【一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2020年7月~)】
2020年7月29日
夜に入りこれまで全国でただ1県、ゼロだった岩手県の新型コロナウイルスの感染者が県下で29日、2人感染したことが確認された、と同県が発表。そればかりか、この日は国内の1日の感染者としては初めて1000人を超え、過去最多の1260人の感染者が確認されたという。
新型コロナウイルスの感染者は東京都はじめ全国各地で相変わらず、日に日に増えている。このうち愛知県では28日、1日の新規感染者が初めて100人を超えて110人に。過去最高だった23日の97人を更新。大村秀章知事は記者会見で「衝撃的な数値だ。きわめて厳しい現況だと改めて認識し、行動の変容、行動の自粛をお願いしたい」と述べた。また本日付中日新聞朝刊によれば、28日の新規感染者数(愛知110人、東京266人、大阪155人)だけを人口100万人あたりに換算すると、愛知14・6人、東京19・1人、大阪17・6人とほぼ同レベルで「完全に市中感染が始まっている」との見方も出ている。
ちなみに世界全体の28日現在の感染者数は1649万5309人(死者は65万4327人)=各国や米ジョンズ・ホプキンズ大の集計による=。日本国内は28日午前0時現在、感染者が3万2896人(死者1015人)
先日、自宅近くで自転車で転倒、左大腿部を骨折し手術後、江南厚生病院から同じ市内の佐藤病院で入院リハビリ中の妻、舞はこのところは温かく、かつやさしい看護師さんはじめ医師、リハビリ療法士さんら病院の人々に支えられ、毎日リハビリに黙々と打ち込んでおり、少しずつ回復に向かっている。かわいそうで出来れば代わってやりたく思うが、こればかりは代われない。
ここはそれこそ頑張って、これまでどおり俳句や短歌の作句も合わせ、1日も早く俳人、そして歌人「伊神舞子」として社会に復帰してくれることを願うばかりである。本人は「7月中にはケリをつけたい」と言っているが慌てる必要はない。時が逃げることはないのだ。それより、じっくり直してほしい。いや、直さなければいけない。ただ、そればかりを願って私たち家族は、愛猫シロちゃんともども彼女の復帰に期待しているのである。
「早く、帰ってきてね」と愛猫シロちゃん。彼女はおかあさんのことが心配でならない。でも、オカンの心の内は何でも知っている
人生、だれとて山あり谷あり、だ。いろいろ、だ。これまでだって、数えきれないほど苦難の道を共に歩んできたじゃないか。今回は、おまえ(舞)が名付けた白狐のシロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫。本名は社会を照らすオーロラレインボー)も精神的に、いつだって守ってくれている。だから安心して復帰をめざしてほしく願っている。
そして。もうひとりの、その彼女、すなわちシロちゃんはけさも朝から出たがってしようがないため、久しぶりの好天でもあるので外に出してやったが、おそらくは白狐となって自身の姿を消し、おまえの入院している病室に行ったに違いない(シロちゃんは夕方には、帰宅した)。
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けさの中日新聞によれば、1986年に隣国ウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故で最も大きな汚染被害を受けたベラルーシで初めてとなる原発「ベラルーシ原発」(出力240万キロワット)が西部グロドノ州に完成し、8月にも稼働を開始するという。この「ベラルーシ原発」はロシア製で建設費は60億ドル(約6300億円)と報じられており、その90%はロシアが融資したもようだという。ベラルーシの場合、現在、電源構成の95%を天然ガス火力発電が占め、残りは風力。原発が稼働すると40%を占めるようになるという。
記事によれば、チェルノブイリ事故で汚染物質の半分以上がベラルーシに降ったとされ、2015年までの経済損失額は事故前の国家予算の32年分に上るという。それほど痛いめをしてきたのに「原発で苦しんだ国が原発を導入するのは残念だ」(日本チェルノブイリ連帯基金=長野県松本市=の神谷さだ子さん)の声は、そのとおりである。人間はおろかな存在だと言わざるを得ない。
