件購入か ベネッセ流出情報 高校生にDM(ダイレクトメール)』『情報の入手は「イベントで」松崎容疑者供述』、『〈人生は夕方から楽しくなる〉変わらぬ早口で軽妙なトーク 久米宏さん』『70歳は「未知の世界」有利なこともある』(18日付、毎日夕刊)
☆『インターハイに5人出場 高校生の夢舞台 30日から甲府市で開催 陸上競技』(18日付、尾北ホームニュース)
☆『ウクライナで旅客機撃墜 マレーシア機295人死亡 戦闘巻き添えか』『国境近く上る黒煙』、『法的父子DNAで覆せず 最高裁初判断 民放の規定尊重』『元夫「娘いると言える」 最高裁判断 元妻「父子関係の強制」』、『ベネッセ流出SE逮捕 容疑認める1億円超売却か』『携帯に電話 親「気持ち悪い」』『社長「補償に200億円」』、『〈通風筒〉◇…名古屋ならではの新しい「手締め」を広める「名古屋ナモ締め本舗」が十七日発足し、市内で発表会を開催…=「なも」の掛け声に合わせ、少しゆったりした調子で三回、三回、二回、三回打つ』(18日付、中日朝刊)
☆『小保方氏博士号剥奪せず 早大調査委 不正は認定』、『「なぜ子供たち攻撃」 イスラエル誤爆か4人死亡 ガザの人口密集地』『停戦合意、情報が錯綜』、『米追加制裁に露反発 プーチン氏「関係、深刻な損害」』『「露軍機が撃墜」 ウクライナ機、当局が発表』(18日付、毎日朝刊)

七月十七日
 ロシア国境に近いウクライナ東部でオランダのアムステルダム発マレーシア航空のボーイング777型機が墜落。乗客二百八十人と乗員十五人の全員が死亡。
 第151回芥川賞は柴崎友香さん(40)=東京都在住=の「春の庭」(文學界六月号)に、同直木賞は黒川博行さん(65)=大阪府在住=の「破門」(KADOKAWA)に、それぞれ決まった。「トラウマ(心的外傷)になっていた。これまで何回も落ちて、落ちて、落ちて…=今回は六回目の候補入り=。また今回も、と思い。最後はカラオケでも行こうか、とマージャンをしていました。たくさんの人に読んで頂けるのが何より嬉しい」と黒川さん。また柴崎さんは「受賞を知らせる電話の直後からメールがどんどんきて本当なのかな、と思いました」。
 カンカン照りのなか、午後になり突然雲行きが怪しくなり、雷鳴が轟き強い雨が降った。愛猫の次女シロちゃんは、相変わらず体を縮め、どこかに消えた。長女こすも・ここの方は、堂々としたもので二階の定位置で高鼾のまま。ふたりの性格が浮き上がる日になった。
        ×        ×
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)の【2014年度JCJ大賞】に東京新聞(中日新聞東京本社)編集局の「憲法、安保、原発―ずばり核心を突く1面の『論点明示報道』」が選ばれた。
「集団的自衛権をめぐる憲法解釈変更や原発問題などについて、従来型の報道から脱却し、一面で読者に論点を明示する新たな報道姿勢を打ち出した点が高く評価された」もので、かつて同じ新聞社で禄を食んだものとして、後輩記者たちの頑張りを心から嬉しく思う。この調子で社是〈真実、公正、進歩的〉に沿った報道姿勢を貫いてほしい。憲法解釈や原発問題なぞ、国家権力には絶対負けないで平和で安全、戦争の無い社会の実現に向け、果敢なペンを奮ってほしい。
 ちなみに【JCJ賞】には、安倍政権が強行した特定秘密保護法や集団的自衛権の問題で、核心に迫る取材・報道を展開したとしてTBSテレビの「報道特集」、ほかに「ブラック企業」に対する一連の追求キャンペーン報道を続けた「しんぶん赤旗日曜版」編集部などが選ばれ、さらに【JCJ特別賞】には秋田県横手市で過去30年、週刊新聞「たいまつ」を発行してきた、むのたけじさんが選ばれた。

【きょうの一文・ことば】
「超能力の域。楽譜を熟知した指揮の緻密さには驚嘆すべきものがあった。」=17日付日経『〈文化往来〉名門楽団を数々指揮 ロリン・マゼール氏逝く』の記事中。バイオリン奏者岡山潔さん(元読売日本交響楽団コンサートマスター)が今月13日に84歳で死去した米国の世界的指揮者について、こう語った

【新聞テレビから】
☆『ベネッセ事件で派遣SE(システムエンジニア)逮捕 原田社長「200億円おわびに」』、『DNA鑑定「血縁なし」も父子』『最高裁が民法優先し初判断』(17日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『岡崎35・2度 各地で猛暑日』『熱中症に注意を』、『コンチキチン 山鉾のお通り 京都・祇園祭前祭』、『米、対ロ金融制裁強化 ウクライナ情勢 エネ大手など対象』『EUも制裁拡大へ 月末までに対象決定』、『秘密保護法運用素案を政府提示 監視機関独立性なし』『官僚組織 身内で判断』、『「飛騨の華 酔翁」チャンピオン・サケ』『世界最大級ワイン品評会 高山・平田酒造場受賞』(17日付、中日夕刊)
☆『特定秘密に内部通報制 恣意的指定を監視 運用基準素案』『〈解説〉「情報隠し」懸念残る』、『ローソンが成城石井買収 クイーンズ伊勢丹も検討』、『ベネッセ流出 39歳SEに逮捕状 警視庁 顧客情報複製の疑い』『経産省に報告書ベネッセが提出』、『創意工夫を発表 全国農業コンクール 大分で開幕』(17日付、毎日夕刊)
☆『★東京新聞にJCJ(日本ジャーナリスト会議)大賞』、『川内原発秋にも再稼働 「新基準に適合」初判断』『規制委 火山想定疑問残す』『〈再稼働を問う〉核のごみ増加の一途』、『旧東海銀本店建て替えへ 栄地区 1階は商業施設も』、『羽生選手らの活躍両陛下がねぎらう ソチ五輪代表と懇談』、『人気者 相次ぎ天国へ』『チェリー(チンパンジー、51歳の死、国内5番目の長寿。平均寿命は30~40歳) 神戸・王子動物園』『マリモ(アマメキリンの雌、9歳) 北海道・旭山動物園』『遊ちゃん(ジンベエザメ、全長4・7㍍、推定7~8歳。2011年6月、高知県室戸市沖の定置網にかかる) 大阪・海遊館』(17日付、中日朝刊)
☆『「温かさ描いた」吉永さんが会見 「ふしぎな岬の物語」』、『松本死刑囚の再審請求棄却 東京地裁・3度目』、『検事正セクハラ 静岡・更迭へ』、『県議が脱法ドラッグ 神奈川 所持容疑で逮捕 8日辞職』、『自宅近くで男性と話 岡山女児不明 別の児童が目撃』、『刺された男性死亡 容疑者「死刑望む」供述 名古屋・(中村)公園』(17日付、毎日朝刊)

七月十六日
 朝一番で市内公民館へ。三カ月先の社交ダンスのレッスン会場をおさえるためだ。現役時代には考えられないことだが…。この世は助け合い。それだけ、年がいったということか。夜、妹が「お母さんからのあつらえものよ」とトウモロコシやキュウリを届けてくれた。
        ×        × 
 九州南部が梅雨明け。この地方も真夏の射光に打たれ暑い一日となった。近畿大学がクロマグロの完全養殖に成功、こんご長崎県五島市の新施設で稚魚の生産に挑み、三年後には年間三十万匹の量産化を目指すという。ニュースといえば、富士山の見事な〝田んぼアート〟にも感心した。
 この二、三日は大切にしてきたICリコーダーが目の前から消え、底知れない喪失感に襲われている。心が折れる。ブルーな気持ちとはこのことか。あ~あ、とため息が出る。でも、自分の不注意なのだから、仕方がない。デ、思考を変え自らこれまで生み出してきた一匹文士の小説群をこの先、どう広めていくか。少し前向きに考えてみる。結論は「今のまま、地道に書き続けることの大切さ」に尽きるか。
 大津の眞鍋京子さん(「熱砂」同人)と久しぶりに電話で話しをさせて頂き、【湖都の文学】編集委員としての彼女の文学に対する厚い情熱をあらためて思い知る。
        ×        ×
 夜遅く。テレビ画面に突然「ただいま入ってきました」の女性アナウンス。何事か、と視界をあげると『静岡地検の検事正が部下の女性にセクハラ…』という声が、雪崩がおちる如く耳に飛び込んだ。この法の番人、一体、何をしでかしたというのか。
 岡山県倉敷市では今月十四日夕から行方不明の小学五年生森山咲良さん(11)を求め、百人態勢による大捜査網が展開されている。質は全く違うが、咲良さんの無事を祈る気持ちが、なぜか、行方知れずのICリコーダーを思い出させてしまう。

【きょうの一文・ことば】
 基準の適合性は見ていますけれど、安全だと言うことは、私は言いません。=16日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉『川内原発秋にも再稼働 規制基準合格……懸念も』のなかで。田中俊一原子力規制委員会委員長の発言

