【一匹文士、伊神権太がゆく人生そぞろ歩き(2020年10月~)】

2020年10月31日
 空の青いっぱい窓開けた秋
 シャルウィダンス月は13夜
 カボチャはランタンにしてハロウィン
 =伊神舞子の白猫の俳句minuetto-mi>から

 土曜日。10月最後の31日朝は、全国的に冷え込み、初氷のところもあったようだ。晴れて放射冷却が強まり、けさのこの地方の最低気温は名古屋がきのうより3度5分低い8・0度、岐阜6・2度、津8・8度に。愛知、岐阜両県では全ての観測地点で今季最低に。愛知県豊橋市(6・5度)岐阜県白川町(氷点下0・5度)では10月の観測史上、最低になったといい、自然はすなおで正直である。
 きょう31日は、ハロウィーン。国や自治体では、毎年、若者を中心に夥しい人々が集まる東京・渋谷のスクランブル交差点はじめ、全国各地で仮装パーティーやイベントへの参加自粛を呼びかけている。ことしは、自宅などで感染対策をしつつ楽しむフェースシールドが人気の的になりそうだいうが、さていかに。

 29日の十三夜も含め、このところは秋の深まりに従い、美しい日が続いている。なんだか何もしていないのに、天からご褒美でも頂いているような、そんな気がする。そうしたなか、この世の人間社会はどこもかしこもあれやこれやと、相も変わらず、大揺れしながらギシギシと音を立てて、時を刻んでいく。

 わが家のベランダから見た十三夜
 
 十三夜の前日、この地方に広がった秋の空
 

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 昨日の朝刊は、【コロナ国内感染10万人 10月じわり増 重症は減 愛知新たに87人 8月以来】【冬場の対策は 換気と加湿が大切】【第2波 欧州再び緊迫 仏全土外出制限、独も外食停止】【内村選手が陽性 NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)で体操代表合宿中】【来月の国際大会に試練 現段階では「開催」 五輪の試金石 中止なら影響も】【ホテル無断キャンセル被害 クーポン目的? 9万円分発行 GoToトラブル続々】(中日)【新型コロナ 「第3波」規模大きい恐れ 専門家予測 地方の病床不足懸念】(毎日)といった見出しが各紙とも躍った。

 そしてけさ31日付朝刊は【スペースジェットを凍結 三菱重工発表 予算20分の1に】【国産の夢 空は遠く 拠点の東海落胆広がる 「対応はこれから」「いつか飛ぶ姿見たい」】【巨人が連覇 セ・リーグ】(中日)【持続化給付金の払い戻し 変換申し出6028件(このうち7月上旬までに申し出があった751件の計約7億9200万円が戻された)】【五輪チケット払い戻し 来月10日から開始】【ゴーン前会長の報酬隠し 元秘書室長「一緒に同行」ケリー被告公判 前会長の逃亡助けた米親子日本移送延期】(毎日)夕刊は【首里城はよみがえる 焼失1年残る傷痕】【東海深まる秋 名古屋8・0度 冷え今季一番】(中日)【4.9万人感染 抑制遠く 仏全土 再外出制限初日】(毎日)といった具合である。このうちプロ野球巨人の連覇は、巨人が30日、東京ドームでのヤクルト戦を3-3で引き分け、阪神がDeNA戦に引き分けていたために2年連続38回目のセ・リーグ優勝を果たしたことを報じた内容。巨人は1リーグ時代の9度も含めると、通算47度目の栄冠。セはことしクライマックスシリーズをしないため11月21日からの日本シリーズ進出も決まった。
 また新型コロナウイルスだがフランスでは第2波を抑えるためフランス全土で30日、今春に続き2度目の外出制限が始まったという。前回とは異なり、今回は保育園から高校までの保育・教育施設は閉鎖せず、一部の店舗や工場、建設現場も稼働を続けるという。感染拡大を防ぐと同時に国内経済の停滞を少しでも避けたい政府の苦渋がにじむ規制になったという。フランスは17日から都市部で夜間に限った外出禁止措置を始めたが、感染拡大は収まらず、3~5月いらいの外出制限に踏み切ることになったという。しかし30日の新規感染者数は4万9215人、死者も256人で目標達成にはほど遠い状況が続いている。
 このほか、新型コロナウイルスの感染状況が欧州最悪の事態となっているベルギーの連邦政府が30日、新たな制限措置を発表。11月2日から、これまでの飲食店閉店に加え、食品や薬など生活必需品を扱う店を除く全商店の営業を停止させ、学校も11月15日まで休校とする。12月中旬までは密接な接触をしていい家族以外の人は1世帯当たり週1人だけとなる、という。イタリア政府も30日、感染者が前日から31084人増え、累計64万人を超えた、と発表。同国で1日の新規感染者が3万人を超えたのは初めてで、4日連続で最多を更新したという。

 首里城(那覇市)の正殿などが焼失した火災から1年となった31日、現地で首里城祭が開幕し、再建を心待ちにする声が聞かれた。11月3日までの期間中、首里城公園で伝統芸能などが披露される。昨年10月の台風19号で被災した阿武隈急行(福島県伊達市)が31日、不通だった富野(伊達市)-丸森(宮城県丸森町)間14・5㌔の運行を再開。被災から約1年ぶりの全線復旧となった。
 かつてエースとして中日ドラゴンズの黄金期を支えた吉見一起投手(36)が今季限りで現役を引退する。本人からの申し入れを球団が了承。本拠地での今季最終戦となる11月6日、ナゴヤドームでのヤクルト戦で引退登板に臨むという。精密機械と言われるほどの抜群の制球力、通算90勝など名投手だっただけに、残念ではある。でも、やむをえないか。
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 愛知県が31日、新たに97人が新型コロナに感染した、と発表。このうち豊橋市ではフィリピンパブの従業員12人が感染。同市は市内2例目のクラスター、感染者集団だと認定した。
 スパイ映画「007」シリーズの初代ジェームズ・ボンド役を務めた英国俳優ショーン・コネリーさんが滞在先のバハマで死去した、と家族が明かした。詳しい死亡日時や死因は不明。90歳だった。コネリーさんは1930年8月、英スコットランド地方のエディンバラの労働者の家庭に生まれた。スコットランド独立運動の熱心な支持者で知られ、腕には【スコットランドよ永遠に】の入れ墨も彫っていた。
 菅義偉首相の所信表明演説に対する代表質問が29日、衆参両院の本会議で行われ、首相は日本学術会議の会員候補6人の任命拒否について「私の考え方は担当の内閣府とも共有し、それに基づき私が最終的な任命の判断をした」と述べた。
 トヨタ自動車が29日発表した9月の世界販売台数は、前年同月比1・9%増の83万台で過去最高に。コロナ禍による2月以降の低迷から米国、中国を中心に回復しており、単月として前年を上回るのは9カ月ぶりとなったという。
 フランス南部のニースで29日、中心街のカトリック教会に刃物を持った男が侵入し、居合わせた3人を刺殺。駆けつけた警察官に「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫んでいたといい、検察はイスラム過激派によるテロとみて捜査を始めた。
 30日午後2時50分ごろ(日本時間午後8時50分ごろ)、エーゲ海でマグニチュード7の地震が発生。震源地に近いトルコ西部の都市イズミルでは、20棟近いビルが倒壊。地元メディアによれば、6人が死亡、200人以上がケガをし、隣のギリシャでも2人が死亡したという。その後のトルコメディアの報道によれば、イズミルなどで24人が死亡、800人以上が負傷、イズミルの港地区や震源地に近いギリシャのサモス島などには津波が押し寄せ、浸水家屋も多数、出ている。
 人形浄瑠璃文楽の秋公演が31日、本拠地の国立文楽劇場(大阪市)で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため同劇場は1月下旬を最後に文楽公演を中止しており、大阪での開催は9カ月ぶりだという。
 東京都渋谷区で乗用車を運転中、バイクに衝突。2人に重軽傷を負わせ立ち去ったとしてひき逃げ過失傷害の疑いで逮捕、送検された俳優の伊藤健太郎さん(23)=以前にNHKの朝ドラ「スカーレット」に出演=が30日夜、釈放された。東京地検が勾留請求をしなかったという。早く立ち直ってほしいな、と心から願っている。