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広島地裁が29日、広島への原爆投下直後に降った放射性物質を含む黒い雨で健康被害を受けたとして広島県内の男女84人が県と広島市に被爆者手帳の交付などを求めた訴訟の判決で84人全員を被爆者と認め、県と市に被爆者手帳の交付を命じた。原告らは投下当時、国が援護対象とする区域外におり、交付申請は却下されていた。区域外の住民に援護を拡大し、黒い雨の体験者を被爆者と認めた司法判断は今回が初。
環境保護団体、世界自然保護基金(WWF)のオーストラリア支部が28日、オーストラリアでことし2月ごろまで約半年間続いた森林火災で死んだり、生息地を追われたりしたコアラやカンガルーなどの野生動物は約30億匹に上る、と発表。「現代史上、野生動物の災難としては最悪だ」と指摘した。
停滞する梅雨前線や低気圧による大雨で29日、山形県の最上川の4カ所で氾濫が起き、床上、床下を含め少なくとも住宅206棟に浸水被害が出た。道路の寸断などで5市町村の一部地区で計380世帯、1011人が一時孤立したが随時、解消。避難者は29日朝の時点で2438人に上った。
2020年7月24日
きょうはスポーツの日である。
国内の新型コロナウイルスの感染者が23日、新たに計981人確認され、2日続けて過去最多を更新。東京都も366人とこれまで最多だった17日の293人を大幅に上回ったほか、大阪府も2日連続で100人を超え104人に、また愛知も97人、福岡も66人とそれぞれ3日連続で過去、最多を更新。きのう、海の日は、4連休の初日で政府の観光支援事業「Go To トラベル」により観光地がにぎわいを戻すところだったが残念ながら、とてもそんなわけにはいかない結果となっている。
このまま感染拡大化が続けば、それこそ危惧視されている感染拡大の第二波が始まりかねないとの心配も出ており、事実、既に【市中感染】が始まっている、と指摘する専門家まで出てきた。この苦境を、この先どう乗り切っていくか。わたしたち人間の英知が試されているといっていい。
このうち23日に県内で10~80代の男女97人の新型コロナウイルス感染が発表された愛知県では1日の新規感染者数としては3日連続で最多を更新。臨時に記者会見した大村秀章知事が「第二波の大きなヤマがきている。感染防止対策の徹底をお願いしたい」と市民に呼びかけ、特に軽症や無症状での感染が広がっている若者に不要不急の行動自粛を呼びかけた。この日夜、名古屋の名古屋テレビ塔とオアシス21はイエローサインの黄色にライトアップされ市民に注意を促した。
新型コロナウイルスの感染拡大で延期となった東京五輪は開幕まで1年となった23日、白血病からの復帰をめざす競泳の池江璃花子さん(20)=ルネサンス=が来夏に開会式が行われるメインスタジアムの国立競技場で世界に向けメッセージを発信。「逆境からはい上がっていく時には、どうしても【希望の光】が必要です。1年後のきょう、この場所で希望の炎が輝いてほしい」と訴えた。
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京都府警が23日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者の依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人の疑いで宮城県名取市でクリニックを営む仙台市、医師大久保愉一容疑者(42)と東京都港区、医師山本直樹容疑者(43)を逮捕。
調べによると、女性患者は京都市中京区鍛冶町、無職林優里さん(当時51歳)で、林さんは会員制交流サイトを通じ、大久保容疑者に「安楽死させてほしい」といった趣旨の依頼をした形跡があり、林さんから山本容疑者の口座に百万円以上の現金が振り込まれていたという。このため府警は金銭目的で「安楽死殺人」を請け負った可能性があるとみて、さらに厳しく追及する。
新型コロナウイルスの新規感染者が全国的に増えているなか、安倍晋三首相は24日、「国民には三つの密(密閉、密集、密接)を回避し、大声を出す行動をひかえるなど感染を防ぐ行動を徹底するよう改めてお願いする」と述べ「再び今、緊急事態宣言を出す状況にはないと考えている」と現時点での緊急事態の再発令はしない、と否定的な見解を明らかにした。
2020年7月19日