【新聞テレビから】
☆『川内 新基準に適合』『被ばく対策不安残し 規制委初判断 今秋再稼働か』『火山噴火も楽観想定』、『災害時土地や施設貸与』『トヨタ、中電・東邦ガスと協定』、『愛知の交通事故死100人 刈谷の市道 男性ひかれる』、『脱法ドラッグ対策総力 愛知県警が本部設置、初会議』(16日付、中日夕刊)
☆『ダルビッシュ三度目の正直 米球宴初登板』『ダルビッシュ3者凡退 オールスター戦 日本人当番7年ぶり5人目 MLB 上原も活躍』、『38歳藤岡(奈穂子) 圧倒の強打』『女子2階級王者 Sフライ級=世界ボクシング協会(WBA)女子スーパーフライ級王座戦=で初防衛』、『電気系統壊れ急停止か モスクワ地下鉄 死者22人』、『秀吉への「年貢指出張」 兵庫・たつので発見 太閤検地前 大名が自己申告』(16日付、毎日夕刊)
☆『小5女児不明倉敷』、『監禁、父殺害 懲役18年 名地裁』、『臓器提供「生前の思い生かす」』『妻が、今も人を支えている』『法改正4年 広がらぬ意思表示』、『名駅に空港線専用ホーム』『名鉄、リニア開業に合わせ』、『オスプレイ首都圏に 米側「今後、本土各地へ」』、『贈賄側、詳細に供述 美馬加茂市長を起訴 浄化設備汚職 収賄罪否認のまま』『別の借入40万円も判明』(16日付、中日朝刊)
☆『原発事故避難先7割未定 30㌔圏立地 1713施設・病院』、『拉致問題 米、首相訪朝けん制』『国務長官 事前の相談要求』、『あでやかにハスの大輪 愛西市』(16日付、毎日朝刊)

七月十五日
 私のユーチューブ〈被災地と塩屋埼灯台〉が千回を突破。これも陰ながら、名もなき私、一匹文士への支援者がいればこそ、だ。そして〈伊神権太が行く平和へのメッセージ〉の方も、細々ながらも皆さん、時折見て下さっているようで、嬉しく思う。
        ×        ×
 昨夜は久しぶりに飲み過ぎ、朝から頭と目が痛いばかりか、気持ちも悪くて、まさに〝二日酔い〟のど真ん中に。苦しい一日となった。あげく、出先でどこかに忘れ、失ってしまったICリコーダーの行方が今もって知れない。あのリコーダーには二年前に乗船した第76回ピースボート102日間地球一周船旅の際の数々のドラマや音楽も収録されている、私にとっては掛け替えのない分身にも等しい宝だけに、出てきてほしい。
 というわけで、朝から痛い頭を抱えながら、昨夜利用したタクシー会社2社はじめ、乗り過ごしてしまった名鉄犬山線の終着駅・新鵜沼駅など心当たりの全部に電話し問い合わせてみたが、いま現在、拾い主はまだ見つかってはいない。この人生、どうせ、いつかは何もかもが消え入ってしまうのだから。そんなに落胆しないでよ、運命だったのだよ。どこかで、神の妖精が慰めはしてくれるが、いやはや残念。でも、どこかにはあるはずだ、出てくる、と信じている。
        ×        ×
 きのうまでに一応、校正済みの「熱砂」同人・黒宮涼さんの【死神の秘密〈その2〉】をウエブ作品集のなかの黒宮涼欄にアップ。筋立てがよく、筆力もあって、読ませる展開なので出来たら一人でも多くに読んでほしい。
 ただ、!(アマダレ)や?(クエスチョン)の安易な多用が気になったので本人に直接、私なりの見解を話させて頂いた。特に!は、よほど効果的に決める使い方でなければ、とも喚起を促した。この点でも次回、〈その3〉以降に期待して頂きたい。
 モスクワで朝のラッシュ時に地下鉄が脱線。二十人が死亡、原因は分かってはいないがテロの可能性もあるとして、当局はピリピリ。ウクライナ東部では、軍輸送機がロシアからのミサイルで撃墜された。W杯サッカーで四度目の優勝に輝いたドイツでは、凱旋した選手らが空港からベルリン市内をブランデンブルク門までパレード、四十万人が歓喜に酔ったという。
  
【きょうの一文・ことば】
 「上原さんは(球宴は)ルーキー。きょうだけは先輩面しようかなと思っている」「1度は経験したかった。うれしい。こつこつとやってきて、ワールドシリーズ、オールスターを経験できる。努力して損はなかった」=15日付中日夕刊〈初登板へダル意欲〉〈上原「真剣勝負」〉から。米大リーグのレンジャーズ・ダルビッシュとレッドソックス・上原

【新聞テレビから】
☆『梅雨なのに…日傘花盛り 多治見33・4度 名古屋32・2度』『熱中症で搬送 1週間2357人に』、『土石流の南木曽学校再開 涙拭い学びだそう』『「家腐らないか」被災37棟、不安なお』、『名古屋議定書10月発効 生物利用利益配分 日本は未締結』、『魔法学校大阪に開校 USJ「ハリー・ポッター」エリア』(15日付、中日夕刊)
☆『ベネッセ流出 再委託先SE(システムエンジニア)逮捕へ 警視庁情報漏えい疑い』、『大崎事件 再審請求高裁も棄却 福岡支部 79年の男性殺害』(15日付、毎日夕刊)
☆『〈誰がために 自衛隊60年〉①ジョン・レノン』『涙を流す人はいるか』、『沖縄密約 不開示が確定』『最高裁「請求者に立証責任」』『「国の情報隠し拍車」 沖縄密約訴訟 西山さん敗訴憤る』、『経済打撃でも武力行使』『首相、法制局答弁と開き』(15日付、中日朝刊)
☆『W杯準V 怒り爆発』『アルゼンチン 暴動60人拘束』『日本人犯罪被害 大会期間中33件』、『集団的自衛権 武力行使拡大 鮮明に』『衆院審議 首相「政府が判断」』、『沖縄密約文書不存在認定 「民主主義が崩壊」 西山さん、落胆隠せず』『「政治的」文書、曖昧なまま』、『〈訃報〉ノーベル賞作家 ナディン・ゴーディマさん 90歳=南アフリカ女性作家。ヨハネスブルクの自宅で死去。南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)を告発する作品を多く発表し、1991年のノーベル文学賞を受賞した』(15日付、毎日朝刊)

七月十四日
 サッカーのW杯(ワールドカップ)ブラジル大会の決勝戦が13日(日本時間14日)、リオデジャネイロのマラカナン競技場で行われ、ドイツがアルゼンチンを延長戦の末に1-0で下し、6大会ぶり4度目の優勝を果たした。私は小柄ながら機敏でスピード勘に優れたメッシを応援してきたので、アルゼンチンの敗退は残念無念のひと言に尽きる。でも、メッシは最終戦でも果敢な戦いぶりで誉められて良い。むろん他選手も渾身の戦いぶりがよく分かる名勝負だった。

 決勝戦の結果を報道するNHK総合テレビと中日新聞夕刊
 
 
 
 
 
 
 
         ×        ×
 「滋賀知事選 自公敗れる」「嘉田氏後継 三日月氏初当選」「政権批判 湖国の風」「反原発の声広がる」「集団自衛権も影響」……。昨日、投開票された滋賀県知事選で初当選した無所属新人三日月大造氏(43)=元民主衆院議員=に関する新聞見出しの一部である。今回知事選は、現職嘉田由紀子知事の路線継承か転換か、が最大の争点だったが、「卒原発」を一貫して唱える嘉田派の三日月氏が勝ったことで、どこかホッとした。
 滋賀はやはり、琵琶湖を抱え、かつての洗剤追放、粉石けん運動に始まる環境先進県だけに、県民の判断は正しかった。一時、政界進出にこだわり過ぎ、自らを失った観があった、嘉田さんも、なんだか私が新聞社の大津支局長時代にお世話になった当時の笑顔が戻り、朝刊を手にどこか、安堵感のようなものを感じたのである。三日月さんには環境先進県の知事らしく全国に環境政策のお手本を実践し見せてほしい。
 集団的自衛権といえば、きょう武力行使容認の閣議決定後初の国会が開かれたが、安倍首相の答弁を聞いていると、どこか腰が引け、これまでのような〈イケイケドンドン〉の姿勢が少し陰を潜めてきたような、そんな気がする。こんな、へっぴり腰では、とても戦争なぞ出来っこない。閣議決定後の支持率急落、滋賀県知事選の結果にうろたえたのか。最初から無鉄砲な舵を切らなければよかった。この際、集団的自衛権の行使云々は、全て御破算にすべきだ。そしたら、支持率が倍増するかもしれない。
 この点、日本のマスコミは東京新聞(中日新聞)をはじめ各社とも主張すべきは主張し、政界に対する浄化機能をよく果たしている。国家権力に押し潰されることなく、こんごとも憲法9条をどこまでも守り、平和で安全、かつ民主的な、果敢な姿勢を貫いてほしい。
        ×        ×
 夜。名古屋に出て錦の中国料理の店「湖南家」で昔の同僚と一献。名鉄犬山線終車で江南で降りるところを、新鵜沼の終点まで乗り過ごしてしまい、鵜沼からはタクシーで帰宅。久しぶりに酔って疲れてしまった。おまけに、大切なICリコーダーをどこかに忘れるか、落としてきてしまった(現在、行方不明中ナリ)。あ~あ。不覚とは、このことか。