2020年10月26日
 栗ご飯炊き上がるまで父のこと
 霜降の大地ぽつぽつ雨の降る
 柚子の湯のうつり香のして旅の宿
 =伊神舞子の<白猫の俳句minuetto-mi>から

 国連は24日(日本時間25日)、核兵器の保管や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約が発効に必要な50カ国・地域に達した、と発表。90日後の来年1月22日に史上初めて核兵器を非人道的で違法とする条約が発効することとなった。しかし、唯一の戦争被爆国である肝心の日本は不参加で核廃絶に向けた姿勢が厳しく問われている。
 菅首相は、今こそ真のリーダーシップを発揮してこの核兵器禁止条約に日本はただちに参加すべきではないのか。被爆国でありながら、米国の核の傘に頼る核政策を理由にこの条約に参加しないだなんて。市民感覚からしても、とても理解できない。このことこそ、菅さんの言う明らかに、国民が見て当たり前でない、ことではないのか。【国民が見て当たり前でないことは改めたい】と言い切ったのは、どこのどなたさんだったのか。
 私はあなたをいろんな面で評価したく思う。でも、日米の間に、どんな密約があるかは知らないが、これこそ新首相・菅の見識で日本国自らの強い意志としてここは崖から飛び降りる気概で大きく舵を切り、あなたの命をかけてでも条約国に参加すべきだ、と思う。そして。そうした行為こそが、世界平和への道に通じると私は思う。

        ※        ※
 民は動けど国は動かず。唯一の被爆国が条約に背を向けたままで良いのか。中米ホンジュラスの批准で決まった来年一月の条約発効を手放しで喜べないのが何とも歯がゆい、というか恥ずかしい。
――とは、26日付の中日新聞夕刊夕歩道。まったくもってその通りである。

 その菅さん。きょう26日は第二百三臨時国会が召集され、首相に就任してから初の所信表明演説を衆院本会議で行った。菅さんはその中で、地球温暖化対策で国内の温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにすると宣言。ミサイル防衛に関しては、発射前に相手国の基地をたたく敵基地攻撃能力の保有を検討する考えを示し、規制改革や行政のデジタル化推進を表明。日本学術会議の新会員の任命拒否については言及しなかった。

 所信表明で「あしき前例主義を打破し、規制改革を全力で進め、国民のために働く内閣を実現し、新しい時代をつくり上げていきたい」と述べる菅首相(NHK総合から)
 

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 このところは江南市在住作家、長谷川園子さん(日本ペンクラブ会員、脱原発社会をめざす文学者の会会員)の栄えある満90歳の誕生会(23日)はじめ、尾張芸術文化懇話会の集まり、さらにはわが母校滝高校の昭和39年卒業生による同窓会「二石会」の役員打ち合わせ会……など。いろいろ大切な集まりばかりが連続的にあった。
 このうち江南市内の<キッチンくま>で開かれた園子さんの誕生会には、そのこさんにとっては教え子第一号である〝のださん〟はじめ、お隣りの〝いどさん〟友人の〝さかいさん〟〝ふなはしさん〟〝たけうちさん〟に私が出席。主役である〝そのこさん〟を囲んでワイワイガヤガヤと、楽しく幸せなひとときがあっという間に過ぎ去っていったのである。
 掛け替えのない教え子をはじめ、いつも彼女の安全を見守ってくださっているお隣さん、さらには彼女の足代わりを務める〝アッシーさん〟何かと力になってくれている〝早起きおばさん〟と、日頃から、そのこさんを支えている方々ばかりで、主人公の彼女は感無量の面持ち。私は「戦争の世をくぐり抜けてきた〝そのこさん〟が、これまで戦後間もないころの教職をはじめ、その後の英語塾などでも地域社会に貢献した、その努力と情熱の結果が花開いたものだ」と思っている。そのこさん、ここまで本当にお疲れさま。そして、これからもますますのご活躍を、と願ったのである。

 みんな和気あいあい。【しあわせ】とは、このこと。楽しく進んだ長谷川園子さん(中央、めがねの女性)の満九十歳をお祝いする誕生日のお食事会=江南市内で
 

 誕生会のあとは、その足で一宮スポーツ文化センターへ。現在、特訓中である社交ダンスの1級のワンランク上のブロンズ級のワルツとルンバに挑んだが終わったあと「ごんたさん、ホントにがんばったね」と、なぜかこの日はダンス教師から、特別にお褒めの言葉まで授かったのである。この日は〝アサちゃん〟に〝オクちゃん〟〝えっちゃん〟〝ゆりちゃん〟〝さかいさん〟に先生、私も加え、7人でマスクと白手袋をしてのレッスンとなったがルンバ、ワルツともまずまず、順調な仕上がりとなった。
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 中日新聞の26日付夕刊によれば、スペイン政府が25日、今春に続き新型コロナウイルス感染拡大に伴う非常事態を宣言。カナリア諸島を除く全土に夜間外出禁止令を出した。イタリアでも飲食店などでの営業宣言を導入。欧州各地では多くの国が、感染の第2波が収まらないまま規制強化を迫られているという。
 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、米国の新型コロナウイルスの新規感染者は23日、8万3757人となり、過去最高を更新。感染者数は857万6828人(うち、死者は22万4899人)。これまでの最多は7月16日の約7万7千人。新規感染者はやや下降していたが、10月から3度目の上昇の波が訪れているという。また米国の死者数は世界最多の22万人超。1日当たりの新規死者数は1000人弱で横ばいが続くが、入院者数は増加中。なお、世界全体の感染者数は25日現在の同大の集計で4264万1728人(死者は、115万157人)。感染者の順では米国に次いでインド、ブラジル、ロシア、フランス、アルゼンチン、スペイン、コロンビア、メキシコ、ペルーの順。