日曜日。朝から久しぶりの好天に恵まれ、戸外では、ミンミンゼミがかまびすしく鳴き始めた。このところは、愛猫シロちゃんも含めて私たち家族の気持ちと心に合わせたかのように雨、雨、また雨の日々が続いた。それだけに、きょうの天気は少し暑くはあるが、どこか心も晴れて、わが家のエース、白狐のシロちゃん(舞が命名した「白」の俳号を持つこの世でただ一匹の俳句猫)を久しぶりに朝早く、吟行のため外に出してやる。シロちゃん、どこを歩いていたのか。午後6時前、無事帰宅した。
ところで妻の舞が今月16日には左足大腿部骨折の手術後(先月27日に骨折、30日午後手術)のリハビリ転院を終えるなど、このところのわが家は、激流のごとき日々が続いている。何よりも、思いがけない事故で苦しんでいる舞の胸中をおもうとき、私の胸は今、張り裂けそうでもある。幸い、息子が忙しい仕事の合間にあれやこれやと家事をしてくれ、本当に助かっている。
というわけで、きのうは転院した病院にラジオのイヤホン、単3電池、Tシャツなどを届け、テレビカードを患者である妻に頼まれて病院内で買おうとして財布に1000円札がないことに気付き、1万円札を両替えしてもらうため近くのホームセンターまで走ったが「両替はしていません」と冷たく言われ、たまたま見つけた唐揚げのお店「鳥丸」で5000円札の両替をお願いしたところ、そこの美人スタッフ、〝さとみさん(伊藤里美さん)〟が快く引き受けてくださり、事なきを得たのである。いやはや、行ったり来たりが、なんだか切なすぎるが。これも可愛い舞のためだ。
ところで。新型コロナウイルスの感染者は一向に減りそうにない。東京都では18日、新たに290人の感染者が報告された。16日の286人、過去最多だった17日の293人とほぼ同水準で、300人台に迫る状態が連日続き、累計では9000人を超える、9223人となった。
ちなみに各国や米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によれば、18日現在の世界全体の感染者数は1412万4409人(うち死者は60万3059人)。感染者が多い国は米国364万7715人(同13万9266人)ブラジル204万6328人(7万7851人)インド103万9084人(2万6273人)ロシア76万4215人(1万2228人)ペルー34万5537人(1万2799人)…の順。また日本国内は18日午前0時現在で横浜クルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス)も含めた感染者が2万5575人(死者999人)となっている。
西村康稔経済再生担当相は、18日の記者会見の席上、新型コロナウイルス対策で要請しているイベントなどの入場者数を5000人までとする制限に言及、「8月1日に予定している一段の緩和は慎重に考えざるをえない」として再検討する意向を示した。
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熊本県南部を中心に大きな被害が出た豪雨から18日で2週間。熊本など九州5県の犠牲者は計71人、行方不明者も6人に及ぶ。熊本では避難者が2000人を超え、断水が続いている地域もあり、元の生活を取り戻すには、なお時間がかかりそうだという。
悪い話ばかりでもない。舞がリハビリ転院した16日、この日大阪市の関西将棋会館で行われた第91期棋聖戦五番勝負第4局で高校生棋士の藤井聡太さん(愛知県瀬戸市)が渡辺明前棋聖=36歳。棋王、王将=を破り、17歳で史上最年少のタイトルを獲得。その藤井聡太棋聖は18日、東京都渋谷区で開かれた将棋日本シリーズJTプロ公式戦の1回戦でも103手で菅井竜也8段に勝ち、タイトル活躍後の初戦を白星で飾った。そして。その藤井棋聖の18歳の誕生日がきょう、19日である。
大相撲の本場所では4カ月ぶり、観客を入れての対戦では半年ぶりとなる七月場所(中日新聞社共催)が19日、東京都墨田区の両国国技館で初日を迎え、15日間の熱戦が始まった。富山出身の期待の新大関朝乃山が隆の勝をおくりだしで破って白星発進。能登半島期待の星、遠藤は横綱鶴竜にこしくだけで勝ち、7個目の金星を獲得した。
新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した岐阜県立岐阜商業高校(岐阜市)の硬式野球部が19日、全国高校野球選手権岐阜大会の代替大会の出場を辞退した。同部は、今春の選抜に出場が決まっていた強豪。選抜中止を受け、8月に開催予定の甲子園高校野球交流試合にもエントリーしているが、出場できるかどうか見通しはたっていない。県岐商では19日にも、保健体育の教員2人の感染が新たに判明。同校に関連するクラスター感染者は8人となっている。
