詩「母」

仕事帰りに母を訪ねた
すっかり白くなった髪
小さくなった背中
でも優しい笑顔は変わらない

  倖せな時間に包まれた私

帰りしな母の手をそっと握って
「風邪をひかないでネ」と言ったら
「お前こそ気ィつけてナ」
そう言って握り返した手はとても温かだった。

  母は私のふるさと

見送りながら微笑む母の目の中に
私の全てが息づいていた