 ANAホールディングスが2022年度までにグループ全体の社員を約3500人削減する方針を固めた。日航も2020年7月~9月期の本業の損益が850億円前後の赤字の見通しだという。
 競馬の三歳クラシックレースの最後を飾る第八十一回菊花賞(G1)が25日、京都競馬場で行われ、皐月賞、日本ダービー優勝のコントレイル(福永祐一騎乗)がデビューから7連勝とし、史上3頭目の無敗の三冠を達成。三冠馬は史上8頭目となり、父子2代は初の快挙。
 日本相撲協会が26日、大相撲11月場所(11月8日初日・両国国技館)の新番付を発表。先場所で初優勝して大関に昇進した正代は東の2番目大関に就いた。新大関の誕生は、7月場所の朝乃山いらい。熊本県出身では1962年名古屋場所の栃光いらい58年ぶり。ほかに三重県伊賀市出身の千代の国(東前頭14枚目)が幕下まで落ちたものの、その後に奮起、九場所ぶりの再入幕を果たしこんご復活と活躍が期待される。私はそんな努力の人、千代の国が大好きである。この日はプロ野球のドラフト会議があり、中日は最速154キロの右腕、高橋宏斗投手(中京大中京高校)を単独で指名、選択が確定した。
 政権退陣や王室改革などを求めるタイの若者らが25日、バンコク都心部を占拠し、抗議集会を開催。プラユット首相に3日以内の辞任を求めていたが、返答がないためあらためて退陣を求めた。
 韓国最大の財閥サムスン・グループを世界的な企業グループに成長させたサムスン電子の李健ヒ(イゴンヒ)会長が25日、ソウル市内の病院で死去。78歳だった。

2020年10月22日
 じんじんと秋は夕焼け落暉かな
 百歳母を見舞うて冷ゆる吾
 =伊神舞子<白猫の俳句minuetto-mi>から

 このところは日に日に秋が深まり、吹く〝かぜ〟にどこか、哀愁のようなものを感じる。そんななか、この世に生きるもの全てが自然界の手のなかで生きてゆくのである。今、こうして生きていて、あの作家宇野千代さんを思い出してしまうのはなぜだろう。「いがみさん。あのね」というのが、いつもの口癖だった。彼女は樹齢千五百年の根尾の淡墨桜を目の前に「人間ってネ。年を重ねるに従って美しく輝くのよ。この桜を見てごらんなさいよ。あなたにも、そのうちわたしの言っている意味が分かる日がきっとくるはずよ」と私の目をじっと見つめて口を開かれた、あの日のことはいまだに忘れられない。
 岐阜県庁汚職事件、いわゆる〝サンズイ捜査〟の取材に家庭を顧みることなく夜、昼、朝となくデカ(刑事)や関係者宅をあたって足を棒にしながら歩き、その一方で自ら〝淡墨記者〟を自認して当時、枯渇の危機に瀕していたあの老樹、淡墨桜の再生取材に命を込め、宇野女史とともに何度も桜の元を訪ねていた当時の話である。

 月曜日。19日午後に日進市内の老人健康施設「愛泉館」で満100歳の私の母に舞と一緒に面会してきた。母は先月20日の夜、施設内で運悪く転び、舞と同じ左大腿部を骨折してしまい、近くの愛知国際病院に入院。高齢でもあり手術は命の危険を伴うとのことだったので、断念。車いす生活となったが、その後回復は思った以上に順調で無事、退院。再び施設に戻ったので退院後、初の面会を要請。幸い、許されたのでふたりで名鉄と市営地下鉄豊田線、タクシーを乗り継いで行ってきた。
 車いすで付き添いのスタッフとともに現れた母は、思っていた以上に元気かつ、にこやかな表情でホッとしたのである。私は道中の名鉄車内などで母が以前に自ら書いた記録集「思い出の記」(小冊子)を再度読み返してみたが、戦時中に若きお嫁さんとして大連に渡り、そこから新京、奉天などで満州で父と暮らし、戦後はロスケ(ソ連兵)の一方的な侵入に各地を逃げ回った末、日本兵ふたり組による強盗にまで入られたあげく、泥の川を渡り、無蓋車に乗せられるなどして命からがら辿り着いた葫蘆(ころ)島でやっと引き揚げ船に乗り、舞鶴に帰港した、それまでの母の苦難の道が目に浮かぶようでもあった。

 満足そうな母。肩をもんで励ます舞。母は入院でいったんは止めていたピアノのレッスンを再び始め、いまは<ふるさと>を弾き始めたよ、と顔をほころばせた
 

 私自身も、このところは相変わらず、あれやこれやで忙しい日々を過ごしてはきたが、母の想像を超えた回復ぶりには何だか新しい母の底力、エネルギーを注入されたような、そんな気がした。と同時に「よしっ、私たちも負けずに毎日を大切に生きていかなければ」と自らに言い聞かせもしたのである。

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 さて。エネルギーといえば、本日付中日新聞1面に【コロナもバネ 鬼滅劇場沸騰】【壱の理由 ハリウッド大作不在 平日も満席続く 弐の理由 自粛中に裾野拡大 参の理由 優しさ魅力 主人公】なる見出しが躍った。少年漫画を原作にしたアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』 無限列車編」が空前の勢いで公開三日間での興行収入が過去最高額を大幅に更新する四十六億円を記録したというのだ。この「鬼滅の刃」は、大正時代の日本を舞台に家族を殺された主人公の少年竈門炭治郎(かまど・たんじろう)と妹・禰豆子(ねずこ)らが人食いの化け物「鬼」と戦う物語で、原作は吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さん。劇場版は、外崎春雄監督。「週刊少年ジャンプ」での連載がことし5月に完結、単行本は12月に最終23巻か刊行予定だという。

 空前の勢いの「鬼滅(きめつ)の刃」を報じた22日付中日朝刊1面
 

 そして。きょうは、もうひとつ。きのうの21日付の中日夕刊報道で知ったが、世界一貧しい大統領として知られる南米ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカ上院議員(85)が20日、高齢であることや病気を理由に政界からの引退を表明したというのだ。ムヒカさんは、この日議会で演説し慢性的な免疫系の持病があるとして新型コロナウイルスの流行が引退のひとつの理由だ、と述べ「議員の仕事は人と話し、どこへでも足を運ぶことだ」として感染の恐れから、それが出来なくなった、とし若者に伝えたいこととして「人生で成功するということは(人を)負かすことではない。倒れるたびに起き上がるということだ」と呼びかけたという。私は、この記事を読み、なんてすばらしい方なのだーと思ったのである。
 記事によれば、ムヒカさんは2010年~2015年に大統領を務めた。報酬の大半を寄付して農場で暮らすなど清貧な生活ぶりが日本でも人気となった。極左ゲリラ組織のメンバーとして誘拐などに関与、投獄された過去もある。
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 菅義偉首相が21日、インドネシア・ジャカルタで内外記者会見。「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に取り組む考えを表明。「私自身が首脳外交を展開して東南アジア諸国連合(ASEAN)と緊密に連携する」と強調。新型コロナウイルスの影響を踏まえ、サプライチェーン(部品の供給・調達網)の強靭化を図る、と述べた。21日夜、就任後初の外国訪問から帰国。26日召集の臨時国会に向けての準備を加速させる、としている。
 全日空を傘下に持つANAホールディングスの2021年3月期の連結純損益見通しが5300億円前後の赤字に。新型コロナウイルスの感染拡大で国際線を中心に需要の回復は難しいと判断、通期で過去最大の赤字を見込むという。前期は276億円の黒字だったという。
 18日投開票の愛知県岡崎市長選で初当選した中根康浩市長(58)が21日、初登庁。新型コロナウイルスの経済対策として公約に掲げた「全市民への5万円支給」実現に向け、財源調達を精査する特命チームを立ち上げる旨を語った。
 愛知県弥富市議会が9月定例会でオンブズマンとしても活動する議員への辞職勧告を決議。「行政の監視は議員の仕事でもあるはずだ」として全国のオンブズマンらが批判し、同市議会に決議の撤回を求めるなど波紋が広がっている。