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新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、迷走していた日本政府の観光支援事業「Go To トラベル」が急転直下、東京都の発着除外で決着。感染拡大が抑えられない中での事業推進を巡り、国と都、地方の確執が表面化した形だが結果は「首都排除」に至った。
36人が死亡、33人が重軽傷を負った「京都アニメーション」第一スタジオ(京都市伏見区)での放火殺人事件から1年目を迎えた18日、亡くなった約20人の遺族が「皆様へ」と題したメッセージを発表。この日は第一スタジオの跡地で白いテントに覆われた特設会場のなかで犠牲者の追悼式がひらかれた。
世界保健機関(WHO)が18日、新型コロナウイルスの感染予防に向け、「三密(密閉、密集、密接)の回避」を呼びかけるメッセージを、フェイスブック上に投稿。
俳優の三浦春馬さん(30)が18日午後、東京・港区の自宅マンションで首をつった状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。室内に遺書とみられるものが残されており、現場の状況から自殺とみられる。
2020年7月13日
月曜日。能登半島七尾の短歌雑誌「澪(れい)」(編集・発行 山崎国枝子 印刷 斉藤印刷出版。発行所 澪短歌会)2020年7月号が先日わが家に届いた。
♪折れし花しおれて昨日のままにあり煙りて雨の降る新しく
山崎主宰の12首を冒頭にいずれ劣らぬ能登歌人17人の短歌がずらり並ぶ、今回も充実した内容である。これら秀作のなかに伊神舞子の短歌11首が【さくらんぼ】の題で収録されており、他の作品同様なかなか充実した内容である。
そのうちの2首を以下に記しておこう。
♪ねこの仔の鳴き声もテレワークコロナコロナと騒いで七月
♪ルビーのよなさくらんぼ口どけは懐かしい味の甘味処のアイス
熊本など九州地方をはじめ岐阜、長野県などでの豪雨被害に続く、このところの新型コロナウイルスの感染者増(東京都では9日の224人に続き、10日の243人など4日連続の200人超え。中でも10日の国内の新規感染者数は緊急事態宣言解除後で最多の430人になった)と、相変わらずの感染者増で、このところは社会全体がより以前にも増し、傷つき膿んでしまったような。そんな気がしてならない。
こうした中、これまで無観客開催だったプロ野球とサッカーのJリーグが10日、5000人を上限に観客をいれての公式戦を10日から実施、中日ドラゴンズはナゴヤドームで4958人の観客が見守るなか、広島と対戦、3―2で勝ち、観客席からは久しぶりに歓声が沸き上がった。やはり、観客を前にしての公式戦は味わい深い。
11日付中日本紙運動面の見出しも「観戦再開 竜延長戦制す 中日3―2広島」「ビシエド劇的 歓喜総立ち 球心 直球狙い、セ単独トップ7号」「ファン御礼 サヨナラ弾……」というもので、ファン一人ひとりの思いと歓喜がそのまま伝わってくるような、そんな気さえしたのである。
一方の、大相撲はといえば、だ。日本相撲協会が13日、東京墨田区の両国国技館で臨時理事会を開き、大相撲七月場所(十九日初日・両国国技館、中日新聞社共催)を1日当たり約2500人の観客を入れたうえで開催することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で三月の春場所は無観客開催、五月の夏場所は中止となっており、一般が観戦できるのは一月の初場所いらいとなる。
先日、左大腿部上部骨折という悲しくつらい苦渋を体験した相棒の方は、曲がりなりにも少しずつ回復。私は毎日、病室通いを続けている。舞のリハビリは少しずつ進んでおり、9日からは歩行器による訓練も始まった。きょう、13日午後には珍しく舞から携帯電話が入り「いま、リハビリ終わったところよ」の電話が入り、その声の弾みようを私は心底、うれしく思った。