【新聞テレビから】
☆『独24年ぶり優勝 ドイツ1―0アルゼンチン 延長でアルゼンチン下す』『多彩な攻撃 統一後初V』、『滋賀県知事選敗北行使容認が影響 首相認める』『集団的自衛権反対市民100人座り込み 衆院議員会館前』、『代行バス運行開始 南木曽 中央線乗り継ぎ可能に』、『「王将」2億円賃金未払い 残業代など923人分』(14日付、中日夕刊)
☆『がれき撤去 コメ汚染か』『福島第1 昨夏セシウム検出』、『集団的自衛権 各国並み行使困難 首相見解 初の国会論戦』、『〈W杯2014ブラジル大会〉ドイツ4度目V 統一後初 世代・民族超えて復権』、『(ロリン・)マゼールさん死去 84歳 NYフィル指揮者=84歳』、『20台玉突き事故 北九州・関門道 運転手が死亡』、『小樽ひき逃げ 31歳従業員を逮捕 酒気帯びでも「動転して逃げた」』(14日付、毎日夕刊)
☆『滋賀知事選 自公敗れる』『三日月氏が初当選』『嘉田氏後継「卒原発」に支持』『〈解説〉集団的自衛権も影響』、『ひき逃げ 女性3人死亡』『小樽、1人重傷 飲酒か、男逮捕へ』、『北朝鮮がまたミサイル2発 軍事境界線付近から』、『満員御礼 遠藤さまさま』『大相撲名古屋場所 グッズコーナー盛況』(14日付、中日朝刊)
☆『29歳最年少首長 北海道・江差町 美濃加茂抜く=藤井浩人岐阜県美濃加茂市長より、誕生日が10日遅い』、『■天皇陛下傘寿祝い民俗芸能公演』、『日中首脳会談に意欲 首相「11月APECで」本紙インタビュー』、『ヒョウタンで食中毒 女性被害 愛知などで苗販売 食用と誤表示』(14日付、毎日朝刊)

七月十三日
 夜遅く。きょう投開票が行われた滋賀県知事選は、無所属新人で元民主党衆院議員の三日月大造氏(43)が無所属2新人を破り、初当選のニュースがテレビ画面に。
        ☆        ☆
 あさ。中日新聞朝刊を開く。
 と、2社面のベタ記事【★本紙・田原記者に開高賞】が真っ先に目に飛び込んだ。ナント、あの田原牧(まき)記者(52)が第12回の開高健賞に選ばれたというのだ。「やった! おめでとう」。
 田原記者とは、東京新聞(中日新聞東京本社)特別報道部に所属する記者で彼の原稿は、かつて私自身、特報面を担当するデスク長時代に何度も読んだ。ひと口で言えば、どんな記事を書くにしても切れ味鋭いシャープさが記憶に残っている。自分が書こう、と睨んだら食らいついて離さず貫き通す、そんな強い信念の持ち主で半面、とても心根が優しく、かつ礼儀正しい男というのが私の印象である。
 カイロ特派員だったことと、本人の努力、国際的な人脈もあって中東情勢に関しては秀でたものがあり、あの9・11米中枢同時多発テロ発生直後に、当時アルカイダリーダーだったウサマ・ビンラディンを犯人だと世界のマスコミでも最初に名指しした記者で知られる。性同一性障害の問題克服に対する熱心な取材姿勢も記憶に残っている。

 記事は次のような内容だった。
『開高健ノンフィクション賞(集英社など主催)が十二日発表され、東京新聞(中日新聞東京本社)特別報道部の田原牧記者の「ジャスミンの残り香―『アラブの春』が変えたもの」に決まった。賞金三百万円。集英社から十一月に単行本化される。授賞式は十一月十四日、東京都千代田区の帝国ホテルで。…田原記者は北海道出身で名古屋本社社会部やカイロ支局などに勤務。著書に「イスラーム最前線」「中東民衆革命の真実」などがある。田原記者は「安倍政権が解釈改憲や原発再稼働を強引に推し進めるような時代の中で、自分なりのあらがい方を思考した作品が評価された」と喜びを語った。』
 あらためて祝福したい。
        ×        ×
 午前中、時折降る小雨のなか妻と庭に生えた雑草の草取りと雑木の枝切りに追われた。長そでに手袋、帽子姿で草引きや伸び過ぎた雑木の枝払いをしていると、ナンダカ私自身が妻の支配下選手のような、そんな存在に思われてきた。彼女の命に従っていないと、そのうち〝戦力外通告〟をされかねない。愛想を尽かされてもいけない。
 午後。ふたりで実家へ顔を出す。兄と母でつくったから、と大きなスイカ一個を両脇に抱えてもらって帰った。そういえば、きょうは亡き父の誕生日。パリ祭の前日である。
        ×        ×
 NHK総合テレビの大河ドラマ「軍師 官兵衛」。今夜は第二十八回「本能寺の変」で見応えがあった。主君信長の死が使者によりもたらされた、そのとき悲嘆にくれる秀吉に官兵衛が「殿のご運が開けました。天下に名乗り出る時です」と話すシーンは圧巻の演技だった。ドラゴンズは広島を8―6で破り、5割まであと1勝。

【きょうの一文・ことばから】
 ♪五月雨の降り残してや光堂  松尾芭蕉
 =NHKEテレ〈100分de名著選・おくのほそ道 芭蕉を変えた開眼の句…〉から。芭蕉が中尊寺金色堂を前に詠んだ 

【新聞テレビから】
☆『★本紙・田原記者に開高賞』、『心ひとつにげた音響く 郡上おどり開幕』、『17歳小木曽アマ日本一 名古屋出身 ゴルフ、日本人最年少』、『避難勧告全て解除 南木曽』、『名古屋の「無料低額宿泊所」 入居者の保護費一括管理』『貧困ビジネス「温床」 明確規定なく業者任せ』、『貴乃花親方 休場へ』『名古屋場所、体調不良で』(13日付、中日朝刊)
☆『子どもイベント中止 ベネッセ経営に痛手 個人情報収集の根幹』、『代表作「月山」舞台鶴岡に 未発表書簡200枚も』、『中国「おばちゃん暴走族」 夜1万人 大音響ラン』(13日付、毎日朝刊)

七月十二日
 人生、誰とていいことがあれば悪いこともある。寄せては引き返す、波の間に間に、人それぞれの〝運命〟と〝生〟が、浮かぶ。
 それを如実に表すのがプロ野球だ。なかなか完全復帰が容易ならぬ、ドラゴンズの浅尾投手しかり、つい最近、故障者リスト入りしたニューヨークヤンキースのマーくん、こと田中将大投手しかり、である。ことに右肘靭帯の一部断裂に陥ったヤンキースのマーくんの場合、こんごの選手生命に関わる突然の不幸だけに、なんとか、この苦境を乗り切ってほしい。幸い、彼は「これも長い野球人生の一部であると受け止めています」とポジティブに受け入れている。
 いずれにせよ、この人生いいことばかりではないことの証明だと言えよう。
        ×        ×
 【ふなっしー】がパリで開催中のジャパンエキスポにデビュー。最近、わざと猛獣穴を開けるなど、ほころびをつけたワイルドな〝ダメージジーンズ〟が、流行りだとか。世界62カ国で公開、160億人が見て500億円を稼いだという、米ハリウッド版新作映画「ゴジラ」が、いよいよ日本に上陸。
 中日新聞の本日付朝刊〈通風筒〉によれば、元横綱大鵬=故納谷幸喜さん=の生誕地であるロシア極東サハリン州中部ポロナイスク市(旧樺太・敷香)に設置予定の銅像が完成、秋田県大潟村で納谷さんの妻芳子さん(66)らが参列して式典が開かれたという。
 「銅像は、横綱になったばかりで私と初めて出会ったころの姿に似ている。優しさや強さが感じられる」と芳子さん。銅像は、陸路で北海道稚内まで運び、船で8月ごろサハリンに到着予定。「角界に偉大な功績を遺した名横綱。その両足は、今も日ロの土を踏みしめている。」とは、通風筒氏。
        ×        ×
【きょうの一文・ことば】
「たぶんうちのクラスのあの子は軽度の学習障害だ」…
 教諭は他にも過去3年間に、「いちくみのおデブちゃんふたり(男子)がテスト中、力尽きたみたいで口ポカーン」「午後イチの試験監督 教卓でしばし爆睡」「モンスターペアレンツ怖すぎだよ」などと書き込んでいた。……
=12日付毎日朝刊『愛知・丹羽高教諭が投稿 先生はつぶやき中です』の記事から。

【新聞テレビから】
☆『高らか太鼓 あす初日 名古屋場所』、『〈全国高校野球選手権地方大会〉激戦区どこよりも熱く 愛知大会開幕』、『東北に早朝 津波注意報』『震度4 2万6000人に避難勧告』、『国道19号通行止め解除 南木曽 土石流から2日半』『避難勧告を解除 断水続く地域も』『木曽路 復旧の途上』『物流、行楽 戻りつつある日常……戻らぬ命』(12日付、中日夕刊)
☆『イスラエル、ガザ空爆継続』『首相「国際圧力に屈せず」』、『ロシア系難民49万人流入』『ウクライナ東部から「親露派掃討の犠牲者」かさむ受け入れ費』、『東北沿岸に津波』『最大20㌢ 877人が一時避難 早朝に震度4』、『乗客映像 無断流用』『オムロン、JR東4駅で』(12日付、毎日夕刊)
☆『3D造形技術で 名市大病院に開発拠点 医療機器』、『大名古屋ビル銀行は4F にぎわい創出 1Fに商業施設』、『〈再稼働を問う〉隣の原発 切実な争点』『滋賀知事選有権者「人ごとではない」』『あす投開票』(12日付、中日朝刊)
☆『フジ1000人異動 全社員の3分の2』、『台風一過の青空 群馬・館林では38度』、『幼児に小1学習内容 文科省方針 生活科を想定』(12日付、毎日朝刊)