2020年10月17日
 膝小僧だかえこんでもそぞろざむ
 <伊神舞子の白猫の俳句 minuetto-mi>から

 土曜日。中日スポーツを開くと、【守道さん追悼試合完敗から奮起 周平引っ張る 今季初 6連勝】【「いい流れ大切にしたい」連日の活躍も表情引き締め】の活字が目の中に飛び込んできた。ドラゴンズがマツダスタジアムでの広島戦で8-6で逃げ切り勝ち。6連勝と快進撃を報じる内容だった(ドラゴンズは17日にも5-2で広島に逆転で勝ち7連勝)。

 ドラの連勝を報じる中日スポーツ
 

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 朝。外は久しぶりにシトシトと秋の小雨が舞い落ち、降っている(結局、雨は大気の汚れでも洗い流すように一日中降った)。そんななかを、舞はシロちゃん傘を危なっかしくさして、お店(ミヌエット)経由で江南俳句同好会の会に出席するため市福祉センターへと、つたなき歩き始めたばかりのこどものような〝ヨチヨチ歩き〟で出かけていった。朝。心配な私は途中まで付き添ったが、「ひとりでいい。来ないで」というので途中で引き返す。帰りも時間を見計らって雨の中を迎えに出向いたが、ミヌエットに着いた時には、既に彼女の姿はなかった。
 きのうまでは連日、秋空が広がったが。きょうは朝からずっと小雨が降り続いた。愛猫シロも雨降りのため、外に出ようとはしない。私は昼過ぎに昭和54年創業の近くの大衆食堂まで出かけたが、帰り間際にそんな雨のなかをびしょ濡れになって道路を横切る、あの顔見知りの野良ちゃん、オレンジちゃんと出会った。みすぼらしい姿で道路を渡りながら私を見上げる姿に「そういえば、わが家のシロちゃんもかつてはあのようにして、いつも道路を横切っていた。オレンジちゃん、がんばって」と声援を送り、彼女への思いを新たにしたのである。
 ところで、わが家のシロはじめ、オレンジちゃんたちは政治家にせよ、学者にしろ、見苦しく突っ張りあうニンゲンたちのことを一体どう思っているのかな、とふと思ってみたりする。おそらく良いことはよい、悪いことは悪い、と思っているに違いない。でも、そんなことはお構いなし、我関せずとばかり、雨はこのように降り続いている。雨よ、ふれふれ、どこまでも、か。自然は決して嘘などはつかない。保身にも走らない。

 昨日16日の午後、雨が落ちてくる前の尾張地方の上空
 

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 ところで、ヨーロッパでは経済活動再開を引き金に。フランスで、ドイツで、イタリア……で、新型コロナウイルスの感染者が9月以降、急増。またしても感染の拡大化が目立ってきている。フランス保健当局は15日、1日当たりの新規感染者が初めて3万人を超えた、と発表。マクロン大統領は「私たちは第2派の只中にある」と警戒し、15日にはイタリア、ドイツでも新規感染者が過去最多となったという。
 このうちフランスでは感染者の累計が80万人を上回り、マクロン大統領は14日、パリなど計9都市圏で夜間の外出を原則禁止する、と表明。スペイン北東部のカタルーニャ自治州(州都はバルセロナ)でも州政府が15日夜から15日間、州内のバーとレストランを全て閉鎖する、と発表した。

 菅義偉首相は16日、日本学術会議の梶田隆章会長と首相官邸で会談。学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかった問題を巡って梶田氏は任命拒否の理由の説明と6人の任命を求める要望書を提出したが、首相は明確な回答をしなかったという。会談は梶田氏側から申し入れ、ふたりきりで15分間行われ、主に学術会議のあり方について意見が交わされた。
 首相は会談内容につき記者団に「学術会議が国の予算を投じる機関として国民に理解される存在であるべきだ」と語り、梶田氏も「未来志向で、こんごの学術会議のあり方を政府とともに考えていきたい」と述べたという。学術会議の要望書への対応については、首相は言及を避けたが、加藤勝信官房長官は記者会見で「事務方で対応を検討していると承知している」と述べたという。
 この勝負、痛み分けかと思ったが、どうやら【学問の自由】をふりかざす日本学術会議側の腰くだけ、と言えなくもない。いずれにせよ、政府も学術会議も、これまで国民の幸せのために一体何をしてきたのだ、と言いたい。何度も言うが、なぜ10億円の予算の「出」と「入り」、それさえも国民の前に示すことができないのか。