リハビリはたいてい面会時間(午後3時~8時)とは別の時間帯に行われるので、その様子を見たくても見ることが出来ないのが、少し残念な気もする。でも、ここ数日はリハビリとは別に、車いすで室内を少しずつ動き回る本人の姿を目の前に日に日に回復してきていると実感するのである。回復がチョットずつ前進していることは間違いないので「この調子で」と祈る思いでいる。
そして。彼女がリハビリを日々がんばっている分、私も負けてはいられない、と週1回の社交ダンスのレッスンは続行。隣町の一宮スポーツセンターに行っているのである。最近では、新しいダンス仲間もでき、10日は、ダンスの指導教師若さんの指導の下、〝あさちゃん〟や〝奥ちゃん〟〝さかいさん〟らとひとときを過ごしたのである。私がレッスンをすればするほど、舞のリハビリも進行する。そう信じてである。
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熊本、鹿児島両県に大雨特別警報が出た4日から1週間たった11日、熊本、長崎両県で新たに計2人の死亡が確認され、九州の死者は65人となった。
塚本邦雄、寺山修司らと前衛短歌運動を起こし、戦後の短歌界をけん引した岡井隆(おかい・たかし)さんが10日午後零時26分、東京都武蔵野市内の自宅で心不全のため死去。92歳だった。名古屋市出身。
北朝鮮による拉致被害者で2002年に帰国した地村保志さんの父、地村保さん=福井県小浜市=が10日、誤嚥性肺炎で小浜市内の病院で死亡。93歳だった。
トランプ米大統領が11日、ワシントン近郊の米軍医療施設を訪問した際、初めてマスク姿で公の場に現れた。沖縄県は13日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)で32人の新型コロナウイルス感染を確認した―と米側から連絡があったことを明らかにした。在沖縄米軍ではこれまでに66人の感染者が確認されており、計98人に拡大したことになる。
米国メディアが12日報じたところによれば、ロックンロールの王様エルビス・プレスリーの孫ベンジャミン・キーオさん(27)が死去。銃で自殺したとみられるという。
2020年7月8日
世の中、日々いろんなことが容赦なく人々を襲う。私たちはそうした中を誰しも、生きていくのだ。
活発な梅雨前線の影響でこのところ豪雨が目立つ九州を中心に被害が日に日に大きく、深刻化。本日付中日新聞の1面見出しは、「九州豪雨死者56人に 前線なお活発 厳重警戒」「筑後川など9河川氾濫 特定非常災害に指定へ」「岐阜9500世帯避難勧告 飛騨川 氾濫危険水位超す」などといったものだった。総務省消防庁によれば、7日午後2時半現在の避難指示の対象は九州を中心に計約63万世帯、約138万人に及んだ。 本日8日付夕刊も1面で「飛騨川氾濫780世帯孤立 豪雨 岐阜、長野に一時特別警報」「濁流えぐられた道路 上空ルポ」「国道崩落 未明ごう音 下呂豪雨 見たことない水量」「鉄道、高速混乱相次ぐ」「九州豪雨捜索続く 不明少なくとも13人」などといった続報を打つ内容である。
一方で先日、自転車ごと転倒し、左大腿部骨折の手術を終えた相棒、舞は、その後「痛い」「痛い」と苦しみ、悲しみながらも少しずつリハビリをこなし快方に向かっている。ここは、辛くとも焦らず、じっくりと治していくほかあるまい。私は連日、病院通いのため、このところはどうしても執筆活動もおろそかになりがちだったが、こんなことではいけない。舞が苦しさと痛みに耐えながらリハビリに頑張っている分、私自身も負けてはいられない、と自らを鼓舞して、こうしてデスクに向かっている。舞は舞で、病床で俳句と短歌への挑戦を少しずつ始めており、私もうかうかはしておれないからである。
彼女は4時間に及ぶ手術に耐えたあと、さっそく以下のような俳句2句を詠んだ。 ♪梅雨寒や 骨をガリガリ オペ終わる ♪七月や オペ後のひとしずく 水美味し
デ、それはそれとして彼女、舞の左大腿部頸部骨折後の歩みを以下に簡単に記しておこう。