七月十一日
 台風一過。きょうは、きのうとは変わって燦々と光る太陽が地表を照らす一日となった。まっこと、太陽の力は偉大だ。妻があれほどにまで苦労して干した洗い物がアッという思う間に乾いた。台風や雨が凄ければ、太陽だって負けてはいない。というわけで、きょうは群馬県館林市の38度を最高に栃木、甲府、東京…でも36度を超える猛暑日に。関東地方では、この日だけで熱中症で102人が病院に運ばれ、うち1人が亡くなった。
        ×        ×
 サッカーW杯の優勝決定戦、ドイツ×アルゼンチン戦を前に、サッカーファンの関心はいやがうえにも高まる。なかでもアルゼンチンでは、1984年のメキシコ大会で優勝したときの英雄マラドーナが〈神の手〉だとしたなら、今回のメッシ(27)は〈救世主〉だとの見方が多い。これまでに4ゴールを決めているメッシが、メキシコ大会の牽引車だった、マラドーナと肩を並べることが出来るかどうか。メッシが身長169㌢なら、マラドーナも165㌢とふたりとも小柄な選手だけに、その分、サッカーファンの関心は高い。対するドイツといえば、今大会だけで、歴代単独1位、実に16ゴールを決めているクローゼ(36)がどんな活躍ぶりを見せるか。十四日に予定されている決勝戦が楽しみである。
 プロ野球は7連勝中の阪神が巨人を12―5で破って8連勝。ドラゴンズもナゴヤドームでの対広島戦で8―2で勝ち、5連敗のあと3連勝、再び5割まであとひと息に迫った。

【きょうの一文・ことば】
 〈秋風やいくさ初まり港なるたゞの船さへ見て悲しけれ〉=11日付中日夕刊『与謝野晶子の反戦歌発見』から
 「相手を思い合えば戦争は起きない」「特攻隊員たちが、どのような世の中を望み、逝ったのかを知ってほしい」「命があるのは、やるべき何かがあるから」「あなたは、お世話になった人の命日を知っていますか」-。初代さんの語り口は優しいのだが、問い掛けられるたびに動揺が走った。=11日付中日夕刊〈旅〉『知覧 鹿児島県 特攻隊員の思い伝える 文・写真 富永賢治』から

【新聞テレビから】
☆『お得サービスが続々誕生! 福井(鯖江)発の情報革命』(11日夜、NHK総合)
☆『「おいしい干物を毎日食卓へ」24時間灯り消えない工場 宮城・岩沼市』、『子ども含む100人以上が死亡 ガザ空爆にイスラエルの焦り』(11日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『TOMIOKA 世界の美』『製糸場地元の繭で着物』、『土石流で線路宙づりに』『JR中央線復旧めど立たず』『東海道新幹線豪雨に強く 高精度雨量レーダー導入』、『田中将靭帯を部分断裂 リハビリ6週間 右肘、手術可能性も』、『号泣県議辞表提出 議会が調査内容報告へ』、『池澤夏樹さんが道立文学館長に』、『河原温さん死去 刈谷出身、現代美術の巨匠』(11日付、中日夕刊)
☆『岩手・岩泉―宮城・南三陸270㌔ 三陸にお遍路道を 釜石出身男性提唱 心と体癒やし』、『イスラエル軍「地上戦準備」 ガザ住民に退避促す』『オバマ大統領「調停の用意」 ネタニヤフ首相に』、『〈チェック〉夜の「接客」猫に害!?』『カフェ営業時間論争 動物愛護に反する/夜行性問題ない』、『ビリー・バンバンの兄入院』(11日付、毎日夕刊)
☆『上流に土砂 二次災害恐れ』『南木曽・土石流 10㍍超す巨石も』『台風8号 けが66人に死者3人』、『舞鶴高1殺害 無罪確定へ』『最高裁上告棄却「捜査で証言変遷』、『犬山保険金殺人 懲役30年』『地裁判決「重大で悪質」殺意認定』(11日付、中日朝刊)
☆『ベネッセ 再委託先 持ち出し疑い』『データベースを管理』、『自衛官の建設業就職解禁 防衛省 人手不足で方針転換』(11日付、毎日朝刊)

七月十日
 朝。台風8号の接近で荒れた天気のなか、それでも社交ダンスのレッスンに。年を取ると、猫背、S字型になりがちな背骨をピュンと正しく伸ばす極意などにつき学んだ。台風が心配なため帰りがけに、実母の元へ。雨戸を閉めなければ、と出向いたのだが。妹が全てやり終えた後だった。
 
 木曽川河畔のこの街も時折、強い雨、風が吹き荒び1日中、窓ガラスを鳴らす、ぶきみな軋み音が、わが心までをも揺り動かす、そんな1日が過ぎてゆく。風のピークは今夜半とのことだが、風は時が過ぎるに従い弱まってきている。
 人間は自然になされるがまま。どんなに抗おうと、足掻こうと、喚こうが、だ。自然たちは容赦ない。昨日から、木曽の南木曽で土石流に中1男子生徒が押し流されるなど全国各地で土砂災害や家屋倒壊、河川の氾濫、陸橋流出、道路の寸断などが続出。停電や避難場所への避難、列車の運休も相次いだ。
 全国的にこんな按配なので、きょうに限ってはお客さんが来るはずもない。妻は昼過ぎ早々に店をしめて帰宅。愛猫2匹も心配そうな顔で所定の場所に陣取り、何か言いたげにしつつ時が流れゆくのを待った。
        ×        ×
 奈良県在住の「熱砂」同人、加藤行さんのテーマエッセイ〈僕の忘れもの〉を公開。
『これまで、僕は、たくさんの「人間」を忘れてきたのだ。そして「人間は人間によって救われる」という明解な答えを知った』という彼ならでは、の切り口には息をのんだ。自らの人生を一部、さらしつつ【人間そのもの】を〝忘れもの〟としてとらえ、最後に『だから、なにより、人と「共感」する気持ちを忘れないでおこう』と結んでいる。全ての人間に啓示を与えるエッセイといえよう。
        ×        ×
 作家・作詞家のなかにし礼さん(75)が集団的自衛権の行使容認を憂いた詩【平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう】の詩を毎日新聞の求めに応じ、書いている。=10日付毎日夕刊特集ワイド〈若者よ戦場へ行くな〉から

 「無実が証明された。京都府警には強い憤りを持っている」と舞鶴女子高生殺害で無罪が確定した中勝美被告。「ハマスが核施設にロケット弾。ガザ空爆激化 70人超死亡。」パレスチナとイスラエルの報復の連鎖はいつになったら、止むのか。坂本隆一さんが、中咽頭がんを告白。「治して戻ってまいります。」と。午後十時過ぎ。台風8号は既に形を崩し、こんごは静岡に再上陸、あす朝には関東に最接近する。
 
【きょうの一文・ことば】
 かの時に言ひそびれたる
 大切の言葉は今も
 胸にのこれど
            石川啄木
 ……最大のポイントは「大切の」だと思う。今の語法なら、ここは「大切な」になるところだろう。しかし、それでは何か物足りない。「大切の」という云い回しの古風さが「胸」に迫る雰囲気を作り出している。「大切な」にすると、それは消えてしまうのだ。=文學界八月号、『も詩も詩 穂村弘 第二十九回詩の掠り傷・その2』から

【新聞テレビから】
☆『台風8号 今夜、東海に最接近』『中央線復旧に1カ月以上 国道19号は土砂で不通』『中部の鉄道運休相次ぐ』、『避難勧告土石流の10分後 南木曽 センサー間に合わず』、『生サンマぴかぴか 名古屋で初競り』、『皇太子さま本丸御殿訪問』(10日付、中日夕刊)
☆『アルゼンチン決勝進出 14日、ドイツと3回目対決』『アルゼンチン24年ぶり決勝 好守随所マスケラーノ』、『田中将 故障者リスト』『米球宴辞退、上原が追加選手』、『脱法ドラッグ全国252店舗 厚労省調査 ネット業者急増 警視庁が対策本部』(10日付、毎日夕刊)
☆『ありの~ままの~子育てを♪♩』『三重・長野知事ら動画で呼び掛け』、『土石流 中1男子死亡 長野・南木曽 民家6棟全半壊』『「助けて、子どもが」 南木曽 土石流、まるで地震』『JR中央線の鉄橋流される』、『不登校19%大学へ 中3追跡調査 前回比3倍増』、『小中学生直接伝えるの苦手? 「携帯なら言える」42%』(10日付、中日朝刊)
☆『ベネッセ760万件情報流出』『子の名前、住所 最大2070万件か』『関係者不正持ち出し』、『「渇えさん」やめて 鳥取城跡キャラ公開中止』、『法制審部会可視化を了承 「早期の法整備必要」』『村木さんら会見 検察運用に注文も』(10日付、毎日朝刊)

七月九日
 サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会は八日(日本時間九日)、ベロオリゾンテで準決勝1試合が行われ、ドイツが7―1で開催国に大勝、ブラジルは屈辱的な大敗を喫した。心配された暴動こそ起きなかったが、サンパウロでは国民の怒りが爆発、バス二十台が炎上する騒ぎに。
       ×        ×
 けさ早く北朝鮮が日本海の北東に向け、複数の弾道ミサイル「スカッド」を発射。あ~あ、「またか」と。ため息が出る。せっかく金正恩第一書記の、世界中がアッと驚く平和主義実現への政策転換に期待しているのに……。でも、これは見方によっては日本に対する熱い意思表示の表れ、ジェスチュア、ある種のラブコールかもしれない。
 大型の台風8号の方は、風台風から雨台風へ。猛威と爪痕を見せつけながら、沖縄を直撃後、ゆっくりと北上。あすの午前中には九州西部に上陸、四国を経て三重から静岡へと日本列島を縦断する恐れが出てきた。一方で、北陸地方できょうは気温がグングンと急上昇、高岡、富山ともに36度を超す猛暑日となった。私たちの住む、ここ木曽川河畔も午前中、異常なほどの蒸し暑さに。全国的には、こんご非常に激しい雨の恐れがある、という。
 ベネッセホールディングス(旧福武書店)が顧客データベースの情報を最大2070万件流出させた、としてトップが謝罪会見。
        ×        ×
 こんな不安定な天気のなか、久しぶりに横笛の稽古で大須の師匠宅へ。〈惜別の歌〉と〈さくら〉をふいたが、「アラッ。いいじゃないの。うまくなったわよ」との励ましに、ついつい、その気に。とはいえ、やはり自分で納得する笛吹きになるまでには、まだまだ道のりは遠い、ことも実感。ここは、気長に【ニッポンイチの笛吹きマン】を目指していこう―とあらためて覚悟した次第。ただし、私の横笛哲学はよそ様に見せるものではない、ということ。あくまで自らの心の深淵に向かって吹き、文学的な哀調と光りを探ろう、というものだ。いわゆる〝権太の世界〟が、そこにはある。