 この点については、既に一部ネットなどで触れられてはいるが、その不透明さ、具体的には一会員当たり年間300万円もの支出や、会議への出席で支払われる日当が会員1万9600円(副会長が26400円、会長28800円。ほかに交通費と宿泊費は別途実費精算。普通の社会では、とても考えられない高額である)、ほかに50人もの常勤職員への人件費など、これまでの〝じゃぶじゃぶ予算〟の使用内容には、もしそれが事実としたのなら開いた口が塞がらない。
 政府もこれまで何をしてきたのだ。自由放任、レッセフェールも甚だしい、とはこのことである。この問題は両者ともに国民の真摯な気持ちをおざなりに特権階級意識で自分たちの都合のいいように勝手に物事を運んできた〝こざかしさ〟や〝不透明感〟など重大なる瑕疵があるのである。関心がある人はネットで【日本学術会議年間予算】を検索されればよい。私に言わせれば日本学術会議も政府も会員1人あたりに対する支出も含め、過去に遡って毎年度の収支予算を総点検し、洗いざらい国民の前に示すべきだ。でなければ、100円、200円、500円の世界を命がけでこつこつと生きている私たち国民が浮かばれないのである。
 いずれにせよ、この日本学術会議問題。学術会議、政府の双方ともに、引け目があるとみえて全くデータを出そうとしない。そこに我々国民の知らないなかでの思い上がりとでもいおうか。場合によっては、隠蔽の事実があると、そう疑われても仕方ない。今後の調査次第では、汚職事件の発覚につながっても決して不思議ではない事案なのである。私は正直、どこもかしこもチィーチィーパッパだ、と言われてもおかしくない、さも正論然とした取材の浅いマスコミ各社の脇の甘さにもあきれ果てているのである。
 これでは、それこそ〝菅さん〟の方が一枚も二枚も格段に上ではないか。限界もあろうが。どこまでも権力社会(今回の場合、政権はむろん日本学術会議も含む)に食らいついて世の中の汚点を暴いてこそ、真実の報道だといえよう。国民の幸せよりも自分たちの利権と権威、名誉欲、そしてひとつ間違えば一部権力者による学問の圧力社会にもなりかねない、自分たちのつごうしか考えていない。そんな輩に【学問の自由】など、とんでもないことである。
 というわけで、さてこの結末は、どうなるのか。双方ともに、このままずるずるべったんではダメですぞ。透明感とけじめをつけろ!ーとこの場を借りて名もなき国民の一人としてこの際、強く主張しておきたいのである。国民の税金をあなたたちは、何だと思っとるのだ、もてあそんでもらったのでは、たまったものでないーと。
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 福井、岐阜、愛知、三重など中部地方はじめ、全国各地でもことしはクマの出没が相次いでいる。専門家らはクマのエサとなるどんぐりの凶作が原因とみているが、さてどうなのか。クマさんたちに聴いてみたい。
 新型コロナウイルスの累計感染者数が世界4位のロシアで犬の嗅覚を利用して感染者を見つける実験が進んでいる。モスクワのシェレメチェボ空港では訓練を受けたコロナ探知犬を配置し実用化に向け、データを収集中だという。
 米調査会社ニールセンによれば、11月の米大統領選でトランプ大統領と野党民主党のバイデン前副大統領が別々に出演した15日の対話集会のテレビ視聴者数は、約1410万人のバイデン氏がトランプ氏を60万人上回ったという。
 菅義偉首相は17日、東京・九段北の靖国神社で始まった秋季例大祭に合わせて「内閣総理大臣 菅義偉」名で真榊と呼ばれる供物を奉納。18日までの例大祭中の参拝は見送る方針だという。これに対して中国国営通信の新華社は「真榊奉納」を報じたが、例大祭中の参拝は見送る方針であることも伝え、批判的なトーンを抑えた形で日本との関係への配慮がうかがわれるという。
 東海大で硬式野球部の部員数人が寮内で大麻の疑いがある薬物を使用していたことが判明、同大は17日、同部を無期限の活動停止にした、と発表。

2020年10月13日
 金木星に誘われて遠回り
 切りとりて夏木の精の重さあり
 =伊神舞子の白猫の俳句minuetto-mi>から

 13日。火曜日である。先に本土に近づいた台風14号も八丈島の南海上で熱帯低気圧に変わり、ここ尾張平野は11、12、13日と気持ちの良い秋空が上空に広がっている。そんな中、日曜日の11日には、私たちのウエブ文学同人誌「熱砂」の例会を名古屋駅近くの喫茶店で多忙のため出席できなかった一部同人は別に半年ぶりに開くことが出来、皆、元気な顔を見せてくれ、心からうれしく思った。

 ソーシャルディスタンスにこだわりつつ熱心に進んだ「熱砂」の例会
 

 36回目を数える次回テーマエッセイのテーマをみんなで【病(やまい)】と決めたほか、こんご同人による同人のための電子書籍発行へのチャレンジなど会の効率的進め方をはじめ、新しい会員をどうするかーなどについても熱き議論を戦わせることができ、とても有意義な例会となった。何よりも、皆さん、若くて元気で文章にかけるひたむきさ、情熱がジンジン伝わってきたのも頼もしかった。それと。これからも時代を先取りする文学集団でいこう、とあらためて固く誓い合ったのである。
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 さて。ちまたの方といえば、だ。ある面で学会の権威集団といえなくもない、日本学術会議の新会員6人の任命拒否問題が相変わらず、揺れている。これは、このままだと学術会議、政府ともに互いに自らの言い分を譲らないままで推移。私がにらんでいたとおり、こんごゆゆしき問題に発展しかねない。
 学術会議のお歴々に言われるがまま、<学問の自由>を振りかざし、底の浅い報道を続けるマスコミ各社(なかにはそうでない社もある)。一連の報道を見る限り、北海道大学の永田晴紀教授(工学研究院 機械・宇宙航空工学部門 宇宙航空システム)への学術会議側からの異常な圧力、ゆさぶりが露呈したばかりか、有益な研究をつぶし真の学問の自由を侵害していたとされる。ほかに学術会議の内部そのものの、いい加減さなど等。学者世界に特有な思いあがった利権にまみれた隠れた顔が浮かびあがり、一部で〝悪しき化けの皮〟がはがれつつあることも確かだ。
 それはそうと、学術会議側が年間予算10億円の予算の内訳を(私の推論ではあるが、実際の額はおそらく10億どころではない気もする。学術会議内の一部の権威者が会員人事もあわせ国民の予算を知らないところで牛耳っているとしたなら、とんでもないことだ。まさか、そんなことはないものと信じたいが)そのまま国民の前に公開すべきではないのか。それだけのことがなぜできないのか。
 政府による六人の会員拒否が学問の自由を侵す、ともっともらしく論点を擦り替えて主張するのならその前に、胸に手を当てこの際、洗いざらい学術会議の予算の執行、活動(研究)、配分内容を積極的に国民に公開してしかるべきではないのか。むろん、政府も人件費も含め、分かる範囲内で予算の内訳を発表すべきだ。学術会議も、政府も、国民の関心事でもある一番肝心な予算面に触れようとしないのはなぜか。私には、そこが腑に落ちない。学術会議の方が、既得権益にしがみついている感じがしてならないのである。
 マスメディアも、野党もそこを追及すべきなのに。<学問の自由>の侵害という、学術会議のつごうのいい言葉に乗せられたままで全然なってないのである。何度も言うが、予算をわかりやすく図表化して見せれは当然、問題点は浮かび上がる。それだけのことがなぜ、出来ないのだ。でなければ、何か重大なことを隠している。そうとしか思われない。私はそのことを指摘している。
 そこには、学術会議にはびこる利権のようなものが蠢いているのではないか。そんな気が直感でするのだ。私にはなぜか、かつてお世話になった作家山崎豊子さんが描いた医学界の権威と権力にまぎれ汚れた、一種独特の腐り切った世界【白い巨塔】が思い出されるのである。今回に限って言えば。政府も学術会議も、どっちもどっちではあるが、あえて言わせてもらえば政府の言い分の方が正しいと思う。(それとも、政府内部にも学術会議の利権圧力に染まり、真実を言えないでいる輩がいるのだろうか。まったくもって。双方ともに真相を明かさないとは何たることだ。もっともらしく、学問の自由をふりかざし、自己主張ばかりを正当化し、嘆かわしいかぎりだ。おまえら、一体全体何をしているのだ、と言いたい)