▽6月27日 舞、愛知県江南市の桃源交差点を横切ったところで自転車ごと転倒、救急車で江南厚生病院に運ばれる(この日は愛猫シロちゃんを私とふたりで病院に連れていき、帰宅後に自ら営むリサイクルショップ「ミヌエット」に向かう途中の思わぬ事故となった) ▽6月30日 4時間に及んだ手術で骨折部分に人工股関節を埋め込む ▽7月1日 初のリハビリは、病室(個室)のベッドにそろそろと、おっかなびっくり座る。ただそれだけの訓練 ▽7月2日 平行棒(止まり木)を両手に5、6㍍をやっとこせ歩く ▽7月3日 止まり木による往復歩行。スポンジボールを両足の間に挟んだり緩めたりする ▽7月4日 止まり木による往復歩行を3回ほど ▽7月5日 日曜日。リハビリはなし。病室と自宅、長男宅をオンラインで結ぶ【三元中継によるテレビ励まし会】を実現させる。最初のうち気が乗らなかった舞もわが家の愛猫シロちゃん(白狐、「白」の俳号を持つ。この世で、ただ一匹の俳句猫。本名虹猫ことオーロラレインボー)と画面を通して久しぶりに対面し、少し生気が戻った。シロちゃんのお手柄といっていい。
▽7月6日 月曜日。東京の作家太田治子さんから留守電に入っていたお見舞いと励ましのお言葉を病床の舞に聴かせると、彼女の顔に笑みがこぼれ続いて七尾の歌人山崎国枝子さん(短歌雑誌「澪(れい)」主宰)に電話を入れる。舞は国枝子さんと、ぽつぽつと会話を交わし、ほっとする。山崎さん曰く「舞ちゃん、あたし。あなたよりもずっと年上なんやけど。実は大腿部の骨、あたしも2度も折って手術しているのよ。あたし、それでも頑張って。今ではなんとか普通に歩いて、歌も詠んで生活している。舞ちゃん、がんばり。まだ若いのだから」だってさ。 さすがは、能登を代表する歌人、天下の山崎さんである。 ▽7月7日 火曜日。たなばたさま。午前中、手術後初のシャワー。午後、ワッバで靴下をはく練習。スポンジボールをはさんでの訓練。止まり木を支えに2往復を2回。 ▽7月8日 きょうは、骨折後まだ一度も母親に会えていない息子が勤務後に名古屋の会社から直行し、おかあさんを見舞った。息子は何も言わないが、病床で見守る息子の姿を思うとき舞のうれしさが、伝わってくるようでもある。この日のリハビリ。舞は止まり木による往復訓練に挑んだ。
このほか、もうひとり。おかあさんに会いたい一心で窓を自らの手で開けてしまい、逃亡したシロちゃんの脱走劇など、いろいろあったが、この件については近く連載中の【シロは何でも知っている】の続編であらためて書くこととしよう。このところは連日、病院で舞の好きな<エーデルワイス><みかんの花咲く丘><琵琶湖周航の歌><三浦環の蝶々夫人>、その他<イエスタデイワンスモア><おまえに>などをユーチューブで一緒に聞いている。病院から自宅に戻ったら戻ったでこんどはシロちゃんが盛んにおかあさんの様子を聞くので、その問いに一つひとつ丁寧に答えながら、こんどはシロちゃんと一緒にこれらの愛唱歌を聞くのである。
いまは1日1日が、こうして過ぎていくのである。少しは元気が出てきた舞
おかあさん、早くよくなってね―と回復を願うシロちゃん
それはそうと、私は先日、私と舞にとっては忘れられない土地、志摩半島の波切を訪れたが、その大河小説(現在、執筆中である)の公開も、そろそろ随時、始めていこうか思っている。タイトルは検討中だが、ある面では今がチャンスかもしれない。
2020年7月3日
金曜日。きのう7月2日の午後零時半過ぎ。
たまたまテレビを見ていたら画面に「東京都内で100人以上が新型コロナウイルスに感染」といった速報が流れた。デ、けさの朝刊(中日)1面には「東京107人感染 緊急宣言解除後最多 20、30代が7割」といった見出しが躍っていた。東京都での100人以上の感染者は、大型連休中の5月2日いらい。5月25日に緊急事態宣言が解除されて以降では最も多い数となった。こうした事態に小池百合子知事は「(感染拡大防止の)ガイドラインを順守している店を除き、新宿、池袋などの夜の街、夜の繁華街への外出を控えてほしい」と訴えている。ちなみに東京都では、きょうも100人を超える124人の感染者が出たという。
米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によれば、新型コロナウイルス感染症による世界の感染者は先月28日に、とうとう1000万人を突破。死者も50万人を超える深刻な事態となっている。それだけに、日本での感染者が、こんごどう推移していくのか。大変、気になるところだ。
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話は変わって。私にとって大切な妻、舞が先月27日の土曜日の午前に、自宅近く江南市桃源の交差点を渡ったところ、最近開店したばかりの回転ずし横の路上で自転車ごともんどりうって転倒し、救急車で江南厚生病院に運ばれるという災難に遭遇した。幸い、頭こそ大丈夫だったが左大腿部頸部骨折という大ケガをしてしまい、30日に4時間かけ手術(人工股関節・人工骨頭の取り替え)が行われた。かわいそうだが起きてしまったものは仕方ない。このうえは、早くよくなってくれるよう家族みんなで応援し、かつ力を合わせていくほかない(この件については、「熱砂」のテーマエッセイ【家族】で「【泣かんとき】。ある家族の風景」で少し、ふれておいた)。