【きょうの一文・ことば】
 国民に謝りたい。みんなの笑顔が見たかったのに。本当に悲しい日だ。こんな結果は望んではいなかった。=ドイツ戦で大敗後。ブラジルのダビドルイス選手

【新聞テレビから】
☆『北陸新幹線談合で有罪 東京地裁元機構部長に判決』、『〈W杯ブラジル大会〉ブラジル歴史的大敗(ドイツ7―1ブラジル) 独、決勝へ』『「悲劇」再来 7失点に涙、怒号、落胆』、『北朝鮮またミサイル 日本海へ2発 米韓をけん制か』(9日付、中日夕刊)
☆『「文学と女性性」テーマに講演 熊野大学夏期セミナー』『中山美穂さんと辻仁成さん離婚』、『(オランダの画家)フェルメール油彩画11億円落札』、『木材売り込め 岐阜・長野タッグ』『基準統一 新ブランドに』(9日付、毎日夕刊)
☆『68年ぶり 母眠る地に』『姉妹訪朝「戦後に区切り」』、『届かなかった文豪の恋 川端康成宅から書簡11通』、『北海道で震度5弱 2人けが 泊原発に異常なし』、『岐阜「登山届義務化」に長野異論』『遭難対策 足場に違い』(9日付、中日朝刊)
☆『11日にも中部接近 台風8号 大雨の恐れ』『台風8号 勧告59万人 避難947人』『沖縄「鉄筋の自宅が安全」』、『大須演芸場 再開来年に』『改修内容見直し、着工遅れ』(10日付、毎日朝刊)

七月八日
 つい先日、7月6日付朝刊で五木寛之さん執筆の連載小説『親鸞』が終わった。私はこれまで起床し朝刊を手にして最初に読むのが『親鸞』だった。それだけに、朝の楽しみがひとつ減ってしまった。
 新聞と言えば、中日の朝刊なら『親鸞』に次いで4コマ漫画の〈おーい 栗之助(森栗丸)〉、連載小説〈拳の先(角田光代作 池田進吾画)〉、中日春秋、尾張版、軟派、国際面…といった順で読んでいる。夕刊は、中日文化欄の〈大波小波〉ほかはじめ、〈この道(今は数学者・大道芸人 ピーター・フランクル)〉、連載小説〈乙女の家(朝倉かすみ 後藤美月画)〉、毎日の連載小説〈あなたが消えた夜に(中村文則、ゴトウヒロシ画)〉…といった具合。いまや、日常生活のパターンである。
 読んでいると、独りよがり、かつ惰性、この書き手は一体全体、読者の立場にたって書いているのか。と時折、首をかしげるほど荒れ果てた低次元の文章を散見するが、書き手と編集者には、何よりも「分かりやすいストーリーを」とお願いしたい。正直、こんな訳のわからない下品極まる筆力でよく書いてるナ、とげんなりしてしまう。この点、五木、角田両氏は安心して読むことができるのである。この世の中、ニンゲンたちが生きていくのに必要なのは分かりやすさ、をおいてほかにはない。そして敢えて言わせてもらえば、時には気品ある文章も大切である。
 B級グルメならぬ、B級一匹(いっぴき)文士を名乗る私とて、物書きのはしくれ。それぞれの文章から学ぶべきセンテンスや思い浮かんだ言葉、諸作品で見つけた気に入った表現などは、そのつどノートに書き写すなどしている。このところはその時々、時代を映し出した表現力が画とあいまって印象深い、四コマ漫画〈お~い 栗之助〉の展開が気に入っている。

 「いま」の時代の問題点を突いた8日付の中日朝刊四コマ漫画〈おーい 栗之助〉
 
        ×        ×
 妻(舞)の術後診療で、朝から病院へ。
 このところは、炎天下での自主防災訓練への参加など、頑張り過ぎもあってか。ここしばらく「脳の左部分が手術直後のように、ドーンと重たく感じられる」と言っていたので心配だったが、担当の脳外科医によれば「おそらく一時的なものですから、大丈夫です」との見方。「ただ奥さまの場合、血圧が高くなりがち。せめて140台ぐらいには押さえておきたい」との危惧も口にされた。
 夜に入り、二階に上がってカーテンを閉める際、誤って布団の上で寝ていた愛猫、こすも・ここちゃんを踏んでしまった。彼女は大変な勢いでないたが、幸いたいしたことなく、ホッとした。童謡・唱歌の〈ねこふんじゃった〉に♪……ねこふんずけちゃったらひっかいた/ねこひっかいた ねこひっかいた……といった下りがある。全くもってその通りで踏んづけた左足首を、ひっかかれてしまった。ごめんね、ここ。
 「熱砂」同人、黒宮涼さんの意欲作【死神の秘密〈その1〉】をアップ。皆さん、ぜひ読んでください。さらに成長するためにも、厳しくも温かい酷評を、お待ちしています。よろしくお願いします。
        ×        ×
【きょうの一文・言葉】
……
 学者や宗門の人たちが考えているほど親鸞の名前は広く知られてはいない。第一部が書店に並んだとき、若い青年の一人が連れの女性に、「オヤドリって何だ?」と、たずねているのを聞いたことがある。
……
…なにはともあれ、最後まで執筆を続けられたことは、自力では及ばぬことだった、と感じないではいられない。あらためて、ありがとうございました。
=8日付中日朝刊、【虚構と史実の狭間に 小説『親鸞』の連載をおえて 五木寛之】より

【新聞テレビから】
☆『沖縄53万人避難勧告 台風8号、本州上陸の恐れ』『東海、11日ごろ最接近』、『駅ナカ 学生目線いいね』『名古屋の地下鉄 空き店舗活用計画』『●(名古屋市立大学)経済学部生提案●若者集う場所に』、『ヘイトスピーチ(憎悪表現)二審も「差別」』『在特会(「在日特権を許さない市民の会」)賠償と街宣禁止』、『明治の大関絵馬あった』『稲沢出身? 〝イケメン〟綾瀬川』(8日付、中日夕刊)
☆『長崎で核廃絶国際会議 科学者ら参加 被爆70年の来年』、『イスラエル、ガザ攻撃強化』『軍事作戦開始を表明』、『〈特集ワイド〉アベノミクス「成長戦略」 「大企業優遇」でいいの?』『「もうかっているなら下請けに還付を」 法人税減税は内部留保に回るだけ』『「残業代ゼロ」は対象拡大の懸念 「企業栄えて民滅ぶ」ではないのか』(8日付、毎日夕刊)
☆『あす岐阜空襲69年 消失直前の街』『建物疎開の十字鮮明』『お国のために…家失った』、『沖縄密約原告敗訴確定へ 最高裁14日判決 不開示を維持』『〈解説〉秘密保護司法追随か』(8日付、中日朝刊)
☆『「密約』原告敗訴確定へ 「情報公開 何のため」 西山さん怒り「存在握りつぶされる」『「日本最古の漫画」鳥獣人物戯画公開 京都国立博物館』、『川にネコ沈め動画中継 動物愛護法違反容疑 長野の男聴取』(8日付、毎日朝刊)

七月七日
 休刊日のため、朝刊はお休み。少し寂しい。
 気象庁が午後6時20分、大型で非常に強い台風8号について沖縄県の宮古島地方へ暴風と波浪の特別警報を出した。最大瞬間風速が75㍍で、このまま宮古島を直撃すると、数十年に一度の災害が起きる恐れもあるという。台風による特別警報は、昨年8月の運用開始以降、初。
        ×        ×
 きょうは一日、雨、雨、雨となった。東京・北区では脱法ハーブを吸引した男が反対車線を約200㍍逆走したあげく、ガードレールに激突する事故が発生。新宿では警視庁が昏睡強盗の犯人「声優アイコ」に似た30女を逮捕した。安倍内閣が集団的自衛権の関連法案は来年の通常国会に一括上程する、と。このところの内閣支持率急落でアレヤコレヤと思案したあげくの決定だそうだ。

【きょうの一文・言葉】
「日本が戦争でどのような傷痕を残してきたのか。戦後生まれの政治家がほとんどになり、過去を謙虚に反省する流れがなくなっている」「世界各国で政府開発援助(ODA)をばらまき、積極的な活躍をしている」(だが)「最も近隣の諸国と対立状況のまま、いくら平和を叫んでも空念仏だ。過去の反省の中から友好親善を高めていくのが政治家の役割」「日韓関係は非常に険悪な状態が続いているが、軍事力では何も変えられず、外交は決して政府だけのものではない。民間の次元の交流も非常に重要な作用を果たす」=7日付中日夕刊『野中氏「閣議決定は暴挙」 名古屋で講演 集団的自衛権、強く批判』の記事中。野中さんの発言内容
「今はすごく苦しい。感情を言葉にするのが難しい。でも、ボクの夢はまだ終わってない。…仲間たちがかなえてくれると信じている」=ブラジル代表のネイマールが脊椎骨折の重傷後、記者団に向かって

【新聞テレビから】
☆『台風8号沖縄へ 特別警報検討』、『W杯ブラジル大会 4強決まる(9日ブラジル×ドイツ)(10日オランダ×アルゼンチン)』、『ポール復活 全米ツアー開始』、『★熊野古道で(10年)記念式典』(7日付、中日夕刊)
☆『田中、米球宴に選出 ダルビッシュは3回目』、『■米でドラエもん先行上映会』、『「妻の親族2人遺棄」 リサイクル店殺人 夫が供述』(7日付、毎日夕刊)