 ちなみに、けさ13日付の中日(東京)新聞特報面の【学術会議6人任命拒否で政府連発「総合的、俯瞰的」って? 】も読むと良い。確かに「総合的、俯瞰的」とは、わかりづらい。意味不明だ。政府は、もっとズバリと6人の任命拒否に至った説明を赤裸々、かつ正直にすべきだ。
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 長野県に大きな被害をもたらした台風19号の上陸から12日で1年。これに先だって11日、千曲川の堤防が決壊した長野市長沼地区で住民らが追悼と復興のつどいを開いた。
 岐阜県の古田肇知事(73)が来年1月の知事選に五選をめざし出馬する意向を固めた。複数の関係者が明らかにしたという。
 スウェーデン王立アカデミーが12日、2020年のノーベル経済学賞を米スタンフォード大のポール・ミルグロム教授(72)とロバート・ウィルソン名誉教授(83)のふたりに授与する、と発表。競売、オークションに関する理論を構築し、社会的に実用化された功績が評価されたという。
 昭和歌謡を代表する青学大出身作曲家の筒美京平さんが今月7日に誤嚥性肺炎により死去。80歳だった。東京都出身。筒美さんは「黄色いレモン」「また逢う日まで」「さらば恋人」「木綿のハンカチーフ」「魅せられて」など数々のヒット曲で知られた。日本は、大切な人を亡くした。
 大手の旅行予約サイトで「Go To トラベル」キャンペーンの割引適用を制限する動きが続出。旅行の予約が急増し、割引のため政府から各サイトに割り当てられた給付金枠が不足してきたのが理由だという。

2020年10月10日
 土曜日。世の中、いろいろある。
 きょうの東海地方。幸い、台風14号の直撃コースこそ外れたものの、紀伊半島南海上への接近、通過に伴い、昨日に続き朝からずっと雨、雨、雨。まったく〝いやになっちゃう〟とは、このことか。デ、わが家のアイドル、【シロはなんでも知っている】の愛猫シロちゃんは、おかあさんの傍らでずっと寝たきり。こんな悪天つづきでもあり、まだまだヨチヨチ歩きのおかあさん。きょうも昨日に続き、お店を休みにしたからだ。

 話は変わるが。きのう10月8日。NHKラジオから流れるラジオ深夜便の女性アナウンサー(確かムラカミサトワさん、だとうかがった)のその日の最後のあいさつには、本当にホッとする、言い尽くせない、【やさしさ】を感じた。さっそくメモ書きした内容は以下のとおりである。
――みなさん。おからだを大切にお過ごしください。きょう1日、穏やかに過ごせますよう。よい日でありますように。そして笑顔の瞬間が訪れますように
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 さて。ノーベル賞の方だが。8日、スウェーデン・アカデミーが文学賞を米国の詩人ルイーズ・グリュックさん(77)に授与すると発表したのに続き、9日はノルウェーのノーベル賞委員会が2020年のノーベル平和賞を国連の世界食糧計画(WFP、本部ローマ)に授与する、と発表。被災地域や紛争地での食料配布などを通じて人道支援やさらなる紛争の予防に貢献している点が評価されたという。どちらもノーベル賞にふさわしいな、と思った。

 一方の原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分問題だが、最終処分場選定を巡り、北海道寿都(すっつ)町の片岡春雄町長と神恵内(かもえない)村の高橋昌幸村長が8日、文献調査に進む意向を相次いで表明。2町村が同時に調査入りする可能性も出てきた。調査が始まれば、2000年の最終処分法施行いらい、国内で初となる。

 菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題。日本数学会や日本物理学会など自然科学系の93学会が9日、「政府により理由を付さずに任命が行われなかったことに関して憂慮している」との緊急声明を発表。新聞には【学術会議改革 強権的手法は許されぬ(10日付中日新聞社説)】はじめ、【首相「推薦名簿見てない」 学術会議組織見直しへ】【学術会議人事 「選考 法律と違う基準適用」 野党ヒアリング大西元会長ら批判】【「対話で早期解決を」 自然科学系93学会が声明】(中日新聞)【任命拒否首相「変更ない」 学術会議6人含む名簿見ず インタビュー】【安倍氏から引き継ぎなし】【人事介入説明を】(毎日新聞)などといった見出し。
 まったくもって、どっちもどっちだ。私が言いたいのは年間10億円ものお金を投入している以上、学術会議がそのお金を具体的にどう使っているのか。政府も任せっぱなしではなく、把握をしっかりしておけよ、と言っているのだ。(まさか、そんなことはなかろうが。会員がそれぞれ分け前に預かっているのならいるで、そのことを正直に一覧表か何かにして十億円の出と入りが一目瞭然、わかるようにして国民の前に見せるべきだ。しっかりした研究目的があって使う正当な予算と報酬ならば、それはそれで国の発展のため、全く問題はない。むしろ、増額すべきではないか。それを政府も学術会議側も自分の言い分ばかりを主張して、不利な点は隠蔽して言おうとしない。だったら、本来国民のため学術発展をめざすべき学術会議が学者たちの権謀術数、金権集団、ある種特有の名誉欲のたまり場にもなりかねない。こうした組織には、知らぬ間にボスのような輩も生まれるのである。私は、そういう心配、危険が大いにある、と言っているのだ。)
 ましてや、このコロナ禍の時代に入り、お金が安易に垂れ流しになりがちな、そんな気がするので「そういうこと(具体的には、手当ても含めお金の使い道と使用基準)は、しっかりしておかなきゃいけないよ」と、ごくごく当たり前のことを指摘しているだけのことである。文学者たちの多くは、生活を犠牲にして苦しい生計のなかで日々、ペンを握っているのである。こうした観点から思うに、学術会議も国も自分に不利なことは口をつぐんだままで、卑怯極まりない。同じ穴の狢(むじな)だ、と言いたいのである。学問の自由。むろん、大いに結構だ。だが、学術会議のめんめんも胸に手をあて考えるべきだ。その面でも、この際、学術会議の予算の具体的使用内容を国民に洗いざらい示してみたらどうか、と思う。うわべだけの【学問の自由】なぞ、聞いてあきれる。振りかざすな、と言いたい。それより10億円の使途を国民に説明すべきだ。国民は皆、懸命に生きているのである。