いやはや、人生は容赦ない。こうした不幸に出あうたびに、私は「人は所詮だれもが、悲しみの海のなかを歩いて生きていくのだ」と思ってしまう。でも、ものごとは考えようで、世界がコロナ禍のど真ん中にあるなかでの得難い貴重な体験になると思えばいい。
実際、面会ひとつにしても病院到着時にはマスク姿で日々、病院入り口で両手を消毒。この後に検温や問診など厳しいチェックを受け、それこそ戦場に恋人にでも会いに行く気持ちで出かけるのである。
舞に会うには面会証を首に日々、厳しい関門をくぐらなければならない
幸い、手術直後は殆ど口にしようとしなかった食事を、きのうには6、7割ほど食べられるようになった。そればかりか、手術後のリハビリもほんの少しではあるが始まっており、それまでベッドにやっとこせ座るだけだった訓練が、きのうは歩行棒を両手に、伝いながら5、6㍍ほどを歩く歩行の練習をし、きょうはこれに加えてスポンジ球を両足に挟んだり、離したりする繰り返しをしたようだ。かわいそうではあるが、このリハビリ、まずは順調だと思っている。
そして。家の方は三男坊が忙しいにもかかわらず、帰宅後、洗濯はじめ食事の準備などをしてくれ、なんとか1日1日を過ごしている。私は私で気が滅入ってしまわないよう今日は午後、一宮スポーツ文化センターに出かけ、社交ダンスのブロンズ級ルンバのレッスンに挑戦。ダンス仲間がいうには「同じように足を折って金具を入れた方、何人もいるわよ。痛くて痛くて。大変でしょうが、がまんしてリハビリに耐えることが大事なんだってよ。奥さま。まいちゃんにそう言っといて。リハビリの2カ月をどう耐えるか、だよね」とのことで、思い切ってレッスンに顔を出し、良かったと思ったことも事実だ。
♪梅雨寒や 骨をガリガリ オペ終わる
♪七月や オペ後のひとしずく 水美味し
伊神舞子
きょうは、このほかオカンに会いたい一心で、わが家の愛猫シロちゃん(「白」の俳号を持つ俳句猫。舞がいうには、白狐。私が名付けた名前はオーロラレインボー)が自宅窓をとうとう自分の手で開け、脱走してしまい、無事帰宅するまで大変だったが、こちらの事件は、余裕が出たら現在、ほかに連載中である【シロは何でも知っている】で紹介しようと思っている。余裕があれば、ネットで検索していただけたらシロちゃんの気持ちは分かって頂けると思う。
ともあれ、このところはきりきり舞い舞いの日々に私たち家族は翻弄されているのである。ただ病院個室では決まって彼女が大好きな<みかんの花咲く丘>はじめ、<琵琶湖周航の歌>、そして<エーデルワイス(由紀さおり・安田祥子)>を持参スマホのユーチューブで一緒に聴くなどしており、その限りではふたりの間の潤いがまた増えた、といっていい。家に帰ればかえったで、今度はシロちゃんとオカンへの声援をこめて共に聴くことにしている。
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環境にやさしい地球をと、7月1日から全国一斉にプラスチック製買い物袋・レジ袋の有料化が始まった。環境問題といえば、インド洋では海水温の異常によって豪雨が降り、バッタが大量ふ化。バッタの大群が発生し、国連食糧農業機関(FAO)は2千万人が食糧危機に直面している、と警告。
ロシアで憲法改正の是非を国民に問う全国投票の開票が2日完了し、中央選管によれば、賛成は77・9%で改憲が成立。プーチン大統領(67)が最大で2036年まで続投できるよう定めた改憲項目が近く発効する。
将棋の木村一基王位(47)に藤井聡太七段が挑んでいる第六十一期王位戦(中日新聞社主催)七番勝負の第一局が2日午前九時から、愛知県豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で再開、指し継がれ、午後五時三十七分、先手番の藤井が九十五手で勝った。
大阪地裁堺支部は3日、先に大阪府警富田林署から逃走、各地で盗みを繰り返したとして加重逃走や窃盗などの罪に問われていた樋田敦也被告(32)に懲役17年(求刑・懲役18年)の実刑判決を言い渡した。