七月六日
 【七夕の歌書く人によりそひぬ 虚子】
 あしたは♪ ささのは さらさら 軒端に揺れる お星さま きらきら 空から 見てる/ 五色の短冊 私が書いた お星様 きらきら 金銀砂子…、の歌で知られる七夕さまだ。七夕というだけで、(彦星気分で)何かいいことが。(織姫に会えるかなあ)と、思うがさにあらず。現実は、台風8号が近づいており、雨が降ったりやんだり。蒸し暑い日に。「熱砂」同人からの詩やエッセイ、小説読みに追われた。
        ×        ×
 昨日の毎日夕刊〈近事片々〉。そこには『パレスチナ自治区でユダヤ人少年3人の遺体発見。犯人とされた男性の母は「イスラエルによる占領こそ問題」と訴える。別の場所ではパレスチナ人少年の遺体も。報復の連鎖は終わらないのか。』との記述。パレスチナとイスラエルの憎しみ合いは、一体いつまで続く。周りがどんなに和平を叫ぼうとも果てしなき道である。
 夜。東海テレビ〈Mr・サンデー〉で韓国船「セウォル号」沈没後に生存者が語り始めた真相が報道されていたかと思えば、CBC〈情熱大陸〉では21歳で大ブレイクした若者俳優・福士蒼太の今を放映。「ゴジラVS伊福部昭名曲誕生秘話」が、NHKBSプレミアムで。

【きょうの一文・言葉】
 ……
 それにしても、当初は問題の本質が見えにくかった。メディアもセクハラの視点を強調するものが多かったように思う。やじが結婚や出産に関するものだったからか、新聞もテレビも総じて女性に優しく、それはそれで女性としてありがたかったが、ニュースに接するたび「何かが違う」という印象が残った。
 モヤモヤした気分が晴れたのは、六月三十日付朝刊・発言蘭に「議会やじ 大人版いじめ」のタイトルで載っていた六十代男性の投稿文を読んで。「大人のいじめが議会という公の場で、一般市民を代表する人々の間で行われたことが大きな問題だ」。日本の政治家の資質が問われているのである。
 ……
=6日付中日朝刊『〈中日新聞を読んで〉代表者たちの資質』から。エッセイストの内藤洋子さん

【新聞テレビから】
☆『集団的自衛権 閣議決定の歴史的暴挙』『撤回まであきらめない』『広がる抗議』、『〈ひと〉NHK「吉原裏同心」に出演 俳優近藤正臣さん 時代劇も〝世界遺産〟だよ』(しんぶん赤旗日曜版2014年7月6日号)
☆『〈この人〉本紙サンデー版の「300文字小説賞」で最優秀賞 森瑞季さん(21)』、『〈ニュースを問う〉海女の日韓ユネスコ登録問題 草の根交流に立ち返って 中谷秀樹(鳥羽通信局)』、『ほんのり 世界遺産の里 熊野の棚田』、『被災写真救い続ける』『蟹江在住の野瀬さんら 笑顔願い洗浄』、『はやぶさ2 今冬宇宙へ』『生命の起源探る旅再び 科学調査 渡辺・名大教授が統括』、『東大、防衛省に協力拒否 輸送機不具合究明「軍事研究」と判断』、『大雨運休なのに出張費 号泣兵庫県議、信頼性揺らぐ』(6日付、中日朝刊)
☆『凍土壁計画ピンチ 福島第1 トレンチの汚染水 凍結せず除去難航』、『脱法ドラッグ 1186人搬送』『7市16道府県で11年以降 本紙調査』『規制強化 歯止めにならず』、『3横綱そろい踏み 熱田神宮 奉納土俵入り』(6日付、毎日朝刊)

七月五日
 サッカーW杯に出場していたブラジル代表のFWネイマール(22)が5日、ブラジル・フォルタレザで行われた準々決勝のコロンビア戦で背中の骨を折る重傷を負った。ネイマールは後半43分に相手選手との接触プレーで腰を強打して倒れ、交代。病院でCTスキャンなどの検査を受けた結果、脊椎を骨折していることが分かり、チームドクターが「手術は必要ないが、回復のためには固定が必要。残念ながら、今大会はもうプレーできない」と語ったという。
 運命の皮肉とはいえ、なんたること! これでは、ネイマールが可哀そうである。別にネイマールに限ったことでもあるまい。誰だって。いつ、どんなことが起きるやら。大人だって。こどもだって。高齢者だって。知れたものでない。私たちは皆、見知らぬ海の上、迷路を歩いているのである。自分は自分で守るしかないのよ、の言葉がズシンと響いてくるのだ。
        ×        ×
 午前中、車で岐阜の各務原へ。ここから自宅経由で名鉄に乗って名古屋へ。名駅近く「つちやホテル」喫茶室で中部ペンクラブの常任理事会に参加。来年、中部ペンクラブが創立30周年を迎えるに当たって記念講演会の講師をどうするか、などにつき三田村博史会長を囲んで熱心な討議が重ねられた。中部ペンクラブの場合、(いや同人誌は全国的にどこもであるが)高齢でなおかくしゃくとした方々が多いので、この特性を逆手にとって日本社会に打って出るのも一手かな、と思った次第。【長生きも芸術】なのだから、皆、胸を張って日本の文壇に名乗りをあげていくことも大切な気がした。
        ×        ×
 夜。ニュースキャスターを見ていて思ったことだが、大号泣の兵庫県議野々村竜太郎さんは、政治家としての基本が出来ていない。常識に欠ける。この際、ビートたけしさんに弟子入りして、無駄遣いをしないことから始め、出前、運送業を学び、将来、芸人として再出発した方がいい。ただ、たけしさんがOKするかどうか、は別問題だ。あの状態では厳しいものがある。何が正しくて何が正しくないか、が分かっていない。

【きょうの一文・言葉】
(集団的自衛権の「行使容認」の閣議決定に対して)閣議決定ということは内閣がかわれば修正可能だ。(それだけに、こんごは)現実に即して判断していくことが大切である。=5日夜、CBC〈ニュースキャスター〉のなかで。コメンテーターの齊藤孝明治大学教授の発言

【新聞テレビから】
☆『ネイマール脊椎骨折 今大会絶望』『ブラジル、ドイツ4強/ブラジル2―1コロンビア、ドイツ1―0フランス』、『年内にも宇宙日帰り旅行』『米の企業 4分間無重力で2550万円』、『「憲法の平和主義堅持」公明全国協議会で山口代表』、『八雲 故郷に資料館』『ギリシャで没後110年記念行事』、『宮古で震度5弱 M5・9』(5日付、中日夕刊)
☆『日本出身女性に正恩氏が祝い膳 関係改善意識か=朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記は4日、首都平壌近郊の南浦市に住む日本出身の女性に100歳の祝い膳を贈った』、『プーチン大統領W杯閉会式出席 11日から中南米歴訪』、『亡き妻と大衆演劇支え60年』『「ここが一番」今も目標』『名古屋・鈴蘭南座の長野さん』、『〈チェック〉自由な生き方「かもめのジョナサン完成版」ほろ苦い結末』『作者に転機  40年経て刊行』、『シリア兵器からサリン OPCW(化学兵器禁止機関)政権側使用強まる』、『名張市、2300万円不正支出 三重県警が職員聴取 虚偽文書作成容疑』(5日付、毎日夕刊)
☆『北の調査委説明 口頭のみ』『制裁一部解除決定「安易」政府批判も』、『欺瞞に満ちた9条解釈』『閣議決定に抗議 学者ら声明』、『「死刑囚の秘密を侵害」名地裁、国に賠償命令』(5日付、中日朝刊)
☆『STAP論文 「ES細胞混入」指摘』『サイエンス 12年投稿審査』『意見反映掲載見送り』、『北朝鮮制裁「拉致で解除は矛盾」』『ミサイルで発動 政府内に異論=制裁は北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射を理由に発動しており、拉致問題に絡めて解除したことには「整合性が取れない」と政府内で不安視する声が出ている』(5日付、毎日朝刊)

七月四日
 手元に届いている「熱砂」同人の作品のうち、テーマエッセイ2編を公開するのに結構な時間を費やす。ほかに、こんご心温まる「熱砂」支援者のバナーを、どんな形で張り付けるか。世界に向けて発信するのが狙いの〈WORLD WINDOW-世界の窓-〉の効果的運用などにつき、あれやこれやと検討を重ねるうち、時が過ぎていく。
        ×        ×
 尾北ホームニュースで連載されていた【武功夜話物語】が本日付、すなわち〈平成26年7月4日付その139(最終回)〉をもって終わった。毎回、一読者として楽しみにしてきただけに、少し惜しいというか、残念な気がする。文末には「12年の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました」(須賀弘之)と書かれていた。
 最終回は信長の次男で永禄元年(1558年)に生駒氏三代家宗の娘、吉乃との間で尾張国丹羽郡小折(現江南市)の生駒屋敷で生まれた織田信雄(おだのぶかつ)の波乱の人生について事実だけが淡々と描写されており、大変勉強になった。天正10年(1582年)に起きた本能寺の変、同18年の小田原征伐での伊豆韮山城攻め、関ヶ原の戦い、大阪夏冬の陣への参戦…など戦国の乱世を経て、徳川の平和な時代を見届け、寛永7年(1630年)4月30日に京都北野邸で72歳で亡くなるまでの波乱の人生。
 一連の描写は、まさに目に浮かぶようでもあった。長年のご健筆には、心から敬意を表したい。
        ×        ×
 サッカーW杯で八日に準決勝が行われるブラジル・ぺロオリゾンテでアルゼンチン代表選手を乗せたバスが通ったばかりの陸橋が倒壊し、二人が死亡、二十二人がケガをしたという。今夜遅く、新聞を読んでいて何げなしに目にした折り込みチラシで、あの落合恵子さんが十二日午後、江南市民文化会館を訪れることを知った。一宮・尾張北部九条の会発足9周年記念講演会「いのちの感受性 2014年」の講師として訪れるとの、こと。ちなみに参加協力費が一人500円必要(ただし障害者・高校生以下は無料)。
 時は振り返ることなく、きょうも瞬く間に一日、過ぎ去る。