 また、政府も政府で(または日本学術会議は会議で)この際、10億円の使途につき具体的内容を分かりやすく国民に開示すべきだ。事務局スタッフだけで50人もおり今になって行政改革を、などの声も出ているというが。彼らの人件費は、この10億円の中に入っているのかどうか。そこからして国民に明示すべきだ。
 学会員は特別公務員で手当が払われている、と聞いているのだが。その手当の具体的内容はどうなんだ、とも言いたい。いずれにせよ、両者ともに公明正大に臨んでほしい。私には両者とも自分に不都合なことは言わないまま論点をすり替えている。そんな国民そっちのけの、自分たちさえ良ければいいのだ―といった悪しき図が透けて見えるのである。
 だから菅首相も、この際思ったことをズバリと言ってこそ、〝菅さん〟である。まさか前首相との「忖度密約」に足を取られていることはない、とは信じているのだが。いずれにせよ、両者とも疑問点を明かしてほしい。学術会議には10億円の使途はじめ、これに関わる全ての予算をこの際、洗いざらい分かりやすく、国民の前に示すべきだ(マスメディアのどこも、この点を追及していないのが私には不思議で、とても信じられない。マスコミ各社も甘い世界は変わらないからかもしれない。世の中を本当によくする。そうした気概が望まれる。私が現役のデスクなら、手ぬるい取材をした記者をその場で張り倒したに違いない)。
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 政府は9日の閣議で長野県松本市と愛知県一宮市を来年4月1日付で中核市に指定することを決めた。全国の中核市は62になる。保健衛生分野などの権限が県から移譲される。秋の高山祭(国重要無形民俗文化財)が9日、岐阜県高山市桜町の桜山八幡宮で神事のみで行われた。
 フランス保健当局が9日、国内で新型コロナウイルスの感染確認が前日から2万339人に増えたと発表。1日の増加数が2万人を超えるのは初めてで、第2派の勢いが迫っているという。累計感染者数は69万人以上だという。またロシア政府も9日、前日からの新規感染者が過去最多の1万2126人だった、と発表。9日時点の感染者は127万2238人に及んでいる。
 ロシアのラブロフ外相が10日、アルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフ地域を巡って軍事衝突を続ける両軍が停戦することで合意した、と発表。捕虜の交換、遺体の引き渡しなど人道的目的がその理由だという。

 ……今年はマツタケが絶滅危惧種に指定されたことに驚いた人が多かろう。危険度は上から3番目の「危急」。マツタケの生育するマツ林が減ったためで、人間による採りすぎという話とは少し違うらしい(10日付毎日余録から)
 米大統領候補によるテレビ討論会を主催する大統領候補討論委員会が9日、南部フロリダ州マイアミで15日に行う予定だった第2回テレビ討論会を中止する、と発表。トランプ大統領の新型コロナウイルス感染を受けて実施形式を映像中継によるバーチャル開催に変更したが、対面式を求めるトランプ氏が反対したため調整がつかなかった。
 上川陽子法相が9日の記者会見で婚姻届や離婚届の押印の廃止を検討している旨を明らかに。「婚姻届や離婚届の押印も含め、さまざまな行政手続きがあるので、そのオンライン化も進めたい」と述べた。
 韓国南東部・蔚山の33階建て高層ビルで8日午後11時過ぎ、火災が発生。ビルのマンション部分や近隣の住民ら数百人が避難。約90人が病院に搬送された。

2020年10月5日
 秋澄めりりんの音色のあの世まで
 鰯雲そんなに群れてどうなるどうする
 楽しみはよく眠る事秋夜長
 =伊神舞子の<白猫の俳句 minuetto-mi>から

 スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞選考委員会が5日、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者を発表。受賞が決まったのは、アメリカのNIH=国立衛生研究所のハーベイ・オルター氏、カナダのアルバータ大学のマイケル・ホートン氏、アメリカ、ロックフェラー大学のチャールズ・ライス氏の3人。受賞理由は「3氏はC型肝炎ウイルスの発見によって多くの慢性肝炎の原因を明らかにし、輸血などの際の検査ができるようにしたほか、多くの命を救う治療薬開発の道を開いた」としている。

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 10月5日。月曜日である。「脱原発社会をめざす文学者の会」(加賀乙彦代表)の【会報第19号 2020年10月】が先日、手元に届いた。
今号のテーマは「新型コロナウイルス時代の<愛>と<読書>で、どの原稿も会員の思いがよく伝わってくる内容だった。以下、掲載された全作品と筆者名を記録としてここに書かせていただく。
 ▽避難者とプルトニウム(天瀬裕康)▽前の世界はなくなった(伊神権太)▽心のありかた(北久保まりこ)▽手元に置きたい本(竹内充)▽穏やかなりコロナの日々(広谷鏡子)▽四十日間(野武由佳璃)▽コロナ禍で失われたもの、得たもの(村上政彦)▽『万葉集』は疫病の時代だった(森川雅美)▽人はリモートでは生きられない(山本源一)

 わが家に届いた脱原発をめざす文学者の会の会報19号
 
 

 ここわずかの間に米トランプ大統領夫妻の新型ウイルス感染(陽性)に始まり、システム障害からの東京証券取引所での終日、株式全銘柄の売買停止(東証の取引終日停止は初めてで世界でも異例。東証のシステムを利用する札幌、名古屋、福岡の証券取引所も全銘柄の売買を終日停止した)と市場の思わぬ突然の閉鎖、菅義偉首相による学術の立場から政策を提言する政府機関「日本学術会議」から推薦された新会員候補105人のうち法律学者ら6人の任命を拒否した問題などいろいろあった。
 なかでも、この任命拒否問題。新聞、テレビ、ラジオなどのマスコミが連日、多くの時間をかけ繰り返し報じてはいるのだが。でも待てよ―と思ってしまう。確かに問題であるにはあるのだが。逆の見方をすれば。むしろ、なぜ拒否されたのかを「日本学術会議」側も真剣に考えるべきではないのか。
 いやしくも日本国の国政を預かる首相に任命拒否が認められているのなら、それはそれとして当然、許されてよいではないのか。何もトコロテン方式で任命を認めること自体あってはならない。だったら、やる気いっぱいの新首相に新会員の名簿など見てもらう必要もないのではと、こんなことを思ってしまう。
 それに、何も首相は「日本学術会議」の推薦母体のロボットではないはずだ。自らの考えを示すことは大切なことで、日本学術会議の方も、なぜ拒否されたのか。胸に手を当ててしっかり考えてみる必要があるのではないか。逆に菅首相も正々堂々と、なぜ拒否したのかを胸を張って記者発表すればよい。ただ、それだけのことだ。私の相棒、伊神舞子は一連の報道を耳に突然、私を見つめ「すがさん。自分ではいあがってきたお方だから。結構冷たいわよ」と私に話しかけてきたが、そうかもしれない。(結局、菅首相は今夕、首相官邸で記者会見を開き内閣記者会のインタビューに答えたが「任命拒否は適法で、これまでのような前例踏襲でよいものかどうかと疑問を呈し、任命の見送りは、学問の自由とは全く関係ない」と言い切ったが、それで良いと思う。それよりも、むしろ日本学術会議が利権集団の巣にでもなっているとしたなら、だ。国民としてはたまったことでない)。
 と同時に、この事態を見ながら次元こそ違うが私自身、現役記者時代から、大きなヤマ(事件)に突き当たるたびごとに、自らに言い聞かせてきた言葉【誰よりもホッとではあるが、誰よりも非情な世界】に徹してきた姿勢に思いをはせたのは、なぜだろう。話は飛ぶが【罪を憎んで人を憎まず】の鉄則にも忠実に歩んできた。この際、菅さんには思う存分にやって頂きたくも思う。前の嘘しか言えなかったお坊ちゃん首相には何ひとつ得るところはなかった。でも、菅さんのことだ。悪の道の継承をすることは決してなく少しずつ改善していってくれるもの、と信じたい。

 私は今回、各社の一連の報道を見ていて任命拒否を、そんなにシャカリキになって怒るべきことなのか。だったら、「日本学術会議」側も6人を上回る資質の人材を出してこれば、それですむではないか、とも思った。そして。それは、それとして、だ。「日本学術会議」そのものの内部に序列とか権力めいたものがはびこる、学会特有の腐りきった利権体質でもあろうものなら、だ。それこそ論外である(国民としては、むしろ学術会議の方に新会員候補者をどういう基準で選んだのか、そこを問いただしてみたい。ほかに、10億円もの予算の使い道や手当てに関しては、どこも取材不足で政府発表まで見当たらなかったが、そこも知りたい。本来、報酬などなくて当然の組織のはずだが。それで一方的に任命拒否された―と、ワイワイ騒いでいるのかもしれない)=きょうの報道で知ったが、どうやら「日本学術会議」には年間10億円もが投入され、手当てまで払われているという。なんたることだ。
 そして。「日本学術会議」(名前はいい)そのものの内部に膿があるのかないのか。事務局業務には日ごろ誰が携わり、具体的には何をしているのか。会議そのものを切開手術する必要はないのか。菅首相は、浅い取材のマスメディア(メディアの全てがそうだとは言ってはいない。殺しやサンズイ、すなわち汚職取材などの場合、記者の世界には【捜査のはじめ、現場に戻れ】の言葉があるが、そういう取材をせよ、と言っているのだ)などに踊らされることなく「なぜ、6人を拒否したのか」について正々堂々と胸を張って言うべきだ。当然、間違っていれば改善もしてほしい。私に言わせれば、どいつもこいつもなっていないのである。本当に、日本のことをどこまで思っているのか、と言いたい。いや、叫びたいのである。

 一方のトランプさん。こちらも、大統領とて人の子、新型ウイルスに感染したところで今や、何ら不思議でないのである。ましてやアメリカは4日現在、新型コロナウイルスの感染者は738万2944人と世界最悪。死者も同日現在で20万9394人に達している。(いずれも米ジョンズ・ホプキンズ大の集計による。ちなみに世界全体の感染者は、同日現在で3492万4564人、死者は103万3511人)。この数字を見る限り、世界の誰が、いや目の前にいるあなたが新型ウイルスに感染していたとしても、もはや何ら不思議はないのである。
 デ、けさの新聞には【トランプ氏「数日が試練」 症状悪化懸念消えず コロナ感染】【トランプ氏コロナで入院 「焦点」 政権の病状説明錯綜 主治医は楽観的/首相補佐官「今後48時間が重要」 保守派判事承認に暗雲 共和党上院議員の感染相次ぎ】(毎日5日付)【トランプ氏「数日が正念場」 米紙「入院前に酸素吸入」】【医師団が説明訂正や楽観論 トランプ氏容体巡り混乱】(中日5日付)といった見出しが、さらに本日付中日夕刊では【トランプ大統領にステロイド薬投与 医師団「5日にも退院】【NY再び都市封鎖へ 一部地区で感染ぶり返し】と報じられている。
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 本日付の中日夕刊によれば、加藤勝信官房長官がこの日の記者会見で日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命拒否を巡って日本学術会議法の任命拒否を巡り、日本学術会議法の解釈変更はしていない、との認識。同法は、会議の推薦に基づき首相が会員を認定する、と規定。また加藤氏は会議の関連予算として毎年約10億円を支出し、会員は特別公務員に当たる、とも説明。「首相が任命権者としての責任において会員を任命してきた」と重ねて強調。(庶民の多くが1円、2円に苦しんでいるというのに。本来、メンバー1人ひとり収入があるはずの日本学術会議に毎年10億円も出すとは、一体全体なにごとだ。日本を幸せな社会にすべくボランティアですべき仕事ではないのか。当然、日本学術会議の組織そのものが利権にかられ、思ってもいなかった任命拒否に遭い、うろたえている。そんな舞台裏の悪態が見られるのである。
 菅さん! この際、真に日本国民のためになる学者だけ、10人ほどに絞り込み、予算も必要最小限の経費だけに抑えてみたら、どうか(必要だと判断した段階で奮発したらいい)。交通費は別に、手当などは必要ない。幸せな国土をつくるには大ナタが大切ですぞ。野党の連中も矛先を誤っている。マスメディアも、取材の基本すなわち利権と名誉欲に動く連中=全部が全部そうだとはいわない。まじめで情熱溢れ、本当にみんなの幸せを願っている会員がいることも事実ではあるのだが=を追及する肝心かなめの取材がなってない)
 愛知県の大村秀章知事が5日の定例記者会見で県庁の行政手続きについて印鑑の使用を廃止する方向で検討している旨を表明。「不動産売買や銀行の契約書といった取引以外は基本的に押印がなくても困ることはない」と同知事。
 福井県高浜町の関西電力高浜原発3、4号機を巡り、福井県や名古屋市の住民計9人が5日、新たな知見に基づく安全対策が終わるまで運転停止を命じるよう原子力規制委員会に求める行政訴訟を名古屋地裁に起こした。弁護団によると、停止命令を出すよう義務付けを求める訴訟は全国で初。東京電力が福島第一原発の1~4号機の監視や事故対応に当たるため敷地内の免震重要棟に常駐する当番運転員の体制を見直すことを決めたという。現在の7人編成を「4人以上」に変更する。事故から9年半たち放射線量が低下、緊急時の現場作業もしやすくなったため、最低4人いれば緊急時の対応も可能だ、と判断したという。
 パリはきょう、その息子の死を悼んでいる(パリ市長)ー世界的なファッションデザイナー高田賢三さんが9月上旬、新型コロナに感染、入院治療を受けていたが4日、パリ近郊の病院で死去。81歳だった。フランスのバシュロ文化相は「パリで最初に頭角を現した日本人デザイナーでした」との追悼声明を発表。
 日本郵政グループが保険の不正発覚を受け昨年7月から自粛していた営業活動を5日から再開。タイ警察が4日までに北部チェンマイで大麻を販売目的で違法に栽培していた地元大学院生、小宮克久容疑者(41)とタイ人4人を逮捕。
 中部国際空港(愛知県常滑市)に本社を置く格安航空会社(LCC)のエアアジア・ジャパンが5日、新型コロナウイルスによる旅客減から事業を廃止する、と正式発表。同日、国土交通省に中部と札幌、仙台、福岡、台北を結ぶ全4路線の廃止を届け出た。二百数十人いる社員は一部を除き、11月4日で解雇されるという。新型コロナの影響で事業から撤退するのは国内の航空会社では初。
 毎日新聞夕刊によれば、新宿歌舞伎町、渋谷センター街など等。中国広東省仏山市の一角に東京の街並みを模した商店街「一番街」が出現。今月1日の建国記念日(国慶節)に伴う大型連休中、日本好きの若者ら大勢でにぎわっているという。