【きょうの一文・ことば】
…「浪江町を追われて2年 あと何処に行ったらいいのか 雪かきしながら東電の空の方を仰ぐ」とあった。その後も「先が見えない避難生活はしんどいが、がんばります」「帰りたくても帰れない私たちのかわりに無事にお家に帰れるように祈りをこめて」と続く。…
=4日付中日夕刊『滋賀の「まいバーラ」手渡し旅で福島訪問』『託された声 絵本に』の記事中。日記帳から

【新聞テレビから】
☆『NY株初の1万7000㌦台 「カネ余り」株高に懸念も』、『子宮頸がんワクチン 「記憶がなくなる」少女の訴え』(4日夜、メ~テレ〈報道ステーション〉)
☆『〈大波小波〉高校生が投じた一石』、『能登を「芸術半島」に 潜在的な魅力生かして 多田邦彦』『世界とつながる交流を』、『億万長者へ出陣じゃ サマージャンボ発売に行列』、『対北制裁一部解除を決定 拉致調査委発足で政府』『核協議への影響警戒 米高官』、『美濃加茂市長無実訴え』『勾留理由開示法廷「現金授受ない」』(4日付、中日夕刊)
☆『北朝鮮制裁一部解除 閣議決定 拉致再調査開始へ』『万景峰号の再開焦点 日朝協議 在日朝鮮人ら期待感』、『ラッコの親子 根室まで回遊』『北海道沿岸で初確認』、『NY株終値 1万7000㌦突破』、『高円宮家の典子さま・千家国麿さん婚約 高円宮邸で納采の儀』(4日付、毎日夕刊)
☆『3000光年先 地球似の惑星』『名大研、生物は望み薄』、『期間従業員の正社員登用』『トヨタ、5年ぶり100人超』(4日付、中日朝刊)
☆『拉致再調査 生存者情報を優先提示』『北朝鮮「段階的に」』、『北朝鮮核開発を阻止 中韓首脳会談で一致』(4日付、毎日朝刊)

七月三日
 「熱砂」の仲間から、詩、小説、テーマエッセイが相次いで届き、うれしい悲鳴をあげている。加藤行さんの詩集「ピュアな風に舞う」(文芸社)も刊行間近。「熱砂」は活気と勢いがあふれて、とてもいい雰囲気にある。作品は今後、随時、公開していきたい。
       ×        ×
 安倍晋三首相が首相官邸で、北朝鮮に対する経済制裁の一部を解除する、と記者団に発表。拉致被害者を含むすべての日本人行方不明者=特定失踪者だけでも推定860人=を調査する特別調査委員会について、北朝鮮が最高権力機関の国防委員会がすべての機関を調査できる特別な権限を与える―と説明したことを踏まえての対応で調査開始時点で、日本独自の制裁措置の一部(人的往来、船舶の入港、送金時の規制緩和など)が解除され、両国の扉がいよいよ開かれる。
 私は、これはこれで今後、拉致被害者問題の解決とともに日朝両国民の交流の芽生えとなれば、大変よいことだと思う。以前も本欄で書いたが、私は若き金正恩第一書記の【将来性】と、その【叡知】を買いたい。将来性とは平和に向かって進む、その舵取りの一番近いところに彼はいるからだ。その風貌を見る限り、話せば気のいい若者と推察する。この際、金第一書記であればこそ出来る【世界平和への道】を歩んでほしい。
 皆さんは「そんな。北朝鮮に限って」と仰られるだろう。でも、彼はもしかしたら、この先、自国の「核廃絶」を先頭になって世界に向け宣言。この地球という星を平和色に染めていく先陣を切るかもしれない。若いころの留学経験も豊富で各国の事情にも精通しているはずで、こんごの動き次第ではノーベル平和賞にだって一番近く歴史上、世界平和実現のリーダーになるやしれない。
 褒めすぎだ、と言う人に訴えたい。彼は意外と純真、ピュアでいろいろなことを頭に描いているはずだ。この世の中、絶えず流れている。ありえないことが起きる。
        ×        ×
 九州の長崎で五十年に一度の記録的大雨だという。確かに西海市での被害は尋常ならざるものがある。ただ、私の取材体験から言わせてもらえば〝長崎大水害〟の方が、明らかにひどかった。長崎名物の眼鏡橋の橋げたが洗われ無残な姿をさらしたばかりか、郊外の鳴滝、大河内地区での豪雨被害は家という家全てが流され、目を覆うばかりだった。
 身内三世帯の家族九人が全滅した、ある年老いた女性が「原爆より怖かけん」と私に泣きついて語ってくれた日がつい、きのうのようでもある=私の著書「町の扉 一匹記者現場を生きる」(わくうら印刷)に詳しい=。〝五十年に一度〟もいいが、過去の被災例をもっとよく調べたうえで報道しなければ。どこもかしこも、判で押したように気象庁の発表のまま〝五十年に一度〟では。物足りない。
 サイパンで姉妹行方不明の報道も過去三度、かの地を訪れている私としては、TVニュースの取材不足を否めない。ビーチの危険性に対する取材が希薄過ぎる。あそこは浅瀬とはいえ落とし穴みたいに深くなっているところが多いはずだ。事件より、明らかに事故の可能性が大きい。ASKAとやらが保釈された。米の旅行雑誌ランキングで「京都」がナンバー1に。2位はチャールストン(米)3位フィレンツェ(イタリア)だったそうだ。
 それよりも今はサッカーのW杯、22歳同士の大スター、ネイマール(フランス)とロドリゲス(コロンビア)の活躍に期待したい。

【きょうの一文・ことば】
 暑い。まだ夏前なのに、熱中症が頻繁に出ている。春前に新しい防護服に変わったが、とにかく破れやすい。一部破れると豪快に破れる。いちいち着替えていたら仕事にならないので、みんなその辺にあるテープで補修している。
……
 下着のズボンも紙製になって大不評。ウエストのゴムが緩いので、落ちてこないように、みんながに股で歩いている。防護服が水に浸透しやすく、下着のズボンが短いので、汚染水に触れると足が汚染されてしまう。この間は大勢の作業員が汚染検査で引っ掛かっていた。
 前の布の下着は上下とも使いやすくて、みんな持ち帰って部屋着にしていた。内部被ばく検査のときに、係員が内緒でチェックしていて、着ていたのがばれた人が会社に注意された。布のズボン戻らないかな。もう持ち帰ったりしないから。(聞き手・片山夏子)
=3日付中日朝刊〈ふくしま作業員日誌 35歳の男性〉『汚染が怖い新防護服』から

【新聞テレビから】
☆『北朝鮮核開発に反対 中韓共同声明』(3日夜、CBC〈NEWS23〉)
☆『北朝鮮制裁の一部解除』『政府発表 拉致調査態勢評価』『北の積極対応促す意図』、『長崎で猛烈な雨 50年に1度の値超える』、『高野山へ音のトンネル』、『号泣兵庫県議に英メディア関心』『温泉スキャンダルでフルスロットル謝罪』(3日付、中日夕刊)
☆『北朝鮮制裁一部解除「今度こそ解決信じたい」 拉致被害者家族ら注視』、『集団的自衛権 戦前に戻すな/話し合いで解決を』『30超す団体 反対声明』(3日付、毎日夕刊)
☆『集団的自衛権は憲法侵す 松阪市長、国を提訴へ』、『〈通風筒〉◇…柳ケ瀬ブルースのヒットで知られる歌手美川憲一さん(68)が二日、岐阜市の柳ケ瀬商店街に〝里帰り〟。集まった八千人のファンから「お帰り、憲ちゃん』と迎えられ、「ただいま―」と笑顔を振りまいた。」(3日付、中日朝刊)
☆『首相官邸周辺抗議集会続く』、『トーマス、かっこいい 大井川鉄道で園児ら試乗会』、『サルコジ氏捜査本格化 捜査情報入手疑惑』、『〈ウルムチ暴動5年〉抑圧強化「生きづらい」』『反動で過激思想拡大』、『中国、「対テロ」主張 ウィグル政策を正当化』(3日付、毎日朝刊)

七月二日
 きょうは、暦のうえでは梅雨の終わり、とされる半夏生(はんげしょう)。半夏(別名・カタシログサ)という薬草が生えるころなので、こう呼ばれるという。この日に「タコを食べるといい」とか。タコには8本足があるので農作物がよく育つ、そうだ。
 夜。一宮まで出向き、久しぶりに東京在住の女優片山美穂さんらと、食事をしながら楽しいひとときとなった。片山さんはこの秋に東京、静岡、小牧、名古屋で開くチーム・クレセントのミュージカル「お菓子放浪記」公演を前に、そのPRを兼ね訪れており互いの近況を話し合ううち、時は瞬く間に過ぎ去った。
 この「お菓子放浪記」。西村滋さんの原作で、~孤児のシゲルが第二次大戦末期から戦後の動乱期をたくましく生きていく物語~。「明日の希望を語ることさえ困難だった時代に、お菓子への憧れに支えられ絶望と闘いながらひたむきに生きていく孤児シゲル。成長するシゲルにとってのお菓子…、それは優しさの味であり、平和の味であり、世に氾濫する「ニセモノ」を見分けるための「ホンモノ」の象徴となっていく…。(パンフレットから)」といった展開である。いまの時代に失われがちな何か、をたぐり寄せてくれる内容だけに公演への期待は大きい。
        ×        ×
 集団的自衛権の活字が躍る2日付新聞各紙
 
 新聞、テレビは、きょうも〝集団的自衛権〟やら〝平和主義〟〝9条解釈〟〝行使容認〟〝戦後安保の大転換〟といった言葉があふれている。オバマ米大統領が集団的自衛権の行使容認を強く支持すれば、韓国と中国は「日本は戦争国家になる」と反発している。
       ×        ×
【きょうの一文・ことば】
 …… 
 自衛隊が海外の戦地へ赴いたことはない。他国から「お前は何もしない」と批判されても、何ら恥じる必要はない。日本人が平和のために尽力することで築いた信頼感は大きな国益だ。集団的自衛権とは、他人のけんかを買って出る権利である。けんかを買って平和国家を投げ捨て、国益を踏みにじる必要はない。=2日付毎日朝刊【抑止力 戦争の出発点】の記事のなかから。作家半藤一利さんに聞く、の一部抜粋

【新聞テレビから】
☆『北、また短距離砲発射 日本海に 習主席訪韓けん制か』、『香港デモ511人拘束 返還記念日 座り込みで学生ら』、『〈W杯ブラジル大会〉8強出そろう』、『教諭結核 生徒ら39人感染 名城大付属高、4人発病』、『小保方氏が理研出勤 STAP細胞検証参加へ』『「iPS臨床 中止も検討」研究者が理研批判』、(2日付、中日夕刊)
☆『瞬間の王メッシ(延長戦の末、アルゼンチン1―0スイス)』『ルカク長い足(ベルギー2―1米国)』『8強すべてグループ1位』、『東京女子医大「投与中止後透析なら生存」 心電図異常対応せず 2歳児死亡 遺族に説明』、『集団的自衛権 法案作業チーム30人規模 自民・高村氏「説明責任果たす」』(2日付、毎日夕刊)
☆『日本の平和主義 転換』『集団的自衛権を閣議決定 行使容認「戦争の恐れない」』『根拠「秘密」で武力行使も』『越えられぬ一線 論説主幹・深田実』『平和国家への信頼失墜』『〈その先の代償「われら」の憲法〉上 失うもの 議論あったのか』『乱暴なやり方「反対」名古屋、街頭アンケート』『放棄した道に戻るな』『「戦争は嫌だ」市民ら怒り』『不安ない/覚悟の上/危険増す 自衛隊員 思い複雑』、『日本一遅い地下鉄終電』『4日から東山線金曜などに運行』(2日付、中日朝刊)
☆『集団的自衛権 閣議決定』『〈平和国家の変質〉「限定」極秘の検討』『9条解釈を変更 戦後安保の大転換』『〈社説〉歯止めは国民がかける』『自衛隊60年岐路』『「命令ならば行く」』『首相会見 母と子の図、また』『戦い死ぬリアル 世論割る決定の先』『「軍隊」へ変容始まる 社会部編集委員 滝野隆浩』(2日付、毎日朝刊)
☆『金沢バンザ~イ竜4連勝 7月大勝発信』『和田V弾 貯金‼ 4月19日以来2カ月半ぶり 貯金』(2日付、中日スポーツ)

七月一日
 
 この社会。このところは、あっちを向いても、こっちを向いても、〝集団的自衛権〟〝集団的自衛権〟の言葉のオンパレードである。集団的自衛権って、一体何か? ひと口で言えば「紛争に自衛隊を派遣して武力行使する」「これまでの個別的自衛・専守防衛の枠から飛び出し、自衛隊が他国の戦争に加わる」ということで、これまでの安全保障政策が大きく揺らぐことを意味する。
 自衛隊発足から60年のこの日。安倍内閣は午後開いた臨時閣議で、とうとう、これまで行使を禁じてきた集団的自衛権の憲法解釈を変え、「(武力)行使を認める」新たな解釈を決定した。安倍首相には〈そんなに急いでどこに行くのよ〉と訴えたい。

 国民注視のなか、与党合意、閣議決定、安倍さんの記者会見…と目まぐるしい1日が過ぎていった(いずれもNHK総合テレビ午後7時のニュース画面から)
 
 
 
 
 

 この日の閣議決定により、これまで憲法九条を掲げ不戦国家を貫いてきた日本の戦後の安全保障政策が大転換しようとしている、のは確かだ。でも、こんごは関係する法案整備も当然必要で安倍さんの思いどおりにはとても行かない、ことも目に見えている。であるから、この閣議決定により、すぐ戦争が始まると短絡的に考えることだけはやめたい。あくまで世界に冠たる平和主義国家は維持してゆかねばならない。
 閣議後の記者会見の様子を見ていると、安倍さんは〝一国だけで平和を守れる時代ではない〟との認識に立ち「(武力による)抑止力を高めなければ、国家の安全は守れない。抑止力が平和の維持につながり、【行使容認】とは言っても、あくまで限定的なものだ」との姿勢だ。それはそれなりに分からぬことはない。ただ、恐れるのは集団的自衛権の行使が現実のものとなり戦争が始まった場合、〈ポイント・オブ・ノーリターン(後戻りが出来ない)〉で歯止めが効かなくなり際限のない泥沼に陥ってしまうことは目に見えている、ということだ。
 だから安倍さんも平和を願うなら、そのあたりをもう一度胸に手をあて、同じ日本国民の1人として考え直してほしい。彼とて戦争などは望まず「平和な社会」の維持を考えているに違いない。これだけは信じたい。この点で、かつて中曽根首相ら歴代首相が言いきってきた【集団的自衛権に参加することは憲法が許さない】との言葉をいまいちど、かみしめるべきだ。議論の余地はあるので遅くはない。共産党の言う「憲法破壊のクーデターを絶対認めるわけにはいかない。決議の撤回を求める」の声にも耳を貸し、みんなで先の大戦の轍を踏むことだけは避けるべきだ。
 ちまたでは戦前の日本に似てきた、と危惧する向きも多い。ただテレビでも誰かが話していたが、当時と大きく違うのは【国民の意識】でそれほど愚かではない。それに新聞、テレビを中心としたマスコミ各社の姿勢も健全で、このところ問題点を一斉に突いている。やはり、ペンは剣より強しだ。各社にはこの先日本が愚かなる道にはまらないよう、しっかりした水先案内役を果たしてほしい。
 今の日本の世論はそれだけの力を持っていると信じたい。今夜も一万人以上の人々が官邸前に集まり「戦争反対」を訴え、抗議活動をしている。
 
        ×        ×
 「熱砂」同人の全員に、次回テーマエッセイ(テーマは〈忘れもの〉)の締め切り=今月末=を連絡。北京では日朝政府間協議が始まり、日本側は北朝鮮側から拉致被害者を再調査する特別調査委員会の内容につき、詳しく丁寧な説明を受けた模様だ。この日、日本では国税庁から路線価が発表され、愛知は二年連続の上昇で全国三番目の伸び率(1・2%増)。なかでもリニア新幹線の路線となるJR名古屋駅前の「名駅通り」は上昇率で全国トップ。一平方㍍当たりの路線価が660万円、十年連続の伸びになった。
 ハム、バターなど150品目以上の物価が次々と。平均10%の値上がり。

【きょうの一文・ことば】
 「立憲主義を根本から否定するもので許されない」「安倍さん、チョット調子に乗り過ぎ」「また戦争が出来る国に、だなんて。しかも姑息なやり方です」「言葉遊びをやっている軽い感じがして貧相だ」「これまで平和な国家づくりに徹してきたのに中国脅威論を作り出して国内政治を強行することはよくない」
 「いまからでも遅くない。閣議決定の撤回をぜひ、お願いしたい」「平和の党のはずの公明党、何やっとるのよ。なかでも女性たちが強い行動を起こすと信じていたのに。そうでもなかった」「どこに歯止めがありますか。歯止めなんてありはしません。(戦争は)忍び足でくる。気がついた時は、現実に戦争が起き、〝あぁ、あの時が間違いのもとだった〟と気付く時がくるかもしれない。そういうことがないよう憲法9条を守ってきたのに」
 「安倍さんには、きょうおっしゃった国民の命と平和な暮らしを守る、の言葉を忘れられないでほしい」「この先は、国民の意識に期待したい」「平和な社会実現のため、マスコミの存在がいまほど求められている時代はない」=1日。各地での国民語録を収録=

【新聞テレビから】
☆『〝くに〟の形が変わった日 政府与党はどう動いた?』(7月1日夜、CBC〈NEWS23〉)
☆『夏富士山梨からGO 任意の入山料1000円現地徴収スタート』『行使容認 自公が正式合意』『集団的自衛権 今夕、閣議決定』『〈解説〉拙速協議わずか13時間(政治部・新開浩)』『戦争したくないよ 栄で市民ら抗議』『「急ぎすぎでは」大村知事』、『名駅前 上昇率トップ』『14年路線価 都市と地方で二極化』(7月1日付、中日夕刊)
☆『雲海の上 ご来光 富士山開き』、『集団的自衛権 自公合意』『沖縄長崎忘れぬ悲劇』『戦争体験者語り継ぐ』『「若者よ 当事者意識持って』(1日付、毎日夕刊)
☆『集団的自衛権「戦争できる国へ」 公明了承きょう閣議決定』『「密接な国」定義根拠なし』『外務省、ミスリード認める』、『オウム菊地被告 懲役5年』『東京地裁判決「薬局は殺傷用 認識」』(1日付、中日朝刊)
☆『急ぐ首相止まらず 集団的自衛権きょう閣議決定』『公明 執行部に一任』、『STAP論文 理研、全疑義検証へ 小保方氏 実験に正式参加』『小保方氏「努力」』『ネイチャー「3日号で撤回」 疑問に決着つけよ』(14日付、毎日朝刊)